「「「なんでお前は女っぽいのに男なんだ!」」」と変態三人衆に言われるレヴィアタンの血を引く少年の、余計な要素が無駄に入ったD×Dのお話   作:グレン×グレン

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 はい、イッセーが乱入してからの話になります。

 非常に面倒くさい男の非常に面倒くさい所がこれでもかと出てくる部分です。


第七話 大波乱の婚約パーティ(後編)

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

「さて、転生悪魔くん。君が勝った時は何か願いがあるかね?」

 

 部長のお兄さん、サーゼクス様がそう言ってきた。

 

 ……俺が起きたのは数時間前。そしたらグレイフィアさんが、この人の言葉と共にここに来るための魔方陣を用意してくれた。

 

―リアスを助けたいのならこれを使うといい

 

 そんな言葉を言ってくれたんだから、何かしてくれると思ったけど、この人は「婚約パーティの余興」という形で、俺とライザーの血統を用意してくれた。

 

「サーゼクス様! いくら何でも下級悪魔ごときに報酬など!」

 

「下級とはいえ悪魔ではある。なにより私が呼んだのだから、褒美を取らすのは当然だよ」

 

 サーゼクス様は貴族に対してそう返して、俺に向き直った。

 

「なんでも言ってみたまえ、爵位でも金でも限度はあるが用意しよう」

 

 ―ありがとうございます。

 

 木場も小猫ちゃんも朱乃さんも、俺がライザーの前に立ちはだかるまで手伝ってくれた。

 

 そしてサーゼクス様がこうしておぜん立てを整えてくれた。

 

 実はちょっとだけ嫌な予感があったけど、この調子なら大丈夫なんだろう。

 

 だから、俺が言うことはただ一つだ。

 

「俺がかったら、リアス部長を返してもらいます」

 

「いいだろう。君が勝ったらリアスの婚約を白紙に戻そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「異議あり!」」

 

 

 

 

 

 

 

 そんな声が、大きく響き渡った。

 

 それも、別々の方向から響き渡った。

 

「……む? 聞きなれない声だが、私と同じ意見を言ったのはだれかね?」

 

 そういったのは、亜麻色の髪の二十代ぐらいの男性だった。

 

 あ、なんかサーゼクス様がちょっと警戒心を見せている。

 

「ヘルゼント・バアル殿」

 

「おお、バアルが誇る最上級悪魔にしてレーティングゲームの十一位……っ」

 

「個人としてならディハウザー・ベリアル達トップ3にも並ぶという彼なら、きっと……」

 

 なんかすごい人っぽいけど、だけど問題はそこじゃない。

 

 おいおいおい。まさかまさかまさか。

 

「あの、お兄様。こちらの方です、が……」

 

 そう言って、どうもヘルゼントとかいう人の妹っぽい、よく似た亜麻色の髪のお姉さんのが、隣にいる人を示した。

 

「……もう一度言います。その決闘、異議しかありません!」

 

 俺もよく知る、女装したら女にしか見えない学友、一志・L・モンタギュー。

 

 ああ、俺はもう言うほかない。

 

 渾身の憤りを、一気に解放する。

 

「……なんで一志をまず説得してないんですか! 絶対こういう時に異議申したてるやつなんですけど、サーゼクスさまぁああああああ!」

 

『『『『『『『『『『そっちぃいいいいいいい!?』』』』』』』』』』

 

 なんか大絶叫だけど、俺から言ったらそういうしかない。

 

 だって俺は此処に来るまでずっとそれが気になってた。

 

 あの一志が、一志がだよ?

 

 事前に説得されてないのに、こんな展開に文句付けないわけないじゃない!

 

「あの、一志くん? リアスの婚約には反対じゃなかったかな、君は」

 

「ええ。リアス様の婚約そのものには反対です。仮にも現公爵ともあろうものが娘との約束を反古にした挙句、圧倒的不利なレーティングゲームの勝敗で決めるだなんて真似を妥協のように語り、不利を埋めるハンデを何一つ用意しようとしない。はっきり申し上げれば、これは現公爵閣下の資質を問いただすべき事態でもあると思っております」

 

 サーゼクス様に真っ向からそう言い切ってから、一志は鋭い目をサーゼクス様に向けた。

 

「しかしそれをリアス様が自ら呑んで敗けた以上、イッセーがそう答えることを前提の上で決闘の機会を与えた貴方の魔王としての資質もまた、問いただすべき事態であるといわせてもらいます」

 

 ……ああ、面倒なことになってきた。

 

 俺がなんていうかあきらめてると、周りがすっごくざわついている。

 

「ぐ、グレモリー卿は愚か魔王様の資質を問うなどと、食客風情が許されることだと思っているのか!!」

 

 すでに魔力を放ちそうな勢いで、お偉いさんっぽい人が言うけど、その心配はないです。

 

 絶対こうなることもわかってる。あいつはそういう奴だ。

 

 だから、今から言うことも予想できてる。

 

「とりあえず最後まで待っていただきたい。その上で俺の命を罰則として奪うべきことだと思うのであれば―」

 

 そう言いながら、一志は懐から取り出したある物を、そのお偉いさんに握らせる。

 

 それを見たお偉いさんが目を見開いて一志を二度見するのを待ってから、一志は真顔で頷いた。

 

「どうぞその刃で俺の心臓を貫いてください。ニコチンを大量に塗っているので、まず間違いなく確実に殺せます」

 

 ……べっとりとしたものが塗られた、短剣だった。

 

 周りがなんていうか恐れおののいている感じになっていると、一志はそれに気づいて首を傾げた。

 

 そしてふと何かに気づいたけど、絶対勘違いしてる。

 

「ああ、ニコチンは直接血流に入ると少量で致死量に達するのですよ。万が一を考慮したダメ押しとして抽出して縫っておきました」

 

「そうじゃねえよ!」

 

 思わず俺がツッコンだよ。

 

「そこじゃなくて、なんで部長の食客が婚約の妨害の方を死ぬ気で邪魔してるんだって話してるんだよ!」

 

「は? 何言ってるんだお前?」

 

 多分いうと思ったけど、やっぱり言ったよ。

 

 俺もげんなりしていると、一志は軽くため息をついてから、やれやれと首を横に振る。

 

「仮にも貴族が自ら挑んだ決闘で敗北した結果なんだ。全滅寸前までに追いつめられたとはいえライザー氏はリアス様が自ら同意した決闘に勝って婚約の権利を掴んだんだぞ? 横から上がしなくてもいい一対一の決闘(タイマン)なんて明らかに条件がイッセー側に傾いている者を押し付けたうえ、勝ってもメリットがないのに負けたら婚約が破棄なんて、それこそ問題だろう」

 

 言いたいことは分かるけど、それをお前が言うか。

 

 ライザーに対して毒がある力の入った言葉だったけど、全面的にライザーの肩を持ってやがる。さっきからリアス部長寄りの意見を言っている上でこれだから、みんなとっても戸惑っている。

 

 お偉いさんに聞こえるように言ってるからか、部長のことをリアス様と言い換えている辺り、冷静に言ってるから質が悪い。

 

 ―頭どうかしてるんじゃないだろうか?

 

 そんな視線が思いっきり突き刺さってるけど、一志は平然としている。

 

「そんな横紙破り、王であっても……いや、民に法を守らせる王だからこそしてはいけないだろう。あまねくものが論外だ。俺は最悪の場合、伝家の宝刀を抜いてでも糾弾する覚悟を決めている」

 

 その言葉に、サーゼクス様達何人かが息を呑んだ。

 

 あ、つまりそんな人達が一志のレヴィアタン(正体)に気づいてるってわけか。

 

 そりゃ息を呑むよなぁ。

 

 サーゼクス様は魔王だからそれなりに動けるけど、それを糾弾する奴が本来の王様の子孫なんだから。

 

 というより。

 

「お前、最初(ハナ)からサーゼクス様が俺を送り込んでくるって読んで、止める為の準備も万端だったな?」

 

「当たってほしくなかったがな。お前のことだからなんだかんだで勝ちの目もあるんだろうしな。仮にも部長自らストレートに飲んだ決闘での結果を、圧倒的にお前側に傾けた決闘でひっくり返すような真似、止めることが俺達()のすべきことだ」

 

 だよなー。

 

 なんていうか、一志って「すべき」ことにうるさい所があるからなぁ。

 

 例えリアス部長の為であっても、それをすべきじゃないと判断したら絶対しない。やろうとする奴がいたら絶対止める。

 

 俺が警察に捕まってないのも「集団私刑という犯罪行為で報復されている男を、相手側の犯罪を罰しない形で罰するべきでない」ってところからみたいだし。純粋に女子達が警察に通報したら止めないつもりだって、前にはっきり言ってたし。前科込みで訴えたら女子の前科も通報する気満々らしいけど。

 

 というか、サーゼクス様にはむしろ最初から考えてて欲しかった。

 

「すいませんサーゼクス様。こいつは真っ先に説得してから呼んで欲しかったです」

 

「……いや、彼はリアスの婚約に反対側だと思ってたから、正直驚いている」

 

 見ると、リアス部長も朱乃さん達も面食らってる。

 

 あれ? もしかして一志について一番分かってるのって、俺?

 

「あの、一志はこういうのには病的にうるさい奴ですよ? コイツが認めるとするなら、それこそあの時のレーティングゲーム以上に難易度が高くないと不味い気がするんですけど」

 

 それはそれで不味いけど、俺もそこまで覚悟はしてた。

 

 だから、まあそこはいいんだけど……。

 

「さてどうしたものか。一応心情として部長側の俺が提案すると、実はイッセー(こちら)側有利だと邪推されそうだしな……」

 

 ほら、絶対にあの時のレーティングゲームより難易度高くしたがってるし。

 

「……なら、こちらから提案するべきだろうね」

 

 と、そこでさっき一志と被って異議を立てた人が声を上げた。

 

 確か、ヘルゼントさんだったっけ?

 

「サーゼクス様。例の食客君が私の言いたいことをそれ以上に言ってくれましたので、そこは申し上げません。ですが言っていることは筋が通っていますし、彼が伝家の宝刀を抜くと流石にややこしいことになります。ここは私がレフィリーとして、決闘の内容を定めたいのですが、よろしいですか?」

 

「………むぅ。確かにそうでもしないと(宝刀を)抜かれそうだ。まずは聞こう」

 

 あ、サーゼクスさんもそこは納得したみたいだ。

 

 まあ、一志の目はマジだしな。ここで推したら絶対に抜く。

 

 で、どうなる?

 

「まず一つ。決闘の内容はレーティングゲーム。しかしライザー殿達は魔装具を含めたすべてのハンデを解除した、正真正銘の本気で挑んでもらいます」

 

 まあ、そうなるよなぁ。

 

「そして二つ。当事者でありリアス嬢と挑んだそこの兵士(ポーン)君以外の眷属は不参加です」

 

 えぇ!? 朱乃さん達の参加禁止!?

 

「当然のペナルティです。この様子では事前に仕込んでいる可能性がある以上、そう言った策は通じないようにしなくては。まああまりに不利すぎるのもあれですから、参加に名乗りを上げる者がいるのなら出てくれても構わないが―」

 

「少しよろしいでしょうか?」

 

 あの、一志ちょっと待て。

 

 凄い嫌な予感が―

 

「こちらが負けた時はペナルティとして、リアス様以外の全員の首をはねていただきたい。あ、処刑用の獲物は既に取り寄せております」

 

 ―斧を取り出しながら凄いこと言ってきたよ。

 

 全員ドン引きしてるけど、たぶんもっとドン引きすると思う。

 

「……あのねぇ一志。流石にそれは酷過ぎるわよ?」

 

「リアス嬢の言うとおりだ。そんなペナルティで参加する者がいるとは―」

 

「部長もヘルゼントさん?……も違います。一志は自分が参加する気でこんなこと言ってます。本気で「負けたら俺の首もはねてくれ」って言ってるんです、この馬鹿」

 

 勘違いしてるっぽい部長とヘルゼントさんにそう言うと、全員が一志を二度見した。

 

 うん、気持ちは分かる。

 

 唯一分かってない一志は、首を傾げている。

 

「はい? 既に決闘で決まりここまで進んだ婚約を反故にしようというのです。自分の首ぐらい懸けるべきでしょう。勝ったらライザー氏の名誉は地に落ちるのですから、貴族の生涯の名誉の対価として、それぐらい懸けるべきというのは、貴族社会としては当然の意見では?」

 

 本気で言ってるから怖い。目が純粋だから怖い。

 

 俺以外の全員が一志から一歩引いているから、その辺についてははっきり言える。

 

「一志、普通は自分の首をはね飛ばす前提の勝負を自分から要望しないと思う」

 

「そうか? 世の中には必要悪やグレーゾーンは容認すべきだが、これはそうじゃないだろう? それでもするなら相応の対価を払うべきだ」

 

 真っ直ぐな目で言ってくるから怖い。

 

 うん、でも本気だと思ってたよ俺は。

 

 こいつ、やるべきことはできる範囲で断行する代わりに、やるべきでないと思ったことは絶対しないからな。

 

 そういう意味だと、たぶん俺と一志は正反対だ。一志もそこは分かってるから、基本的に合わせてくれてる方だ。

 

 ただ一度突き進むと本当に突き進むからヤバい。俺もアーシアを助ける為ならはぐれになる覚悟を決めたけど、正直あそこに一志がいたら、俺の手足をへし折ってでも止めるとかすると思ってたからな。

 

 真っ直ぐな曇りない目でこういうこと言ってるから、殆ど全員がドン引きしている。

 

「……流石にそれは無理がある。君が出るというのなら尚更だ」

 

「お言葉ですがヘルゼント……殿。このような横紙破りの前例を認めれば、諸々の条件や状況を考慮せずに同じようなことをする愚者が出かねません。ペナルティは死罪に匹敵する重きものにするべきでは?」

 

 ヘルゼントさんの説得に真っ向から反論してるよ。

 

 うん、ヘルゼントさんも少し引いてる。頬が引きつってる。

 

「……自分の命が消えるような条件を、しつこく食い下がって通そうとする男は初めて見たよ。怖くないのかい?」

 

「この年で死ぬのは怖いですが、それとこれとは別でしょう? なすべき筋を通すことなく、通りを踏みにじるような真似はすべきでないはずです」

 

 真っ向からそう言い切る一志に、ヘルゼントさんは苦笑いを浮かべている。

 

 ですよねー。

 

 いやほんと、本気の本気で言ってるから困ったものだ。

 

 こいつ絶対なんか言ってくるって思ってたよ。サーゼクス様が話を通してることを期待してたよ。残念だよいろんな意味で。

 

「とりあえず我慢してくれ。後でペナルティは考えるが、流石に首をはねるわけにはいかないのでね」

 

「……残念です。では最後に」

 

 ―まだあるのか。しかも残念なのか。

 

 そんなみんなの心の声が聞こえる中、一志は手の平をライザーの奴に向けた。

 

「―ライザー氏に対する褒賞を、前金と勝利後に一つずつ差し上げてください。……そもそも彼は親側が提示した条件を呑んで挑んで勝った勝利者ですから、今のデメリットしかない状況で勝負をさせるなど論外でしょう。詫びは通すべきです」

 

「……なるほど。まあ確かにそれは言うとおりだ」

 

 サーゼクス様はそう納得すると、ライザーの方に向き直った。

 

「とのことだ。君としては何か欲しいものがあるかね?」

 

「そうですね。いきなり言われても少し困りますが―」

 

 ライザーはそう言って考え込むと。

 

「……貴女の女王(クイーン)に膝枕してほしいというのはありですか?」

 

 そんな、衝撃的な展開をぶちかましやがった。

 

 あ、あのグレイフィアさんの膝枕だと!?

 

 あの素敵なスタイルの素敵な美人さんの膝枕だと!?

 

 こいつは、本当にどこまで―

 

「なんて羨ましいことを!? くそぉ、部長の婚約を阻止しなきゃいけないから、要望したくてもできないのが憎い!!」

 

 俺は心の底から崩れ落ちた。

 

「………それはすごく嫌だなぁ。だが気持ちはわかるよ、わかるとも」

 

 サーゼクス様もすごく複雑な表情をしながらうんうんうなづいてる。

 

「……まあ、興味が全くないとは言わないが」

 

「……性欲がないわけじゃないから、まあ馬鹿にはしませんが……」

 

 ヘルゼントさんと一志がすっごく微妙な顔をしてる。

 

 でも二人とも理解は示してくれている。

 

 まあそうだろ。そりゃどう考えてもうらやましくなるべきことだろ、これは。

 

 ―あと後ろから部長の視線がすごく怖いけど、そこは耐えろ俺!

 

 

 

 

 

 




 さて、自分は自作品の主人公において「イッセーとは別の意味で癖が強い」傾向で作ることが多いです。理念とかに「こういう理念を貫けたら」という要素を入れることもありますが、根幹的に「こういう風にはいきたくない」といった感じなキャラ造形にすることが多いですね。

 サイコパス適正高くデアラの折紙と通じ合いそうなレベルでイッセー大好きなケイオスワールドの兵夜然り。シルヴァリオサーガの光狂いに影響を受けまくった英雄狂いであるロンギヌス・イレギュラーズのヒロイ然り。若さゆえの過ちを盛大に後悔した結果、数年間面倒くさい自己否定の塊になっている、元E×Eの井草然り。

 そして一志の面倒くさいコンセプトは「病的なまでの責務及び道理の徹底思想」とでもいうべきところです。

 かなり出せたのでネタバレ的なことを書きまくると―

 サーヴァント風属性:秩序・悪

 型月世界観適職:抑止の守護者

 準神祖級メンタル(十七歳) 

 正しいときに正しいことを正しくやりきるトンチキ野郎。

 圧倒的大赦適性

 ロウ属性の化身

 人間が感情を持つ生き物であり、その制御度合いがまちまちであることをきちんと理解はしています。だからこそ非常時でもない限りは鷹揚な対応もできますし、基本的に「他者の感情に配慮した方が合理的」といった思考でもあるので、よほどのことが無い限りは味方の心情を踏みにじるようなことは致しません。

 ただしよほどのことだと判断したなら、意図的に冷や水を放水車でぶっかけるようなことを躊躇なくする男でもあります。

 イッセーを生態レベルでセクハラな男だと形容するなら、一志はそもそも地金がロジハラ気質とでもいうべきでしょう。私的な感情で不快感を持っていようと、通すべき筋が通されていることに対しては、感情の手綱を理性でしっかりと握って冷静に対応する男です。そして本分の通り、たとえ相手が友誼を結んだ相手だろうと恩のある国家元首であろうと、できれば使いたくない伝家の宝刀を抜く覚悟を即座に決めて異を唱える人物です。

 最も筋と理屈がきちんと通っているのなら、逆に個人的に不快な程度で他者を押さえつけることを一切しない人物ではあります。よほどのことが無い限りは、他者の感情に配慮してある程度融通も利かせられるので、サーゼクスやリアスは運がいいのか悪いのか、一志の子の面倒くさい側面を知らずに済みました。






 一応この辺の伏線はできる限り張っております。

 プロローグのモノローグを見返せば、この一志の面倒な特性もある程度は納得できるだろうと思うように最初から考えて書いております。ディアボロス編においても、やり口に不快感を抱いてもイッセーが殺されたことそのものは流しています。アーシアがらみの一件においても、レイナーレ達相手に殴り込みができる余地を探してはいましたが、できないならイッセーの両手両足をへし折る気で行動していたのもその一環です。

 フェニックス編冒頭の夢もその一環です。十代前半で突拍子もない非常時で、家族がそれに巻き込まれることも理解しながら、一志は家族を「まず助からないし助けようとすれば自分が死ぬ」と即座に判断、その上でパニックを起こすことなくできる範囲の最適解を即座に考えて実行しました。
 断言してもいいですが、命がけの事態を経験せず、それを踏まえた過酷な訓練を積んだわけでもない、十代前半の少年ができることではないと思っております。というより、できていいことでもないと思っています。
 それを彼は即座にしっかりと成し遂げたからこそ、当然の結果として生存をつかみ取りました。助けようがない家族を見捨てるという判断を取り、周囲の状況を即座に判断して、生存確率を高めつつ可能な限り最小限の時間で、自力で考えられる範囲で成すべきことを成せる範囲で、時間的ロスを可能な限り削って行動したからこその生存です。
 かけてもいいです。こんなことは普通、十代前半のまっとうに家族愛のある少年ができることではありません。

 そして常々一志視点でこだわって入れていた描写ですが、一志は基本的に「成すべきか否か」を思考の重点として設計するように書いております。

 こんな感じで、できうる限りで一志の異常性に説得力を持たせられる伏線を詰め込んだ、これまでの部分。納得していただけるとちょっと嬉しいです。





 ちなみに以前書いた、FGOにおける人理修復が不可能というのは、こんな彼の性格上、「より確実性の高い次善策」があれば、人理修復そのものよりそちらにこそまずリソースを割くべきと考えるからです。第五特異点でも大統王側に拠った立ち位置を取るでしょうし、第六特異点の獅子王は確立まで王手だったので、台無しにしてまで人理修復に全掛けするなんて選びません。

一志は面倒くさいという伏線、張れてましたか?

  • 張られてたけどめんどくせー!
  • 張られてたか? めんどくせー
  • 張られてたけどめんどくさいか?
  • 張られてたか? めんどくさいか?
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