なお世界中が絶賛炎上中
こっちは第一次から第二次世界大戦レベル
向こうは謎レーザー砲搭載のお馴染み3本足の巨大ロボットのトライポッド、ちなみに謎機関で空も飛ぶ。
一体いたら戦艦大和も捻り潰すとんでも超兵器だ、ふざけんな自重しろ!
一発ネタ 続かないと思う
地球、おっさんが別次元から転生させられても大きな歴史の流れは変わることなく。
人々はお互いに愛し憎み、時にお互いにくだらない理由で殺しあったり微細な領土や微々たる資源を奪い合ったりしていた。こういう風に地球人が日常を地べたを右往左往している間にも遥か宇宙から彼らは地球人を観察していた。
あたかも微生物学者が顕微鏡でペレットの上の細菌を観察する様に。
さて、地球から別の魔法が存在する別次元の地球に転生したターニャ・デグレチャフという少女もそんな風に宇宙から見ればどーでもいい領地とかくだらない程微細な資源を奪い合う人類同士のくだらない殺し合いの一幕を担う筈だった。
「何がどうしてこうなった…」
帝都ベルン、その上空を飛行しつつ眼下に目を向ければ目に入るのは死体の山に瓦礫と化した帝都の観光名所(の残骸)
どうも皆さまこんにちは、ターニャ・デグレチャフです。
挨拶もそこそこに失礼します。
何故かというと…
「ピクシー1!ライヒスタークの前に奴らが侵入してきた!第6師団司令部との通信途絶!第4師団壊滅しつつあり!第2師団より救援要請!」
無線に耳を傾ければ混線、悲鳴、壊滅、救援要請のオンパレード。
燃え上がる帝都ベルン、数日前までは帝国の心臓部。
今では奴らが跋扈する地獄の有様、熱気で汗が軍服にへばりつく。
「各機散開!魔道防殻なんぞ紙同然だ!正面には絶対に姿をみせるな!遮蔽物を利用して魔導刃で白兵戦用意!」
大慌てで編成された即席の魔導小隊に指示を飛ばす。
正直弾除けにすらならない連中だが気を逸らす役には立つ。
航空魔導士は極めて強力な兵科だ。
歩兵の小回りに装甲と大火力を兼ね備えたエリート。
どこの部隊でもまさに引っ張りだこの重要資源。
だが今やその重要資源は宇宙からやってきた敵のトライポッドの前にバタバタと蚊とんぼの如く撃ち落とされていく。
幾ら小回りが効くからといって秒速30万キロより速く飛べるはずもない。
幾ら防殻が硬いといっても戦艦の装甲すらブチ抜くレーザー砲相手には紙も同然。
火力があるからといって戦艦の主砲や1トン爆弾に匹敵するはずもない。
あるものはレーザー砲の直撃で一瞬で原子にまで還元され、あるものは近づいた際にトライポッドの触手でハエの如く叩き潰され地面の赤い染みになった。
これが今の航空魔導士の死に方の流行というやつだ。
「クソクソクソ!存在Xめが!絶対に!絶対に生き延びて快適で安全な後方勤務についてやる!」
これはターニャ・デグレチャフという転生おじさんのエイリアンとの長く苦しい戦いの始まりに過ぎなかった。
なお全世界を攻撃している今の相手はただの先遣隊に過ぎない模様。