ハリー・ポッターと黒い魔法使いの孫   作:あんぱんくん

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その剣を抜き放ちし者、其は真の勇気を示す者なり

しかして荒野の獅子(グリフィンドール)により導かれ、その真の力を解き放ちし者

其は真の慈しみをもって憎しみをも懐く、英雄の中の英雄なり




#??? いつかあったかもしれない神の逸話

 

 

 その頃の暗黒時代に関して、世界の状態を正確に記述する事は不可能だろう。

 マグルのインターネットのようなものもなく、全ての情報が地理的な壁によって阻まれる。

 その事実に、マグルも魔法族も関係ない。

 とにかく九世紀は、そんな閉ざされた時代だった。

 

 ────しかし、古くからその地に住む彼らは覚えている

 

 ゴブリン、トロール、ケンタウルス、水中人。

 今や魔法生物として魔法族に虐げられ、あるいは迎合してその生を繋いで生きている彼らは、覚えている。

 かつて世界に冠した一つの最強の種族(エルフ)があったと。

 かつて魔法生物達によって支配されていた一つの時代があったと。

 

 古きその一族の名は、ヴォーティガン。

 

 並ぶ者なきヴォーティガン。恐るべきヴォーティガン。

 今日、旧支配者として極限られた書物にのみその名を記された者達。

 それぞれが悪辣な所業で、紀元前からその名を轟かせた一族ではあるが、その時代にとりわけ彼らの記憶に残る者がいるとすれば、それはたった1人の大王である

 

 彼女の名は、プロセルピナ・ヴォーティガン。

 

 一族の魔法に長ずる数名の寡頭政治に不満を抱き、粛清に粛清を重ね、最終的に己以外の同族を尽く滅ぼした者。

 長らく支配してきたローマ帝国に見切りをつけ、北西部のグレートブリテンに手を伸ばそうとした異端の魔法使い。

 その侵攻で北欧州一帯の魔法族の数を半減させた魔法史史上でも最悪の大量殺戮者。

 

 ローマ神話に”神”として名を連ねた一族の最後とは、一体どのようなものだったのだろうか。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 遥か過去、暗雲立ち込める空の下。

 その戦いに名はなくただ意味があり、故に歴史を紐解いたところで真実はヴェールの向こう。

 伝説として語り継ぐべきだった決闘。

 両者共に大軍団を背にした、壮烈を極めた死闘だった。

 紀元前より権勢を誇る威容の一族。

 その最後に名を連ねる者にして、”傲慢なる天”と名高き暴君との殺し合い。

 

 事の発端は、活発になったデーン人の侵攻を援護する形で、三世紀ぶりに古き一族の長がブリテン島への干渉を始めた事だった。

 

「うん。まぁなんというか……そうだな。奴がカレドニアの南から動き始めたら全てが終わるな」

 

 かつて故国の救済を願った強大な四人の魔法使い達がいた。

 アルフレッド大王によるブリテン島の統一から暫くの時が経ったとはいえ、未だに国土は疲弊しきっている。

 相次ぐ戦いにより荒廃している国土、何かに操られたかの如く侵攻を始めるデーン人達。

 

「打って出るぞ」

 

 グリフィンドールの一言に異を唱える者はいなかった。

 ”小鬼王”ラグヌック一世に依頼し、彼が特別製の剣を製作してもらった事は誰もが知っていた。

 その上、四人の魔法使い達は己の魔法の腕が至上のものとして疑いもしていなかった。

 何よりももう選択の余地は無い。

 ブリテン島は既に東も西も南もあの怪物に支配されてしまった。

 今こそ決戦を果たし、その身を葬らなければ自分達に未来などない。

 

 

 

 

 

「まったく……素晴らしい(くだらない)。その高潔(傲慢)精神(幼稚)性は人間ならではのものだな」

 

 

 

 高く澄み渡ったその声には、すべてを知り尽くした賢人のような威厳が備わっていた。

 だがその威厳は、それ以上の尊大さを併せ持ち、自分以外のすべてを見下しているような響きを伴っていた。

 

 結論からいえば、”傲慢なる天”という呼称は過大評価でもなんでもなく、単なる事実だったのだろう。

 

 真正面からの激突でハッフルパフは地に沈み、自ら挑んだ頭脳戦の末にレイブンクローは敗れた。

 闇の魔法を極め無敵とも呼べる力を誇るスリザリンも、怪物の本気を前に押し切られ一蹴された。

 

「おいおい。ちょっと見直してやった途端にこれか。やはりヒトは脆くて退屈だな」

 

 人にしては随分と尖った耳を風に靡かせ、幼さの残る口元を歪めた少女は、ゆるりとグリフィンドールの方を見下ろした。

 風に乗って届く声は、それだけで周囲に魔法力を撒き散らす。

 己の喉がゴクリと鳴るのを自覚して、グリフィンドールは自分が相対している者の強大さを改めて認識し直した。

 生まれながらに世界を見下ろす事を許された傲慢なる天。

 唯一そう在るべくして王冠を手に取る、偽りの神。

 

 目の前の少女はそういう存在だった。

 

「若輩共め。魔法使いとは魔力もそうだが、やはり1番は知識の総量が物をいう。生きてきた年数が違うのだから、貴様らが私に勝てる道理もあるまい」

 

 全てを捉えるような翡翠の瞳を視認した瞬間、グリフィンドールは顔ごと少女から目を逸らしていた。

 鼓動が跳ね上がり、剣の柄を握る手がブルブルと震える。

 まさに抗い難い畏怖心であった。

 視線を向けられるだけで、死を意識する。

 しかし、それでは話にならない。

 勇猛さとはその程度では折り曲げられたりはしない。

 故にグリフィンドールは、決然と此方を見つめる”死”を直視し、笑みを浮かべさえした。

 

「既に勝ったつもりか。全部終わったみたいな言い方をしやがって。俺はまだ立っているぞ」

 

 その反応、その言葉、何もかもが予想外だったのだろう。

 首を傾げた少女は、意味を吟味するように黙りこくった。

 

 やがて────ずん!! と。

 

 グリフィンドールの間合いを脅かすようにして、怪物の歩みが始まる。

 

「そちらこそ大言を吐くならば、この私を止めてみよ。デーン人共の侵攻はもはや世界の潮流そのものだ。だが私の歩みぐらいなら止められるだろう? それすらも押し返せないようなら失望するぞ」

 

 唇を噛み締めたゴドリックは、剣を抜き放ち構える。

 この時代は、まだ魔法界とマグル界が交流のあった時代である。

 決闘でマグルを相手に杖を使うのはフェアでないとして、グリフィンドールは剣も極めていた。

 しかしこれは魔法使い同士の戦いである。

 魔法使い同士の戦いで剣を抜く。

 その不可解に眉を寄せ、歩みを止めぬまま怪物は初めて笑った。

 

「良いぞ。その不可解、ちゃんと形にして私にぶつけて見せろ」

 

 そして直後に、暴君が配下に死刑を命ずるような、無慈悲かつ気軽な調子で攻撃が放たれた。

 

悪霊の火よ(ペスティス・インセンディウム)

 

 既に少女は杖に頼ることなく魔力を動かし、想像を現出させる境地へと達している。

 故に杖が抜かれる素振りはなく、ただ強力な闇の魔法がその場に吹き荒れた。

 爆発する魔力。炎で出来た巨大な蛇の顎が駆け抜ける。

 赤黒く燃え盛る灼熱の蛇は鎌首をもたげ、キメラにドラゴンと様々な煉獄の獣を生み出しながら、グリフィンドールへと突き進む。

 ヒト一人を容易く消し炭にさせて余りある強力な闇の魔法。

 

「おおおおぉぉ……ッッ!!!」

 

 剣閃一筋、それだけで全てを呑み込む筈の悪霊の火は、掠れたような声を出して宙に消える。

 流れるように続けての二撃目、相手の肩元に切っ先を据えた正眼からの刺突。

 少女の肩を狙った一撃は、地面に亀裂が走るほどの踏み込みから放たれた。

 

「先の3人と同じく悪くはない。だが甘いな。躊躇があれば死に追いつかれるぞ? 若輩────身体強化(パンクラチオン)

 

 剣での突きを紙一重で躱わしながらの蹴り。

 ごん!! という鈍い音と共に、グリフィンドールの身体が左に大きく傾いだ。

 凄まじい膂力だ。

 子供のような足から放たれたそれは、鎧の上からですら背骨に軋みを与える。

 

「……ッ」

 

 即座に体勢を利用した身体を倒しながらの逆袈裟。

 これも躱される。笑み混じりに。

 巨大な青の爆炎を己の手足のように振り回し、至近で少女は獣のように牙を剥き出した。

 

「超近距離での戦闘は苦手だとでも思ったか? 生憎、こういう運動(お遊び)はローマの闘技場で経験済みなんだよ」

 

 とはいってもグリフィンドールも負けてはいない。

 四方八方から繰り出される青焔の拳を杖と剣で危なげなく対処し、刃のような風を周囲に生み出して即座に切り込む。

 

「ふぅん」

 

 自然な仕草で少女は風の刃へと一歩踏み出した。

 同時に風の凶刃が雲散霧消する。

 

「ちょっとは面白くなってきたな」

 

「そうか? 俺は早くお前をぶっ殺して家に帰りたい!」

 

 轟音の炸裂。

 度重なる衝撃の負荷に耐えきれず足場が崩壊した。

 滑るようにして、お互いに距離を僅かに離す。

 そのまま睨み合いながら、グリフィンドールは吐き捨てるように呟いた。

 

「ったく……それだけの力を正しく使えば、多くの民を救えただろうに」

 

「馬鹿か。私の力は私の為だけのものだ。他の誰の為に使うつもりもない」

 

「傲慢だな」

 

「それが絶対者(ヴォーティガン)というものだ」

 

 言葉に力が伴っている事例で、ここまでタチが悪いものもそうはあるまい。

 敵う相手などこの世になく、刃向かった者は伝説として語り継がれるのみ。

 それは神に等しき存在であると、古き書物や魔法生物達も語っていたか。

 

「話は変わるが、魔法とは使用者本人のイメージと魔法力が絡む複雑な力だ。如何に想像を掻き立て、魔力を介して世界へと放出させるか。想像力こそが全てを変える」

 

 少女はおもむろに指先を天へと向けた。

 見上げるまでもない。

 開戦前は青く澄み渡っていた空も、今や大量に舞った土砂で覆われ真っ黒になっている。

 

「だから、こういう事もできる────黄金に変えよ(アウルム・ムータティオ)

 

 力のある言葉と共に、指から放たれた閃光が上空を貫き────瞬間、黒い空が黄金に塗り潰された。

 いや違う。

 上空に舞う幾千もの土埃が変わったのだ、金片に。

 

「おいおい……冗談よせよ」

 

 質量が変わった事で下降し始めた金片達は、さながら雪のようにゆっくりと地面へ降り注ぐ。

 自然の雄大な光景すら思うがままに塗り換えられる魔法力に、思わずグリフィンドールは感嘆して声を上げた。

 

「人の身では決して辿り着けない高み……これがヴォーティガンか」

 

「己が分を悟ったか? ならば死ね」

 

 少女の言葉に連動するように、幾万もの金片達がグリフィンドールの周りに渦巻く。

 単純な浮遊魔法ですらこの精度。

 真なる魔法使いとは、決して基本をおろそかにしない。

 そして、基本の中の基本を完全に御する事で、世界すらも歪めてしまうのだ。

 

「────再定義せよ(リー・ディフィニション)!!」

 

 そして、それはグリフィンドール達も同じだった。

 背後から流れるような英語の羅列があった。

 全体を先導するような力強さをもって放たれた魔法が、上空へと昇る。

 全てをあるべき形へと戻すべく。

 

「大いなる叡智を謳うだけはあったか。死に損ないめが、よく粘るわ」

 

 不発。何も起こらず。

 少女の思うままに歪められた景色は、更なる大きな力でもって明確に元の形に戻された。

 

「私の知識はともかく魔法力は貴方の足元にも及ばないでしょうね……ですがこの地に巻き散らかされた貴方の魔法力を利用すれば別です。これくらいは朝飯前ですよ」

 

 立つことすら難しいように思えたレイブンクロー。

 彼女はグリフィンドールが稼いだ時間を使い、既に今出来る応急処置を終えていた。

 

「馬鹿野郎、無茶すんじゃねぇ! ────だが、よくやったッ!!!」

 

 言葉と共にグリフィンドールは、少女の形をした怪物へと斬り掛かる。

 剣撃。甲冑に包まれた脚撃と打撃。

 更に杖で放つ高度な魔術をも混ぜた、文字通りグリフィンドールの全身を武器とした猛攻。

 この畳みかけには、次なる魔法を放とうしていた少女も耐えかね、大きく飛び退って後退する。

 敵を喰らい損ねた剣と魔法が、土と岩を粉砕し周囲に新たな粉塵をばら撒いた。

 一騎打ちを見守っていた巨人達が、興奮するように咆哮を上げ始める。

 

「……他者との繋がりに助けられたな。仲間というものは良いものだ。まぁ私はすっかり冷めてしまったんだがな、そういうのには」

 

 砂煙の中からゆらりと”傲慢なる天”が姿を顕す。

 一見無事なように見える彼女。

 だが、その左腕は焼き尽くされ、黒炭を思わせる色合いに変色していた。

 そして、それが再生される様子はない。

 ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、そしてサラザール・スリザリン。

 この三者の攻撃は、確実に彼女を追い詰めていたのだ。

 

「問おうプロセルピナ・ヴォーティガン、偉大なる”最後の大君”よ」

 

「何だ」

 

「何故、こんな事が出来た?」

 

 返ってきたのは無表情から滲み出る侮蔑。

 くだらなさそうに右指を鳴らして少女は答える。

 

「……魔法使いだからだ。塵のような貴様らとて、元を辿れば我らが同族である。ならば僅かにでも感じているだろうよ。民を選別し、国すらも支配し得る己の”力”の可能性を」

 

 片腕を灰色の空へと向けながら、少女は嗤う。

 

「我々には全てが与えられた。故に、何もかもが許される。この手は悉くの生命を摘み取り、この足は悉くの生命を踏みつける。そうあって然るべきなのだ」

 

 神の傲岸。神の不遜。いっそ清々しく。

 自らに非など一つたりともないと。

 

「偽神はそれでも笑う、か。ハッ……哀しいもんだな。300年前と違って、今のお前にそこまでの力はないだろうに。ローマ帝国の衰退がそれを証明している。この地に手を伸ばそうとしたのも、国土が疲弊している今なら簡単に乗っ取れると思ったからだろう」

 

「馬鹿め。私はただ戻ってきただけだ。真の意味で我らが始まった大地へと」

 

 少女は、べろりと舌を出して焼け焦げた己の腕を舐め上げた。

 

「貴様の言うボロ小屋に関してもさしたる問題ではない。やり直せば良い。同胞はまた集める。国ならまた作る。より堅牢により強力に名を変え形を変えてな。私という唯一があれば、そんなもの何度でも蘇るさ」

 

 多くの配下が死に、故国が己に背を向けて尚、一から作り直せばいいと宣うその傲慢。

 この暴君の言葉全てを、驕りに過ぎぬと断じるのは容易だが、長い年月を大陸の支配者として君臨してきたこの少女には何一つ届かないだろう。

 それでもグリフィンドールは言わずにはいられなかった。

 

「俺達も含めた地上の何もかもが互いに影響し合って生きている。決して神なんかじゃねぇんだよ」

 

「……語るべき事柄があるのなら、杖で述べ、杖で叫べ。それがしきたりだ」

 

 投げやりに吐き捨てられた言葉。

 翡翠の瞳が激情と共に碧色へと染まっていく。

 そして、ただでさえ強力な魔法力が更に倍以上に膨らんだ。

 

 しかし────臆することはない。

 

 ”最後の大君”。

 グリフィンドールは、先ほど彼女の事をそう呼称した。

 紀元前から続いてきた魔法使いの一族、その歴史に今こそ終止符を打つ。

 意志を言外に込めたその時、恐怖は置いてきたのだ。

 

「これからは、俺達の時代だ」

 

 低く屈み、柄を握り直す。

 肺の中の全てを吐き出す様な深呼吸をして目の前の獲物に狙いを定める。

 

 ────未来は死だ。何故、先に進む? 

 

 決まっている。

 守るモノさえ分かっていれば、大抵の事は何とかなるのが人間なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ならば儂も抗うとしよう。完璧に組み上げられた運命を打ち壊す、その瞬間の為に」

 

 

 

 

 

 ズドン……ッ

 堆く積もった瓦礫の隙間から放たれた黒い閃光の縄。

 機を伺い、今の今まで隠れていた湿地の蛇(スリザリン)が牙を剥く。

 背後からの完全なる不意打ち。

 

「な、ぁ……に……?」

 

 強力な闇の呪縛に、少女の身体が一瞬固まる。

 漏れ出たのは驚愕の呻き。

 常時ならばこうはいくまい。

 彼女の魔法探知能力は他と隔絶している。

 死んだ振りからの不意打ちなど即座に気づき、その上でどう動くか計算すらしていただろう。

 しかし、今回は違った。

 

 焦りだ。

 

 グリフィンドールの剣は、少女の身体を凪いだ。

 それは致命傷にならずとも確かに、死の足音を彼女に感じさせていたのだ。

 

「愚か者めが……よりにもよって私相手に闇の魔法で挑むか」

 

 歴史を決めた一瞬。

 傲慢なる天(ヴォーティガン)は己の真なる敵を忘我した。

 身体を蝕む闇の魔法などに目をくれず、彼だけを見据えていればまだ勝機はあったものを。

 否。傲慢であるが故に、それだけは出来なかったのだ。

 

「……ッ!」

 

 ────此方に意識を戻した時には最早遅い。

 既に、荒野の獅子は踵で大地を蹴りつけていた。

 仇敵へと己の牙を突き立てんが為に。

 

「お、」

 

 身体の自由は湿地の蛇によって封じられている。

 迎撃の魔法を構築しようとも、それは大空の鷲の干渉によって邪魔された。

 

「ッおおおおおおおおおおおおォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!!」

 

 身動きのとれない時間はわずか数秒。

 しかしそれだけあれば、剣は届く。

 それを理解した少女が放ったのは雄叫びだった。

 詰んだ盤面への嘆きではない。

 迫り来る死への恐怖でもない。

 

 ────それは尚も前に一歩進もうという、戦意ある咆哮だった

 

 

「狙うは、ヴォーティガンただ1人ッッ!!」

 

 ドバンッ!! と空気の震える音が炸裂した。

 銀色に鈍く光る剣が、少女の腹に深々と突き刺さり、その背中から飛び出る。

 

「小賢しい。本当に……小賢しいな……人間め……」

 

 数十の命を一息で奪う。

 そう謳われた怪物は、その言葉を最後に大地に身体を横たわらせる。

 小柄な体躯は一度大きく痙攣し、それっきり大陸の覇者は動くことをしなかった。

 

 

 これは千年前にこの星の何処かで起きた出来事。

 

 

 大陸を支配する偽りの神と叛逆者たる四人の偉大なる創設者達の壮大なる激突の果て。

 

 かくして敗者(ヴォーティガン)は歴史から消え去った

 






前に投稿したリメイクです(((o(*゚▽゚*)o)))
あれの出来だけがどうしても気になっちゃった
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