佐藤くんの大嫌い家族   作:痲歌論

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__邪魔にならない程度にするから。


素直な気持ち

おぎゅうとのデートの翌日。

昨日のキスのことに少し信じれていない自分もいる。

そんな中、朝から俺の部屋騒いでいる妹がいる。

「ちょっとお兄ちゃん!?早く起きて!聞きたいことがあるから早く起きてー!」

「うるせぇよ..こっちだって疲れてんだよ..。」

「じゃあいいわここで話すわ。昨日おぎゅうちゃんとデートしたらしいじゃない。」

「あ、あぁあれか。確かにしたけど。それがなにかどうしたの?」

俺そう言うと、妹の砂亜菜(さあな)が顔を赤くし、いきなり怒り始めた。

「んなっ!?‘そんなこと‘って言った?女の子にとってね!デートは特別なものなのよ!!!!」

と俺の部屋の椅子に乗せてるクッションを俺に投げつけ、部屋のドアを大きな音を立てて出て行った。

「相変わらずうるせぇな...。そういうところが嫌いなんだよなぁ..。」

朝ごはんを食べるため、髪を少し整えて、リビングへ向かう。

向かう途中、用を足そうとトイレの扉を開けると、中にはおぎゅうが入っていた。

「お、おぎゅう!?ご、ごめん!!そういうつもりはなかったから!!」

「主...もしかして、交尾(こうび)をしたいのか..?」

「んなっ、何言ってんだ!そういうつもりはないから!それにそういうのはお互い大人になってから!!」

「むぅ...。」

なんかおぎゅう「むぅ...」っていうのハマってない?

おぎゅうがトイレから出てきてから俺は入り、用を足してリビングに行った。

「あら、裕樹(ひろき)。おはよう。」

「おはようお母さん。」

お母さんの挨拶に続いて砂亜菜が挨拶をする。

「ふん。おはようお兄ちゃん。」

「あぁ、おはよ。」

朝のこともあり、砂亜菜は機嫌が悪くなっていた。

席について、目の前にいた姉の伊織(いおり)に挨拶をする。

「伊織、おはよう。」

「おはよう裕樹。そういえば、おぎゅうとデートに行ったんでしょ?」

それを聞いて砂亜菜がピクリと動く。

俺が答えようとしたとき、おぎゅうがいきなり現れ、俺より先に早く答える。

「そうだよ..。私と主、その..き、キスしたんだから...!」

おぎゅうがそのことを恥ずかしそうに言った。

「はぁー-!?おぎゅうちゃんが抜け駆けー!?くぅー!!」

「砂亜菜、落ち着きなさい。」

「でも、お姉ちゃん。アタシたちが先にする予定だったのに、負けちゃってるんだよ?アタシたちも少しは焦らなきゃ。」

「そうね。」

俺は友達の妖精(えるふ)からこの二人のお父さんから俺と婚約するためにここに来たという話を聞いた。

そのため、この二人は俺を取り合ってるわけだが、俺はそれが嫌いだ。好きでもない人と婚約させられても、いやだろうし、俺はこの二人が嫌いだ。なんならおぎゅうの方が好きだ。

そう思い、おぎゅうの方を見ると、なぜかおぎゅうはふふん、と胸を張っている。

「いいわ、おぎゅうちゃんがその気なら。お兄ちゃん!今度はアタシの番よ!今度の土曜日、アタシと...その、で、デートよ!!」

「砂亜菜...頑張って..!」

おぎゅうが小さく頑張れとポーズを決めながら言った。

「ライバルのあんたに言われるとなんかいやね..。まぁ、いいわ。アタシもアタシで、全力を尽くすから。絶対に負けないわよおぎゅう!!!」

 

 

土曜日。

砂亜菜とのデートの日。

おぎゅうと同様に駅で待ち合わせをしていた。

俺が駅に着くより砂亜菜は早くついており、俺を見つけた途端俺に近づいて俺の目の前で止まった。

何か言えと言わんばかりに表情が怖い。

だが、服はジーパンに白シャツの上に革ジャンを着ていた。

「...服。」

「え?」

「だから!服が似合ってるかって聞いてるのよ!」

「は、はい!似合ってまふ!」

緊張して噛んでしまった。

「...ふふ、なによ。‘まふ‘って。」

「あはは、つい噛んじゃった。」

「お兄ちゃんらしいわね。さ、行くわよ。」

砂亜菜はファッションに興味があるらしく今日は俺をモデルに色々服を試すらしい。

俺はショッピングモールに連れていかれて、流行りの服、かっこいい系の服、ロック系の服など様々な服を着させられた。

「ふぅ、やっぱりあんたいつも通りの服が似合ってるわね。あんたの服の感性(かんせい)にアタシが首を突っ込む必要はないわね。」

「じゃあ、今度は俺が砂亜菜の服選んでもいいか?」

「別にいいわよ、アタシの服はアタシが選ぶわ。」

俺の服の権利はないのかな。

「...でも、一緒にまた出かけたときにはいいわよ。」

すると、近くにいた女の子に話しかけられる。

「あー!!砂亜菜じゃん!これが例のお兄さん?」

どうやら友達のようだ。

「うっさいわね!今日はアタシのモデルになってもらってるだけで、決して一緒にいたいわけじゃないから!」

「相変わらず砂亜菜はツンデレだねー。これじゃお兄さんも大変でしょ。ねぇ?」

と俺に共感を求めてくる砂亜菜の友達。

「まぁ。大変っちゃ大変かな。だけど、今日に関しては砂亜菜がデー__」

デートと言うときに砂亜菜が俺の口を手で塞いできた。

「おぉー?これはお兄さんからの言質(げんち)取っちゃうかー?いや、お兄さん、MINE(マイン)交換しません?」

「ちょ!だめよ!」

「別にいいでしょ?私が交換したいだけだし。別に砂亜菜の邪魔になるようなことはしないから。」

砂亜菜は少し考えたあと、アイコンタクトで良いと俺に伝えてきた。

俺は砂亜菜の友達にスマホを渡す。

砂亜菜は機嫌が悪そうだ。

砂亜菜の友達が俺に手招きし、俺は耳を貸した。

「安心して、知ってると思うけど、砂亜菜はツンデレ。対応とかわかりずらいと思うから私がサポートするね。よろしく。」

そう言われると、スマホを返され、その友達は足早に去っていった。

「もう、‘さっちー‘め...。」

‘さっちー‘というのはおそらくあの友達のことだろう。

こりゃまた面倒くさくなりそうだなぁ。

「さっちーからなにか変なことされてない?」

「なにもされてないよ。」

「そう、ならよかった。アタシはあんたが嘘つかないことはわかってるから信じる。」

「信じられてるならよかった。」

「それとお兄ちゃん...いや、なんでもない。今日の夜部屋で待っててね。」

 

 

砂亜菜の言う通り、夜に俺の部屋で待っているとコンコンとドアが叩かれる。

「どうぞ」と言うと、砂亜菜が部屋に入ってきた。

「お兄ちゃん、そのいつも言葉きつくてごめん。その、なぜか素直になれなくてね...。どうもちゃんと言葉にできないの。」

「そんなことない、むしろあのくらいが砂亜菜らしいと思う。」

「え、なに?あんたドM?」

「いや、そういうわけじゃないけど。ただ、逆に素直すぎると砂亜菜っぽくないから。時々素直になるくらいがちょうどいい。だけど、俺はまだ伊織と砂亜菜のことをあまり好きじゃない。けど、最近は認めつつある。」

「そう。なら、さっきお兄ちゃんが言ってたし今くらいは素直になろうかな。」

砂亜菜が俺に近づいてきて、俺を押し倒し、唇を重ねてきた。

「じゃあね、‘アタシの‘お兄ちゃん」




ご読了ありがとうございます。
作者の塩ボウズです。
今回は砂亜菜のデート回です。
今後は砂亜菜の友達の‘さっちー‘が砂亜菜とのサポートをしてくれます。
次回は誰とのデートでしょう?
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