「オブライエン、 次のデュエルだが一つ注文を付けたい」
ウェスト校の控え室
ミハエルが次の試合に出場するオブライエンに注文を付ける。
「注文? 一体何だ?」
「盛り上げてくれ」
「分かった、 やってみよう」
「任せたぞ」
オブライエンが控え室から出てデュエルリングに上がった。
「ふむ、 対戦相手は来ていない様だな」
「来ているぞ」
「!?」
オブライエンの頭の上にルークが佇んでいた。
「とぉ!!」
ルークがオブライエンの頭上から飛び降りて着地する。
「何という身体能力・・・出来る!!」
「お前こそ、 凄まじいデュエルマッスル
間違い無く強者と言う事は見て分かる
このデュエル、 間違い無く事実上の決勝戦だ!!」
「この対抗戦には決勝戦という概念は無い
しかしながら間違い無く激戦になる!!」
互いにデュエルディスクを構えるルークとオブライエン。
「「デュエル!!」」
「先行は譲ろう!!」
「ありがたく貰うぞ!! 俺のターン、 ドロー!!」
オブライエン手札:5→6
「ヴォルカニック・エッジを召喚!!
ヴォルカニック・エッジの効果発動!!
500ダメージを与える!!」
ルークLP:4000→3500
「カードを2枚セットしてターンエンド!!」
オブライエン手札:6→3
「俺のターン、 ドロー!!」
ルーク手札:5→6
「ピラミッド・タートルを召喚してヴォルカニック・エッジに攻撃!!」
「自爆特攻だと!?」
ルークLP:3500→2900
「そしてピラミッド・タートルの効果発動!!
デッキから死霊王 ドーハスーラを特殊召喚!!
そしてドーハスーラでヴォルカニック・エッジに攻撃!!」
「罠カード発動!! 因果切断!!
手札を1枚捨てて相手フィールド上に表側表示で存在する
モンスター1体を選択してゲームから除外する!!」
「手札からチェーン発動!! 神秘の中華なべ!!
ドーハスーラを生贄にしてライフを2800回復する!!」
ルークLP:2900→5700
オブライエンが捨てたカード
ヴォルカニック・バレット
「回避されたか・・・」
「メインフェイズ2
手札のアンデッド族モンスター馬頭鬼を捨てて
手札からジャック・ア・ボーランを守備表示で特殊召喚
カードをセットしてターンエンド」
ルーク手札:6→1
カーマン戦で森下がっていた会場が熱を帯び始めた。
「流石はルーク君、 と言うべきでしょうか」
市ノ瀬が控え室で呟く。
「結構目をかけているんだな」
「えぇ、 ルークはイギリスのジュニアリーグでの優勝経験もありますから」
「それは凄いが、 俺だって財閥内でのリーグで優勝した事もあるぞ」
どや顔する万丈目。
「今回、 彼は盛り上げてくれるでしょう」
「確かにアンデッド族デッキは高レベルモンスター出しやすいし盛り上がるなぁ」
「俺のターン、 ドロー!!」
オブライエン手札:2→3
「墓地のヴォルカニック・バレットの効果発動
ライフ500支払いデッキからヴォルカニック・バレットを手札に加える」
「こっちもジャック・ア・ボーランの効果発動
自分または相手の墓地のアンデット族モンスター1体を特殊召喚し
自身をエンドフェイズまで除外する
俺はドーハスーラを墓地から特殊召喚」
「ヴォルカニック・エッジで500ダメージを与える」
オブライエンLP:4000→3500
オブライエン手札:3→4
ルークLP:5700→5200
「ヴォルカニック・ロケットを召喚
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
自分のデッキ・墓地から「ブレイズ・キャノン」と名のついたカード1枚を
選んで手札に加える事ができる、
俺はデッキからブレイズ・キャノンを手札に加えて
ブレイズ・キャノンを発動
手札から攻撃力500以下の炎族モンスター
ヴォルカニック・バレットを墓地に送ってドーハスーラを破壊する」
「ジャック・ア・ボーランの効果で特殊召喚されたドーハスーラは
フィールドから離れたら除外される」
「墓地に送られた2体目のヴォルカニック・バレットの効果で
ヴォルカニック・バレットを手札に加えて
カードを1枚セットしてターンエンド」
「ジャック・ア・ボーランが除外から帰還するぞ」
オブライエンLP:3500→3000
オブライエン手札:4→2
「俺のターン、 ドロー」
ルーク手札:1→2
「堕ち武者を召喚
効果によりデッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る
俺はデッキから2体目のドーハスーラを墓地に送って
馬頭鬼を除外して馬頭鬼の効果でドーハスーラを攻撃表示で召喚」
「2体目がこんなに早く来るとは・・・
だが3枚目のヴォルカニック・バレットを捨ててサンダー・ブレイクを発動!!
ドーハスーラを破壊!!」
「ではターンエンド」
オブライエン手札:2→1
ルーク手札:2→1
「バレットを3枚使い切ってしまいましたが・・・如何でしょうか宮迫さん」
マリンが宮迫に尋ねる。
「いやブレイズ・キャノンをデッキに入れているのならば
ヴォルカニック・バレット以外に捨てるカードは有る筈ですよ
回収しても良い位ですし」
「なるほど・・・でもルークさんも
次々とモンスターを特殊召喚していってますね」
「こちらもアンデッド故に弾切れの心配は無いでしょう」
「俺のターン、 ドロー!!」
オブライエン手札:1→2
「ブレイズ・キャノンを墓地に送り
ブレイズ・キャノン-トライデントを発動!!
更にブレイズ・キャノン-トライデントを墓地に送り
ヴォルカニック・デビルを召喚!!」
オブライエンも最上級モンスターを召喚した事により
会場のボルテージもヒートアップした。
「盛り下がった会場の雰囲気も良くなって来たな」
「そうだな、 感謝するぜ!!
ヴォルカニック・デビルで堕ち武者に攻撃!!
更にデビルの効果で相手フィールド上のモンスターを全て破壊し
破壊したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える!!
ジャック・ア・ボーランを破壊し500ダメージだ!!」
ルークLP:5200→3900→3400
「そしてヴォルカニック・ロケットとヴォルカニック・エッジで
ダイレクトアタック!!」
「攻撃宣言時に手札からヴァンパイア・フロイラインを守備表示で特殊召喚」
「くっ・・・守備力2000か・・・ターンエンド!!」
オブライエン手札:2→0
「この二人手札を使い切っているわね
無駄な手札を引いていない」
「驚く事じゃないだろ」
「亮・・・」
メグの言葉に亮が何食わぬ顔で訂正する。
「強いデュエリストは運命すら捻じ曲げる
しかもあれだけの身体能力だ、 運命力も凄いだろう」
「如何言う理屈?」
「俗に言うデュエルマッスルだ」
「マジで何言ってんの?」
「俺のターン、 ドロー!!」
ルーク手札:0→1
「おろかな埋葬を発動
デッキから2体目の馬頭鬼を墓地に送る
そして馬頭鬼を除外して墓地からドーハスーラを特殊召喚!!
伏せていた異次元からの埋葬を発動して除外していた
ドーハスーラと2体の馬頭鬼を墓地に戻す
そして2体の馬頭鬼を除外して
ドーハスーラとピラミッド・タートルを特殊召喚」
「だがヴォルカニック・デビル以上の攻撃力のモンスターは居ない!!」
「ヴァンパイア・フロイラインは
自分のアンデット族モンスターが相手モンスターと
戦闘を行うダメージ計算時に1度
最大3000まで100の倍数のLPを支払う事で
その自分のモンスターの攻撃力・守備力はそのダメージ計算時のみ払った
数値分アップする、 即ちライフ3000支払えば
攻撃力3000アップ出来る!! 俺は!!」
とここまで言った所でルークの過去の思い出が蘇る。
イギリス貧民街で弟のヤンと暮らしていた頃。
ヤンにこういう事を言った経験がある。
「今思ったんだけど俺達って鎬兄弟っぽくね?
第一部のな!!」
「ひーもーきーりー」
ヤンに紐切りを喰らい転蓮華でKOされてしまった。
「・・・・・」
自分にとっては苦い経験である。
しかしこの状況で思い出す、 つまり!!
「そう言う事か・・・」
ルークは推測した、 1ターン目からオブライエンが伏せているカード。
このカードが火霊術-「紅」だった場合。
ルークのライフが3000以下になった時
ヴォルカニック・デビルを生贄に捧げられ3000ダメージが飛んで来る。
「少し計算させてくれ」
現状攻撃出来る自分のモンスターは
死霊王 ドーハスーラ×2 攻撃力2800
ピラミッド・タートル 攻撃力1200
そしてルークLP:3400
次にオブライエンのモンスターは
ヴォルカニック・デビル 攻撃力3000
ヴォルカニック・ロケット 攻撃力1900
ヴォルカニック・エッジ 攻撃力1800
オブライエンLP:3000
デビルを倒す為にライフ300支払い残りライフ3100。
デビルを生贄に捧げられてもギリギリ倒されないライン。
その場合ドーハスーラでロケットとエッジを攻撃して2600ダメージ
ピラミッド・タートルで勝てる。
ならばデビルを倒した後の事を考えよう。
ライフ支払い攻撃力を上げた後にデビルを倒してオブライエンのライフは2900
ロケットをドーハスーラで倒せば900ダメージでオブライエンのライフは2000
エッジにピラミッド・タートル自爆特攻で600ダメージでルークのライフ2500
そして3体目のドーハスーラを出して攻撃で1000ダメージ
オブライエンの最終的なライフは1000になる。
ヴァンパイア・フロイラインの攻撃でも落とせない。
ヴァンパイア・フロイラインの攻撃力上昇はモンスターとの戦闘だけなので
ダイレクトアタックでは無理だ。
他のタイミングで倒せる様に攻撃力上げても厳しいだろう。
ならば倒されない程度に少しずつ攻撃力を上げていきのは
ヴァンパイア・フロイラインのダイレクトアタックで如何だろうか?
いや、 相手の伏せカードが火霊術-「紅」で無く
攻撃をしのがれた場合を考えると無暗にヴァンパイア・フロイラインを
攻撃表示にするのは危険。
ここは無暗に冒険するのは止めよう。
「よし、 決まった
ライフを300支払いドーハスーラの攻撃力を300上げてデビルに攻撃」
「くっ・・・」
ルークLP:3400→3100
オブライエンLP:3000→2900
「そして2体目のドーハスーラでロケットに攻撃」
オブライエンLP:2900→2000
「次にピラミッド・タートルでエッジに自爆特攻
破壊された事で3体目のドーハスーラをデッキから特殊召喚し
エッジに攻撃」
「3体目・・・だと・・・」
ルークLP:3100→2500
オブライエンLP:2000→1000
「これでターンエンドだ」
ルーク手札:1→0
「最上級モンスターが3体・・・」
「しかしオブライエンのデッキはヴォルカニック
引いたカードによって効果ダメージで一気に行く事も出来る筈だ」
ウェスト校の控え室で希望的観測を述べるミハエル。
「運が大事ですね・・・」
「頼むぞ・・・」
「俺の・・・ターン!!」
オブライエン手札:0→1
「ヴォルカニック・カウンターを召喚!!
そして伏せていた火霊術-「紅」を発動して
ヴォルカニック・カウンターを生贄に300ポイントのダメージだ!!」
「・・・・・」
ルークLP:2500→2200
「ターンエンド!!」
オブライエン手札:1→0
「俺のターン、 ドロー」
ルーク手札:0→1
「オブライエン、 だったっけ?
最後の最後に白けさせてくれる、 フィールドががら空きじゃないか」
「ヴォルカニック・カウンターは
このカードが墓地に存在し、自分が戦闘ダメージを受けた時に
墓地のこのカードをゲームから除外し、
自分の墓地に「ヴォルカニック・カウンター」以外の
炎属性モンスターが存在する場合
自分が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを
相手ライフに与える効果を持っている!!
つまりドーハスーラでダイレクトアタックをしたら相打ちだ!!」
「・・・・・・・」
はぁ、 とため息を吐くルーク。
「ゾンビ・マスターを召喚してダイレクトアタック
ゾンビ・マスターは1800だから相打ちにはならないぞ」
「くっ・・・」
オブライエンLP:1000→0
「決着ううううううううううううううう!!
この試合を制したのはルーク・バレンタイン!!」
うわああああああああああああ、 と歓声が挙がる。
ルークがオブライエンと握手を求め
オブライエンは握手を受け入れた。
「最後のヴォルカニック・カウンター
自分が『受けた』戦闘ダメージと同じ数値のダメージを
相手ライフに与えるだから戦闘不能ダメージを受けたらそのまま負けで
発動すら出来ないぞ」
「う、 そ、 そうだったのか・・・」
愕然とするオブライエン。
「何で知らなかったんだ?」
「今まで発動する位追い詰められた事が無かったから・・・」
「ふん、 世の中は広いと言う事を知れて良かったな」