佐藤くんの大嫌い家族   作:痲歌論

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__最初は話聞いてくれたよね


嫌いなワケ

「「よろしくね!お兄ちゃん!!」」

俺に新しい家族が出来た。姉妹だ。それに2人。

だが、俺はそこから恋愛展開に発展することも姉妹が出来ることに嬉しく思っていなかった。

なぜなら俺は、姉妹が欲しくないからだ。

それはこんなことを思い出しちまったからだ。

姉妹が嫌いな理由を俺は頭の中でコマ撮り写真のように流れていった。

 

ある日、俺がまだ幼かった頃。とある姉妹がいた。その姉妹のことはもう覚えていない。覚えたくもない。

俺は昔、臆病で消極的な性格だった。友達の家に行った時たまたま階段の踊り場でその友達の姉妹にばったり会ってしまった。つい驚いてしまって階段から落ちてしまった。

幸い怪我は大きくなかったが、俺が落ちた時、その姉妹は高々と笑っていた。友達はすぐに駆け寄ってくれたが、その姉妹はずっと腹を抱えて笑っていたのだ。それから俺は姉妹という存在に恐怖と嫌悪の感情を抱いていた。

 

そして、嫌いなのはもうひとつある。

深夜寝付けなくてテレビをつけた時に流れていたアニメを見ていた。それは途中で話はあまり入ってこなかったが数分後に流れたシーンで絶句した。それは主人公がその主人公の姉妹に無惨に殺されるシーンが流れたこと。

それでトラウマに思ってしまい、それ以降姉妹というものに再びあの2つの感情を抱いてしまった。

 

これが俺の姉妹という存在が嫌いな理由。

単純で地味と思われていても何も思わない。

弱いやつは恐怖というものに長い時間かけても勝てない時がある。

そう、こんな回想してる時も……。

「ねぇ!お兄ちゃん!アタシの話聞いてる?」

砂亜菜からの攻撃を受けていた。

俺は砂亜菜からも伊織から話しかけられても適当に返すか無視するかの2択。

冷たくして、なんとか俺は過去の経験のようなことをしないようにしていた。

あんなトラウマ…俺はまだ死にたくねぇ……

(殺されません)

「ちょっとー最初は声掛けても聞いてくれたのにいきなり冷たくして…。妹ちゃん悲しんじゃうなー。」

「そうか。冷たいならコーヒーでも飲んでくる。」

「あ、ちょっと!話聞いてよ!」

「話を聞いたからコーヒーを飲みに行くんだ。」

ぷいっと顔を横に向ける砂亜菜を一瞥して、コーヒーを飲みに台所に向かった。

台所には伊織がいた。伊織は姉妹の姉だ。そして俺の姉でもある。誕生日が伊織の方が数日早いということで姉となっているが、正直今まで話した文は画用紙両面1枚くらいだろう。

「裕樹君、どうしたの?というか、私たち一緒に住んでから1週間は経つけど……どうしてそんなに冷たいの?」

「ただコーヒーを飲みに来ただけだ。それにさっきも砂亜菜に言われたが俺は冷たいから今コーヒーを飲みに来た。」

今の俺は2人に対して、情はない。

だが、これはすべてあのトラウマのせいなんだ…。

正直、あのトラウマからは解放されたいが、この2人を見るとどうしても思い出してしまう。

「裕樹君、最初は話聞いてくれたよね…。今は…なんで?」

____最初は声を掛けても

____最初は話聞いてくれたよね

伊織の「最初は」という言葉に砂亜菜に言われたことも頭の中で過ぎる。

最初は最初はって…そりゃあれを思い出してなかったからだ。俺だって消したかったのに自分に姉妹が出来たらこうなっちまった。

 

時刻は夜10時。台所で伊織と重たい雰囲気の中にある。

確かにこんなことで姉妹と仲良くしないことはどうかと思う。でも、俺は乗り越えられないんだ…。

いきなり俺はなにかもの淡い光に包まれた。

これはと思い、伊織を見るがなにもしていない。というかなぜかホッとした顔をしている。

つい、後ろを見ると砂亜菜が俺に光を与えていた。出会った時のように、俺は体と心が楽になっていった。

「少し楽にさせようと思っただけよ…最初みたいに勘違いしないでよね。」

「あれは勘違いとかじゃなく俺の怪我だろうが…。」

まだ俺は2人に理由を話すつもりはない。

だが、この姉妹といると少し楽になる気がする。

「それで、お兄ちゃんはアタシたちに話す気はないの?」

まだ…いいかな。正直言ってこの2人に慣れてないし。怖いし。臆病者ってことはわかってるけど、どうしても慣れない。

「あぁ。まだ…な。」

「ふーん…わかったわ。お姉ちゃん。兄か弟が出来たらの話…実行しよ。」

砂亜菜が伊織とコソコソ話を初め、何かを決心したような顔をした。

「裕樹、まずは私の“おもちゃ”になってもらうわ。」

「は?おもちゃ、おい伊織何言って…ちょ、砂亜菜!!」

砂亜菜に助けを求めても、笑顔で手を振って見送るだけだった。

くっ、くっそ〜。あの野郎。あとで覚えておけよ……。

そう心の中で思い、俺はただ伊織に引きずられていくだけだった。

そして俺は伊織の部屋で沢山遊ばれたのであった。

 

翌日の学校。

「つ”か”れ”た”〜”」

「だ、大丈夫裕樹?」

机の上に顔を付けて疲労感じる俺を愛が休み時間ずっと心配してくれた。




ご読了ありがとうございます。
作者の塩ボウズです。
1話から投稿が遅くなって申し訳ないです。
この作品は不定期更新となるので、自分も次の話を投稿できるか分かりません。
ということで、2話が終わりましたが、どうでしょうか。
読んでくれた方に姉妹はいますか?もしくは兄弟はいますか?
ぜひ、嫌いにならずちゃんと受け入れてくださいね。
ちなみに言うと私は妹が欲しかったです。
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