なんとか三話仕上げることができました!
まだ投稿して三日目ですが、感想や評価してくださった皆さんありがとうございました!
日間評価で検索したら、上から三つ目にあってマジ?って目を疑いました。
本当にありがとうございます!
今回はついにバトルシーン!ですが、今回も話のほうが多いですorz
正直、あまり自信がないですが、最後まで読んでもらえると嬉しいです!
それではどうぞ!
『天羽奏』は復讐者である。
彼女は幸せな家庭で日常を謳歌していたが、突如それを奪われた。
彼女の両親は聖遺物・・・神話や伝承、おとぎ話に出てくる武具を発掘、調査している調査員だった。この聖遺物は、現代科学では製造不可能な異端技術の結晶であり、それぞれに伝承通りの能力や破壊力を秘めた、ゲームのような伝説の武具である。それを解析、使用することで更なる技術の進歩やノイズに対する対策にもなるのでは、と考えられており各国でも聖遺物の発掘、調査、解析が行われている。
そして、彼女の両親もその聖遺物の発掘を娘達を連れて行っていたのだが、悲劇が起きた。
聖遺物があると思われる山の遺跡で発掘中に、ノイズが出現したのだ。
発掘チームは全滅・・・奏だけが唯一の生存者であった。
奏はノイズを憎んだ。大好きな家族を奪ったノイズを憎悪した。
この時代、家族や友人、親しい人をノイズに殺され、ノイズを恨む人間は珍しくなかった。しかし、災害であるノイズをどうこうすることは誰にもできず、ほとんどの人間は泣き寝入りをする以外になかった。
しかし、奏のノイズに対する憎悪は並外れており、さらにある情報を知ったことで、奏の復讐心は加速していった。
ノイズの被害者ということで奏は政府に保護された。そこで、聞いてしまったのだ。
ノイズに対する対抗手段が、秘密裏に開発されていることを。
そこからは我武者羅だった。ノイズの対抗手段が開発されている特異災害対策機動部二課に独自でたどり着き、ノイズを倒すための力をよこせと直談判。周囲の大人の説得を振り払い、復讐のための力、シンフォギア奏者になるための被験者となる。
幸いなのか、そうでないのか、彼女はシンフォギアの核である聖遺物の欠片を起動できるだけの適合係数は持っていた。しかし、シンフォギアを使えるほどの適合係数ではなかった。このままでは、シンフォギアを起動できたとしても、適合係数が足りない分のバックファイアとして身体にダメージがいき、満足に力を出すことさえできなかった。それではダメだ。それでは、全てのノイズを倒すことはできない。道半ばで倒れ、復讐を果たせない。
だから、適合係数を上げるための薬物・・・『LiNER』の開発のための薬物被験者となった。無論、簡単なことではなかった。未知の薬物の開発であり、適合係数を上げるためのいわばドーピング剤である。一発で開発することなどできず、何度もトライアンドエラーを繰り返し、そのたびに人体実験を行っているのだ。薬物を投入されるたびに、身体の拒絶反応や副作用により、全身に激痛が走り、身体に異常が起こり、血反吐を吐き散らした。とてつもない苦痛だった。だが、その苦しさすらも復讐のための原動力へと変え、ついに奏は第三号聖遺物であるガングニールのFG式回天特機装束・・通称シンフォギアを扱うだけの力を手に入れた。
力を手に入れたなら、次に為すべきことは決まっている。
ノイズ出現の報告が入るや否や、避難誘導や周辺の被害なんか二の次、誘導指示や命令など耳を貸さず、ただノイズのいる渦中に飛び込み、自らの復讐心のままにノイズを狩り続けた。
嬉しいはずだった。スカッとするはずだった。この胸の中に渦巻く怒りが収まると思っていた。
でもそうはならなかった。
確かに、ノイズを倒したときは嬉しかった。ざまぁみろって思った。当然の報いだって。
身体を駆け巡る激情のままに倒し続けた。
それでも、戦いが終わったときにはいつも何かが足りなかった。戦いが終わるとノイズを倒したという嬉しさや報復の達成感やらは消えてしまい、空虚感だけが残り、何が足りないのか、なんで憎いノイズを倒せたのにこんな気持ちになるのか、自分で自分の感情がわからなくて、それが余計にイライラして怒りだけが増していくように感じた。
そんな時だった。アイツを見つけたのは。
そして、気づいた。なんでこんなにも物足りないのか。
そうだ、そうだった。ノイズだけがあたしの敵じゃなかった。
いたじゃないか、ノイズと同じ敵が・・・力を持ってるくせにあたしの家族を見殺しにした奴が・・・!
あいつもおんなじだ!あいつも敵だ!あいつも家族の仇だ!
殺してやる!コロシテヤル!ブッコロシテヤル!
ソウスレバ、コノイカリガハレルハズダカラ
--復讐心は暴走する。足りない何かを補うために、悪意で埋め尽くす。
--彼女が悪意ではない足りないナニカを見つけるのはまだ先のこと・・・
「うおおおおおおおお!!!」
奏は人の土手っ腹に大きな風穴を開けそうな程巨大な馬上槍型のアームドギアをアークワンに向けて何度も叩きつけ、振り払い、突き穿つ。荒れ狂う怒りのままに無茶苦茶に槍を振るっているように見える戦い方だが、シンフォギアを纏う上で行ってきた訓練によって培われた確かな技術で振るわれている。一見、無茶苦茶に見えて、その動き一つ一つが洗練されており、一撃、二撃、三撃と最小限の動きで続けざまに攻撃を繰り出し、その戦いの様子から高い戦闘能力があることがわかる。
しかし、そんな連撃もアークワンには一撃たりとも攻撃が当たることはなかった。
叩きつければ身体を翻し避け、振るえばバックステップで距離を取られ、突けば片手で弾かれる。
まるで相手になっていない、いや、されていない。
奏は歯噛みする。自分は力を手に入れたはずだ。あの日、全てを失ったときから駆け巡る怒りを晴らすために力を求め、非日常の世界に飛び込み、血と汚物を吐き散らしながらも、それでもちからに手を伸ばし続け、掴み取ったはずだ。それがどうだ?ノイズはいくら倒しても湧いて出てくる。どれだけ倒したら全部駆逐できるかわからない。そして、今相対している仮面ライダーには、敵として認識すらされず、死に物狂いで手に入れた力などなんの意味もないと、お前のやっていることなんて無駄だと、全てを否定されているようで、あのときと同じ、今でも自分は無力で何もできない子どものまま・・・
「ッ!ふざけんなああああああ!!!」
違う!あたしは力を手に入れたんだ!家族を奪ったノイズを、お前を倒すために必死に手に入れたんだ!この怒りも、憎しみも、絶望も嘘なんかじゃない!あたしのやっていることは・・・!
「無駄なんかじゃない!あたしはもう無力なガキなんかじゃない!」
繰り出される神速の突き、常人の目には残像すら見えるかわからない奏が出せる渾身の一撃。
だが、その一撃をアークワンはバク転で躱し、さらにはその槍の上に着地してみせる始末。だが、そんな程度で奏は止まらない。
「ぶっとべえええええええ!!!」
そのまま流れるように突き出した槍を肩にかけ、己の持てる膂力を込めて振り上げ、槍の上に乗っていたアークワンを空へと投げ飛ばす。いくらあの化け物でも、身動きできない空中なら満足に回避なんてできないはず!そんな状況を活かさないわけがなく、最大の技を繰り出す。
「喰らいやがれええええええええ!!!」
LAST∞METEOR
槍の穂先が高速で回転し発生させる小規模の竜巻。それをアークワンに向けて放ち、空中に放り出されているアークワンは避けることが出来ず、そのまま竜巻の渦に呑み込まれていった。
自分の持てる力の全てを込めた文字通りの全力。回避できない状況下での放たれた、必殺必中の技。倒しきれなくても、ダメージにはなるはず。
そんな奏の予想は希望から作られた幻想であり、選択された現実は奏にとっての絶望だった。
「・・・ハハ、マジかよ・・・・・・」
竜巻が晴れた先にいたのは、何事もなかったかのような健在な様子で空に浮かぶ仮面ライダー。
アークワンの大腿部装甲、アークワンキュイスにはクーロンジェネレーターと呼ばれるエネルギー障壁発生装置が内蔵されており、電荷を操作してクーロンバリアを展開し全身の装甲表面に形成、物理的な攻撃を反発力で退けることができるのだ。このアークワンキュイスのベクトル操作能力によって、竜巻という螺旋状の突風エネルギーの塊を完全に相殺したのだ。もちろん、規格外な能力だが、これを操作するには精密なコントロールと周囲のエネルギー運動を完全に把握し、誤差なく計算する必要がある。しかし、アークワンにはそれを可能とする数億通りもの「事象に対する結論」を導き出す能力があり、その程度の計算など造作もないのだ。
そのままバリアを利用して自身にかかる斥力や引力を操作することで、まるで重力などないかのように静かに地面に着地するアークワン。
そのまま何をするでもなく、そこに佇むアークワン。これだけの攻撃をしてもなお、未だに反撃の一つもされないどころか『敵』とすら認識されなかった。
「・・・なんでだよ、なんでなんだよ!!!」
奏は叫ぶ。弱者の戯れ言、負け犬の遠吠え、子どもの癇癪のようであっても叫ばずにはいられなかった。
「なんで反撃の一つもしねえんだよ?!あたしはお前の敵だ!あんたを本気で殺す気で攻撃してんだ!余裕のつもりか、あたしなんか敵にすらならないって嘲笑ってんのか、そんなに力を見せつけたいのか?!ふざけんな!!!
ふざけんじゃねえよ!そんな力持ってなにがしたいんだよ?!なんでそんなに強いんだよ??!そんな力があるくせになんで、なんで、
なんでパパとママを、琴を助けてくれなかったんだよ!!!」
本当はわかってる。こんな叫びに意味なんてない。力をもってないやつが、力をもってるやつに対する醜い嫉妬の叫びでしかないって。パパとママ、琴が死んだのはノイズのせいで、仮面ライダーのせいじゃないってことぐらい・・・。いや、そうじゃない・・・!本当に悪いのは・・・
「パパとママが死んだのはあたしのせいだ・・・あたしが弱かったから、何もできなかったから・・・!何もできないあたしだから、パパとママが死んだんだ。弱かったから琴を助けられなくて、あたしだけが生き残っちゃったんだ・・・!」
何も出来なかったからパパとママが犠牲になった。
弱かったから琴を救えなかった。
本当に見殺しにしたのはあたしだったんだ。
それでも考えずにはいられなかった。もし、あのときにこのシンフォギアの力があれば・・・もし、あのときに仮面ライダーがいたなら・・・もし、仮面ライダーの力が自分にあれば・・・
そんな『もしも』が何度も頭の中によぎって、そのたびに幸せな日常を思い出して、そのたびにそれがもう戻らないものだってわかって、最後に絶望だけが残る。それを認めたくなくてノイズを倒し続けた。仮面ライダーを憎み続けた。苦しいことなんて耐えられる、地獄なんてもう経験した、力を手に入れられるならなんでもできるって粋がって、本当は残酷な現実から逃げていただけだった。
でも、仮面ライダーと戦って未だに弱い自分を突きつけられて、今まで避けていた現実を直視させられた。
気づけば、腹の中に抱えている怒りやら嫉妬やら後悔やらを吐き出していた。
「・・・なぁ、あんたはなんで戦ってんだよ。あんたみたいな無茶苦茶な力でも全部は助けられないのかよ・・・?」
自分でもなんでこんなことを聞いているのかわからない。色んな事吐き出してたら、頭の中が真っ白になって、気づけば勝手に口からでてた。さっきまで本気で殺そうとした奴にいちゃもんつけて、懺悔して、今度は質問をして一人押し問答をしてる自分に自分であきれ果てる。
(ほんと、なにやってんだあたしは・・・)
こんな意味分からない女の質問に答えるわけが・・・
「・・・・・・別に・・・」
「ッ!?」
答えるわけが・・・
「別に、戦いたくて戦ってるわけじゃない。戦わないと面倒だから、仕方なく戦ってるだけだ。誰が好き好んでこんな面倒なことするか・・・」
答えた。今まで何も語らなかった、相手にされなかった仮面ライダーが。
声はノイズが入ったような低い電子音声だが、どこか気だるそうな声音に聞こえる。相変わらずこっちを見ずにどこか別の所に視線を向けているが、確かに奏の質問に答えた。
「こんな力、別に欲しくなかった・・・」
「ッ!それってどういう・・・?!」
気になることを漏らした仮面ライダーに、その真意を聞き出そうと詰め寄ろうとする。しかし、それは叶わなかった。
「奏!大丈夫?!」
「ッ!翼・・・!」
救援として駆けつけてきたもう一人のシンフォギア奏者・・・天羽ヶ斬の適合者、風鳴翼。
奏に駆け寄る翼だが、仮面ライダーにも気を配り、奏の前に庇うようにでるとアームドギアである刀の切っ先を向ける。
「第一級危険指定生命体、仮面ライダー!武装を解除して投降しなさい。これは日本政府勅令の指示です。逆らうならば、この防人の剣で貴様を斬る!」
第一級危険指定生命体とは、仮面ライダーのことを指している共通認識で、あらゆる攻撃行為が容認されている全世界で認定された最高警戒ランクの危険な生命体という意味合いでつけられた名称である。これにより、仮面ライダーが出現した国では、戦車やミサイルなども容赦なく撃ち込むことができるのだ。
翼も人伝にしか仮面ライダーのことを聞いていないが、それでも危険な力を持っていることから、防人としての誇りをもち、最大限の警戒をだしながら強気な態度で仮面ライダーに警告を出す。
「ちょ、ちょっと待て翼!今大事なことが聞けそうで・・・!」
「奏!?なんで止めるの?!奴は危険な存在で・・・!」
「いやそうだけど、今はそれよりも大事なことが・・・!」
何か重要そうなことを聞けそうなところに水を差され、翼を止めようとするが奏と、危険な力を持つ仮面ライダーを捕まえようとしてるのになぜか仲間に止められて困惑してる翼・・・。
そんなわちゃわちゃしている二人をアークワンは無視して、かかとを返してどこからか発生した煙の中へと消えていく。
「あっ、ちょっと待て!まださっきの言葉の意味がまだ・・・!」
「ッ!待ちなさい!逃がさないぞ!」
アークワンが離脱しようとしてることに気づいた二人は慌てて追跡しようとするも、煙の先を抜けた先には仮面ライダーの姿はどこにもなかった。
「・・・いない!?いったいどこに・・・!」
『ダメです、以前仮面ライダーの反応検知できません!』
『こちらも周辺地域の監視カメラ確認しましたが、どこにも仮面ライダーの姿確認できません!完全にロストしました!』
『そうか・・・わかった。翼!仮面ライダーの追跡は中止、奏を連れて本部まで帰投してくれ。現場の後処理は別動隊に任せる。いいな?』
「ッ!了解しました・・・!」
目の前にいた敵をみすみす見逃してしまった自分の責から悔しさを滲ませながらも通信の返事を返す。
奏はそんな翼の様子など気づかずに、先程の仮面ライダーの返答を思い出す。
『戦いたくて戦ってるわけじゃない』
『こんな力、別に欲しくなかった・・・』
「仮面ライダー・・・お前はいったいなんなんだ・・・?」
今の奏の中にあるのは、仮面ライダーの真意がなんなのかという疑問だけだった。
いかがでしたでしょうか?
書きながら、あれこの漢字ってどうやって入力するんだ?とか、この書き方であってるか?って感じで何度も止まっちゃいましたが、なんとか今日中に仕上げられました。
おかしなところがあったら、遠慮なく指摘してください!アンチ的なことは勘弁してください(_ _)
それと、ちょっと課題やら何やらで少し忙しくなるので、ちょっと投稿期間が空きますが、頑張って書き続けますのでこれからもよろしくお願いします!