無常と倫理委員会の立ち合いの元。
控え室で対峙する亮と鮫島。
「亮、 先程のデュエルは何ですか?」
鮫島が勤めて冷製になりながら言葉を発する。
「俺は弱い!! 先日の西湖とのデュエルではっきりそれが分かりました!!」
「・・・それがあの様な蛮行に貴方を走らせた、 と?」
「蛮行でしょうか? 寧ろ俺がリスペクトに反するデュエルをしなければ
もっとあっさり倒されていたでしょう
あの青虫は本当に強かった」
「強くても心が無ければ無意味でしょう」
「心があっても強く無ければ無意味!!」
話は平行線である。
「あのお二人さん、 悪いけど内輪の話なら外でやってくれない?」
メグが言う。
「何故ですか?」
「こんなに大勢で来られては迷惑だ、 狭いし」
「・・・・・分かりました、 亮
今回の件は互いにとって重要な事だ、 もっと良く話し合おう」
「貴方にとって重要な事では?」
ギリッ、 と歯軋りをする鮫島。
鮫島の弟子で最も強い丸藤亮がリスペクトデュエルに反すると言う事は
鮫島の立場を悪くすると言う事に相違無い。
鮫島はつかつかと去って行った。
「じゃあ私も失礼しますぅ」
無常と倫理委員会も去って行った。
「・・・・・クレバーのデュエルが始まるね」
「そうか・・・見るか」
「さぁ二回戦始まりましたが・・・デュエルリングは異様な光景です」
クレバーの姿はやはり異様に見える、 すぐ傍には最愛が待機しているが
それでもやはり異様は異様。
「AIデュエリストが何処まで戦えるか非常に興味深いですね
そして相手はジャッカル岬、 彼女の資料が手元にありますが
彼女はイースト校の生徒だそうです・・・え? これだけ?」
目を丸くするマリン。
「凄い気迫を感じる、 彼女は強い・・・」
冷や汗を流す宮迫。
「・・・・・うーむ、 それでは実力を見せて貰いましょうか」
デュエルリングで岬はあからさまにイライラしている。
折角の代表戦で相手が良く分からない機械では無理も無い。
「そのポンコツが俺の相手か?」
「よろしくおねがいします」
岬の挑発に挨拶で返すクレバー。
「悪いが俺は相手が機械でも餓鬼でも病人でも容赦無く行くぞ」
「はい、 よろしくおねがいします」
「っ・・・調子が狂う・・・」
「「デュエル!!」」
コイントスの結果、 先行は岬になった。
「俺のターン、 ドロー!!」
岬手札:5→6
「ゴブリン突撃部隊を召喚!! カードを3枚セットしてターンエンド!!」
岬手札:6→2
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:5→6
「サイバー・ドラゴンを特殊召喚
サイバー・ヴァリーを召喚して機械複製術を発動
デッキから2体のサイバー・ヴァリーを守備表示で特殊召喚」
「いきなり壁かぁ? 舐めてるのか!?」
「サイバー・ヴァリーの効果発動」
「おっとぉ!! ライフ1000払ってスキルドレインを発動!!
効果モンスターの効果は無効だゴラァ!!」
岬LP:4000→3000
「カード1枚セットしてターンエンド」
クレバー手札:6→2
「スキルドレイン・・・か」
アークティック校の控え室で観戦していたケバスが呟く。
「サイバーVSスキドレ、 対戦カードとしては面白いな」
「そうだな」
プロの間ではスキルドレインは強カードとして扱われる。
手札コスト無しにモンスター効果無効である。
そしてサイバー・ドラゴンもコンスタントに強いカード。
カードパワーで言うと双方ともに強いカードである。
「あの機械が何処まで出来るか見物ね」
「いや効果が無効化されているからこのターンで決着するかもしれんぞ」
「「「それはない」」ね」
アーネストはツッコミを入れられるのだった。
「ほうスキルドレインか、 ライダー、 お前は如何思う?」
ノース校の控え室で万丈目がライダーに尋ねる。
『我ならばどんなカード効果も無効に出来ますが
永続効果は無理だ』
「ふん、 だったら先に召喚しろって事か・・・」
「至上は如何だ?」
『私の効果は墓地発動だから関係無い』
太陽も至上に話しかけている。
「アイツ等は誰と話しているんだ?」
「恐らく精霊だろうな」
ビショップの問いに返すルーク。
「いずれにせよ、 サイバーの高攻撃力を如何に超えるかだな・・・
効果は無効でも高攻撃力は無効に出来ん」
七色は呟いた。
「俺のターン、 ドロー!!」
岬手札:2→3
「電動刃虫を召喚!! サイバー・ドラゴンに攻撃!!」
クレバーLP:4000→3700
「そしてゴブリン突撃部隊でサイバー・ヴァリーに攻撃!!」
「サイバー・ヴァリーを除外して効果発動」
「あぁ!? スキルドレイン有るだろうが!? ぶっ壊れたこのポンコツ!!」
「サイバー・ヴァリーを『除外して』効果発動です
除外はコストであり効果では無い
故に除外ゾーンにあるサイバー・ヴァリーの効果は
スキルドレインの制約を外れます、 デッキからカードを1枚ドローして
バトルフェイズを終了させます」
クレバー手札:2→3
「っち、 ターンエンド!!」
岬手札:3→2
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:3→4
「カードカー・Dを召喚し効果発動
生贄にして2枚ドローです、 そしてターンエンドです」
クレバー手札:4→5
「・・・俺のターン、 ドロー」
岬手札:2→3
「神獣王バルバロス召喚、 こいつは生贄なしで召喚出来るモンスターだ
攻撃力は下がるがスキルドレインで無効だ
ヴァリーに攻撃」
「除外して効果発動します、 1枚ドローしてバトルフェイズ終了させます」
クレバー手札:5→6
「・・・ターンエンド」
岬手札:3→2
ウェスト校の代表控え室で観戦している明日香。
「明日香、 お前はクレバーに負けた、 と言っていたが
こんな戦術だったのか?」
オブライエンが尋ねる。
「ドローをするサイバー流と言うコンセプトはそのままですが
ドローギミックが違いますね・・・」
「常に進化している、 と言う事か」
「強敵ね・・・こちらの圧も利かなそうだしAI対策はした方が良いわね」
ニナが呟く。
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:6→7
「カードを2枚セットしてターンエンド」
クレバー手札:7→5
「・・・俺のターン、 ドロー」
岬手札:2→3
「・・・・・もっと早く来いよ・・・」
ぐぎぎぎと歯軋りをする岬。
「サンダー・ボルトを発動、 サイバー・ヴァリーを破壊する」
「分かりました、 チェーンして異次元の埋葬を発動して除外されている
サイバー・ヴァリー2体を墓地に戻します」
「あん? 何だそりゃあ・・・不屈闘士レイレイを召喚する
そしてレイレイでダイレクトアタック」
「メインフェイズ1終了時に伏せていたリビングデッドの呼び声を発動します
墓地のサイバー・ヴァリーを特殊召喚します」
「あぁあああああああああああああああ!! またかよおおおおおおおお!!」
「チェーンして地獄の暴走召喚を発動
墓地からサイバー・ヴァリー2体を攻撃表示で特殊召喚します
貴女もお好きなモンスターを特殊召喚して下さい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
岬がふるふると震える。
「このポンコツが・・・絶対打っ壊す・・・」
「そんな事したら警備に止められますよ」
「くぎぎぎ・・・バルバロスをデッキから特殊召喚だ・・・
ヴァリーに攻撃」
「除外して効果発動、 デッキから1枚ドローしてバトルフェイズは終了です」
「ターンエンド!!」
岬手札:3→1
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:6→7
「またどーせターンエンドだろ? 分かってんだよこっちは」
「カードを1枚セットしてターンエンド」
クレバー手札:7→6
「俺のターン、 ドロー!!」
岬手札:1→2
「サイクロン発動、 リビングデッドの呼び声を破壊して
蘇ったサイバー・ヴァリーを破壊、 そしてレイレイでヴァリーに攻撃」
「攻撃宣言時にサイバー・ヴァリーを除外して効果発動
チェーンして罠カード発動」
「は?」
「邪神の大災害、 フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する」
「っ!! させるかぁ!! セットしていた宮廷のしきたりを発動!!
宮廷のしきたりがある限り表側になっている永続罠は破壊されない!!
しきたりとモンスターゾーンが一杯で発動できない
メタル・リフレクト・スライムは破壊されるがスキルドレインは破壊されない!!
ターンエンドだ!!」
岬手札:2→1
クレバー手札:6→7
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:7→8
「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚
そしてパワー・ボンドを発動」
「来たか・・・サイバー流の十八番!!」
「サイバー・ドラゴン扱いのプロト・サイバー・ドラゴンと
サイバー・ドラゴンを融合し、 サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚
パワー・ボンドの効果により攻撃力は倍の5600になる」
クレバー手札:8→5
「化け物め・・・!!」
「そしてサイバー・ツイン・ドラゴンでバルバロスに攻撃」
「っ!!」
岬LP:3000→400
「そしてターンエンド、 エンドフェイズにパワー・ボンドの効果で
サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力2800のダメージを受けます」
クレバーLP:3700→900
「ライフポイントは互いに1000を切りましたが・・・如何思います?
モンスターは岬さんの方が多いですが攻撃力では勝る状況です
何方が優勢でしょうか?」
宮迫に尋ねるマリン。
「手札はクレバーが優勢・・・ですが今までカードを使うそぶりすら無かった
これは一体何が狙いなのか・・・」
「使えないカードなんでしょうか?」
「どうでしょうか・・・AIの考える事は人間とは違いますね・・・
AI対策、 考えた方が良いかもしれません」
「俺のターン!! ドロー!!」
岬手札:1→2
「攻撃力5800のモンスターに対抗する手段は無いが
沢山並べたモンスターで場を濁させて貰おう!!
モンスターをセットしてフィールドのモンスターを全部守備表示!!
ターンエンド!!」
岬手札:2→1
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:5→6
「エネミーコントローラーを発動、 レイレイを攻撃表示に変更
サイバー・ツイン・ドラゴンで攻撃」
「・・・・・クソ・・・」
岬LP:400→0
「勝利したのはクレバー・・・か」
「最愛の奴め、 また調子に乗るだろうな・・・」
別室に待機しているサイバー流の教師陣。
「さてと、 師範代も来たしテレビは消して置こう」
試合が映っていたモニターを消す才眠。
「師範代、 先程の事、 カイザーは何と言っていた?」
粉砕が今にも殴りそうな形相で鮫島を見た。
「亮が以前、 西湖の亡霊とデュエルをしたと言う話は知って居ますね?」
「あの与太話、 マジだったのか?」
「西湖の事を知らないからそう言えるんですよ・・・
奴だったら地獄を攻め落としている位の事はやっていると思っています」
「ふん、 でそのサイコ野郎が如何したって?」
「彼とデュエルをして触発されたらしいのです・・・」
頭を抱える鮫島。
「・・・もうカイザー殺した方が良いんじゃないのか?」
最煉が打っ飛んだ事を言う。
「マジで何を言ってんだ?」
「自分の部が無くなったからって自暴自棄になるのは良くない」
「いや、 だって第一サイバー流デュエル部の七色顧問を知って居るだろう?
奴だって免許皆伝の腕前を持っているがリスペクトデュエルに
何の興味も示さない奴だ、 今は鮫島師範代が買収しているが
もしも奴がカイザーと共謀すれば何が大きな事件を起こしそうな気がする」
「だとしても殺すのは無しだ、 普通に犯罪だぞ」
「子供の戯言と聞き流そう」
「そうだな・・・」
ランニングマンが部屋の隅を指差す。
監視カメラが設置されている。
「!! ・・・・・そうですね・・・カッとなりました」
「分かれば良いんだよ、 だがしかし、 だ
我々は止しとしても鮫島師範代はこれから大変じゃないんですか?
ブロックを統括している特別師範達が何も言って来ない訳が無い」
「ぐ・・・」
脂汗を流す鮫島。
「何れにせよ亮をこれからどうするか、 と言う事だな・・・」
「如何するって・・・何が出来るんです?」
カメラを見る最煉。
あまり大事は出来ないだろう。
「・・・・・鮫島師範代に責任を取って貰う、 かもネ」
鬼才が呟く。
「サイバー流を廃れさせる訳には!!
リスペクトデュエルを廃れさせる訳にはいかない!!
何としてでも!!」
鮫島が鬼気迫る顔で叫んだ。