ゴールドシップって破天荒ながらも自分を慕う相手には結構面倒見が良いイメージだったりします。そんな感じで書きました。
ちなみに私はかき氷といえばブルーハワイ派です。

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ゴルシのかき氷屋(弟子付き)

9月初旬、暦では秋となるのだがまだまだ残暑が厳しくこの日の最高気温30度越えと真夏日となっていた。こんな日に外でトレーニングするとなればまさにこの世の地獄。通常なら何周と走れるコースでも早々に暑さにやられてダウンしてしまうウマ娘達もいる。

 

「ふぅ…暑いなぁ…」

 

スタミナに自信のあるライスシャワーでも暑さのせいか疲れやすくなっていた。

 

「トレーナーさぁん!今日は外でのトレーニングは凶と出ています!シラオキ様もプールでのトレーニングが吉と告げていますからプールに行きましょう!」

 

炎天下の中、トレーナーに駄々をこねているのはチームメイトのマチカネフクキタル。

 

「仕方ないだろ、夏になると色んなチームでプール場は予約で一杯になるんだ、そうなれば利用は抽選で決まる。今回は我々のチームは抽選の結果プール利用権は得られなかった、それだけだ」

 

涼しげな顔で返答をするトレーナー。

 

「ぐぬぬ…どうしてこんな事に〜」

 

「どうしてって…抽選のクジ引いたのはフクキタルだろ、シラオキ様もプールより外でのトレーニングが良いと思ったという事だ、無駄話はここまでほら走った走った」

 

「鬼!悪魔!というか何でトレーナーさんは汗ひとつもかいてないんですか!」

 

「ん?俺は夏生まれだから暑さに強いんだ」

 

「全く理由になってません!」

 

トレーナーは今だに騒がしいフクキタルをライスに連れ出してもらいトレーニングに参加させた。

 

しばらく後…

 

「らっしゃいらっしゃい、ゴルゴル星の雪山から持ってきた貴重な氷で作るかき氷はいらんかねー」

 

「いらんかねー」

 

ライスとフクキタルのトレーニングを見ていると後ろから聞き慣れたウマ娘の声がする。

「何してんだゴールドシップ、それにウララも」

 

振り向いたトレーナーが見たのはリアカーを引いているゴールドシップと「氷」と書かれた幟を持ったウララであった。

 

「おっ?お米と神社のトレーナーじゃねぇか、見りゃあ分かんだろ、かき氷屋だよ」

 

「私はゴルシちゃんのお手伝いしてるのー!」

 

「かき氷屋か…ちなみに聞くけど2人ともトレーナーから言われてたトレーニングはどうしたんだ?」

 

「放っぽってきた」

「とれーにんぐ?」

 

哀れ、ゴルウラコンビのトレーナーが考えたトレーニングメニューは1つも実行されていなかったようだ。

 

(ゴルシが突拍子のない事するのは今に始まった事じゃないし、ウララは商店街のお手伝いしているらしいから…まあいつも通りか)

 

「そんな事よりよぉ、かき氷買ってかねーか?今ならシロップかけ放題で200マニーで良いぜ」

 

ゴルシがお品書きと書かれた紙を渡してくる

 

イチゴ、レモン、ブルーハワイ、コーラ、メロン、練乳(チューブ)、練乳(缶)、スターフルーツ、グヤバノ、マンゴスチン…

 

「すごい品揃えだな、てか練乳は缶とチューブの2タイプ用意してるんだ?」

 

「商品入手経路については乙女の秘密だ、練乳は缶とチューブだと味が違う気がしねえか?比べた事ねえけど」

 

「そ…そうか、まあそろそろ休憩しようと思っていたところだしいただくとするか」

 

トレーナーはライスとフクキタルに休憩を指示し、ついでにかき氷も奢る旨を伝えた

 

「本当にいいの?お兄さま、かき氷ご馳走になっちゃって」

 

「気にするな、暑い中トレーニングを頑張ったご褒美だからな」

 

「流石はトレーナーさん!分かってますね、では早速買ってきます!」

 

ライスとフクキタルはいつの間にか用意されたかき氷機と長テーブルと椅子に座っているゴルシとウララのところへ向かっていった。

 

「ライスちゃんいらっしゃい!なんの味にするー?」

 

「ううん…どうしようかな、ウララちゃんのオススメってある?」

 

「ウララはね、ブルーハワイがオススメ!とっても美味しいし食べた後にベロが青くなってておもしろいんだー!」

 

ここにくる前にかき氷を食べていたのかシロップで青くなった舌を見せるウララ。

 

「じゃあライスもブルーハワイ食べてウララちゃんとお揃いにしようかな」

 

2人が和気藹々と話しているのを見て穏やかな気持ちになるトレーナー、やはりウラライスは良いものだと改めて思うのであった。

 

フクキタルはというと…

 

「むむむ…色んな味がありすぎて決まりませんね、ここはやはり占いで決めましょうか」

 

フクキタルはどこからかカードを取り出す、それはUNOだった。

 

「トレーナーさん、1枚引いてください!赤が出ればイチゴ!青が出ればブルーハワイ!黄色はレモン、緑はメロンです!」

 

「何でUNO持ってんだ、それにワイルドが出たらどうするつもりだ」

 

「もちろん4つの味をいただくことになりますがUNOのカードは108枚あります、その中でたった8枚ですからそうそう引くなんて事はありません!それではお願いしますトレーナーさん、ちなみに私はレモンが好きです」

 

トレーナーは何となく結末が読めたがカードをシャッフルして1番上を引きカードを見る。

 

「いや…フクキタル、すげぇよ」

 

「おお!という事は黄色を引きましたね」

 

「本当こういう事に関してはある意味で豪運だよな」

 

トレーナーはカードをフクキタルに見せる。

それは4色の表紙がワイルドカードだった。

 

「おう!神社はマルチトッピングだな!任せろ、ゴルシちゃんの神がかった色彩テクを見せてやるぜ!」

 

話を聞いていたゴルシがめちゃくちゃに張り切り始めた。

 

「いやぁぁ!私のかき氷が土留色にー!」

 

フクキタルの悲鳴が響いた。ちなみに味は美味しかったとの事。

 

その後も外でトレーニングをしていた何人かのウマ娘達が休憩がやってきてかき氷を買っていった。

 

「ふぅーだいぶ売れたな、さすがのゴルシちゃんもちょいと疲れちまったぜ」

 

そう言いゴルシは氷と一緒に袋に入ったかき氷シロップを飲み始める。

 

「おお、かち割りとか懐かしいな」

 

「何だ?トレーナーも飲みたいか?欲しいならハル坊に頼めば作ってくれるぞ」

 

「ウララが?」

 

「かき氷用のでかい氷しかここには無いからな、アタシは削る担当でかち割り様に氷を砕くのはハル坊がやってくれるんだ」

 

「役割分担してるのか、そういう事なら…ウララ、グヤバノ味のかち割りをお願いしたい」

 

「りょーかーい!ちょっと待っててね」

 

そう言ったウララはリアカーからアイスピックではなくトレーニングで使われている瓦割りセットの土台を持ってきた。

 

レジャーシートを敷き、ブロック石2個の間にボウルを置き、ブロック石の上に氷塊を乗せた。

 

「すぅー…うっららー‼︎」

 

目を瞑り深呼吸をしたウララがカッと目を見開いた後、氷塊に向けて拳を振り下ろした。

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

 

トレセン学園に衝撃音が響く。

 

ウララは瞬間的に5回、氷塊に向けて拳を振り下ろしていた、しかしそれは余程の動体視力の持ち主で無ければ1回の動作にしか見えない、それほど素早く重い拳だった。

 

氷塊は内側からヒビが入り砕けボウルへと落ちていく。

 

ウララはそれを拾い、袋に入れた後シロップを注いで紐で袋を閉めストローを差し込む。

 

「はいどうぞ!」

 

そして何事もないように笑顔でかち割りを渡してきた。

 

「…」

「ウララちゃん?」

「あばばばば」

 

この光景を見ていた3人はあまりの出来事に声が出なくなる者や困惑する者、覇気に震える者がいた。

 

そんな中ゴルシだけは腕を組んで嬉しそうに頷き

 

「フッ…ハル坊のやつ、アタシが教えたゴルシ流拳法奥義、5連ゴルゴルパンチ…完全にモノにしてんじゃねえか」

 

「お前の仕業か!ウララになんてもん教えてんだ!」

 

「んだよーハル坊が強くなりたいって言うから教えたんだよ、まあ普通に瓦割るのもつまらないからそこはアタシ流に鍛えた訳よ、これが飲み込み早くてな、すげぇだろ」

 

「ウララの言う強くなりたいはレースの強さであってそういうものじゃないだろ!」

 

「ライスちゃんのトレーナーさん、飲まないの?」

 

ゴルシと話をしていてかち割り受け取らないトレーナーに声をかけたウララ。

 

「あーすまない、ありがとうなウララ」

 

「うん!どういたしまして!」

 

満面の笑みのウララ、先ほどまでの覇気は感じない。

 

初めて飲んだグヤバノシロップは衝撃が強すぎた事、そして2人のトレーナーがこの事実を知った時の心労を考えると哀れに思い、味を感じなかった。


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