戦姫絶悪シンフォギア 悪意の体現者   作:爆走ボンバー人間

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お久しぶりです、爆走ボンバーです。
一旦課題とか一区切りついて余裕があったので早めに投稿できました!
まぁまだ課題とかありますが(T-T)
今回の話も説明とか話だけであんま進まない感じですかね。
書いてて、「あれ?進行遅くね?もっと省いてとっと原作入らないとつまんなくね?」と最近不安になってきている作者ですw
頑張って面白く書くように努力しましたので、今回も最後まで読んでもらえると嬉しいです!
それではどうぞ!


ライブ前の葛藤

シンフォギア奏者と仮面ライダーがはじめて接触したあの日から一年ほど経過した。相変わらずシンフォギア奏者達は日本政府の手によって情報規制がとられており、一般にはノイズを倒しているのは仮面ライダーということになっている。ノイズが現われる度に仮面ライダーとシンフォギア奏者がそれを倒し、ノイズを倒し終えると今度は奏者が仮面ライダーに向けて武器を向け、適当にあしらわれて仮面ライダーに逃走されるということが続いている。二課としては仮面ライダーに接触し、なんとか協力を結びたいと考えているが仮面ライダーにはその意志はなく、無言の否定を続けているためにやむなく捕縛しようとするため、両者の関係としてはいいとは言いがたい。

特に、シンフォギア奏者のうち天羽ヶ斬の適合者である風鳴翼は、未だに仮面ライダーに対して強い疑念と圧倒的な力に対する恐怖から対話よりも戦闘による制圧をしようとする。所属や目的、力の詳細について何も話さない、そして人類守護の砦であり正義の組織である二課の協力要請に対しても拒否をしている仮面ライダーに対して、何か疚しいことやよからぬことを考えている悪という認識を翼は持っており、倒して捕まえてから聞き出せば良いという思考のため、二課の方針である対話よりも戦闘の選択肢を取るのだ。

逆に、もう一人のシンフォギア奏者であるガングニールの適合者である天羽奏は、初遭遇時のときとはうってかわり、戦闘に乗り気な様子はなく話をしようとする姿勢だった。なんで戦ってるんだ、なんでノイズを倒せるんだ、その力はどうやって手に入れたんだ、協力できないか等々、ほとんどが仮面ライダーについての情報を得るための質問に聞こえるが、彼女のそれは詮索だったり情報収集というよりただ純粋に仮面ライダーのことを知りたいという、悪意のないものだった。それでも仮面ライダーは特に質問に答えることはなく、唯一戦ってる理由だけは「ノイズのせいでうぜえことになるから」という、以前奏が聞いた内容と似たような不明瞭なものだけだった。これについていろいろな考察などが出されているが、結局は仮面ライダーが戦う理由についてわかったわけではなかった。

そして、もう一つ変化があったことと言えば、『裏の顔』として一般に秘匿されているシンフォギア奏者二人が『表の顔』、二人組のツインボーカルユニット『ツヴァイウィング』として風鳴翼と天羽奏が芸能界にデビューしたことだ。アイドルとしてでもやっていける優れた容姿に加え、その歌声もハイレベルなものとなっており、僅かの間に歌姫として日本の注目を集める一大有名人となったのだ。

 

そして今日は、その大人気ユニットであるツヴァイウィングライブの日である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツヴァイウィングのライブ会場、そこにはまだ開場前であるというのに既に多くの人間が会場の前で今か今かと待ちながら長蛇の列となって待機していた。優に万を越える人が会場に集まっている様子から、ツヴァイウィングの人気の大きさが窺い知れる。そしてその会場には、なんと彼らの姿もあった。

 

「ほら望、はやく~!はやく行きましょう!」

「急かすな、別に急ぐ必要もないだろ」

 

悪意の象徴であり、このライブの主役でもあるツヴァイウィング達と何度も戦っている仮面ライダーアークワンこと飛電望とその同居者であるスターリットも、この会場の列に並んでいるのだ。なぜこの二人がこのライブ会場にいるのか、それは望がライブのペアチケットに当選したのが発端である。それを使ってライブを楽しみながらデートをするためにスターリットを誘った・・・というわけではもちろんない。

 

初遭遇時以来、既に政府のコンピュータにハッキングを行い、シンフォギアに関する概要の資料を手に入れていたのだ。それに加えて、ある機関で研究者をしていたスターリットも詳細なデータまではさすがに覚えきれていなかったが、シンフォギアに関する知識があり、それによってシンフォギアに使われた聖遺物、適合者について、そして適合率を引き上げるLinkerについて知る事ができた。その他のシンフォギアの製作時のデータや詳細なデータについても知りたかったが、相手方も優秀なスタッフがついているようで、深部のデータベースまでハッキングを仕掛けるとハッキングのログまでは消せそうにないため、痕跡を残さないために詳細なデータまでは諦めた。代わりに聖遺物に関連するデータを漁っていたときに発見したのが、今回のライブを利用した大規模な覚醒実験・・・サクリストNと呼ばれる完全聖遺物の覚醒を目的とした実験についての計画概要だった。こちらも極秘データなため、詳細な計画資料までは閲覧できず、完全聖遺物の詳細や実験場所まではわからなかった。そのため、直接現場に来ることにしたのだ。でなければもともと興味のない、更に言えば自分を捕まえようとする奴らのライブになんて誰が好き好んでくるものか。

 

この実験について知ったとき、望は腸が煮えくり返りそうなぐらいの果てしない怒りを抱いた。確かにこの実験が成功すれば、シンフォギアなどという一部の者にしか扱えない利便性のわるいものではなく、一度覚醒すれば誰でも扱うことのできる完全聖遺物を手にすることができればより一層、ノイズに対する対策がとれることになるだろう。しかし、これがノイズ対策だけでなく周辺諸国や仮面ライダー対する兵器としても使える便利な兵器と政府上層部は考えている。だがそれよりも、なによりもこの実知らない知らない一般の人間を巻き込んでいることが、望には許せなかった。

 

ああ、確かにこれは世界の命運を左右する重要な実験かもしれない。このライブにいる人間よりも多くの人間を救う希望になるかもしれない。誰かを救いたいという願いや理念は尊いかもしれない。

 

だが知ったことか。政府の都合なんざ知ったことか。てめえらの願いや理念なんざ知るか。

 

強大な力を秘めているものにはそれ相応の危険がある。

そして望は知っている。この実験が如何に危険なものなのかを。完全聖遺物が引き起こした惨劇を。

あの日、あの場所で、炎に包まれた彼女の光景を、悲劇を、残された悪意を望は決して忘れていない。

 

多くの人間を救うために今の人間を犠牲にするのか?何も知らない一般人を巻き込んで良いというのか?お前らはそれを尊い犠牲とでも言うつもりか?

 

ふざけるな

 

命の責任を誰かが背負えるなんて傲慢だ。命の責任なんて誰にも背負えない。命は一つしかなく、失われればそこで終わりだ。償いなんてできない。そんなのは所詮、自分を戒めるための言い訳か自己満足にしかならない。ましてや、秩序や安全のためと自分たちのことを秘匿している奴らが一体何を背負うって言うんだ。

彼ら二課にそのつもりはないのかもしれない。実験の危険性を知らないのかもしれない。

だが、そのせいで多くの無辜の命を危険に晒し、それによって起こる悪意に対しても奴らが何か出来るわけではなく、結局そのしわ寄せが自身に来ることを良しとする道理など望にはない。

それに望はこの実験で何かが起こると確信めいたものがあった。この確信はアークによる予測ではない。アークの予測を行うには、不確定な要素が多く判断材料がないものに対して如何なアークといえど正確な予測はできない。だが、ここ最近のノイズの異常な出現率の多さ、それに覚醒させるにあたってわざわざこんな大規模な実験をする理由がわからない。時間がかかってももっと隔離された状況で行いそうな危険な実験をこんな人が集まる場所で行う必要が本当にあるのか?聖遺物に関して、そこまで広い知識があるわけではないが、望にはなぜかこれが作為的なものに思えて仕方ない。これが自身の思い過ごしや、悪意によって否定的な価値観に変わってしまった卑屈な考えで済めばそれでよしだが、言い表せない不安感のみが胸の中に広がっていた。

 

望はこれから始まるライブをとても心待ちにして楽しみにしている様子のスターリットを見る。もともと、彼女を危険があるかもしれない実験をしているライブに連れてくるつもりはなかった。チケットだって、本当は一人用のチケットを手に入れるつもりだったが、なんの手違いか当選したのはペア用のチケットで誰かを連れてくる必要があった。どうしたものかと悩んでいるところをスターリット達に見つかってしまい、渋々事情を話すと同時に三人が一斉に自分がペアになると言い出した。最初は連れて行く気はないと言ったが、なら誰を連れて行くんだ?ん?と問い詰められ、彼女たちの有無を言わせない雰囲気に気づけば押し負けており、三人のうち誰か一人を連れて行くことになった。よく創作物で男が女に勝てないのを、望は身をもってわからされたのだった。結局、話し合いの末、恨みっこなしの勝負じゃんけんに勝利したスターリットがペアになった。負けたセレナとララが愕然として膝をついていたのが印象に残った。

スターリットがウキウキとライブを楽しみにしている様子を見て、スターリットが楽しんでいるのを微笑ましい気持ちになると同時に、本当に彼女を連れてきてよかったのかと不安になる。もちろん、望自身何があってもスターリットを守るつもりでいる。実験も危険があれば自分のために止めるつもりでいる。でもこの世に絶対はない。アークとして力は強大だが、万能じゃない。事実、この実験の結果も予測できない。何が起こるかわからない。

もし、彼女を守り切ることができなかったら?もし、彼女を傷つけてしまったら?

 

もし、彼女を死なせてしまったら?

 

そんな仮説ばかりが頭に残る。望はスターリットのことが好きだ。アークとしての力以外、何か秀でているとは言えず性格だって以前よりも無愛想だし、世界に嫌われている自分に悪意をもたず側にいてくれる家族のような存在だ。スターリットだけじゃない。セレナとララも、望にとってこの世界で手に入れた唯一のつながりだ。

それを失うのがどんな悪意よりも怖いのだ。

そうなったら、俺はまた独りになる。またあの地獄がやってくる。

暗い孤独の中、永遠と悪意の声を聞かされるだけの、アノジゴクニ・・・

 

いやだ。もどりたくない。失いたくない。

ムリダ。ドウセウシナウ。オマエモウシナウ。

うるせえ。俺があいつらを守ればいい。そうすれば失わない。

イイヤ、ウシナウナ。ウシナウネ。オマエモクルシム。

ダカラホロボセ。オマエヲクルシメルスベテヲ。

ふざけんな。誰がそんなことするか。

ホロボセ。ホロボセ。ホロボセ。

オマエヲクルシメルヤツラヲホロボセ。

ワタシヲ、オレヲ、ボクヲ、クルシメルヤツラヲホロボセ。

だまれ。お前らの悪意を俺に押しつけるな。

ホロボセ!ホロボセ!ホロボセ!ホロボセ!ホロボセ!

ソレダケガオマエガスクワレルホウホ「望!」

 

ぐに~っ

 

ふぁにふんふぁよ、ふふぁーふぃっほ(なにすんだよ、スターリット)

「望がさっきから私を無視するからでしょ」

 

頬に感じる僅かな痛みに我に返ると、気づけば目の前にいたスターリットに頬をぐにぐにと伸ばされ遊ばれていた。あざとく頬をぷくっと膨らませたスターリットはどこか拗ねたように文句を言ってくる。

 

「せっかくのデートなのに放置するなんて望はひどい男だわ」

「・・・さっきも言ったがこれは実験の危険がないか確認するために来てるんだ」

「でも危険がなかったらライブを楽しめることもできるでしょ?それに男女が二人で出かけるのは立派なデートよ。異論は認めません」

「・・・横暴だな」

「別に横暴でいいわよ。それで望とデートできるならね」

 

イタズラっぽく笑うスターリットに俺は気づけば目を逸らしていた。なんでかはわからないが、今のスターリットを直視できなかった。前の俺ならわかるかもしれないが、変わってしまった今の俺にはわからない。

そんな俺に対してスターリットはまたニヤニヤとイタズラっぽく笑い、頬に手を伸ばされた。また頬を伸ばすのかと考えていると、その予測は外れ優しく頬に手を添えられ微笑みを浮かべた。

 

「望が何に悩んでいて何に苦しんでいるのか、その全てがわかってるとは言えないわ。その悩みも苦しみもきっと、望にしかわからないことだと思うから。でも一人で抱え込まないで。私はあなたの苦しみを代わりには背負えない。でも一緒に悩んで考えることができる。私だけじゃない、セレナもララもあなたを支えたいって思ってる。だから・・・」

 

ぐに~っ

 

「そうやって考え込まずに私たちに話しなさい!私たちはそんなに頼りないの~?」

 

先程まで優しげに微笑んでいたのに、また膨れっ面になって頬を弄ばれる。良い感じのこと言ってきたのに台無しだよ。頬を弄ばれながらジト目で見るも、相手もジトっと見つめ返してくる。

なんだか色々悩んでいたのが馬鹿らしくなってきた。

 

「・・・悪かった。スターリット達は頼りなくなんかない。一緒にいてくれるお前達が頼りないはずがない。でもお前が危ない目に遭うかもって考えて、それが嫌でウジウジしてた。でも・・・」

 

いまだに悪意の声は聞こえるが、もう気にしない。

俺は今まで通り、俺のやりたいようにやるだけだ。

実験が邪魔になるならつぶせばいい。それで恨まれようが今更だ。

危険が迫るならその全てを叩き潰せば良い。そのためのアークの力だ。

 

「俺がお前を守る。こんな俺でもライダーの端くれだからな、それぐらいやり遂げてやる」

 

理想の仮面ライダーにはなれないけど、スターリットを守るぐらいはできる。

それが今の俺の仮面ライダーとして、やりたいことだ。

 

「ッ!そ、そう。ならちゃんと守ってよね仮面ライダー♪それとライブも楽しみましょ!」

「正直、武器向けてくるやつらのライブなんて複雑だがな・・・」

「そんな細かいこと気にしない!楽しまなきゃ損よ!」

「細かいことかこれ・・・?」

「いいからいいから!それより聞いて!また新しい発明したんだけど・・・!」

「また使えない発明品作ったのか・・・」

「使えなくないわよ!今度のは誰もが認める画期的な発明なんだから!」

「どうだかな・・・」

 

それから他愛のない話をしながらライブまでの時間を潰す。

最悪の結末なんか訪れないと信じて・・・

 

 

 

 

 

 

 

ライブ会場の端、二課に所属している者しか入れないサクリストNである完全聖遺物『ネフシュタンの鎧』の覚醒実験場であるそこで、二課の司令とライブの主役二人が今回の実験に対する決意を固めている中、通信相手であったその女は、誰にも見せていない資料を見る。その資料には今回の実験のことではなく、仮面ライダーについての情報がまとめられた資料だった。

 

(浮遊能力に物理攻撃を無効化するバリア、本体の凄まじい攻撃力と卓越された戦闘技術、さらにその場で奇怪な武器を即効で創造できる能力とハッキング技術・・・ノイズの炭素分解をものともしないシンフォギアとは別系統の力、それも純粋な科学力のみで作られた謎の存在、仮面ライダー・・・まったく忌々しい・・・!)

 

女には悲願があった。それを阻止できるものなど誰もいないと思っており、今度こそ悲願が叶うと思っていた。だが、今世になって現われた得体のしれない存在。唯一、自分の障害になりえる、これまで蓄えてきた叡智をもってしても理解できないどこまでも不愉快な存在。それが仮面ライダーだった。

だが、原理までは理解出来ずとも威力偵察により、仮面ライダーの情報も少しずつだが集まっていた。

 

(未だ奴に関しては未知なことが多いが、データは十分集まった。一時、奴を拘束する時間さえあれば、それだけで今回の計画は事足りる。これもあの拾いもののおかげだな)

 

女が最近手に入れた使い勝手のいい駒、それのおかげで女の懸念を晴らすことができた。

 

(誰にも邪魔はさせない・・・今度こそ私は悲願を達成する・・・!)

 

長い年月により、純粋な願いは悪意に染まりきってしまった。例えどれだけの犠牲を出そうと女の欲望は止まらない。全ては己の悲願のために・・・

 

 

 

 

 

 

 

望は後悔する。

自分の中に残っていた甘さを、絶望の未来へ導いた自分の選択を。

世界は残酷で、悪意に塗れていることを望はまだ理解できていなかった。

 

運命の分岐点はすぐそこまで迫っていた。

 




如何だったでしょうか?
書いててスターリットのキャラ像とかいまいちわからなくて、年下には面倒をみるお姉さんキャラで、同年代や親しいやつにはちょっとからかってくるお調子者なお姉さんかなって思って書きました。なんか違うなと思ったら感想などで遠慮なく書いてください。できるだけ要望通りになるように善処します。
そして、今回主人公が覚醒実験について懐疑的な根拠ですが、原作でソロモンの杖を覚醒させた黒幕に拾われた銀髪ちゃんは、時間をかけてフォニックゲインを溜めて覚醒させたことから、二課がネフシュタンの鎧を覚醒させるのに短時間で何も知らない一般の人を利用するか?と考えて、黒幕さんが「大量のフォニックゲインを一度に集めないとダメ!覚醒させるだけなら危険はない!」とたぶらかしたのかなと思いました。セレナの件から完全聖遺物が暴走する危険性を知っているだろう黒幕さんが目的のために利用したと考える。
でなければ、完全聖遺物とかどうやっても覚醒させるの難易度高すぎだと思うし。
それとやっぱり進み遅いなと感じた人の為にアンケートを用意しました。
結果によってこれからの進め方も変えようかなと思います。
それでは、次回もお楽しみに!

今後の作品の進行について

  • 今のままでいい
  • はよ原作入れ
  • セレナとかの加入説明話はよいれろ
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