とある男の日記   作:ラーメン屋

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シャルナーク=リュウセイ

――――ケイ!あの頃みたいにさ自由な生活に戻らない? 

 

「え?どういうこと?」

 

「実はオレ達って幻影旅団っていう盗賊しててさ」

 

 

 

 

「え、なんで?……ケイならやると思ったのに。……あっ!シズクの心配してる?それなら大丈夫。別に蜘蛛に入っても二人の仲を引き裂くようなことはしない。ただ、仕事する時に呼ぶだけだからさ安心してよ」

 

 

 

「え、じゃあなんで……」

 

 

 

 

「―――」

 

 

 

 

 

 

 

 偶然だった。

 

 二か月前、暗殺されてから空席のままだった8番。その席を埋めるための人材を探している途中、偶然見つけた二人。去年のハンター試験合格者名簿の中。その中に懐かしい名前があった。

 

 ―――ケイ=サトウ、シズク=ムラサキ 

 

 流星街にいた頃、住処の近くにいた子ども達。両親がいなかったのかいつも二人で生活をしてた。まぁ、両親がいないなんて話は流星街においては珍しくないというか当たり前、常識、普通のことなんだけど、あの二人は別だった。他の人と組むことなく正真正銘二人だけで生活をしてた。一言で言って異常。流星街で暮らしていくためには仲間が絶対に必要になる。それが流星街という場所だ。必ず一人では生きていくことは出来ない絶対領域。だから、流星街で暮らす人たちは、自分の仲間を大切にする意識が外の世界よりもずっと強い。仲間を殺された時には絶対報復するくらいにはね。

 

 その環境であの二人はだれにも頼らず生きていた。

 

 ソレが凄くて気付いたら話しかけてた。はじめは警戒されまくりで一瞬でも変な動きしたら殺してやるみたいな雰囲気だったけど、向こうもオレが近くに住んでることは知ってたのか結構早く打ち解けた。あの頃の二人は小さくて、よくオレに外の世界について話を聴きに来てた。二人が流星街以外の世界を知らないこともあって、本当に楽しそうに話を聞いてくれた。オレもそれが嬉しくてよく話してたな。

 

 その中でハンターに興味を持ってたのは知ってたけど……本当になったんだな二人とも。

 

「あの二人なら……」

 

 懐から携帯電話を取り出すとある男へと電話を掛ける。

 

「団長!実はさ紹介したい人がいるんだ。そうそう、もしかしたら8番になれそうだなって思ってさ。……え、なんでウボォーもいるの!?」

 

 

 

 

 

  

「ケイ!あの頃みたいにさ自由な生活に戻らない?」

 

 あの頃よりも伸びた身長、少し大人び始めた顔。変わったところはあるけど、あの生意気な目だけは変わってないや。シズクも美人さんになってるし……本当に大きくなったな二人とも。

 

「え、どういうこと?」

 

「実はオレ達って幻影旅団って言う盗賊しててさ。メンバーが13人と小規模だけど、一人一人が強い少数精鋭で活動してる結構凄いグループなんだ。そんな凄いメンバーなんだけど、つい最近一人死んじゃってね。今メンバーを探してるとこなんだ。まぁ、だから何が言いたいかって言うとオレ達と一緒に盗賊やらない?」

 

「盗賊って言うと物盗む系犯罪者ってこと?」

 

「そうだね。世界一凄い物盗む系犯罪者やってるよ」

 

 

 ―――幻影旅団

 

 13人で構成されたAクラス越えの盗賊集団。団長を蜘蛛の頭、残りの団員を12本の蜘蛛の脚として見立てて構成されている。団員それぞれにナンバーが振り分けられており、団長はナンバー0、残りの団員はナンバー1から12の刺青が入っている。団員それぞれがAクラス犯罪者として懸賞金が懸けられているが、今のところ熟練プロハンターでも手が出せない存在となっている。自他共に認める最強犯罪集団。

 

 

「俺は……やらない」

 

「え、なんで?……ケイならやると思ったのに。……あっ!シズクの心配してる?それなら大丈夫。別に蜘蛛に入っても二人の仲を引き裂くようなことはしない。ただ、仕事する時に呼ぶだけだからさ安心してよ」

 

「いや、別にそういう心配はしてない。それにその盗賊集団に入ったとしてもシズクと離れるつもりは無いしそういう心配は一切してない」

 

「え、じゃあなんで……」

 

「……単純に犯罪はしたくないから」

 

「―――」

 

 少し間を置いた返答。

 そこに込められた意味の全てを感じ取ることが出来なかったがそれでも嘘は言っていないのは分かる。……ただ、本音ではないかな。いや、本音ではあるけど本心ではない……って感じか。もっと別の理由があるな

 

 シャルナークは、それをたった一言から読み取った。

 

「じゃあ、シズクはどう?一緒に盗賊やらない?」

 

「別にいいかなー。ケイがやらないんだったら私もやるつもりないし」

 

「ハハッ、ダヨネー」

 

 うん、知ってた。

 あのいっつもケイの後ろにいて離れなかったシズクが少し環境が変わったくらいで直ってるわけないか……。

 

 それにしても質問に対して全くの変化なし。完全にケイを信じ切ってる顔だ。……つまり分かってたんだ。ケイが入団を断ることを。でも、オレにはその理由が分からない。流星街に居た頃の二人なら絶対にこの誘いを断ることは無かったはず……。

 

 ――――外の世界に出て何があったんだ二人とも。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、こいつ等が入んねーってことはよぉ。ここで戦っちまってもイイんだよなぁ。シャル、団長」

 

「ああ、いいぞ」

 

 団長直々のお許し。それが出たことで、ウボォーギンは今まで我慢していたオーラを解放する。そして、それに呼応するようにケイとシズクも戦闘態勢をとる。まさに一触即発。少しでも動けば死闘が始まるそんな空気に一瞬で切り替わった。

 

 それを感じ取ったシャルナークは、一瞬で戦いの雰囲気を纏い出した三人を止めるため急いで声を上げるが―――

 

「団長!まだ、交渉終わってない!」

 

「シャル、でもアッチは戦る気らしいぞ」

 

「ちげーよ、筋肉ダルマが構えたからこっちも構えたんだろ!正当防衛だ!」

 

「アァ?そんなのどうでもいいんだよ。構えたんならやろうぜェ!!!!」

 

 

 ―――誰も止まらない。

 

 

 

 

 

 




全体的に修正入れた。
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