頭の中に昔によく聞いたことのある声が響いた。
「おぎゅう。おぎゅう。あの力を。ずっと
「ん...あなた、誰..?」
「お前がよく知る人だ。」
目を開くといつもの天井だ。
「ほんと...。誰なんだろ..?」
最近の夢はほとんど同じだ。
そんなことを考えていると、ドアが突然開く。
開けた人、私の主__
「おぎゅう?うなされてたけど、大丈夫?」
「え..。そうなの?」
私は前までリビングのソファで寝ていたが、最近は主との
どうやら、あの夢の影響でうなされているようだ。
「あぁ、それに最近毎日だ。最近なにか悪いことでもあった?」
「...いや、特にない..よ。」
「なにかあればすぐに言っていいからね。」
学校にて。
私は休み時間中に屋上にいた。
そろそろ次の授業が始まるというのに私は戻る気がしなかった。
なぜなら、夢で響いてくる声の正体がわかった気がしたからだ。
私は昔のようにはなりたくないです。
もうあんなことはしたくないです...。
あの力はもう使わないと約束したのに...。
『おぎゅう。私の言うことを聞きなさい。今の妖怪の世界にはあなたが必要なのです。』
「いやだ、私はここにいたい...。」
『ここであなたの力を解放させましょうか?そうすれば、ここにいる人たちはほとんどの人が大きな被害を受けますよ。それでも、言うことを聞きませんか?あなたの大事な‘主‘も...場合によっては死にますよ。』
それは...。絶対ダメ...。
でも、断ればこの学校のみんな危ない。なら...。
「わかった。私は..母上についていきます...。」
『よろしい。ならここに転送するわ。』
私の足元に円が描かれ、穴が空く。
私の記憶はここで途切れている。
平凡な朝。
俺にはある
俺はつい最近この二人とデートの話を持ち掛けられ、ほぼ無理やりに連れていかれた。
そのデートから数日後の学校。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん。今日の放課後アタシのファッションの手伝いまたしてくれない?」
昼休みに俺の教室に来る妹の砂亜菜。
ほぼ毎日ここに来るため俺の友達__
そして彼は風紀委員会副会長だ。
そんな彼が俺に放課後に
「おぎゅう?誰だ?それ。」
「え?本当に覚えてないの?」
「覚えてないというかまず知らないんだけど。」
「そんな...。」
妖精は目を丸くしていた。
「なぁ、妖精。疲れてんじゃないか?」
「それはそっちの方でしょ!?あんな子を裕樹が知らないわけない...。伊織も砂亜菜も知らなかった。なにかおかしい。」
妖精とは途中でわかれ、俺は家に向かった。
「はぁ...。今日の妖精なんか変だったな。」
☆ ☆ ☆
裕樹が知らないわけない。おぎゅうとのあんな日々を送ってるのに...。
僕は独自でこの原因を調べた。
前に裕樹から聞いた話によると、おぎゅうは妖怪の一種の
天使が妖怪の世界に干渉することはできない。
となると、神様の力を借りて
僕は神様の力を借りて、無理やりに妖怪の世界へと突入し、おぎゅうを探した。
その世界はまるで地獄のよう。
一つ目の鬼や、おそらく死んだ者と思われる魂が食事とされていたり、普段の生活からは想像もできないものだった。
この中におぎゅうがいるの...?
なんてとこで育っただ...。でも、妖怪の中じゃこれが普通なんだよね。
「ん?なんだ人間がいるじゃねぇかァ。」
「おや、これはこれは。中々なべっぴんさんですなぁ。」
一つ目の鬼と、おじいさんが話しかけてきた。
この中で当たり前のように生きれていることからこのおじいさんも妖怪の人なんだろう。
「僕は男だよ。そして、僕はおぎゅうって子に用があるんだ。」
「あぁ、おぎゅうかァ。そいつはァあのし___」
一つ目の鬼の口を杖で強引に塞ぐおじいさん。
「あんた、おぎゅうに用があるって言ったね...。なら、わしについてきな。」
そう言われ、僕はおじいさんについていった。
「お主、[嫌]という漢字の由来を知ってるかい?」
ついていく中、おじいさんが僕に言った。
「いえ、知らないです。」
「両手をしなやかに重ねて、ひざまずく女性の
「へぇ。」
「この意味わかったかな?おぎゅうはこれから
命を摘ままれる。つまり、死。
「そんな...なんで?」
「ここを救うため...とでも言っておくか。」
救うため...。大いなる力には大いなる責任を伴うという言葉があるが、おぎゅうには、この世界を救えるほどの大きな力があるということかもしれない。
「おじいさんは...おぎゅうがここを救える力があることを知ってたんですか?」
「いいや...おぎゅうの真の力を知るのはおぎゅうの両親のみ。わしはただの情報屋だよ。色々とコネを使って知っただけさ。わしには止めることも何もできん。」
大きな城を目の前にしておじいさんは立ち止まった。
「ここからは命の保証はないぞ?それでも入るかい?」
「はい。僕の大事な友達のためです。」
裕樹がおぎゅうと話してる時の顔を、失うことなんてできない。
僕は意を決してこの大きな城の中に入った。
ご読了ありがとうございます。
作者の塩ボウズです。
妖精以外おぎゅうの存在を知らなくなってしまった。
なぜ妖精だけはおぎゅうのことを知ってるのか?そして、この城には一体なにがあるのか。
このおじいさんはなぜこの城まで妖精のことを連れて行ってくれたのか?