注:本作に登場する人物たちは人の子です。英雄だったり怪物だったり半神だったりすることはありません。魔法生徒もしくは魔法先生です。
ホグワーツ魔法魔術学校。
それは千年以上の歴史を誇る魔法使いと魔女のための養成学校。
全寮制で入学した学生たちは創始者の名前を冠する四つの寮に組み分けされ、7年間を学友とともに過ごすこととなる。
その長い歴史の中には暗黒期となる時代もあったが、近年ではイギリス魔法界を覆った暗雲──名前を呼べなくなった例のあの人──と毅然として立ち向かった偉大な魔法使いアルバス・ダンブルドアが学校長を務めることで、ヨーロッパでも屈指とも呼び声高い魔法学校だ。
たとえ昨今では教員たちの吐血率が異様に高く、校舎となっている歴史あるホグワーツ城が幾度も崩壊の危機に瀕していようとも、学ぶ学生の質だけは、幾つもある魔法学校の中でもトップだともいわれているのだ。
今年────かつて猛威を振るった“名前呼べなかったから忘れちゃったけど、たしか例のあの人”が姿を消してから10年の時が過ぎ、魔法界では英雄の一人とももてはやされた少年が入学するこの年、
入学案内をフクロウ便で受け取り、マグル生まれの子供は教員らとともに、魔法族生まれの子供は両親らとともに入学準備を終え、ホグワーツ特急に揺られて到着したのもつい先ほど。
現在、新入生たちは伝統ある組み分けの儀式に臨んでいた。
そして順番は今、一人の少女の番。
肩口ほどのショートヘアーは銀髪。
組み分け前なので寮のカラーのネクタイは胸元にはないが、その胸部装甲は新入生にあるまじく、年齢不相応に盛り上がっている。
組み分け帽子を頭に乗せた彼女には、自身が進むであろう寮がこの上なく明確なヴィジョンとして描かれていた。
知性とやらを鼻にかけた鼻持ちならないレイブンクロー? ──―違う。
間抜けで落ちこぼれぞろい、その上、いの一番にあのスカポンタンが配されたハッフルパフ? ──―違う!!
目立ちたがりで独善的な傲慢ちきぞろいのグリフィンドール ──―断じて断固として、絶対に、ありえないほどに、違う!!!
そう──―黒き自分が選ばれるに相応しいのは、機知に富み、秘めたる才知あふれる寮。スターを集めてバスターで殴るかのようなエレガントな────
「グリフィンドォール!!」
「なんでよ!!!」
少女は帽子を地面に叩きつけた。
〇 〇 〇 〇 〇
「ふざけんじゃないわよ! なんで私がこの脳筋聖女様と同じ寮なんかにならなきゃいけないのよ! 腐ってんじゃないのあのクソ帽子!」
組み分け帽子に悪態を吐こうが、喚こうが、かの帽子は一度決め、口にした決定を曲げることを断固として拒み、少女はあえなくグリフィンドールへと配属されることとなった。
散々に目立ち、自寮のことを悪し様に罵る新入生を、多くの
「いけませんよオルタ。そのような言葉遣い」
だが、そんな少女を金髪の少女が慈愛と喜びに満ちた表情で出迎えた。まるで聖母か聖女の如き微笑みを浮かべる少女の顔は、散々に悪態をつく銀髪の少女の顔と瓜二つ。
「かの組み分け帽子は古き伝承持つ、由緒正しい帽子。その組み分け帽子が下した啓示なのですから。間違いのあるはずありません。それにこれで七年間、同じ寮で生活できるのですから、お姉ちゃんも嬉しいです」
それもむべなるかな、彼女と彼女は血を同じくする実の姉妹。
「はぁ!!? 姉じゃないでしょ! 近所に住んでるだけの腐れ縁! いい加減、姉を自称するの止めなさいよ!」
────などということはなく、単に近所に住んでいるという間柄でしかない。
銀髪の少女の名はジャンヌ・オルタ。
そして金髪の聖女のごとき少女の名はジャンヌ・ダルク。
何の因果か、金と銀の髪の色、碧眼と金の瞳という色の違いを無視すれば、まるで鏡合わせのように同じ顔、同じ背丈、同じ体躯、同じバストの大きさ。
これで赤の他人というのだから、まるで奇跡のようなめぐり合わせだ。
とはいえ狭い魔法族のコミュニティ。先祖を遡れば6代くらい前には姉妹であったこともあるらしい。
「生まれた家が違うくらい些細なことですよ」
「些細じゃないわよ! 大きな違いよ!」
「私とあなたはまったく同じ日、同じ時間、同じ場所で生まれたのですから。これが運命と言わずなんだというのです」
「ただの偶然! 腐れ縁! そもそも同じ場所って言ったって親が入院していた病院が同じだっただけでしょうが!」
あ、こっちも双子なんだ。
なんだ反抗期か。
ツンデレ銀髪少女乙。
などなどと上級生たちが思ったかどうかは定かではないが、先にグリフィンドールに選ばれていた“お姉ちゃん”の人当りのよさや礼儀正しい態度と、彼女が親し気に、そしてあやす様なあしらいをしていることで、幸か不幸か、ジャンヌ・オルタはツンデレ気味の双子妹としてグリフィンドールに受け入れられたのであった。
そして何より────
「グリフィンドォォーォル!!!!」
うぉぉ! ポッターをとった! ポッターをとった!
「あら? こんにちは! 初めまして! 私はジャンヌ。ジャンヌ・ダルクといいます。一緒の寮になれてうれしいです!」
「あ、えっと、手……うん。よ、よろしく、お願い、します……」
顔を赤くしてドギマギしている額に傷のある少年の様子に、「ああ、こいつもか」とジャンヌ・オルタは呆れたまなざしを向けた。
新たにグリフィンドールに選ばれた少年、ハリー・ポッター。
魔法界の英雄。生き残った少年ともいわれる彼も、ここに来るまでは親戚の家にひきとられたいじめられっ子。友達もなく、むろんのこと親しい女の子もいない少年生活を送ってきたのだ。
それがここにきて、魔法だなんだ、生き残った少年だの英雄だのと言われて混乱しているところにこの歓迎ぶり。
両手を柔らかく握られ、至近距離で聖女のごとき可憐な美少女の笑みを向けられては、女子への免疫などない初心な少年にはひとたまりもあるまい。
むしろ男女の差など気にしたことのなかった子供心を一気に花開かせて、“気になる女の子”をつくりだした。
無論のこと、
なのでフラグはまったく成立していない。
けれどももしかしてこの子……と淡い期待を胸に抱かせる残虐的行為。
無自覚で男子を勘違いさせる天然のムーブ。
つまりはこれがデフォルト対応。
オルタが早々にグリフィンドールに受け入れられたのもこれが原因だ。
聖女のごとき美少女と同じ顔とスタイルを持つ美少女なら、ちょっとタイプが違うけどだからアリと、考えた上級生がいたとかいないとか。
オルタが周囲を見ればすでに何人か、今のハリー・ポッターと同じように、握られていた柔らかな手の感触を思い返そうとしているのか陶然としている気持ち悪い感じの男子がチラホラと見られ、彼女は呆れ交じりの褪めたため息を吐いた。
「おっほん。新入生のみなよ、おめでとう! 今年もまた多くの、ユニークな新入生を迎えることができた。歓迎の宴でみなの腹が膨れ、節度と記憶とがあいまいとなる前に、一言二言、三言四言、上級生にも新入生にも、そして幾人かの先生たちにもお伝えせねばならんことがある」
新入生組み分けが終わり、学校長であるダンブルドア。イギリス魔法界における平和の功労者にして偉大なる魔法使いが、咳払いとともに口を開いた。
「まず、校庭にある禁じられた森には入ってはいかん。
森番の一人であるヘシアン先生との劇的な出会いによって、昨年にも幾人かの生徒が森を焼きかねない事態になったことは上級生および先生方ならご存じのことであろう。
夏休みにはすでにマグル学のクィレル先生が森にて命を落とされておる。
可哀そうなもう一人の森番を悲しませないためにもぜひとも森はそっとしておいてほしい」
ぎょっとした新入生たちは気づかなかったが、上級生たち、そして教員の数名はハッとしてクィレル元先生の担当していた闇の魔術に対する防衛術の教授の座を狙っていると評判の魔法薬学の教授を見た。
驚き眉間にしわを寄せているその姿から何かの陰謀を悟ることはできるだろうか。
その横に座るレイブンクローの寮監は、女性と見紛うばかりのその美しくも儚げな面に悲しげな表情を浮かべていた。
「続いて管理人のフィルチさんから、廊下では魔法を使用しないように、せめて城壁を破壊しないレベルの慎ましいものに控えていただけると感涙にむせぶことになるだろうという懇願があった。
前年度の途中で過労により玄関口で静かに眠るフィルチさんを目撃した生徒も多数いるじゃろう。
哀れなフィルチさんは校医のカレン・C・オルテンシアの介抱では回復せず、夏休み中、聖マンゴ魔法疾患傷害病院で過ごされた。「あんなところ二度と戻るか!」と泣きわめかれたのを有無を言わせず連行……もとい、無理を言って戻ってきていただいたので、今年度はぜひとも心休まる一年を、せめてひと月、あるいは一週間でいいので送らせてあげていただきたい」
某管理人、そして一部生徒たちから、まず校医をまともな人に変えてくれとの声があがった。
「続いて呪文学のフリットウィック先生、ほか多数から、廊下ならびに教室、ならびに校舎の付近での決闘行為を禁止していただきたいとの要請があった。
昨年、元気溢れる上級生の幾人かが天井をぶち抜いてフリットウィック先生の研究室を4割、校長室の8割を消滅させてしまった悲劇は繰り返さないよう、重々お願いさせていただきたい」
寮監をはじめとして諸先生方が重々しく頷く姿が新入生たちの眼には映ったが、それを聞いているはずの上級生の中には、その言葉は異世界の言語で話されているのではと思われる顔があった。
「続いてスリザリンの寮監であるスネイプ先生から、研究室に所蔵されている薬品類などの持ち出しをやめていただきたいとの嘆願があった。
昨年だけでも非破壊的な盗難が最低5件、周囲に残骸が残っていた破壊的な盗難が47件、残骸すら残っていなかった部屋ごとの蹂躙的盗難が2件、確認されており、盗難されたと疑わしき懸案については78件を超えるものと予想されておられる。
先生の研究室には盗難対策として錬金術担当のパラケルスス先生のホムンクルスを配備することを検討してはと申し出たところ、スネイプ先生から“そいつが諸悪の根源だ! ”とのお返事もいただいたため、現在は魔法のカギでの施錠を試みている。
だが残念ながら、この施錠が蹂躙的な盗難──―征服王の略奪なる行為を抑制できるものではないことは、この4年間で幾度も証明がなされている。
先生がた、ならびに生徒諸君も遵法精神に基づいた行動をお願いしたい」
数多の被害を被っている魔法薬学の教授は苦々しげに自分の隣に座る、自分の座を狙う錬金術の科目担当であるレイブンクローの寮監の姿を見た。
まるで世の儚さを憂うかのような顔をしている。
「続いてグリフィンドールの寮監であるマクゴナガル先生を筆頭とした女性教員数名ならびに女生徒多数から、全裸もしくはそれに準じる装いで学校内を徘徊することをやめていただきたいとの繰り返しとなる訴えがあった。
自由を愛する校風であるところのホグワーツじゃが、学び舎として最低限の現代的な節度は学んでいただきたい。
失恋のたびに全裸で校内を走り回るのも、日常的に半裸以上の状態で過ごすのも、征服王略奪の凱歌なる行為で下の装備品なしに校内を練り歩くのも、現代のマグル、および当世の魔法族社会に溶け込むのに相応しからざる行状となっている。
生徒諸君の道徳的精神に期待したいとこではあったのだが、この場にて校則として禁止されたことを申し伝えたい」
マクゴナガル先生の眉根がまるで定規をあてたかのように一直線になっていた。
グリフィンドールの男子生徒から上がった「それは必要なかろう?」という心底不思議そうな疑問の言葉は、拉致気味に隣に座らされていたとあるレイブンクロー生による「必要不可欠だ!」の反論を受けていた。
「そのほか多数の校則についてしたためたものを各寮に掲示しているので、是非とも熟読していただきたい。──── 特に各寮の監督生たち。
当校では学期内における模範的行動に対して各寮に点数が配られ、学年末には表彰がなされるものであったが、ここ数年はみなが貯めた点数をいかに大規模に、華々しく、劇的に減らすかの競争のようになってしまっておる。
なお、昨年の最多減点行為はグリフィンドール寮の監督生の行ったスネイプ先生の研究室の襲撃事件──“征服王の略奪とそれに付随した凱歌諸々における酒池肉林の騒動”を罰したものであった。
今年はぜひとも、在りし日のホグワーツの寮杯の在り方を取り戻していただきたい」
ホグワーツの大広間には寮の得点を示す砂時計があり、今はまだ空のままの砂時計が4つ。
だがそのいずれにも大きな亀裂が無数に存在し、まるで魔法によっても修復は困難──あるいは無駄、であることを訴えるかのようだ。
「それでは最後に、例年であれば我が校の校歌を歌うこととなっていたのじゃが──―
昨年度戦慄的なアイドルデビューを飾られた者への配慮と、わしを含め
「なんでよ!!!!」「なぜだっ!!!」
という声はハッフルパフのドラ娘っぽい先輩と、グリフィンドールの金髪ロリ巨乳っぽい先輩からしか上がらず、その圧倒的少数の声は、教員や先輩方の納得と英断を讃える嵐のような拍手によってかき消された。
新入生はその謎の光景を首をかしげてスルーした。
すでに注意事項から嵐を予感させる学校生活だが、この日ばかりは平穏あれかしと誰かが願ったことだろう。
万雷の拍手をもって終えた新入生歓迎の後、賑やかな食事を終えた学生たちは、それぞれの上級生に案内されて、それぞれの宿所となる寮へと連れられて行った。
ちなみに────―
初対面の少女に初恋の片鱗をこの日淡く胸に抱かせられることとなった生き残った少年は知らない。
己が歩むはずであった艱難辛苦の道のりが、どこかで五行山・釈迦如来掌で圧壊昇天された上に、アイオニオン・ヘタイロイされて擂り潰され、さらにはエクスカリバられたことによってどこか彼方へ消え去ってしまったことを。
(ただし、それによって進むことになったこの√ が平穏無事な学校生活だという保証についてはゴールデン・スパークされている)
そしてジャンヌ・オルタは知らない。
これから3年の間で、姉を名乗る不審者は、あたかも寮の監督者であるかのようにグリフィンドールをまとめあげるほどの絶大な指導力とカリスマ性を見せるものの、同じグリフィンドールの同級生である額に傷を持つ少年とその友人らの悪戯、レイブンクローと間違えたんじゃないと思われるほどの才女と実際にレイブンクローになった真正の天才の激突、騒動を起こしまくる他寮のアホピンクとの彼氏を巡る奮闘などなど、あれやこれやの問題行動と衝突した結果、4年後、監督生に選ばれるのが、聖女の手綱を握ることを期待されて、妹と他称されることが既成事実となってしまった彼女になることを────―
続く?
妄想した設定の一部紹介 ~各寮監および新入生について~
グリフィンドール(バーサーカーや善属性、BBBに多い)
・寮監:ミネルバ・マクゴナガル
原作通り、とある箒に乗った魔法競技について以外は厳格な変身学の先生だが、原作以上にハチャメチャな寮生たちによって胃痛がマッハ。
・清姫(ルームメイト)
入寮初日の会話:そんなに嘘が嫌いなら尼にでもなりなさいよ⇒ハイ開戦です! それはとある
・アルテラ(ルームメイト)
クィディッチは悪い文明……? ⇒ハイ開戦! マクゴナガルが吠えた。
スリザリン(悪属性が多い……なんてことはなく、王属性が多い)
・寮監:セブルス・スネイプ
高笑いの大きな寮生(超優秀)が二人もいて胃痛がマッハ。研究室の金庫から貴重な薬品や魔法的品物が週に1度以上はなくなっている。(おそらく気づいていないものを含めるとほぼ毎日)。原作通りなのだが、なぜだか今年いきなり闇の魔術に対する防衛術の枠が空いてしまい、謀略を疑われているが、実は自身の魔法薬学の枠も狙われていたりする。
・ニトクリス
おそらく魔法界で最も古く由緒正しい血脈の純血で、本人もとっても優秀……なのだが、同じ寮の上級生にいる従兄が優秀すぎてコンプレックス。メンタル弱めでストレスが溜まりすぎると白シーツを頭から被って別人格になる悪癖がある。フケイ
・モードレッド
母上からは絶対にスリザリンに入れと言われている純血の名家。なのだがホグワーツ行の列車で見た憧れのあの人――悪戯好きな双子の悪ふざけを鮮やかな手並みで制圧した完璧な騎士のごとき上級生に憧れて獅子寮に入りたかった……
レイブンクロー(Arts宝具持ちが多い。この世界線にキャストリアはいないため寮杯はとれない)
・寮監:ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
錬金術の科目担当。虎視眈々と魔法薬学の座も狙ってますか? いえいえ、私など…おや? そういえばクィレル教授がおられませんね? 寮監が一番の問題児
・ダヴィンチ
自他ともに認める真正の天才。グリフィンドールの才女が読破した山のような書籍を後目に悠々と学年首位の座をキープ。ハーマイオニーの胃とカバンに穴が空きます。
・アストライア
グリフィンドールに居る誰かさんの天敵。マクゴナガルが規則を捻じ曲げて1年生シーカーを抜擢したことは許すまじ。
ハッフルパフ(サンバでも踊ってそうなおおらかな生徒もしくはスカポンタン系列多め)
・寮監:ジャガーマン
なんで貴女が? 寮生にとっても怖いルチャ使いがいるので、タイガーは怯える猫のようになってしまうのです。虎じゃねー! 寮監が一番の問題児かと思いきや、もっとあれなのがたくさんいて苦労人枠。
・アストルフォ
生粋のトラブル製造機。グリフィンドールの金髪聖女にはしょっちゅう怒られています。でも気にしない。彼氏のジークくんを巡って三角関係勃発。同じ寮だから有利だもーん。寮監や校長の胃に穴が空きます。
・ブラダマンテ
「ちょっと待ってあーちゃん! 貴方オトコノコでしょ!? なんで男子寮に行っちゃうの!?」 入学初日の事件はハッフルパフで伝説となった。
校医:カレン・C・オルテンシア
アスクレピオス? ナイチンゲール? あれらはただの学生です。この学校の保健室には愉快な感じの患者がやってくるから面白いですよね。
森番:ヘシアン・ロボ
半巨人の森番さんはどうしたって? ちゃんといるよ。罰則で禁じられた森に入るなんてとんでもない。森番さんにかみ殺されるぞ。
ちなみに昨年度の大規模減点ランキング第2位は、“黄金の激突”と呼ばれる事件です。
スリザリンのとある男子上級生が、グリフィンドール2年生の女子生徒に対して度重なる求愛行動を行った末、彼女のファンクラブメンバーと衝突を起こしたことに端を発する悲劇的な事件です。
その前年度から繰り返され、ヒートアップしていったその事件は最終的に昨年、ファンクラブメンバーたちによる全校生徒に向けたのではないかという大々的なカミングアウト―――“我が王のここが可愛い厳選百集”に耐えかねた少女が放った極光の斬撃魔法によって、スリザリンの黄金の男子生徒1名とグリフィンドールの円卓系男子生徒3名を吹き飛ばし、フリットウィック先生の研究室の4割と校長室の8割を消滅させ、ダンブルドアとフィルチの頭髪を儚く散らし、諸先生方の胃に穴をあける結末となりました。
なお該当の学生たちが極めて優秀なのと、同規模の違反行為が多発しすぎていて退学処分にはできない模様。