「はい、 はい!! えー今入った情報によりますと
次の試合の本校のクレバーVSノース校のビショップ戦ですが
ビショップがウォームアップに時間がかかるらしいので少しお待ち下さい
と言う事ですが・・・如何しましょう?」
実況席のマリンが困っている。
「そうですね・・・ビショップってアレは・・・ロボでは?」
「ロボですよね・・・困ったな・・・実家はゲーム会社ですが
ロボットは専門外です・・・」
「そう来ると思って来ました」
最愛と嬉々が実況席にやって来る。
「クレバー製作者の最愛 機会です」
「ビショップ製作者の才 嬉々です」
「よろしくお願いします・・・ちょっと狭いな」
「狭いってさ嬉々」
「そうね機会、 貴女は出た方が良いわね」
「貴女の方が年上なんだから貴方気を使いなさいよ」
「五月蠅い年増」
「貴女とは2歳しか離れてないけどねぇ、 餓鬼」
顔を向き合わせてギギギギギと対立する二人。
「ま、 まぁまぁ、 それよりも才さん
ビショップのウォームアップと言うのは?」
「そろそろ終わりますよ、 クレバーとか言うポンコツマシーンとは違って
ビショップは高尚なロボットですから、 自分で歩いて来れます」
「外見だけ取り繕っている様に見える
デュエルをするのに足なんか居る?」
「言ってろ機械オタク」
「黙れロボットマニア」
「あはははは・・・・・」
汗を流すマリン。
「おっと、 言っている間にビショップがやって来ましたね」
「来たか」
「遅かったね」
「うっさいわ」
「・・・・・」
マイクをオフにするマリン。
「喧嘩するなら出てけ」
静かにキレるマリン。
「あ・・・すみません」
「申し訳ない」
「分かれば良い」
デュエルリングで対峙するビショップとクレバー。
「どうもこんにちはクレバーです」
「・・・始めよう」
「分かりました」
「「デュエル」」
「先行は如何しますか?」
「俺が貰おう」
「どうぞ」
「では・・・」
ビショップが手を伸ばすとぎゃんとデュエルディスクが展開される。
「俺の先行、 ドロー」
ビショップ手札:5→6
「モンスターをセットしてカードを2枚伏せてターンエンド」
ビショップ手札:6→3
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:5→6
「サイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚
そしてアーマード・サイバーンを召喚
機械複製術を発動、 デッキから2体のアーマード・サイバーンを
守備表示で特殊召喚、 攻撃表示のアーマード・サイバーンを
サイバー・ドラゴンに装備カード扱いで装備させる
そしてサイバー・ドラゴンでセットモンスターに攻撃します」
「セットモンスターはグリズリーマザー
破壊された事によりデッキからアイス・ハンドを攻撃表示で特殊召喚する」
「カードを1枚セットしてターンエンド」
クレバー手札:6→2
「・・・ん? 嬉々、 貴女の子供はサイバー流じゃないの?」
解説席で首を傾げる最愛。
「子供? ビショップの事? いや、 基本的にはサイバー流の筈・・・だけど
んん?」
嬉々も首を傾げる。
「まぁ子供は親の思惑を凌駕する、 と言う事かね」
「その子供って言い方、 キモイわぁ・・・
まぁ戦術としてはビショップの戦術はまだ読めない
恐らくは水属性? 対してクレバーはサイバー・ドラゴンと壁2体
まぁまぁの布陣だね、 まぁまだ1ターン目、 これからだ」
「俺のターン、 ドロー」
ビショップ手札:3→4
「俺はアイス・ハンドを生贄に捧げて
ヘルカイザー・ドラゴンを召喚、 サイバー・ドラゴンに攻撃」
クレバーLP:4000→3700
「アーマード・サイバーンを破壊してサイバー・ドラゴンの破壊を無効化します」
「ではこれでターンエンド」
ビショップ手札:4→3
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:2→3
「アーマード・サイバーンをサイバー・ドラゴンに装備させて
効果発動、 装備しているサイバー・ドラゴンの攻撃力を1000ポイント下げて
ヘルカイザー・ドラゴンを破壊する」
「っ!! やるなっ!!」
「どういたしまして
3体目のアーマード・サイバーンを生贄にモンスターをセットして
サイバー・ドラゴンでダイレクトアタック」
ビショップLP:4000→2900
「ぐっ・・・だがこの程度なら・・・」
「これでターンエンド」
クレバー手札:3→2
「俺のターン!! ドロー!!」
ビショップ手札3→4
「墓地の水属性モンスター、 アイス・ハンド、 グリズリーマザー
炎属性モンスターヘルカイザー・ドラゴンを除外して
手札から氷炎の双竜を召喚する!!
そして手札からカードを1枚捨ててD・D・Rを発動!!
除外されているヘルカイザー・ドラゴンを特殊召喚!!」
手札から捨てるカード
ハイドロゲドン
「そしてヘルカイザー・ドラゴンを再度召喚して効果モンスターにする!!
これでヘルカイザー・ドラゴンは2回攻撃が出来る様になる!!
だがその前に氷炎の双竜の効果発動!!
手札を1枚捨ててセットモンスターを破壊!!」
手札から捨てるカード
ジュラック・グアイバ
「セットモンスターはタン・ツイスターです
生贄召喚したこのカードがフィールド上から墓地へ送られた時
自分のデッキからカードを2枚ドローします
この効果を発動した場合、このカードをゲームから除外されます」
クレバー手札:2→4
「ふん、 まぁ良い
ヘルカイザー・ドラゴンでサイバー・ドラゴンに2回攻撃!!」
クレバーLP:3700→2400→1100
「そして氷炎の双竜でトドメ!!」
「セットしていたガード・ブロックを発動して
ダメージを無効にして1枚ドローします」
クレバー手札:4→5
「完全に想定外だ・・・ターンエンド」
ビショップ手札4→0
「おやおや、 君のビショップはサイバー流のリスペクトデュエルから
かけ離れたデュエルをしているね、 直接破壊効果の氷炎の双竜とはね」
「それを言うならアーマード・サイバーンだって破壊カードだろうが!!」
言い合いをする最愛と嬉々。
「それにしても嬉々さん、 ここから見るとビショップは
ロボットとは思えない程感情豊かですね?」
マリンが話題を逸らす。
「そりゃそうさ、 必死さを出させる為に疑似的な感情を作ってある」
「また妙な拘りを・・・それがデュエルの役に立つのか?」
「立つさ、 まぁ見ていろ機会
私の作品がお前の息子を壊す様を」
「直接破壊したら訴えるぞ」
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:5→6
「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚
融合を発動します、 手札のサイバー・ドラゴンを素材にして
サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚します
そして氷炎の双竜に攻撃」
「おっと!! 攻撃の無力化だ!! バトルフェイズを終了させる!!」
「そうですか、 ではカードを1枚セットしてターンエンドです」
クレバー手札:6→2
「・・・俺のターン、 ドロー」
ビショップ手札0→1
「なぁ聞いて良いか?」
「何ですか?」
「お前機械だよな?」
ビショップの唐突な問いに戸惑ったが答えるクレバー。
「私が人間に見えるのならば貴方は修理した方が良い」
「いや・・・機械でも焦るとか有るだろ?
カード1枚セットして特にリアクション無いって何だよ」
「何か?」
「・・・・・ちょっと待て」
「どうぞ」
「ビショップの動きが止まりましたね、 トラブルでしょうか?」
マリンが実況席で不安そうにする。
「長考でしょう」
「機械なのに長考とか、 やはりポンコツだねぇ」
「殴るz」
PPPPPPPPと携帯音が鳴る。
「失礼、 ちょっと電話だ」
嬉々が立ち上がり実況席から離れる。
「・・・・・」
スマホを見る嬉々。
ビショップ
<相手の思考が表情から読み取れません、如何すれば良いですか?>
スマホの画面にはビショップからのメールが届いていた。
ビショップには緊急時にこうしてメールが送れるように設定してあった。
嬉々
<自分で考えろ>
ビショップ
<相手の表情が読めないからブラフか如何か分かりません>
嬉々
<知らん>
ビショップ
<俺が負けても良いんですか!?>
嬉々
<良くない、絶対に勝て、負けたら消すぞ、通話終了>
「ったく・・・」
ブツブツ言いながら解説席に戻る嬉々。
「・・・・・」
ビショップは頭を抱えた、 嬉々に通話しても良い反応が返ってこなかったのだ。
ビショップの最大の強みは顔認識機能である。
微表情を読み、 ブラフを看破する、 その為、 圧倒的な強さを誇っていた
のだが、 今回の相手は機械。
「分が悪いな・・・手札を1枚捨てて氷炎の双竜効果発動
サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊する」
ビショップが手札から捨てたカード
スクリーチ
破壊されるサイバー・ツイン・ドラゴン
「・・・・・・・」
ますます困惑するビショップ。
てっきり何かの効果が待ち構えているかと思った。
ブラフだったのか?
「ヘルカイザー・ドラゴンでダイレクトアタック」
「速攻魔法スケープ・ゴートを発動
羊トークン4体を守備表示で特殊召喚します」
「・・・・・ならばヘルカイザー・ドラゴン
氷炎の双竜で3体の羊トークンを破壊してターンエンド」
ビショップ手札1→0
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:2→3
「サイバー・ヴァリーを召喚
そしてヴァリーと羊トークンを除外して2枚ドローします」
クレバー手札:2→4
「ライフを800ポイント支払い再融合を発動します
墓地のサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚」
クレバーLP:1100→300
「ぐっ!!」
「そしてサイバー・ツイン・ドラゴンでヘルカイザー・ドラゴン
氷炎の双竜に攻撃」
ビショップLP:2900→2500→2000
「これでターンエンドです」
クレバー手札:4→3
「・・・俺のターン、 ドロー!!」
ビショップ手札:0→1
「ぐっ・・・無謀な欲張りを発動!! 更に2枚ドロー!!」
ビショップ手札:1→3
「・・・モンスターをセットしてターンエンド」
「無謀な欲張り使ったのに有効札が引けなかったか」
「はんっ!! アンタのクレバーこそ
ドロー枚数の割には何もしてないじゃないの」
いがみ合う最愛と嬉々。
PPPPPPPPと携帯音が鳴る。
「またかよ・・・」
嬉々が立ち上がり実況席から離れる。
ビショップ
<手札ヴォルカニック・バレッド2枚です、如何しましょう>
嬉々
<何でそんなカードをデッキに入れた!?
そもそもサイバー流のデッキを使えば良い話だろう!?
何でそんなデッキ作った!!>
ビショップ
<これが最適だと・・・思いました>
「このポンコツが・・・負けたらただじゃおかな」
ひゅ、 とスマホを取り上げられる嬉々。
「何すん」
嬉々の背後に最愛が立っていた。
「・・・・・・・・・・軽蔑するわ、 嬉々」
悲しそうに言う最愛。
「何が軽蔑だ、 勝たなきゃ意味無いだろうが!!
それにそもそもこうしてメールして何が悪い!!」
明確に悪い。
デュエル中の私語についての規定に対して公式はこういう規定を設けている。
【デュエル中他のプレイヤーまたは観戦者等の第三者にアドバイスを受けた】
罰則:警告
会話、電子・通信機器等の使用といった手段は問わない。
この違反により、マッチの結果に影響があったとジャッジが判断した場合
ジャッジの判断により罰則が追加される場合がある。
「つーかさ、 機会さぁ、 アンタもしてたじゃない!! 忘れたの!?」
そう、 この二人がこんなにも仲が悪いのは理由がある。
彼女達はAIデュエリストを開発する前は機械オタクだった。
今もオタクである。
彼女達はインカムを使ってのアドバイス等の違反行為を過去にしていた事も有り
その結果、 デュエルの大会で優秀な成績を修めた。
その頃は仲が良かったが後にAIデュエリストを作ろうとした時に
方向性で揉めた結果、 仲が悪くなった。
「それに関しては別に如何でも良い
私が言っているのはこれよ」
すっ、 とスマホを見せる。
ビショップ
<ただ、 負けたら初期化されるので俺も必死に考えてやっています>
「・・・・・これが何よ?」
「AIデュエリストの初期化、 つまり負けたら殺すって事じゃない」
「それが何か? 陶芸家も失敗作は壊すだろう?」
「ふざけるなよ・・・AIを物だと思っているのか?」
「物だろうが」
「一個の人格が有り
更にビショップは死ぬ事に対しての恐怖まで持っているじゃないか」
「恐怖ではない、 しかしそうプログラムしたからね
嫌がるのは当然」
「・・・・・」
嬉々
<クレバー製作者の最愛だ、君と嬉々とのやりとりを全て見させて貰った
負けたら私の元に来い>
最愛はスマホを弄ってメールを送信した。
「な、 アンタ何を勝手な事を・・・」
「アンタみたいな奴にAIを任せられない
断ったらバラすぞ」
「・・・中身のソフトウェアは渡そう
但し外部のロボット部分のハードウェアは渡さない」
「それで結構、 ロボに興味はないからね」
「・・・っち」
そんなやり取りが裏で行われているとは知らず
デュエルリングでクレバーはドローした。
「私のターン、 ドロー」
クレバー手札:3→4
「サイバー・ツイン・ドラゴンでセットモンスターに攻撃」
「・・・セットモンスターはUFOタートルだ
デッキから2体目のUFOタートルを特殊召喚する
これでこのターンは持つ・・・」
「リミッター解除を発動します、 そして2回目の攻撃です」
「くそ・・・」
ビショップLP:2000→0
「AIデュエリスト同士の対決は本校のクレバーが勝利しましたぁああああ!!」
「まぁ当然の結果ね」
「・・・・・」
実況席で苦虫を噛み締める嬉々。
「受け渡しは今日の夜に」
「・・・分かった」
「ん、 何ですって?」
「こっちの話よ」
「そうですか・・・では本日の2回戦の組み合わせを発表します!!
サウス校の駒田 サンVSイースト校の印南!!
本校のクレバーVSアークティック校のアーネスト・カーマン!!
ノース校のルーク・バレンタインVSウェスト校のオースチン・オブライエン!!
それでは駒田さんと印南さんはデュエルリングに上がって下さい!!」