制裁デュエル翌日。
朝早くから埠頭に集まる十代、 翔、 三沢、 ももえ、 ジュンコ
荷物を持っている明日香、 万丈目、 太陽。
「明日香様、 本当にいっちゃうんですか?」
「えぇ、 丁度良い機会よ、 ウェスト校で強くなって
帰ってくるつもりよ、 それにしても・・・
万丈目君、 太陽君、 貴方達も転学するって本当なの?」
「制裁デュエルを見て自分の力の無さを痛感した
十代にも負けたしな、 ノース校で揉まれて来る」
「万丈目さんが行くなら俺も行くしかない!!」
「もう一人は?」
「慕谷か? 奴は本校に残るとさ、 メグとひはつは?」
「メグはかなり疲れたみたいだから休んでいるさ
ひはつはまた迷子になっていると思う」
「そうか、 じゃあそろそろ船が来たし、 また会おう」
そう言って明日香、 万丈目、 太陽は船に乗ったのだった。
「ここどこぉ?(´;ω;`)」
ひはつは迷子になっていた。
「・・・・・はぁ」
眠っていた筈が唐突に精神世界みたいな所に来ていたメグ。
「アンタ、 マジで誰なんだ?」
「それは言えない」
神様みたいな奴が現れた。
「しかしあの程度の奴との戦いで倒れるとは聊か軟弱に過ぎる」
「デッキ回り過ぎだ、 サイヤ人か」
「かもしれんな」
「適当言うな、 それよりもアンタ、 私に何をさせたいの?」
「とりあえず世界最強のデュエリストになれ
その過程で私の目的も達せられる、 あまり詳しくは言えない」
「・・・・・」
頭を抱えるメグ。
そんなこんなをしていると目が覚めた。
「全く・・・意味が分からん・・・」
一方その頃、 会議室にて一つの議題が出された。
会議室には鮫島、 無常、 クロノス。
そしてサイバー流関係の部活動を纏めている職員達
第二サイバー流デュエル部外部指導員、 最煉 煙太郎
第三サイバー流デュエル部顧問、 才眠 述
次世代サイバー流考察部顧問、 規則 再読
サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル顧問、 最愛 機会
サイバー超流派交流会顧問、 祭新 交(さいしん まじる)
サイバーパワークラブ顧問、 債務 片(さいむ かた)
メラニズムサイバー会顧問、 黒・鬼才(ヘイ・グゥェイツァィ)
第一サイバー流デュエル部顧問は欠席している。
「無常さん、 もう一度説明して貰えますか?」
眼鏡をくい、 としながら眼鏡をかけた男
サイバー超流派交流会顧問、 祭新 交が呟いた。
「ですからサイバー流関係部活やサークルが多過ぎて
他の部活動に部費が回らなくなる問題が有るので減らしましょうと言う話ですよ」
「馬鹿な!! 言語道断だ!!」
最煉が机を叩き叫ぶ。
「このデュエルアカデミアのデュエルタクティスク向上に寄与して来たのに
潰す等あり得ない!!」
「ん-、 そうかネ」
黒い中華服を身に纏った小太りの男
メラニズムサイバー会顧問鬼才が口を開く。
「確かにちょっと部活が多いネ、 デュエルタクティスク向上というなら
もっと少なくても良いじゃなイ?」
「馬鹿な!!」
「そそそそそそそそそそそそそそ、 げほげほっ!!」
慌ててしまって同様してしまって咳き込む
やや大柄な男、 債務 片。
「おちつけ、 債務、 はい水」
「すまない才眠・・・んぐ・・・はぁ・・・
だ、 だがやはり・・・部活やサークルの数を減らすのは反対だ」
「そうですか? 逆に生徒の為にも数を減らすのは良いと思いますよ」
最愛が賛同する。
「なっ!! 最愛先生!! 如何言うつもりですか!?」
「サイバー流の看板を掲げた部活やサークルが多過ぎて
部員の奪い合いになっているじゃないですか
丁度良い機会ですし統合なりなんなりしたら如何でしょうか?」
「あぁ、 それならば我が部はサイバーの名を取りましょう」
祭新が挙手する。
「何だと!? 如何言うつもりだ!? サイバー流の誇りを捨てたのか!?」
「否、 我が超流派交流会はサイバー流と他の流派の融和を図る部活で
サイバーじゃない他の流派を看板にしても良いんだ」
「貴様ァ!!」
「そこまでです、 そもそも貴方達、 根本から間違っている」
無常がヒートアップする場を抑えた。
「生徒達に退学だ降格だ、 とか言っている割に
自分達の作った部、 キャリアの席が無くなると騒ぐ
聊か都合が良過ぎないですかね?」
「ぐっ・・・」
「し、 しかし・・・」
動揺する一同。
「・・・何で第一サイバーの顧問が居ないんだい?」
才眠が尋ねる。
「決まっているでしょう第一サイバー流デュエル部は別格ですから
存続は決定済みです」
「ちぃ!! またアイツばっかり!!」
最煉が腹立たしげに吐き捨てる。
「とりあえずここにいる8つの部活動を何とか2つまでにしなければなりません」
「あ、 なら私はさっき言った様にサイバーの名を外すので存続は出来ますか?」
「・・・・・」
ちらり、 と無常を見る鮫島。
「駄目に決まっているでしょう
多過ぎて他の部の部費を圧迫しているから何とかしなきゃならないんですよ
名前変えただけで全て良しとなる訳が無いじゃ無いですか」
「あぁ、 じゃあ私辞退するネ」
鬼才が立ち上がる。
「きききききき鬼才さん!?」
「ど、 どういう事だ!?」
「私も良い歳ネ、 顧問をやりつづけるのも辛いし
若い子に後塵を託すネ、 じゃ」
鬼才が去って行った。
「・・・・・」
鮫島は頭を抱えた。
鬼才はこの学園で雇用しているサイバー流のデュエリストの中でも
弁舌が立つ方だった、 彼と共に説得をして何とか
残せる部を増やすつもりだったが当てが外れた。
「では残り7つの部を2つまで減らしましょうか」
「へ、 減らすと言っても如何するんだ?」
「部対抗のデュエル大会を開いてその結果で決めるのは?」
「では大会のルールを・・・」
「なるべく早く済ませられる様にして下さいね
学校行事とか盛りだくさんですので」
会議はその日の遅くまで続けられた。
(帰りたいノーネ・・・)
付き合わされたクロノスは切実に思った。
サイバー流の部活動のゴタゴタはデュエルアカデミアの運営に
若干の不具合を生じ出し始めた。
まずサイバー流関係の部活動は第一サイバー流デュエル部以外は中止
サイバー流の部活動顧問達の行う授業も一時取りやめ
更にはサイバー流の部活動の部員達も身の振り方を考えなければならない。
第二サイバー流デュエル部51人
第三サイバー流デュエル部32人
次世代サイバー流考察部18人
サイバー・デュエル・テクノロジー・サークル22人
サイバー超流派交流会19人
サイバーパワークラブ35人
メラニズムサイバー会20人
計197人、 200人近い生徒がこれから如何するのかと悩み。
まともに授業なんて出来ないのだ。
とは言えサイバー流関係の部活動に入っていない者達には
あまり関係の無い話である。
デュエルにあまり関係の無い国数英理社の5教科や
体育、 家庭科、 錬金術等の授業を進める事になったのだった。
現在オシリス・レッド、 ラー・イエロー、 オベリスク・ブルー合同の
テニスの授業である。
現在メグと綾小路がテニスをしている。
「良いね!! 運動は柄じゃないけど青春しているって気がするよ!!」
「それは良かった」
ぱこん、 とメグのボールを打ち返す綾小路。
「ゲームセット、 綾小路君の勝ち」
審判が宣言する。
「はぁ・・・はぁ・・・良い試合だった!!」
「僕の無失点試合だけどね、 そこまで楽しめるなら良かったよ」
スポーツドリンクを飲む綾小路。
「テニスウェアまで来てめっちゃノリノリでテニスしてたね・・・
ひょっとして僕の事好きなの? でも悪いけど僕の心には天上院さんが」
「あ、 そういうんじゃないです」
「あ、 そう・・・」
はぁー・・・とため息を吐く綾小路。
「お、 メグ、 御疲れー」
「御疲れっスー」
十代と翔がやって来た、 彼等もテニス終わりである。
「あー・・・うん・・・」
「如何したんだ、 歯切れが悪いな」
「・・・・・確かに青春しているけどもデュエルアカデミアだし
デュエルをしろって思う」
「じゃあデュエルするか?」
デュエルディスクを構える十代。
「何故、 テニスの授業にデュエルディスクを持って来ている」
「えぇ・・・普通持って来るだろ」
「僕も持って来ている」
「僕もッス」
「私がおかしいのか・・・」
「あー、 いたいたー」
ひはつが寄って来た。
「教育実習生の人が来たよー」
「教育実習生?」
「私です」
見た所普通の中肉中背の普通の男性がやって来た。
唯一変な所と言えば変な仮面で目元を隠している所だろうか。
「ダ・ヴィンチ・恐山じゃないですか」
「「「「誰?」」」」
メグが呟いて他の面子が困っている。
「日本菓子盆協会一級審判の・・・」
「「「「誰?」」」」
「何時も記事、 楽しく拝見させています」
「それはありがとうございます」
「メグ、 説明しろ」
「ライターや記者なんかもやっているんだよ」
「いや、 何で仮面?」
「顔出しが恥ずかしいので」
「そ、 そうか・・・」
「所で教育実習生と言う事は恐山さんはデュエル出来るんですか?」
「まぁ嗜む程度には」
「嗜む程度って・・・それで教師が務まるんですか?」
「あぁ、 私はデュエル担当の教育実習生じゃないんですよ」
さらりと言う恐山。
「デュエル担当じゃない?」
「じゃあ一体何の先生?」
「日本菓子盆協会一級審判として人に出せる菓子盆の講座を」
「何ですかその授業?」
「何ですかって錬金術も教えているんだから
菓子盆を教えても良いと思いますよ」
「・・・一つ聞きたい事があります」
真剣な顔になるひはつ。
「何ですか?」
「その授業で出る菓子盆、 食べられますか?」
「私としては過去の優秀な菓子盆を紹介するという
授業を考えているので・・・」
「なるほど・・・僕は人に菓子盆を出す時は
柏屋の薄皮饅頭と檸檬を沢山出す様にしていますが如何でしょうか」
「・・・二種類は寂しいかと」
「フルーツの甘味か餡子の甘味か選べる様にしているのですが・・・
そもそも出先でお菓子出されて大量に食べる人も居ないでしょう」
「確かにそうですけど、 それでは寂しい
もう少しバリエーションが欲しい・・・そうだ
折角だし、 ここにいる皆さんの菓子盆を
ちょっと発表して貰って良いでしょうか」
「何故?」
「菓子盆は全てを物語る・・・」
画して菓子盆を作る事になった
十代、 翔、 メグ、 綾小路。
菓子盆のレギュレーション
使用する菓子盆は18㎝(2~3人用)
予算、 品目は全て自由、 己の菓子センスを盆にぶつけよ。
「じゃあまずは俺の菓子盆だな」
十代の菓子盆
ポテトチップス(うすしお)
ポップコーン(うすしお)
プリッツ(サラダ味)
カール(チーズあじ)
四種類の菓子が四ブロックに分けられている。
田←こんな感じである。
「俺の菓子盆は遊びに来た皆に出せる菓子をイメージした
本来なら、 ここにコーラが加わる訳だな
皆でぽりぽり食べる感じでしょっぱいスナックで統一した」
~会場の反応~
しょっぱい味が好きならばアリっス。
飾り気の無い地味さを感じる。
コーラが無ければそこそこキツイ。
個人的にはポテトチップはプリングルスが良い。
盆としては【しょっぱいビートダウン】とでもいうべき盆
果たして恐山の品評は?
「子供が考えた、 子供らしい菓子盆と言える
コーラとスナック、 確かに素晴らしい組み合わせだが
やはり甘味も欲しい所、 しかし子供がゲームをしながら食べる
というシチュエーションならばそれほど可笑しくない
しかししょっぱい味にも変化がほしいポテトチップスをコンソメか
のりしおに変えるだけでも彩が生まれる」
「中々に、 高評価? なのか?」
「じゃあ次は僕の菓子盆っスね」
翔の菓子盆
バームロール
バームロールのみが大量に盛られた盆。
「我が家の御客様用の盆よりも小さかったので自分用の菓子盆と判断したッス
バームロールが好きなんでバームロールを沢山入れたッス」
~会場の反応~
途中で飽きるって・・・
コーヒーが欲しくなる。
せめてオリジナルアソートにしろ。
何か悩みがあるなら聞くよ?
まさかの【バームロール一色】自分用と言う事を加味しても
あまりにも雑、 この盆に対する評価は・・・
「気の毒としか言い様が無い
バームロールだけを自分だけで食べるならば盆に出す必要が無い
そもそもバームロールだけを食べ続けるのは辛い
メグさんが言った様にオリジナルアソートを盆に出す方がまだ人間性が有る
好きな物だけを食べる、 しかしながら彩を造り出す
それが菓子盆の意義だと思います
言うならば自分の部屋を作る、 それを翔君には学んで貰いたい」
「むー・・・」
「じゃあ次は僕ですね」
綾小路の盆
リッツ
アボカドディップ
明太マヨディップ
カマンベールチーズ
リッツが20枚程並べられ空いたスペースに
ディップ出来るソースとチーズが並んでいる。
「リッツとそれを活かせるディップだ
ディップソースは手作りで市販品とは比べ物にならない
自分用にも客が来ても対応出来る」
~会場の反応~
リッツ一点突破か、 博打だな。
ちょっと大人な感じっスねぇ。
綾小路君の家は金持ちなんだから高級な物の方が良い。
アボカドはディップじゃなくてそのままの方が好き。
【リッツ装備ビート】とも言うべきこの盆に対する恐山の反応は・・・
「ディップとは飛び道具的なポジションでして
菓子盆から気安さを失わせるのですが
綾小路君じゃ綾小路モーターの御曹司なので
気安さは無い方が良いのでしょうか?
それならばもっと高級なお菓子を使って畏怖させるのが良いかと
ディップソースに関しては美味しかったです」
「最後は私の盆だな、 まぁ御覧じろ」
メグの盆
いかくんさき
チーズおかき
カルパス
チータラ
スモークチーズ
クラッツ(ペッパーベーコン)
チーザ(チェダーチーズ)
円状に綺麗に分かれている。
「映画のDVDを見ながら食べる自分用の盆です」
~会場の反応~
乾物ばっかりだがクラッツとチーザが光る。
女の子、 と言うイメージじゃないッス。
マジ?
何と言うかサラリーマンがビール片手に食べてそう。
【酒のつまみ】と言う感じの菓子盆。
因みにメグは転生前でこの菓子盆にビール片手に食べている。
ひはつの慧眼は当たっていたという事だが恐山の判定は・・・
「いかのくんせい、 チーズおかきとオーソドックスな所から
クラッツ、 チーザと繋げるのは中々に面白い
このセンス、 本当に学生か? と疑いたくなりますね
しかしこの菓子盆、 本当に自分用ですね
女子がこの菓子盆を食べていたら少しがっかりです」
「ジェンダーフリーの時代じゃないですかー」
抗議するメグ。
「しかし貴方方の傾向はこれで分かりました
そろそろ授業も終わりなのでこれで失礼しますね」
「そうですかー、 お気をつけて―」
去って行く恐山であった。
「・・・とりあえずお菓子を食べようか」
「そうだね」