デュエルリングの上で月一テストの実技試験が始まった。
「良い空気ね」
「そうか?」
デュエルリング上で対峙する十代と色彩。
互いに実技試験の相手である。
「勝たせて貰うよ、 昇格しなくちゃならなくなったしね」
「どういう事だ? 色彩は第一サイバー流デュエル部の連中が嫌いだから
レッド寮に来たんじゃなかったのか?」
「それなんだけどさ、 実技試験の相手は同じ寮の相手
つまり第一の連中をぶちのめす為にはブルー寮に行かなくちゃいけないって
今更ながら気が付いた」
「あー・・・ノース校には寮とか無かったからな知らなかったのは
しょうがないな・・・はぁ・・・」
「あんまり元気無いわね、 如何したの?」
「周り見て見ろよ・・・」
周囲の観戦している生徒達も必死である。
過去の様にレッド寮を馬鹿にしている暇は無い。
全力でぶつからなければ現状維持すら出来ない状況なのだ。
「そうかな、 周りの事より今は貴方しか見えないわ」
「そうだな、 色彩とはデュエルした事無かったし
楽しめそうだな」
「楽しめるかな?」
「「デュエル!!」」
一方その頃、 とある上空の飛行機のファーストクラスにて
極彩と亮が仲良く、 では無いが月一試験のリアルタイム中継を見ていた。
「・・・・・始まりましたが」
「そうねぇ、 精々楽しめるデュエルを見せてくれると良いけどね」
ワインを瓶からラッパ飲みしながらステーキを食べる極彩。
「色彩って言うのは貴女の妹ですよね」
「あの馬鹿ね、 雑魚だし興味無いわよ
とは言え実力は未知・・・」
「この間デュエルしたじゃないですか」
「私は他を隔絶する程の圧倒的強者だから
戦っても雑魚過ぎてレベルが図れないのよ
実際の所強いのか弱いのか分からない、 あんまり強いと
第一の連中がやられるかもしれないしね
私は顧問している生徒の事を思いやれるいい先生だから」
「・・・・・一つ聞いてみたい」
「何を?」
「俺と貴女、 サイバー流免許皆伝だが何方が強いだろうか」
「私でしょ」
「試してみます?」
「そもそもどっちが強いって聞いて来る時点で
自分の方が強いって言える私の方が強いに決まっているでしょ
気概で負けてんのよ餓鬼」
バリボリとピスタチオを食べる極彩。
「私は大人だから強さ比べで君をボコボコにする程大人げない訳無いからね
今は仲良く見世物を見ましょう」
「・・・・・」
「俺の先行、 ドロー!!」
十代手札:5→6
「E・HERO オーシャンとネクロダークマンを手札融合!!
E・HERO アブソルートZeroを攻撃表示で融合召喚!!
モンスターとカードを1枚ずつセットしてターンエンド」
十代手札:6→1
「私のターン、 ドロー」
色彩手札:5→6
「アブソルートZeroね、 サイバー流にとって少しキツイ相手ね
東堂とトレードしたカードよね?」
「あぁ、 これならサイバー流の高火力モンスターに倒されてもリカバリーが利く」
「フィールドから離れるだけで相手モンスター全破壊って
チートに片足突っ込んでるわね・・・
でも残念、 私は手札から融合を発動」
「来るか!!」
「手札のサイバー・ドラゴンとジェムナイト・ガネットを手札融合
起爆獣ヴァルカノンを攻撃表示で融合召喚」
「起爆獣ヴァルカノン?」
サイバー流のモンスターでは無い融合モンスターに戸惑う十代。
「起爆獣ヴァルカノンは機械族と炎族モンスターと言う
緩い融合素材で融合出来るモンスター
そして効果発動、 このカードが融合召喚に成功した時
相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して
選択した相手モンスターとこのカードを破壊して墓地へ送る
その後、墓地へ送られた相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」
「何ッ!?」
「アブソルートを墓地に破壊して2500のダメージを受けて貰うよ」
「うわあああああ!!」
十代LP:4000→1500
「くっ・・・だがお前のモンスターも破壊された!!」
「まだ召喚権は残っているよ
とは言え一気に追い詰めなければ逆転されるかもしれないし
巻いて行こう、 融合回収を発動
さっき使った融合とサイバー・ドラゴンを手札に戻す
そしてサイバー・ドラゴンを特殊召喚
更にE・HERO ザ・ヒートを通常召喚」
色彩手札:6→2
「ヒーローまで・・・」
「サイバー流に固執してもあのクソ女には勝てないからね
多角経営と行こう、 ヒートは自分の効果で攻撃力200上がって
攻撃力1800、 とりあえずサイバー・ドラゴンでセットモンスターに攻撃!!」
「セットモンスターはフレンドッグ!!
破壊された事により効果で墓地の融合とオーシャンを回収する!!」
十代手札:1→3
「ならばザ・ヒートでダイレクトアタック」
「まだだ!! フレンドックが戦闘破壊された時に
伏せていたヒーロー・シグナルを発動!!
デッキからE・HERO フォレストマンを守備表示で召喚!!」
「むっ・・・引きが良い・・・ターンエンド」
飛行機内、 つまらなさそうにステーキの付け合わせを食べる極彩。
「アホらし・・・」
「何処が可笑しいのですか?」
カイザーの問いにちびちびとワインを飲む極彩。
「何で融合使っているのかが分からない
ヴァルカノンを主軸にするならばフュージョン・ゲートの方が良いだろう
緩い縛りの融合素材だからトークンでも良い訳だし
大量展開も可能になる」
「・・・色々な状況に対応出来るのでは?」
「多角経営と言っているがあの小娘に扱い切れるかなぁ?
すいませーん、 ワインお代わり―」
キャビンアテンダントに注文する極彩。
「飲んでいて大丈夫ですか?」
「まだまだフライト時間はたっぷり残っている心配無いさカイザー」
「俺のターン、 ドロー!!
自分スタンバイフェイズにフォレストマンの効果発動!!
自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える!!
俺はデッキから融合を手札に加える!!」
十代手札:3→5
「融合2枚、 残りの手札次第では融合HERO2体かな?」
「HEROは融合だけじゃない!!
墓地のネクロダークマンが墓地に存在する限り1度だけ、
自分はレベル5以上の「E・HERO」モンスター1体を生贄なしで召喚できる!!
俺は手札のE・HERO エッジマンを召喚!!
そしてエッジマンでサイバー・ドラゴンに攻撃!!」
「っ・・・」
色彩LP:4000→3500
「カードを1枚セットしてターンエンド!!」
十代手札:5→3
「私のターン、 ドロー!!」
色彩手札:2→3
「ヴェルズ・オランタを召喚!!
そして効果発動!! このカードを生贄にして
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する!!」
「こっちもチェーン発動!! エレメンタル・チャージ!!
俺のフィールドのE・HERO×1000のライフを回復する!!」
十代LP:1500→3500
「ライフは並んだか・・・だけどまだまだこれから!!
精神操作を発動!! フォレストマンのコントロールを奪う!!」
「あ!! フォレストマン!!」
フォレストマンのコントロールを奪われ戸惑う十代。
「精神操作でコントロールを奪ったモンスターは攻撃もリリースも封じられる
でも融合素材には出来る、 私は融合を発動
フォレストマンとザ・ヒートを融合して
E・HERO ノヴァマスターを召喚!!」
「炎属性のヒーロー・・・」
「その通り、 色々効果は有るけど
とりあえずダイレクトアタック!!」
十代LP:3500→900
「くっ・・・」
「エレメンタル・チャージ無ければ終わっていたわね
悪運が強い・・・ターンエンド」
色彩手札:3→0
「『エレメンタル・チャージ無ければ終わっていたわね』じゃねぇよ
終わってんのはオメーだよ」
機内でもちゃもちゃとイセエビを食べながら管を巻いている極彩。
「カイザーも食べる?」
「結構、 しかし大分追い詰められていますよ?」
「なぁにが追い詰められているのよ、 手札0になっている時点で
融合デッキ使いとしては致命的よ、 最早死に体と言っても良い」
「そうでしょうか・・・」
「事実十代君の手札は融合2枚も有る
逆転の目は充分にあるわよ」
「うーむ・・・」
「俺のターン、 ドロー!!」
十代手札:3→4
「E・HERO エアーマンを召喚!!」
「なっ!? ここで!?」
驚愕する色彩。
エアーマンが召喚されれば効果でデッキからHEROが手札に入る。
更に十代は手札に融合が有る。
ならば属性融合HEROが飛んで来てノヴァマスターは確実に破壊される。
デッキに逆転出来るカードは有るが・・・引けるだろうか?
いずれにせよこのターンを生き延びられればの話だが・・・
「俺はデッキからE・HERO バブルマンを手札に加える!!
そして融合!! 俺はバブルマンとエアーマンを融合して
E・HERO サンライザーを融合召喚!!」
「・・・サンライザー? そんな属性融合HERO居たっけ?」
「こいつは属性が異なる「HERO」モンスター×2が融合素材だ」
「・・・なるほど、 知らない訳だ」
「そしてサンライザーの効果発動!!
このカードが特殊召喚に成功した場合に
デッキから「ミラクル・フュージョン」1枚を手札に加える!!」
「あー・・・完璧に終わったわね・・・サレンダー」
「え・・・サレンダーって・・・」
戸惑う十代。
「今回の出来事を振り返って反省する必要が有る
確実に敗北するのならばさっさと確定させて復習に充てたい」
「わ、 分かった、 良いよ」
サレンダーにより十代の勝利が確定。
「ここは素直に褒めるべきポイントね」
食後のデザートを楽しみながら機内の極彩が褒める。
「サレンダーはあんまり褒められた物じゃないって言うけども
時間は有限なんだからこうして負けが確定したらどんどんサレンダーするべきよ」
「そうですか?」
寮が疑問を口にする。
「最後まで諦めない心は大事だと思いますが・・・」
「最後までって、 もうあの状況は伏せカードも手札も無い
そして追加の融合モンスターが出て来るのも確実な状況
Great TORNADO、 ガイア、 The シャイニング
何を出してもノヴァマスターは殴り倒される
勝ち負けじゃなくて最早首を切られている状態なのよ
そこまでされて諦めないのは見苦しい」
「・・・・・」
「まぁまだ学生さんだし分からないか
負けたらとっとと反省して次は如何するかを考えた方が
時間を有効活用出来るでしょ」
「貴女が時間を有効活用しているとは思えませんが」
「言うねぇ、 まぁやる時はやる女よ、 私は
さてと、 あの馬鹿が負けた所で適当に何か見る?
映画でも如何? サンセット大通りとかおススメよ」
「何ですかそれ・・・」
「無声映画時代の落ちぶれたスターの物語だけど
役者が良い演技するのよ、 執事役の元監督がステキ」
「・・・翔の実技試験が気になるのでそちらを見たいのですが」
「・・・・・少し意外ね、 まぁどうぞご勝手に
モニター取られたし私はスマホで創作怪談でも聞いているわ」
色彩の使用デッキは【ヴァルカノン軸サイバー】
炎族とサイバーの混合デッキですが
炎のエッセンスが強過ぎますねサイバーじゃねぇ!!