控え室でデッキ調整をしているひはつ。
「ひはつ、 今デッキ調整するのは如何かと思うよ?
使い慣れたデッキの方が良いかと思う」
「うん、 僕もそう思うけどさ、 ちょっと変えた方が良いと思う」
同意しているのに何故か同意に反する行動を取るひはつに困惑するメグ。
「・・・どういう事?」
「あの印南って人と似た人とデュエルした事がある」
「何処で?」
「井の頭デュエル大会って言うデュエルの大会で
物凄い切羽詰まった感じの奴・・・恐ろしかった・・・」
「良く分からないわね・・・」
「要するに、 勘です」
「勘・・・ね・・・まぁとりあえず頑張りなさい」
「OK、 じゃあ行って来る!!」
控え室から出たひはつだった。
一方、 イースト校の控え室。
「印南、 次の相手だが割と有名な奴だぜ」
「そうか? 初めて聞くぞ?」
トッドが印南に話しかける。
「アイツはネット社会で噂されるデュエル大会で生き残った一人だとか」
「何だそりゃ、 訳分からんぞ」
「病院送りになった奴も居るデュエル大会だとか
そういう噂が有る、 ネットで言ってた」
「トッドは好きね、 そういう噂」
ツァンが呆れる。
「実家が床屋だからかなぁ・・・噂話は好きなんだよ
兎も角油断するな」
「誰が相手でも油断しねぇよ、 じゃあ行って来る」
印南も控え室から出た。
「さぁ三日目第一回戦最終試合は印南VSひはつ!!
予め椅子がセットされています!!」
「要介護デュエリストとか嫌だなぁ・・・」
解説席のマリンと宮迫が盛り上がっている中
ひはつと印南がデュエルリングで対峙する。
「実際こうしてみると、 分かるぜ、 アンタの強さ」
「貴方も強いですね・・・」
「五十音順で先行は貰うぞ」
「ちょっとまった僕はあおもじ ひはつだからそれだったら僕が先行ですよ」
「なら先行はくれてやる」
「じゃんけんで良いでしょ」
「ならコイントスだ」
「駄目だ、 じゃんけんだ」
「・・・・・」
「早くも読み合いね・・・」
控え室でモニターを見るメグが呟く。
「そうなの?」
「五十音順で先行を貰う、 と見せかけて先行を押し付けようとしている
と踏んで先行を運否天賦で任せようとしている
そしてじゃんけん、 コイントスで何方かが決めるのかを決めるかを
互いに争っている」
十代に亮が解説する。
「じゃんけんかコイントスはどっちでも良くない?」
「良く無いだろ」
「何で?」
「相手の提案に乗らないと言う戦術は
ペガサス島の初期型デュエルディスク拒否にも通じる話だ」
「あぁ・・・なるほど・・・」
結局の所話し合いの結果、 コイントスに決定。
印南が提案してひはつがコイントスをした結果。
印南が先行になった。
「俺のターン、 ドロー」
印南手札:5→6
「モンスターをセット、 カードを3枚セットしてターンエンド」
印南手札:6→2
「僕のターン、 ドロー」
ひはつ手札:5→6
「マシンナーズ・フォートレスの効果発動
このカードはレベルの合計が8以上になるように手札の機械族モンスターを捨てて
手札・墓地から特殊召喚できる
僕はフォートレス自身と超電磁タートルを墓地に送って
マシンナーズ・フォートレスを攻撃表示で特殊召喚」
「面倒な・・・」
「そしてA・ジェネクス・ドゥルダークを召喚して
機甲部隊の最前線を発動、 ドゥルダークでセットモンスターに攻撃」
「分かってるなぁ
このデッキでそこまで守備力高いモンスターは居ないと読んだか
セットモンスターは暗黒のミミック LV1だ、 リバース効果で1枚ドロー
そしてセットしていたブロークン・ブロッカーを発動
デッキから2体の暗黒のミミック LV1を特殊召喚する」
印南手札:2→3
「・・・フォートレスでミミック1体を攻撃」
「和睦の使者を発動、 戦闘破壊は無効だ」
「・・・カードを2枚セットしてターンエンド」
ひはつ手札:6→0
「え? 何故このタイミングで和睦の使者を?」
困惑するマリン。
「ブロークン・ブロッカーで呼び出したミミックを守る為でしょうね
ミミックはリバースしなくてもレベルアップが可能ですから」
「つまり次のターンに暗黒のミミック LV3が2体出て来るって事ですか?」
「加えて言うならその出て来たミミック2体はそれぞれ
戦闘によって墓地に送られた場合デッキからカードを1枚ドロー効果が
暗黒のミミック LV1の効果によって
特殊召喚されているのでカードを2枚ドローする効果になります
つまり4枚ドロー、 和睦の使者を切る価値は充分あります」
「なるほど・・・」
宮迫の解説に納得するマリン。
「俺のターン、 ドロー」
印南手札:3→4
「サイクロン発動して機甲部隊の最前線を割る」
「っ・・・」
「自分のターンのスタンバイフェイズ時に暗黒のミミック LV1の効果により
表側表示のこのカードを墓地に送り
暗黒のミミック LV3を手札またはデッキから特殊召喚する
デッキから2体のミミックLV3を攻撃表示で召喚」
「やりうる・・・」
「そしてサイレント・マジシャン LV4を召喚」
「またそれか・・・まぁ好きにしなよ」
「随分と余裕だな? マシンナーズ・フォートレスが居るからか?
まぁそいつは破壊されてもこっちと相打ちに出来るし
当然と言えば当然か、 だがこれは予測できたか?
バトルフェイズ、 ミミックLV3でドゥルダークに攻撃
その瞬間に手札から速攻魔法サイレント・バーニングを発動」
「サイレント・バーニング・・・確かサイレント・マジシャンの技だった筈では?
でもこちらも相手モンスターの攻撃宣言時に罠カード
分断の壁を発動、 相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターの攻撃力は
相手フィールドのモンスターの数×800ダウンする」
「ならチェーンしてトラップ・スタン、 罠はこのターン無効だ」
「くっ・・・」
「それじゃあサイレント・バーニングの効果を発動するぞ
自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し
自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる
お互いのプレイヤーはそれぞれ手札が6枚になるようにデッキからドローする
このカードの発動と効果は無効化されない。」
「だから発動前にカードをセットしていたのか・・・」
「お前は6枚、 俺は5枚ドローだな
ついでにお前がドローしたからサイレント・マジシャンに魔力カウンターが乗る」
印南手札:1→6
ひはつ手札:0→6
サイレント・マジシャン LV4:魔
「そして攻撃は続行される、 ドゥルダークにミミックが破壊され2枚ドロー
もう1体のミミックでも攻撃だ、 またドローできる」
「ダメージは受けて貰う」
「当然」
印南手札:6→10
印南LP:4000→3200→2400
「さてと、 じゃあメインフェイズ2
サイレント・マジシャンを生贄に捧げて
沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンを特殊召喚」
「同じじゃん!!」
「違う、 こいつは自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を
生贄にした場合のみ特殊召喚できる別物のモンスターだ
このカードの攻撃力は、自分の手札の数×500アップする」
「手札制限で僕にターン、 回って来る時には6枚になるから・・・
3000アップ!?」
「その通り、 ついでに言うとコイツの素の攻撃力は1000だから4000か
勿論、 俺は手札制限枚数でカードを捨てる真似はしない
カード3枚セットしてターンエンド」
「エンドフェイズにセットしていた速攻魔法終焉の焔を発動
黒焔トークン2体を守備表示で特殊召喚」
「おっと、 沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンの第二の効果
1ターンに1度、魔法カードの発動を無効にする!!」
「っ・・・」
印南手札:10→6
「なんつードロー枚数だよ・・・」
控え室で感心しながらも若干呆れる十代。
「確かにこれはちょっと過剰ね
ドローは魅力的だけどもミミックで4枚ドロー出来るんだから
相手にドローさせてまでここまでドローするのはちょっと問題じゃない?」
「だよなぁメグ、 融合とか手札を使うなら兎も角
レベルアップってそんなにカード使う印象はないぞ」
「そうよね」
「そんな事は印南も承知の筈だ、 あの3枚の伏せカードで対処するつもりだろう
もしくはあのサイレント・マジシャンの魔法無効効果を使うつもりだ」
亮が呟く。
「僕のターン、 ドロー」
ひはつ手札:6→7
「・・・・・限界竜シュヴァルツシルトを守備表示で特殊召喚
このモンスターは相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが
存在する場合、 手札から特殊召喚できる
そして強制転移を発動、 互いにモンスターを選びコントロールを切り替える」
「沈黙の魔術師の効果で魔法の発動を無効にする」
「死のマジック・ボックスを発動
シュヴァルツシルトをあげるよ
その代わり沈黙の魔術師サイレントマジシャンは破壊される」
「良いだろう、 だが破壊され墓地に置かれた際に最後の効果が発動する!!
手札・デッキから「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン」以外の
「サイレント・マジシャン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する
当然選ぶのはデッキのサイレント・マジシャン LV8!!」
あっさり出て来るサイレント・マジシャン LV8にたじろぐ観客達。
ひはつ手札:7→4
「関係無いね、 ドゥルダークを生贄にニードルバンカーを召喚」
「ニードルバンカーか、 デス・シザースと同じ効果で
ステータスが高くなってるモンスターだったな
ならば奈落の落とし穴だ」
「ライフを1500支払い手札から速攻魔法、 我が身を盾にを発動
奈落の落とし穴を無効に」
「チェーンで手札を1枚捨ててマジック・ジャマーを発動
その我が身を盾にを無効にする」
「チェーンが出来ない・・・大人しくニードルバンカーは破壊される」
ひはつ手札:4→2
ひはつLP:4000→2500
印南手札:6→5
印南が捨てたカード
ホルスの黒炎竜 LV6
「このまま済まさない
フォートレスでシュヴァルツシルトに攻撃」
「受ける」
「カードを1枚セットしてターンエンド」
「エンドフェイズにリビングデッドの呼び声を発動
ホルスの黒炎竜 LV6を墓地から特殊召喚するぞ」
「抜け目がない・・・」
ひはつ手札:2→1
「俺のターン、 ドロー」
印南手札:5→6
「結構やるじゃねぇか、 少し頭に血が上って来たぞ」
「怒ってるの?」
「あー、 テンションが上がったって言った方が良いか?
今風に言うと、 まぁ良いか、 レベルアップ!を発動
ホルスの黒炎竜 LV6を墓地に送って
ホルスの黒炎竜 LV8をデッキから特殊召喚する
これで魔法は封じた
収縮とか月の書とかシザース・バンカーにはありがちだからな」
「戦い慣れてますね」
「まぁな、 次にホルスの黒炎竜 LV4を召喚
ホルスの黒炎竜 LV8でフォートレスに攻撃」
「攻撃宣言時に銀幕の鏡壁を発動!!
このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り
相手の攻撃モンスターの攻撃力は半分になる!!」
「チェーンでライフ500払って手札から速攻魔法ツイスターを発動
銀幕の鏡壁を破壊する、 このまま攻撃は続行されるぞ」
「っ・・・フォートレスは戦闘破壊される」
印南手札:6→3
印南LP:2400→1900
ひはつLP:2500→2000
「マシンナーズ・フォートレスが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合
相手フィールドのカード1枚を破壊する
僕が破壊するのは・・・・・ホルスの黒炎竜 LV4!!」
「何? サイレント・マジシャンじゃなくて良いのか?」
「うん!!」
「・・・・・ホルスの黒炎竜 LV4は破壊される」
印南は他のモンスターだったら手札のレベルダウン!?で
サクリファイス・エスケープ出来た、 それを読まれたのか?
「・・・・・サイレント・マジシャンでダイレクトアタック!!」
「ガード・ブロックを発動!!
戦闘ダメージを無効にして1枚ドロー!!」
「まぁ防ぐ手段が無かったらやらんわな」
ひはつ手札:1→2
「カードを1枚セットしてターンエンド」
印南手札:3→2
「ひはつのさっきのフォートレスでのホルス破壊が何を意味するのかは
分からないが、 この状況互いにヤバいな」
「そうなんです?」
宮迫とマリンが解説席で話している。
「ひはつ君はシザース・バンカー、 要するに戦闘破壊出来ればOK
攻撃力を上げてデス・シザースで殴り倒せば勝てる」
「中々厳しく無いですか? ホルスで魔法発動出来ませんよ?」
「まぁ何かしらの策が有るのでしょう
最悪フォートレスを壁にする事も出来る筈です」
「そうですかね」
「僕のターン、 ドロー!!」
ひはつ手札:2→3
「墓地のフォートレスとニードルバンカーを除外して
マシンナーズ・ルインフォースを手札から特殊召喚
このカードはレベルの合計が12以上になるように
自分の墓地の機械族モンスターを除外した場合のみ特殊召喚出来る」
「ここでそいつは、 こんな大型モンスターまで出て来るとは芸達者だな!!」
「まだまだセカンド・ブースターを召喚して生贄に捧げて効果発動!!
マシンナーズ・ルインフォースの攻撃力をエンドフェイズ迄1500上げる!!
これで攻撃力は6100!!」
「セットしていた威嚇する咆哮を発動!! 攻撃宣言を封じる!!」
「そうかい、 だったらターンエンド」
ひはつ手札:3→1
「ここまでの大型モンスターを・・・」
観客席で呆気に取られる翔
「大型モンスターなのは凄いがね翔君
あまり期待しない方が良いかもしれないよ」
デュエル譜を取りながら指摘する翔。
「ど、 どういう事ッスか雀先輩」
「まだ逆転の眼は充分にあるよ、 カオス・ソーサラーでも出されたら
簡単に除去出来るからね」
「リスペクトに反するッス!!」
「君のお兄さんがリスペクトを無視した行いをしていると言うのに頑なだねぇ」
「僕が兄さんの代わりにリスペクトデュエルを引き継ぐッス!!」
「好きにしなよ、 いずれにせよ
あの印南がリスペクトを尊重するとは思えないけどね」
「雀、 喋ってないでデュエル譜取れよ」
「ちゃんと取っているよキリ君」
「俺のターン、 ドロー!!」
印南手札:2→3
「・・・・・」
印南は眼を閉じた。
そこからたっぷり2分時間をかけた。
「良し、 覚悟は決まったぜ、 貪欲な壺を発動
墓地のモンスター5体を戻して2枚ドロー」
デッキに戻すモンスター
暗黒のミミック LV1
暗黒のミミック LV1
暗黒のミミック LV1
暗黒のミミック LV3
暗黒のミミック LV3
印南手札:2→4
「バトルフェイズに入る、 2枚目のサイレント・バーニングを発動!!
互いに6枚になる様にドローする!!」
「博打に出たか・・・・・だけど付き合ってられないね
マシンナーズ・ルインフォースの効果発動
ライフを半分支払ってバトルフェイズ中の効果発動を無効にして
相手ライフを半分にする」
「受ける」
印南LP:1900→850
ひはつLP:2000→1000
「3枚目のサイレント・バーニングを発動!!」
印南手札:2→6
ひはつ手札:1→6
「こう来たか、 一時休戦を発動
互いに1枚ドローして次の相手ターン終了時まで
互いにダメージを受けない・・・そしてカードを5枚セットしてターンエンド」
印南手札:6→1
ひはつ手札:6→7
「僕のターン、 ドロー」
ひはつ手札:7→8
「セットカードを全て発動大暴落、 ゴブリンのやりくり上手3枚、 非常食
チェーンを逆順処理、 非常食で4枚のカードを墓地に送りライフ4000回復
そしてゴブリンのやりくり上手3枚の効果で
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を
自分のデッキからドローし自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻す
つまり12枚ドローして3枚手札をデッキに戻す
最後に大暴落だ
相手は手札を全てデッキに加えてシャッフルした後
カードを2枚ドローする」
「8枚になったから・・・くっ・・・」
印南手札:2→14→11
ひはつ手札:8→2
印南LP:850→4850
「・・・・・ダメージは0でも攻撃は出来る
ルインフォースでホルスに攻撃」
「良いだろう、 ホルスは破壊だ」
「・・・モンスターとカードをセットしてターンエンド」
ひはつ手札:2→0
「あの手札の枚数、 確実に逆転、 いや
この状況ならば順当に勝つわね・・・」
ウェスト校の控え室で明日香が呟く。
「確かに・・・あれは辛いな、 ここから押し切られそうだ」
スポーツドリンクを飲む泉田。
「下らん」
控え室から出る東堂。
「おい、 何処に行くんだ東堂」
「高田ちゃんの録画を見に行く」
「良いのか、 試合を見なくて」
「こんな物もう決まっただろうが、 下らん」
「俺のターン、 ドロー」
印南手札:11→12
「ミスティック・ソードマン LV2を召喚」
「裏守備破壊モンスターか・・・」
「その通りだ、 次に異次元からの埋葬を発動して
お前が除外したニードルバンカーとフォートレスを墓地に戻して貰う
これでルインフォースが破壊されても効果で除外から帰還出来まい」
「っ・・・」
「ではサイレント・マジシャンでルインフォースに攻撃」
「攻撃宣言時にセットしていたスピリット・バリアを発動!!
モンスターが僕のフィールドに居る限り戦闘ダメージをゼロにする!!」
「2枚目のサイクロンで叩き割る
ダメージ計算時にオネストを捨ててルインフォースの攻撃力分
サイレント・マジシャンの攻撃力を上げる」
「ルインフォースの効果でライフ半分支払いオネストの効果を無効に!!」
「なら2枚目のオネストだ」
「あ・・・」
印南LP:4850→2425
ひはつLP:1000→500→0
「決着ぅううううううううううううううう!!
勝者は印南いいいいいいいいいいいいいいい!!」
わあああああと歓声が響く。
「やっぱりデッキ調整を急いでするのは悪手だったかなぁ・・・」
「いや、 悪く無かったぞ、 またやろう」
「その時は勝ちますよ」
「あぁ」
握手をするひはつと印南だった。