「「「なんでお前は女っぽいのに男なんだ!」」」と変態三人衆に言われるレヴィアタンの血を引く少年の、余計な要素が無駄に入ったD×Dのお話   作:グレン×グレン

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 それはそれとして、ディアボロス編のスタートです。


旧校舎のディアボロス編
第一話 王道が始まる夜(前編)


 ………約一週間、体調不良という名目で休んでしまった。

 

 かなり真剣に悩んだが、少し休むという学生としてはするのがまずいことをしたのには事情がある。

 

 まず一つ。俺の保護観察者でもあるリアス・グレモリーが、転生させたイッセーに対する当面の方針にもある。

 

 具体的に言うと、リアス部長は当面の間イッセーに悪魔になったことを伝えないことにした。

 

 理由は「まず悪魔になった変化を体感させた方がいい」とのこと。実際、イッセーは悪魔の実在とかも知らなかったわけだし、しかも転生直前の殺された記憶もあいまいになっている節があるからな。堕天使側も記憶処置はしているだろうし。

 

 いきなり連発で衝撃的な出来事を連発されるのもあれだ。ならちょっと、インターバルを置く必要はあるだろう。一理はあるし納得した。

 

 で、そこに対して俺が適当にごまかすのが困難だと思ったのが休んだ理由の一つだ。

 

 人間関係で嘘や隠し事は必要な時はあるが、それでもいきなりこれだけの規模をやるってのは難しい。俺も心の準備が必要だから、急病を理由に休ませてもらった。

 

 松田や元浜には事情を隠す必要があるだろうしな。そこも踏まえると、心の準備が欲しかった。

 

 そしてもう一つは、ちょっと鍛え直す必要を感じたからだ。

 

 今までは、力を振るう責任とそこからくる影響を考えて、積極的に訓練をしていたわけではない。鍛錬を積んでないわけではないが、リアス部長やその眷属達ほどに乗り気だったわけではなかった。

 

 だけど、力持つ者はその力に対して責任がある。むしろ責任に対していい加減でいるわけにはいかない。

 

 迂闊に使うことで大きな反動が来ることを恐れるのも一つの案だが、ちょっとにげな雰囲気があったと思い直した。少なくとも、今後友人な同じようなトラブルに巻き込まれるかもしれない以上、そこに対して抑止力や対応班になれる程度の実力は必要だろう。

 

 ……やり口はともかく、堕天使がイッセーを暗殺したことまでは責めない。いい気分になるわけがないが、ことさら非難するべきじゃない。

 

 何せ、イッセーは転生悪魔になる際のコストが絶大だった。

 

 かつての対戦で旧四大魔王と多くの悪魔を失った悪魔側は、他種族を悪魔に転生させるという手法でそれに対応している。

 

 チェスの駒を模した十五個五種類の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)。チェスの駒と同様の価値判断がされるそれで、イッセーは兵士(ポーン)の駒を八個も使った。

 

 転生させる時にリソースが余ることはあっても、兵士八駒分の価値を使うことは異例といってもいい。はっきり言って異常といってもいい事態だ。

 

 ……最悪、神器の中でも究極と言われるオンリーワン、十三種ある神滅具(ロンギヌス)を持っている可能性も視野に入れるべきだ。

 

 戦闘特化型、それも極限の領域である禁手に至れば山の一つぐらいは小必殺技で消し飛ばせることも可能だろう。そんな物を制御する力がないと判断されれば、言ってはなんだが暴走する前に暗殺という結論が出るのも仕方がない所はある。

 

 悪魔になったことである程度は制御できるようになるだろうが、悪魔の駒にも限度がある。数においても質においてもだ。

 

 いざという時、抑え役に回る力も必要だろう。

 

 ……自分が伸ばせる強さを碌に伸ばさなかったことが原因で、大事な関係を失うのは御免被る。

 

 だから、ちょっと鍛え直す為に悪魔の本来の生活圏である、冥界に行って特訓をしてきていた。

 

 冥界は地球と同規模の範囲を持ち、しかし海がない代わりに陸地が非常にでかく、とどめに人口が圧倒的に少ない。

 

 ガチで魔王血族の力を練習しても、比較的被害は少ないと判断したわけだ。

 

 ……まあ、自然環境はともかく動物の被害はありそうだが。できる限り気を使ったが、まあ鶏も牛も豚も食べている身として、そこは一線を引いておこう。

 

 と、いうわけで。

 

 短時間とはいえ一生懸命「何をするべきか」を考え、俺は一週間休んで心の整理と力の獲得を行うべきだと考えたわけだ。

 

 そして、それにしたって限度はあると考えているから、俺は一週間という区切りをつけた。

 

 今日がその、最終日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………頑張って修行した。

 

 特に最大出力の上昇と、それを暴発させないための制御能力の強化に終始していた。

 

 その結果、ちょっとした山をごっそり吹き飛ばしたりした。ちなみに魔王パワーで修復することは可能らしい。魔王襲名した人たちすごい。

 

 そして同時に、近接戦闘の技術も磨いている。

 

 理由は単純だ。魔力を放っての戦闘の場合、強敵との戦いになったらこの山を吹き飛ばす大火力攻撃を連発する必要になりかねないからだ。

 

 そして今は、その辺りの最終調整の真っただ中といってもいい。

 

「………腕が、上がったのか、ちょっと分からないですっと!」

 

「大丈夫だよ。これでもギアを上げてるから。一週間でこれなら十分な成長だって」

 

 そう言いながら俺と組手をして完全にさばいているのは、グレモリー本家の衛兵を務めている将田(しょうだ)逢花(おうか)さん。

 

 お互いにちょっと縁があって、グレモリー家に関与する人の中では毎日顔を合わせているリアス部長やその眷属以上に親しい付き合いだ。

 

 しかし、結局そのあと一時間続けたけど、結局一発も当てられなかった。

 

「……いつもながら凄腕ですよね。武芸十八般を地で行ってるとは知ってましたが、まだまだ技術じゃ追いつけそうにないです」

 

「それはそうだよ。これでも物心ついてから第二次成長期までずっと叩き込まれてきたからね。自主練はそのあとも続けてたから、一週間でそうそう追いつかれたら立つ瀬がないよ」

 

 そう返されては反論の余地がない。

 

 逢花さんは元々武家から発祥した武術道場の生まれで、結構な種類の武術を習得している。

 

 リアス部長の眷属である祐斗の師匠でありサーゼクスさんの眷属に、かの新選組である沖田総司がいる。

 

 その沖田総司が腕をなまらせない程度の鍛錬をする時の相手ができるぐらいに剣術もできる。それでも徒手空拳の打撃戦よりは劣っているというから、確かにその通りだ。

 

 手加減されているだろうとはいえ、騎士の駒で転生した悪魔の中では最強と言われている彼の練習相手になれるだけの剣術の持ち主。更にそれより得意とする体術を一週間で追いつこうなんて、流石に失礼極まりなかったな。

 

「すいません。今のは未熟者が言うべきでない言葉でした」

 

 真面目に反省するが、逢花さんはむしろ苦笑していた。

 

「いいよいいよ。むしろ未熟だからこそそう言いたくなるものだしね」

 

「……まだ伸びしろがあるという意味に受け取るべきですよね?」

 

 もしかしてちょっといらってきてたか?

 

 やっぱり真剣に反省しよう。

 

 ちょっと焦りすぎだな。いくら強くなろうと思ったからって、そういうのは鍛錬をきちんと積んだり色々な研究をしたり、もしくは何かしらのブレイクスルーが必要だ。

 

 たった一週間の鍛え直しで、できることなんてごく僅かだ。一気に成長できるなんて、考えるべきじゃなかったな。

 

 俺は真剣に反省していると、逢花さんは苦笑しながら俺の頬に手を置いてこっちを見た。

 

「こら。真面目なのは基本美徳だけど、君は真面目過ぎて欠点になってるよ?」

 

 そういう彼女は、笑っている風に見えてこっちを真剣に心配しているようだった。

 

「君は、何があっても「ならどうすべきか」を考える癖があるね。でもまだ若いんだから、ちょっとぐらい迷走してもいいと思うよ?」

 

「……それは、どうかと思いますけど」

 

 迷走なんて、基本的にマイナスにしかならないと思うけどな。

 

 俺はそう思うが、逢花さんは笑みを消して心配の色だけをこっちに見せていた。

 

 どうやら、今の発言は本気で言っているらしい。

 

「若い時の失敗は買ってでもしろっていうよ? 年を取ると失敗しても取り返しがつかなくなる時が多いんだから、今のうちに取り返しがつく範囲で失敗慣れした方がいいと思うけど?」

 

 まあ、確かにそういう言葉はよく聞く。

 

 実際、失敗の経験を積まずに成長すると、大きな失敗をした時に立ち直れなくなるだろう。いわゆるガラスのエリートとか、純粋培養とか言われる奴だ。

 

 ただ、だからといって最初から失敗してもいいという考えはすべきでないとは思うんだよなぁ。

 

「……買ってでもするべき失敗があるとするなら、それは失敗しないよう真剣に考慮して努力した末にするものだと思います。失敗してもいいと思ってする失敗なんて、対して価値もないし堕落に繋がるんじゃないでしょうか?」

 

「……そこを突かれると耳が痛いね。ただ、失敗しないことに拘ると、返って失敗した時に大きくなりすぎることってあると思うよ?」

 

 そう返されると、確かに分からないでもない。

 

「失敗を経験したくないあまり、成功の余地がほぼないのに積み上げすぎる可能性でしょうか? 確かに失敗した時に積み上げたものが多すぎると、落ちた衝撃も大きくなりますね」

 

「そういうことだよ。時折冷静に振り返って、見切りをつけて素直に白状して怒られるってのもありさ」

 

 そう言う逢花さんの目は、どこか遠くを見つめているようだった。

 

「受ける怪我が取り返しのつく範囲内に上手く失敗するのも一つの道さ。上手く敗けることは勝つことより大事だって」

 

 ……いわゆるコラテラルダメージって奴か。

 

 まあ確かに、言われてみるとそこは重要だな。

 

 特に今回、俺はイッセーに「お前があの場で殺されるのは、ある意味で仕方がないことだ」というべきなんだ。

 

 リアス部長の眷属になって生き残り、かつ神器が暴走する可能性も抑えられた……なんてのは、間違いなく奇跡のつるべ打ちみたいな幸運なんだ。

 

 もし同様のケースが駒王町で再び起こったとして、リアス部長に「だから眷属にしてください」なんていうわけにはいかないだろう。

 

 転生悪魔は慈善事業じゃない。基本的に駒の追加補充は駒同士の交換で未使用の者を得るという裏技的なものでないと不可能だ。更に悪魔の人生は永遠に近く、外的要因などがない限りは一万年以上生きることもできる。

 

 一瞬の同情で適当に転生させていい物ではない以上、心を鬼にして逆に死なせることも必要なことではある。

 

 そういうことを言うべきである以上、イッセーのショックを最小限に減らしつつも、変な誤魔化しでゼロにしていいわけではないんだよなぁ。

 

 ………ああ、その辺はちょっと考えてなかったな。

 

「深く考えておくよ。ありがとう、逢花さん」

 

「うんうん。大事なのは期待を裏切らないことだけど、裏切りたくないあまり無理をして、限界を超えて台無しになったらそれこそ裏切りだからね。無理が来たと思ったら素直に言うことも大事だよ?」

 

 そういう逢花さんは、ふと空を見上げて、小さく呟いた。

 

「私は名声を得た。何故なら、私を信じてくれた人を決して裏切らなかったからだ……ってね」

 

 それは、逢花さんが座右の銘にしている言葉。

 

 かのアメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉らしい。

 

 それを言う時の彼女は、どこか寂しそうに見えたのは気の所為なのだろうか?

 

 ……とはいえ、今回は心にしておこう。

 

 どうあがいても無傷の着陸はできないから、軟着陸を目指すとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、思ってたんだが―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「うぉおおおおお! おっぱい!」」」

 

 テンション爆上がりで叫ぶ三人を見ていると、なんか肩を落としたくなる。

 

 いや、一瞬いつも通りと思ったけど、イッセーはちょっと戸惑っている感じだった。

 

 ……以前、俺が「変態三人組の抑制」といったのを覚えているだろうか?

 

 気のいいやつらではあるが性欲に限定すれば犯罪者そのものであることを制御できないのは多方面がかわいそうだと思い、これでもそれなりに手を回していた。前にも言ったが、魔王血族に由来する金を珍しく使ったりしている。

 

 結果として、止めることはできなかったが減らすことはできるようになった。週に何度もから、月に一度あるかないかというのは莫大な成果だとは思う。

 

 そしてその秘訣が、目の前のこれだ。

 

『うふふ。ほらぁ、坊や。こっちにお・い・で♪』

 

「「うっひょぉおおおおおおおお!!!」」

 

 大手会社の重役が使うような、ホームシアター一歩手前のテレビとDVDデッキ。更にアラウンドスピーカーなどの高級映像機器類セットだ。

 

 流石に冥界のではなく人間界のだが、いっそのこと金を使わせたい側に配慮して遠慮なく高いのを探して購入している。特にテンションが高くなった三人が何かやらかしてぶつけたり倒したりすることを考慮して、いわゆる信頼性を重視したが、それ以外の性能も間違いなく金持ちが使うレベルでまとめている。

 

 二番目に高いデスクトップパソコンでも、長く使うものだからとハイスペックPCにして二十万円足らず。

 

 幸い、家賃が安いとはいえデザイナーズマンションなので、防音設備も万全だ。なので普通に大音量でエロビデオを流している。

 

 これはこれで一応違法だが、自己責任の範疇内で収まるからとりあえず容認している。……ガチで人に迷惑かける犯罪を抑える為の必要悪は覚悟するべきだろうと判断したからだ。

 

 ……だがしかし、俺はふと首を捻る。

 

 間違いなく大画面に映っているエロい女性は、美人だしスタイルもいいと思う。

 

 特に今回、「彼女ができたという妄想がガチの領域になった」ということになってしまったイッセーの慰安も兼ねているので、イッセーの好みのタイプ。しかもかなり厳選した特別仕様だ。

 

 なのになんでか、俺はあんまりのめりこめない。

 

 男色家ではないと自負している。普通に女の子の裸に興味はある。童貞のまま死ぬのは流石にちょっと嫌だなぁとは思っている。

 

 だが、何故かこういうので冷静に判断できてしまう。

 

 ……割と本気で首を傾げるんだが。確かに根が真面目な気質で真面目に優秀な教育を受けていたから、その辺りの自制心は強いとは思うぞ?

 

 でも普通、これぐらいの美女のエロい映像を見たらなんかあるだろうに?

 

 ……一度真剣にカウンセリングを受けた方がいいだろうか? 一応遭難からの生還時には受けているんだが、冥界はその辺りが未発達なところがあるから集落壊滅の時になんか壊れたか?

 

 そう思いながら、俺は晩飯の準備をする。

 

 といってもまあ、俺が直接料理をするわけじゃない。いや、家庭科の授業も受けているし最低限自炊はできるけど。

 

 なんというか、遭難中の吹き飛んだ記憶で食生活が普通に考えて悲惨だからなんだろうけど……丁寧な料理がかなり好きだ。

 

 ファーストフードが嫌いなわけじゃない。ただちゃんとした食事を健康に配慮して食べていたこともあってか、基本的に栄養バランスは気にしている。味に拘りすぎて体を壊して食事が楽しめなくなったら論外だしな。

 

 だけどそれ以上に、作る過程で手間暇がかかる類の料理が好きだ。単純に美味しいとか、健康にいいとかいうのを超えて、複雑な手順を踏んでいる料理に味や栄養とは別の部分で感動してしまう。

 

 なので自炊はできるけど、どうしても外食や店屋物を頼んでしまう。材料それぞれに別々の下ごしらえをするとか、ぶっちゃけ自分で毎日やるのは面倒に思えてしまうから、休日にたまにやるぐらいだ。

 

 でもまあ、今回俺が出前を注文したわけでもない。

 

「……こういうところがあるから、ばっさり切り捨てる気にもならないんだよなぁ」

 

 そう苦笑しながらレンジで温めるのは、今回第二の目的でもある「俺の回復祝い」であいつらが持ち寄ってくれた晩飯だ。

 

 買ってきたものだが、材料をどっかで工業的に準備していくようなタイプの店ではない。店内の厨房で材料を下ごしらえするところから作られた、グラタンパイやシチューパイをわざわざ買ってきて持ってきてくれた。

 

 ……俺がそういうのが好きなのを分かっているからこその気遣いだろう。流石に代金は四人で割るが、それでも態々駅前に寄ってきてくれる当たり、こいつらは本当に気のいいやつらだ。

 

 そう苦笑しながらレンジからあったまった料理を取り出していると、何故か顔色が悪いイッセーが、部屋から出てきた。

 

「どうしたイッセー? 何があった?」

 

「悪い一志、どうも調子が悪いみたいだから、今日もう帰るわ」

 

 ………こいつがエロビデオを見て調子がよくならない?

 

 これはマジの病気じゃないだろうか? ちょっと心配だな。

 

「大丈夫か? ガチめなら医者を呼ぶから、とりあえずベッドで寝といた方-」

 

「あ、大丈夫大丈夫。お前も病み上がりなんだから、そこまで気を使うなって。あとで相談乗ってくれるって話だったけど、明日ってことで勘弁してくれ」

 

 朝学校でイッセーに言った件だな。

 

 ……そろそろ事情を話してもいいということになってたから、俺の一存で話すことになっていた。

 

 なので今日の夜にでも、先に松田や元浜を帰らせてから話すつもりだったんだが、これは無理か。

 

「分かった。何ならタクシー代とか貸すけど、大丈夫か?」

 

「大丈夫だって。調子が悪いけど気分が悪いとか体が痛いってわけじゃないから」

 

 なら仕方ないな。

 

 体調が悪いのなら、無理をさせるべきではない。ちゃんと返して休ませるべきだ。

 

 ああ、仕方がない……な。明日にするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―って。

 

「んなわけないだろ!」




 少しずつですがキャラも出していきますが、この作品は原作の敵キャラの魔改造も組み込むためのいろいろと仕込みをしています。

 ……意味は、分かるな?
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