「「「なんでお前は女っぽいのに男なんだ!」」」と変態三人衆に言われるレヴィアタンの血を引く少年の、余計な要素が無駄に入ったD×Dのお話 作:グレン×グレン
「
その瞬間、もういかにも「俺悪役です」と言わんばかりの鎧が装着された。
そして即座に飛び降りると切りかかる。
俺は素早く横に飛んで避けるが、その結果として俺の後ろにあった鉄骨が両断された。
これが、魔装具の力と言ってもいい。
獲物の性能は半端な神器を超え、更に神域装飾と呼称される全身鎧を付けた形態になれば、その身体能力は100mを五秒未満で走り切れるレベルになる。
だから当然だが、俺は本気で迎撃態勢を取ろうとし―
『もらったぁ!』
―GFの攻撃を回避する為、反撃のチャンスを失った。
その辺にあったコンテナを投げつけてきたので、それを回避。同時に左腕に展開した蛇から、魔力の砲撃を放つ。
身長に狙いをつけ、外れても大して被害が出ないように調整した射撃。それが当たって、GFは思いっきり倒れた。
そう、倒れただ。壊れたじゃない。
しかも即座に飛び起きると、今度はその辺にあった軽トラックを掴み、飛び掛かって叩きつけてくる。
それを回避しながら、俺は真剣に舌打ちする。
GFの基本機能は、異形社会ですら見過ごすことができない厄介な特性を持っている。
一つは機械との同調。これにより各種機能をダイレクトに受け取り、短期間で習熟し、陸戦兵器という視界がふさがれやすい兵器体系でありながら、全方位を警戒することができる。
更に厄介なことに、この同調機能はもう一つの特性を高める結果にも繋がってしまう。
単刀直入に言おう。GFは搭乗者の気を増幅して駆動や戦闘に応用する。
異形の専門家曰く、体を鍛えに鍛えると生命エネルギーを可視化する域にまで高めることができる。それによる攻撃力防御力の強化はもちろんのこと、使いこなせば遠距離攻撃すら出せるとか。
どこのジャンプ漫画かと思ったが、実際GFはその増幅と運用を機械的に行うのだ。むしろそれを効率的になそうとした結果、人型になったと推測されている。
基本的にそのオーラを効率的に武装として転用するオーラウェポンがなければ、GFは攻撃方面では応用が足りない。だがその馬力と機動力を合わせれば、その辺の乗用車で十分生身の奴を殺しうる。
だから俺は少しそっちに気を取られ―
「んじゃ、これで終わりだ」
―肩に痛みが走った。
……しまった。長ドス型の得物で気づくべきだったな。
魔装具には色々な種類がある。種類が違えば数も違えば効果も違う。そして種別も大別されている。
同種が少なくとも数百は発見されているが、性能は低い汎式装具。数こそ比較的少ないが、性能は段違いに上な将式装具。
同型が見つから一品ものと思われ、他の魔装具を登録し、保有者が死亡するといった条件を満たすと手元に転送する、王式装具。
極めて数が少なく必ず特殊能力を持ち合わせ、下手な神器を圧倒するだけのポテンシャルを秘めた、天式装具。
そしてその中である意味一番危険視されているのが、侠式装具。
性能は種類ごとに点でばらばらで、天式装具に匹敵する者もあれば、汎式装具の下位といったものもある。
だが、侠式装具の厄介な点は「王式装具に登録しない限り、使い手の死亡や心が折れると、使い手に相応しい者の手元に勝手に転移する」という点にある。
大抵の侠式装具は、力を思う存分振るって楽しみたい危険人物に渡ることが多く、数が極めて少ない王式装具に事前登録しなければ確保することもろくにできない。結果として日本は侠式装具を数多く集めた犯罪組織にテロられて、憲法九条が改正されて大規模組織の悪意ある攻撃に対する報復が合憲となった。
そしてこの侠式装具は長ドス型の
全身鎧の神域装飾を展開すると、両腕にスリーブガンとクローが格納されている特殊性が特徴だ。
気づくの遅れたぁ。やらかしたぁ。
致命傷からは程遠い異形の体に感謝しながら、一短距離を取って、被害が比較的出にくい安全な方向に向けて大火力をぶっ放そうと思い―
なんか急に、体から力が抜けた。
「残念だったな。俺は
そううそぶいた男は、スキットルを取り出すとそれを一気にあおる。
はっきり言って不味い。そもそもこれは飲み物ではない。
入っているのは微量の麻痺毒を薄めた液体。三年前から少しずつ分量増やして体を慣らし、ようやく必要な量を呑めるようになった。
心顕術とは、文字通り「心」を「顕」現する「術」である。
使用者の心の在り方が元となる、「最難にして最善」の生態型。使用者が決めた生き様を順守することで沿った力を成す、「最優にして最悪」の宣誓型。使用者と相対するものとの間に生まれる一瞬の精神的繋がりすら利用する「最強にして最狂」の承諾型。
そして男が成したのは、「最優にして最悪」の宣誓型だった。
この形式は、自らが生涯の縛りを決めることで、その縛りに則った能力を得られるというもの。言葉にすれば単純だが、それを成すのは簡単なことではない。
そも心顕術とは、どの種別においてもちょっとした拘り程度の心を具現化させることは断じてできない。
例えば生態型ならば、文字通り自分という存在の生態はこうであるという、無意識を通り越して本能レベルの強固な精神性を持たなければ、どれだけ努力しても発現することは不可能。いわゆるRTSDで至る場合、日常生活が困難なレベルの重篤な症状が必須となる。
承諾型は生態型に比べれば難易度は低いが、それでも簡単に設定することなど到底不可能。能力のある程度の修正ならば習熟すれば可能ではあるが、これであって「術者の人生の根幹や大前提と言えるだけの拘りや信念」が中核に必須。そこから派生するため、意図的に自由に設計した能力を用意できるものではない。
そして宣誓型が「最優にして最悪」と呼ばれるのは、その性質にある。
生涯の縛りを入れることで、それに類する形での能力を具現化する。これはすなわち「力を会得すれば、その後の人生全てにおいて縛りを順守しなければならない」という代償が存在することに他ならない。
縛りの難易度を下げれば能力は当然弱まる。そして難易度を下げるにしても、人生に支障が出かねないレベルでなければそもそも発現不可能。そして意図的に縛りを変えることで能力に自由度を持たせられるということは、欲しい能力を得るにはそもそもそれに見合った縛りを生涯受け入れねばならないということである。
縛りそのものを成すことができなくなれば、放棄の度合いに応じて最低でも内臓破裂級の代償を払う、強大な返し風が存在する。
そして、男が成した縛りは「毎日一定量の麻痺毒を摂取する」という物。
数年かけて麻痺毒に体を慣らしてからとはいえ、毎日必ず毒物を摂取するというのは相応の縛りと言える。そしてそれゆえに、彼は「攻撃全てに麻痺毒が塗られた状態にする」という能力を会得した。
代償もそれなりにある。麻痺毒の選定を誤ったことで、若干ではあるが味覚障害が生まれてしまった。
だが、それでも男はそれを必要経費として背負うことを決めた。
「悪いな。
そう嘯きながら、男はとどめを刺すべく武賊刀を振り上げ―
『なぁ!? なにが―』
―舎弟が乗り込んでいたGFが、いきなり盛大に爆発した。
「なんだとぉ!?」
とっさに振り返った男の目に、爆発四散するGFの姿が見える。
そして一瞬、視界の隅に何かが動いた。
慌てて視線を動かして周囲を探すが、しかし何かが見つからない。
伏兵がいたのかと思うが、それにしても何が起きたのかがわからない。
そうして周囲を確認する男は、そこでふとあることに気が付いた。
倒れている少年が持っていたはずの、大剣の姿が見えていない。
組織が雇っていた悪魔が言うには、この世には
だからこそ、今になって気付く。
大剣を具現化するという、そういった能力だとばかり思っていた。だがもし、
それに気づいた時、後ろから迫りくるそれに気づいた男は、間違いなく優秀だった。
振り返りながら魔装具を構えれば、まさに炎を切り裂いて飛んでくる、先ほどの大剣が見えていた。
「う……ぉおおおおおおおおお!!!」
思わず絶叫をあげながら、男はそれを受け止める。
そして咄嗟に地面に叩き付け、足で踏みつけて動かないようにするのもまた、優秀ゆえに優れた判断だった。
弾き返した程度では足りない。先ほど舎弟を倒してから今になって仕掛けてくる辺り、おそらく隙を伺っていたのだろう。そしてつまり、隙を伺う時間が出せるほど継続運用できる、ということでもある。
この神器の能力は、自由に操ることができる大剣の操作能力。手に持って使用していたのは、捜査にも限度があることを踏まえ、普段は肉体との併用で大剣の域を超えた繊細な剣劇を行い、本来の飛翔攻撃を伏せ札にする為でもあるのだろう。
ならば、大剣の動きを封じることは必須。そしてその間に、意識が残っているだろう少年を殺さねばならない。
そう即座に判断し、仕込み銃と爪を展開しながら少年の方を振り向いた男の視界に、蛇が絡みついた一本の腕が突き付けられた。
「………なあ、一つ頼みがあるんだけどよ?」
「五秒以内かつ二十文字以内でな」
時間稼ぎは許さない。
その、既に殺す覚悟を決めた言葉に、男はすぐに二十文字にまとめた。
「冥土の土産に動ける理由を知りたい」
しっかり二十文字で済ませた質問に、少年は少しだけ苦笑して、もう片方の腕を見せる。
そこには、同じように蛇がまとわりついていた。
「俺は蛇の形で魔力を使う悪魔の家系でな。それを利用した魔力製強化外骨格ってところだ。Dマリオネットって名付けてる」
「そっか、ありがとよ」
そう、思わぬ子供らしさが漏れたネーミングに苦笑し、男の人生は頭部の消滅と共に終焉を迎えた。
……ふぅ。慣れてしまってはいるけど、やっぱりいい気分にはならないな。
人間-いや俺はもう悪魔だけど―生きていれば少なからず生き物を殺すものだ。
まして殺し合いになっているところで、半端な躊躇やためらいはこっちが死ぬだけ。それこそ心顕術として具現化できる余地があるレベルの決意と、それを成す為の力量や技術を取得する努力がなければ、自分どころか味方も殺すだろう。
それに、俺は初めての実戦で結構な人数を殺している。相手が悪党だったからといって、だから生き物扱いもしないっていうのは間違っているだろう。
だからまあ、決して手が止まるというわけではない。だけど同時に、すっぱり割り切れるタイプでもない。
こういうことができない当たり、俺は戦士としては傑物の精神性はなさそうだなぁ……と、思ったり思わなかったりするな。
とはいえ、今回は神器と魔力運用のおかげで命拾いだった。それだけの接戦でもあったから、比較的気にする余裕がなかったのは運がいいのか悪いのか。
……最後の表情、たぶん「意外と子供っぽい」だったんだろうなぁ。俺もそう思うが、なんというかロマンを感じてしまっている。ちょっとひねった運用方法には技名をつけてしまうのは悪い癖なんだろうか?
いや、技名をつけているからこそ、それが更に運用しやすくなるはずだ。魔力の運用はイメージだから、技名をつけるってのはイメージの補強に役立つしな。
まあ、それも神器で隙を作らなければまずかったわけだが。
俺の持つ
まあ、自由といっても限度はあるけどな。だから普段は手にもって、操作と自分の体の併用で、でかさのわりに取り回しがよすぎる武装として使っている。
とはいえ、今回はちょっと危ない所だった。
力を振るうつもりがないから、鍛えることは最小限にするべきだと思っていたが、考え直すか。力があるのに使い方を鍛えず、それで自分や大切なものを失うなんて、それこそするべきではない失態だからな。
そう考えてから、俺は連絡をすることを忘れていた。
いかんいかん。報連相はこういうことをしている時はすべきこと筆頭だ。もしかしたら祐斗に増援が必要かもしれないし、きちんと連絡しておかなければ。
「……祐斗、こっちは終わったがそっちはどうだ?」
『早かったね、一志君。こっちも終わったけど、ちょっと別件で報告するべきことがあるんだ』
別件?
一体なんだ?
「別件っていうと?」
『つい先ほど、強い契約を求める力が来たことで、興味を惹かれた部長が転移に応じられたんだ。……どうも堕天使側が危険と判断して殺された神器保有者みたいで、部長は逆にそこに興味を惹かれて眷属になされたんだ』
「あ~……。そりゃもうご愁傷さまというほかないな」
俺は額に手を当てると、天を仰いだ。
堕天使及びその傘下の集まりである
その過程で神器を制御できないと判断した人間が、暴走して被害を生み出す前に始末するということもしている。
これに関しては、ぶっちゃけ俺達が止めることはまずない。そもそもこちらに敵対する行動ではないし、大前提として暴走されると間違いなく被害が大きくなることから、どの勢力も堕天使がするべき仕事と認識している。少なくとも、この国では政府や異能者集団である五大宗家も認めている行為だ。
強大な力が制御できずに振りまかれれば、どれだけの被害が生まれるかなど考えるだけで恐ろしい。神器研究の最先端に到達している神の子を見張る者が判断し、聖書の教えを信仰する教会や天使達すら妨害しないだけのことでもある。無理に何とかしようとして失敗した時の被害や、そこにリソースを割り振ったがゆえに逆に他の暴走を抑制できない可能性を踏まえれば、思うところはあるが安易にやめろと言えない必要悪だ。
とはいえ、殺される側としては堪ったものでもないだろう。神ももう少し手心を加えてほしいものだが、堕天使の行動を黙認している節があることから何かしらの理由があるのかもしれない。
なので、堕天使がその為に動いていると考えられる時はこちらから動くことはできない。迂闊に動いて結果として暴走を引き起こせば、それによって悪魔側も堕天使側も人間側も甚大な被害が生まれるかもしれないからな。
だからまあ、むしろ今回は盛大に幸運な部類だろう。
俺はそう思うと、今度顔合わせをする時にそいつに何か奢ろうとも思う。
「……で、そいつの名前は? 食客の俺も顔合わせをするだろうから、一応知っておきたいんだが」
そういうと、何故か祐斗は少し沈黙していた。
え、なに? 何か訳あり?
『その人は、僕たちと同じ駒王学園高等部二年の男子生徒だよ。どうも堕天使は彼に接触して調べていたみたいなんだけど、デートという形でしていたみたいなんだ』
「……趣味が悪いなその堕天使。業務の必要性はともかくとして、個人の性格としては下劣な部類………ん?」
俺は心底からその堕天使に嫌悪感を抱きながら、なんか強い違和感を覚える。
堕天使がなんでそんなことをしたのかは分からないが、それでももうちょっとやり方があったんじゃないかと思う。少なくとも、相応の理由がなければ俺は個人的にそのやり方を肯定することはできないだろう。
ちょっと本気で同情してきたし、これは愚痴ぐらいは聞いてやるべきだが、今はそこじゃない。
今日? デート? それも二年生?
冷汗がだらだら流れてきたのは、悪くないと思いたい。
「………ちなみに、名前は?」
『………兵藤、一誠』
「はぁあああああああああああああああ!?」
思わず絶叫した俺は悪くないと思いたい。
とりあえず、必要最小限のオリ要素の説明会も兼ねた、戦闘シーンでした。
タグにもすでに書いていますが、オリ能力である心顕術は、Light系バトル作品をイメージしたものになっております。具体的に言うと、今回出した宣誓型は黒白のアヴェスターの戒律を参考にしています。説明文で気づいたかもしれませんが、承諾型は戦真館シリーズの協力強制がモチーフ。生態型は今後必ず出しますが、ちょっとずれて星辰光的なイメージで出していきたいと思っております。
原作キャラの魔改造にも使う予定で、いくつか種類を作っているのはその一環でもあります。もちろんオリキャラにも出していきますぜ?
そして武器が主体でガチモードになると鎧が具現化される魔装具は、結構色々な作品の要素もぶち込んでおります。
こちらも量産型を雑魚的の装備にしつつ、それ以降の上位種は原作キャラの強化にも使っていくつもりです。主人公である一志は確定で、原作の味方陣営側にも装着者を出していきたいところ。
そしてロボット系列のGFですが、イメージとしてはフルメタル・パニックのAS、それもラムダドライバ関連から着想をえました。
あれの実態は「人間がナノレベルで持ってる念動力の増幅」だという話を聞いたので、そこから着想を得て「搭乗者の闘気を増幅して運用する」という、誰でもサイラオーグキットみたいな兵器体系です。
この複数のオリ特性を出したのにも、根幹の発想の一つの理由があります。最もこの辺は終盤になるまで明かせない可能性が大きいですが。毛色が違いすぎるのが数種類あるのは、ある意味その辺の説得力をつけるための必須作業です。
そしてプロローグはこれで終わり、次から……とりあえず最小限の設定資料集を出してから、旧校舎のディアボロス編になると思います!
本作におけるオリジナル要素、どれが一番楽しみですか?
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GF! シーちゃんがハッスルしそうだし!
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魔装具! 誰が着るのか楽しみ!
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心顕術! どんなのが出てくるか楽しみ!