「「「なんでお前は女っぽいのに男なんだ!」」」と変態三人衆に言われるレヴィアタンの血を引く少年の、余計な要素が無駄に入ったD×Dのお話   作:グレン×グレン

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 そんなわけで、堕天使側と軽い鞘当が終わった翌日のこととなります。


第三話 一志「腐界の闇の方がイッセー達よりよっぽど澱んでないか?」

 

 次の日が来てしまった。

 

 帰ってからまだいた松田と元浜を適当に誤魔化し、片づけをしてからシャワーで済ませてひと眠り。

 

 そして朝になり、朝食も軽くチーズトーストとオレンジジュースで済ませ、ちょっと気が進まないがこれ以上休むべきではないから、素直に準備をして登校している。

 

 ……異形は全体的に、人間界よりもノリが軽い。

 

 だから部長もたぶんだが、起きたイッセーに対して事情説明は最低限に済ませているだろう。本命は放課後に部室でするつもりだ。

 

 駒王学園高等部、オカルト研究部。

 

 リアス・グレモリー部長が納めるこの部活は、リアス・グレモリー眷属の隠れ蓑となっている。

 

 そもそも駒王学園が悪魔の息がかかっていることもあり、生徒会長(ちゃんと選挙に不正せずに勝った)を務める支取蒼奈(しとりそうな)こと、魔王レヴィアタンを輩出したシトリー家本家次期当主のソーナ・シトリー先輩といったメンツから許可を得て、駒王学園の旧校舎を丸々使わせてもらっている部活だ。

 

 優秀かつ美形な部員を主体としており、俺も幽霊部員だが在籍。夜の悪魔稼業の本部としても使用しつつ、こうして学園生活を過ごしている。

 

 リアス部長と学園の二大お姉様として尊敬の念を浴びる大和撫子。転生悪魔で最も駒価値の高い女王(クイーン)を担当する。三年生の姫島朱乃(ひめじま あけの)

 

 二年生のイケメン王子であり、学園内の女子人気を一人で半分以上集める男の嫉妬の的。騎士(ナイト)の駒を与えられた木場祐斗(きば ゆうと)

 

 一年生のマスコット。小さな体で大食漢な、戦車(ルーク)の駒を授かった、塔城小猫(とうじょう こねこ)

 

 あと名義は一年生だが、諸事情あって封印されている僧侶(ビショップ)一人を加えた四人が、リアス部長に使える眷属だ。

 

 此処にイッセーが兵士の駒を八つ全部使って参入したわけだが、さてさてどうなることやら。

 

 一応、先任メンバーは誰もが訳ありかつ優秀な才能を持った者達だ。事実上の食客でもある俺も踏まえて、部長は優秀な人を見つける才能に満ち溢れ、可愛がり慈しみ救い上げているから、常に慕われている人徳を武器としている。これで上級悪魔としての能力も高いんだから始末に負えないだろう。

 

 兵士の駒八つのイッセーもポテンシャルは高いだろうが、それを制御できずに暗殺すべきと判断されているからな。ちょっと不安があるけど上手くすれば化けるといった感じだ。

 

 もっとも、いきなり殺されて人間じゃなくなったなんて展開なんだ。流石にアイツも動揺しているだろう。

 

 ……悪魔の実情を知れば、割とすぐに乗り気になりそうだがそこまでは教えてないだろうしな。

 

 その辺りを不安に覚えながら、俺は校門をくぐり下駄箱に向かい―

 

「あばばばばばばば!? は、離せぇえええええええ!」

 

「許さん、ぶっ殺す!」

 

「ここでとどめを刺す! 絶対刺す!」

 

 ……何故か、松田と元浜に締め上げられているイッセーを見つけた。

 

「……何やってんだ、お前ら」

 

 なんか、考えていたのがバカらしくなってきそうだ。

 

「生乳を、生乳首を見た抜け駆けをした、この裏切り者を制裁しているんだ!」

 

「止めるなよ、一志! 俺達はこいつを制裁しないといけないんだ!!」

 

「し、嫉妬……みっとも、ない……ガクッ」

 

 平常運転でありがとうよ。

 

 とりあえず、放課後になるまでこのまま放っておこう。

 

 多分裸で魔力を灌いだんだろうけど、部長って内側に入れた相手に裸を見られることに抵抗が薄いからな。

 

 年頃の男がいて傍でシャワーを浴びることも平気でするし、異形の貞操観は人間のそれとはずれている気がする。

 

 うん、いつも通りのイッセーというか、納得物の回復具合だな、これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、放課後になってからイッセーを連れていくことにする。

 

「イッセー。昨日のことで話があるから、今日ちょっと付き合ってくれ」

 

「え? でも俺、今日の放課後は用事があるんだけど」

 

 そうイッセーが返答する中、女子の一部が何故か黄色い視線を向けてくる。

 

 ……沼に沈んだ貴腐人が多くないか? それとも、これが人間界の女子の普通なのか?

 

 男がレズで興奮できる奴が多いように、ゲイに興奮できる女子が多いのはまあ理解できるが、即座にこの反応する当たり、イッセー達と同レベルで変態ではないだろうか。

 

 俺がそう思いながら続けようとした時だ。

 

「やあ、兵藤君に一志君。ちょっといいかな?」

 

 二年生だから比較的呼びやすいと判断したんだろう。木場が教室に入って来ながら、俺達を呼びかける。

 

「祐斗か。ちょうど俺もその話をしていたんだ。イッセー、昨日の話は部長やこいつも関係者だから、お前の用事と重なってると思うぞ?」

 

「え、マジで? ……イケメンと?」

 

 ……イッセー、嫉妬の炎を向けるな。

 

 祐斗がモテるのとお前がモテないのは、全く別の問題だ。頑張って覗きをやめてから出直してこい。

 

 そして教室内の女子共。さっきから「3P!?」だの「誰が挟まるの!?」だの聞こえてくるんだが?

 

 これは、一応言っておくべきか。

 

「お前ら、ベクトルが違うだけでそれはイッセー達(こいつら)と同様の変態的迷惑行為だぞ?」

 

 こういえば流石に止まるだろう。

 

 俺は、その確信があった。

 

「……兵藤! 今度水着を着た写真をあげるから、木場きゅうやモンタギューさんと掛け算させて!」

 

『『『『『『『『『躊躇がない!?』』』』』』』』』

 

 教室中の男子の叫びが一つになったよ。

 

 ……女子達に「更衣室の壁に半裸のイッセー達の写真を張るから、その向こう側で覗かせる」という取引を持ち掛けてみたら、結構いい返事が貰えるんじゃないかと、俺は真剣に提案したくなった。

 

 貴腐人って、凄いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上級悪魔のハーレム王に、俺はなる!」

 

 渾身の叫びで決意を語るイッセーに、俺は正直乾いた笑いが出てきた。

 

 基本的に、悪魔というものは貴族社会であると同時に実力社会でもある。

 

 これは異形社会全体が、結構な割合で社会的地位と実力が比例する傾向にあるからだろう。爵位を持つ上級悪魔は、下級の平民とは比較にならない圧倒的戦闘能力があるからだ。

 

 同時に悪魔社会は血統的な価値観も強いが、それでも上級直属の悪魔である眷属悪魔なら、成果をあげれば昇格試験を受ける権利がもらえることがある。

 

 実際にそれで貴族と同じ上級悪魔になった転生悪魔は少なからずいる。実際には血の純度もあって軽視する者もいるが、実力的には並大抵の上級悪魔を圧倒する最上級に昇格した者もいる。

 

 そして昇格の資格を得る方法も、現時点ではいくつもある。

 

 一つは、上級悪魔の眷属として、人間界での契約活動で成果を上げること。これは契約相手の社会的地位が影響する為、担当する地域で可能性が大幅に左右される運ゲーに近い。

 

 一つは、実際の戦闘で武勲を上げること。これは文字通り命の危険が伴うし、現状の異形は冷戦に近いにらみ合いだ。小競り合いがある程度では中々大物と戦う機会はないし、平和主義である現魔王の方々では自分から戦争を仕掛けることもない。昇格に値する成果を上げるにはそれに見合った命の危険があることも踏まえると、リスクが高い。

 

 最もポピュラーなのは、レーティングゲームで成果を上げることだ。

 レーティングゲームは、チェスの駒を模した悪魔の駒で転生する眷属の自慢から始まった、いわばチーム制の武術教義というべきものだ。「アメフトはスポーツではなく格闘技である」とかいう話を聞いたことがあるし、それが一番近いのだろうか。

 制限時間やフィールドをその都度変更し、時には特殊ルールを踏まえて行う競技試合。元々は実践訓練も兼ねていたからこそ、色々な条件を強いられる戦いを想定しての特殊ルールだった。しかし今ではゲーム性を重視した特殊ルールも数多く、実戦とは似て異なる物になっている。

 大半の昇格した転生悪魔は、これで活躍したことが要因という、かなりポピュラーな物だろう。

 

 異形社会全体にその傾向があるが、悪魔は地位が高いと何足もの草鞋を履くことが求められる。普通の眷属悪魔ですら、契約活動を行い、有事には主の配下として実践を行い、主が率いるレーティングゲームのチームメンバーとなる。上級悪魔ともなれば、契約活動では管理職になり、与えられた領地の管理も行い、場合によっては政治にも関与する。場合によっては芸能人や会社経営もやるのだから、多芸が尊ばれる風潮があるだろう。

 

 まあそんな悪魔社会、階級社会であることもあって、上級悪魔には相応の利権というものがある。

 

 最上級悪魔になると欲する領地を貰えることもあるし、上級になれば主のように悪魔の駒を与えられ、自分自身がレーティングゲームの王として眷属を率いることもできる。

 

 そして必ずしもというわけでは断じてないが、上級悪魔ともなればハーレムや逆ハーレムを作ることもできる。

 ……一夫一妻で済ませている者もいる。そもそも結婚に興味がないの者もいる。だがハーレムを作った者も確かにいる。

 その事実を知った瞬間、イッセーはすべての戸惑いをぶん投げたというわけだ。

 

 分かり易い。行けると思ったけど此処までとは。

 

「イッセー。一応言っておくけど、悪魔の駒ができた直後から転生して、それでも下級悪魔のままの奴が何人もいるぐらいには過酷な道だからな?」

 

 俺は一応釘を刺すけど、イッセーは真っ直ぐな目で拳を握り締めて俺を見る。

 

「でも、できる可能性はあるんだろ?」

 

「まあ、このまま日本で一生人間として過ごすよりは、合法的なうえに白い目で見られることもないだろうな」

 

「だったらやるさ! 可能性があるなら、全力でそれをつかみ取るだけだ!」

 

 ……な、なるほど。

 

 まあ、若い時はちょっとぐらい無茶をするべきだろう。異形社会ならイッセーの変態性もちょっとは受け入れられやすいだろうし、可能性は増えたな。

 

 見えた可能性に向かって全力疾走。これは俺みたいなやつだとしようとも思わない、無謀と言ってもいいだろう。

 

 だけどまあ、この程度なら否定する気もない。

 

 俺にはないこの強い熱。責任を重視するからこそ、俺はここまで熱意を込めてのめりこめない。

 

 そんな俺にない物を、俺に無いからと全否定するような奴にはなりたくないし、ならないべきだろう。

 

「ま、頑張ってみればいいんじゃないか?」

 

「応とも! っていうか、一志は俺の先輩になるのか? えっと……缶ジュース買ってきた方がいい?」

 

 なんでそうなる。お前は俺の舎弟か何かか?

 

 ちょっと苦笑していると、同じく苦笑している祐斗がイッセーの肩に手を置いた。

 

「イッセー君。一志君は特殊な事例で駒こそ持ってないけど、れっきとした貴族の血を引いた人だよ? 非公式だけど上級悪魔で登録されているからね?」

 

「………え、マジ?」

 

 二度見してきたので、俺は肩をすくめながら頷いた。

 

「正直持て余しているから気にするな。知っている奴も少ないし、今のところそんな権力を振るう責任を背負う気もないんでな」

 

 本心からそう言うと、イッセーはちょっと首を捻った。

 

「そうなのか? でも、部長は本家っていうえらいだろうとこの出身なんだろ? そんな人が保護観察者ってことは相当えらいとこの出身なんじゃないか?」

 

 まあ確かにそうなんだが……そうだな。

 

 イッセーには言っておくか。

 

 俺は部長に目で合図をしてから、あっさり告げることにする。

 

「えらいどころか旧王族の血だ。四大魔王は聞いているだろうが、初代レヴィアタンの血統が混じった先祖返りなんだよ」

 

「……………マジで!? っていうか、そんな奴の保護観察者をするって部長凄いな!?」

 

「ええ。自慢じゃないけど、現ルシファーは私の兄だもの」

 

 更に爆弾発言が部長から飛び出して、イッセーは面食らって言葉も出てきていない。

 

「うふふ。悪魔の数が激減したのは既に説明されていますが、実はその時、初代四大魔王は戦死成されているのです」

 

「……そのあと、血族が迷走して内乱が起きたので、リアス部長のお兄様達最強の悪魔四人が、四大魔王を襲名しました」

 

 そのまま口をパクパクするイッセーに、朱乃さんと小猫が更に追加情報。

 

 ………なんかちょっと不安になったから、俺は前もってはっきり言っておく。

 

「一応言っておくが、悪魔であることを知ったのは二年とちょっと前ぐらいでな。悪魔としての意識も薄いから、王族としての責務を背負う気はない。あと上役でも危険視する奴もいそうだってことで、それなりに裕福な生活を強いられながら生きているってわけだ」

 

 俺はそう言うと、心底からため息をついた。

 

「大いなる力には大いなる責任っていうだろ? 力を振るえばいやでも影響は出てくるんだ。王族の末裔なんて権力、振るった時の責任が重すぎる」

 

 俺が悪魔の駒を持たず、王族として知らしめられることを辞退したのはそれが理由だ。

 

 力を振るうには責務を背負うべきであり、それがなく振われる力とは、おおむね悪行と言ってもいいだろう。

 

 降ってわいた王族としての責任なんて、身寄りがいなくなった天涯孤独の男には重すぎる。責任を負わねばならない大きすぎる力何て、世界の行く末を本気で良くしようという奴か、国家規模世界規模の野心を持つ奴でなければ背負う気にならないだろう。

 

 俺は世界の行く末何て左右させる責任とかに興味がない。いずれ「魔王血族が背負わなければなければいけない事態」が来るなら、よりよい適格者が何人も出てくるまでは背負うべきだとは思う。ただし現状、魔王血族が今の悪魔社会に出てくれば余計な混乱を招くだけだ。

 

「俺は成すべき責任を果たす為の努力はするが、すべき理由のないことをして責任を負う気はない。今のデザイナーズマンション生活レベルの厚遇でも十分すぎるから、追加の権力には興味がないんだ。……もっと金使ってもいいんですよという名の「魔王血族にもっと厚遇させてください」アピールが来るのが悩みなぐらいだぞ? いや、ほんとそういう意味だとありがとう」

 

「え、なんでお礼……ってあのすっごい映像機器はそれか!」

 

 察しが早くて助かるぞー。

 

「……いっそ、万が一にでも意味もなく表舞台に立たされそうになった時はお前の眷属にしてくれないか? 魔王血族と高位神器の合わせ技で駒価値七でな。……リアス部長の空いた駒だと転生できないんだ」

 

「えぇ~……。そりゃマジでヤバいなら考えるけどさぁ、そうじゃない時に駒全部可愛い女のことで埋めたいぜ、俺」

 

 ………真剣に考えて答えてくれているな。そういうところだぞ、イッセー。

 

「ま、そこはジョークだから安心しろ。……お前の部下とか、今まで以上に尻拭いをするのはできれば避けたい」

 

「酷いなこの友人!」

 

 そう思うなら、覗きは完全に断ち切ろうな?

 

 ま、この調子なら纏まりそうで、よかったよかった。

 

 ……その時、ふと例のドーナシークとかいう堕天使のことを思い出した。

 

 どうもレイナーレってのが件の夕麻って奴なんだろうが、だとするとちょっと気になる。

 

 いくら堕天使が危険だと判断した神器使いを暗殺することを各勢力が容認しているとはいえ、用事が終わったのにずっと残っているなんてことがあるか?

 

 仮にも敵地に態々残る。何かがありそうな気がしないでもない。

 

 いや、駄目だな。考えすぎな気もする。

 

 あまり深く考えすぎると、生きていることが楽しめないだろう。敵勢力の使いっ走りが何を考えて行動しているかなんて、一々考え切れるわけがない。

 

 一応進言するべきだが、食客が独断で深入りするべきことでもない。

 

 少なくとも、もう一波乱でもなければ動く方が駄目だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 ……万が一、万が一ひと悶着があるのなら、その時は探ってみるとするか




 この作品において、一志はその顔つき体つきのせいで貴腐に目をつけられているでしょう。

 ……「プリンス×ビースト」に「×マドンナ」が付きそうだな。やばい思いついたけどマジであり得そうな流れだ。さわりだけでも出さないと原作のリスペクトが足りない気がする!?
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