ハリー・ポッターと黒い魔法使いの孫   作:あんぱんくん

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一九九二年は一際印象に残る一年だった。

ボクはとある小説家と共にホグワーツの歴史的な闇へと挑んだ。

誰もが知り、誰もが見た事のない魔の部屋、”秘密の部屋”へ。



第二章〜ハリー・ポッターと秘密の部屋〜
#016 小説家と依頼


「ほえーこれはまた……」

 

 ”取材”と周りに嘘をついてお忍びで足を踏み入れた街は、男が今まで見た中でどこよりも裏の活気にあふれた町だった。

 奴隷商人や傭兵、娼婦、見世物小屋では密輸された魔法生物、浮浪者などの表を真っ当に歩けないような人種の闇鍋。

 それは、かつてイギリスにいた頃に何回か遊び歩いた夜の闇(ノクターン)横丁を彷彿とさせる。

 上を見上げれば、羊雲が疎らに散らばっている青い空にアスファルトを照らす陽光。

 今日も今日とて暖かな日が射す大通り、太陽はどんな場所でも平等に全てを照らす。

 梅雨入り前独特の湿り気の混じった生温い風が吹く季節は終わりを告げ、皮膚を焼くような熱風が頬を撫でていく。

 

「それにしても暑い……」

 

 例年通りと言うべきか今年の夏も茹だるような猛暑。

 連日最高気温を更新し続ける気温、寝惚け半分で見たテレビの天気予報は向こうー週間赤々としたマークで埋め尽くされていた。

 

「こと天気に関してはマグルの科学の方が上をいっていますね……予報バッチリ、雨が降る様子すらないとは」

 

 男はいわゆる魔法族であったが、職業柄かマグルの知識にも豊富で彼らの道具も積極的に取り入れていた。

 数ある魔法族の中でも、電気代を払っている酔狂な人間は自分くらいなものだろう。

 

「おにいさん。女の奴隷いらないかい? マグルなら若いのから子供まで。ちょっとお高いけど屋敷しもべ妖精(ハウスエルフ)もいるよ!」

 

「あのニンバスの新作の箒だよッ!! 今ならガリオン金貨四十枚!」

 

「オニさん、キモチイの一時間どウ? 口だけ銀貨2枚ネ。4枚は最後まであるヨ」

 

「おにぃちゃん、高そうなスーツ着とるなあ。酒でも恵んでくれんかね」

 

 まだ昼真っ只中なのに、交わされる言葉は世紀末。

 どいつもこいつも声をかけてくる奴は、ロクな人間じゃない。

 箒を売っていた男がニンバスの新作と言い張っていたブツなど、極東の島国で売っている竹箒だ。

 ちなみに娼婦には少しクラッと来た。銀貨4枚は少し微妙だが。

 昼でこの調子なら、夜は更に楽しめるだろう。

 安い酒屋でバタービールを買い、スナックやバーに洋服店が多く立ち並ぶ繁華街から一転して、日陰を求めて狭い路地を通り人通りのないほうへと向かう。

 

「金返せこの野郎!」

 

「し、知らねえッ! 俺は知らねぇよう……」

 

「とぼけんな! カモメの餌にされてぇか!」

 

 薄汚い老人を数人の集団が袋叩きにしている。

 つくづく世紀末な街だ。空気が澱んでいる。

 ため息を吐いた男は、散乱するゴミを避けつつ彼らを無視して歩き続ける。

 十分ほど歩いただろうか、路地の右端に一つの看板が見えた。

 

「……ここ、ですか」

 

 地下へと続く階段を降りる。

 ひび割れたコンクリートの床と壁面を所々に灯る蝋燭が淡く照らす。

 そして長細い廊下の突き当たりには外れかけた木戸があった。

 男は唾を飲み込んで深呼吸し、自分の荷物を持って宿の受付に向かう。

 両開きの粗末な木戸を開けると、ランプの赤橙色の明かりが全身を包んだ。

 思ったよりも荒れた様子はない。

 狭苦しい店内ではあるが、そこはささやかな酒場にもなっており片隅では、屋敷しもべ妖精がギターで悲しげな音楽を奏でている。

 ちびちびと杯に口をつけている客らしき人もちらほらと見えた。

 とはいえ温室育ちの男からすれば、あまり流行っている宿ではないように思える。

 

「すみません。誰かおられませんかね?」

 

 男が受付に声を掛けると、針金のようにやせ細った老人が宿帳をめくりながら、酒場の方からゆったりと歩いてくる。

 

「宿泊かね?」

 

「2日ほどですが。それと朝と夜の配膳は出ますかね?」

 

「あぁ。あんたにとっては幸いな事にね」

 

 老主人は皮肉気に男を一瞥すると、宿帳に羽ペンを走らせる。

 仕方ない。男のナルシストな性格も相まって、彼の格好はかなり派手だ。

 着ているスーツも、つけている時計も、背負っている鞄も、何もかもが高級だとひと目でわかる。

 ボロい宿屋を冷やかしに来たとでも思われているのだろう。

 

「お一人かい?」

 

「いえ。連れがここにいる筈です」

 

 男は店内を見回し、酒場の奥に人影を見つけて指をさす。

 老人はその人物を見ると、声のトーンを一オクターブ下げた。

 

「アンタ……まさか堅気じゃないのか。そのナリで?」

 

「さぁ? 私から言えるのは、人を身なりで判断するのは止した方が良い、としか」

 

 老人の言葉の意味は分からない。

 だが、ナメられないことは重要だ。特にこういう街では。

 取り敢えず、誤解をそのままにしておくことにした男は意味深な笑みを浮かべて奥の方へと向かう。

 埃を被った暗い赤色の絨毯、使われていない仄暗い暖炉。

 突き当たりの奥の壁には、ミヒャエル・ヴォルゲムートの”死の舞踏”が飾られている。

 その真下にある黒檀のテーブル席に腰を埋めているのは、小柄な人影だった。

 闇のような黒いローブをまとい、フードを深々と被って俯いている。

 そして首からぶら下げられるのは死の秘宝のアクセサリー。

 

「やぁ。お久しぶりですねミス・グリンデルバルド。元気にしていましたか?」

 

 グリンデルバルドと呼ばれたフードの魔法使いは、ふと気づいたように男に顔を向けるとゆったりとフードを脱いだ。

 

「ん、誰かな?」

 

 フードの下から出てきたのは、怪しげな格好からは想像もつかないほどの美少女だった。

 それこそまるで物語に出てくる妖精のような少女である。

 顔立ちは幼さを感じさせるが、ぼんやりとしたその表情は大人顔負けの女性らしさがある。

 まさに少女から女性へと変化しつつある十代特有の絶世の美少女だ。

 そして腰まで届くハーフアップにした銀の髪は、滑るような光沢を持っている。

 彼女の名前はメルム・ヴォーティガン・グリンデルバルド。

 どうやら仮眠を取っていたらしく、しょぼしょぼとした目を擦る彼女にギルデロイは笑いかける。

 

「私ですよ私。此方に来ると手紙で連絡したでしょう? 忘れるなんて酷いですよ」

 

「……その気障っぽいナリと自信満々の声はギルデロイか。まだくたばってなくて安心したよ」

 

 鈴の鳴るような高く澄んだ声に、男────ギルデロイ・ロックハートは苦笑する。

 気障っぽいとは言い様だ。

 自分は己の立場に相応しい格好をしているだけなのだが。

 メルムは起こされたせいか不機嫌そうに鼻を鳴らした。

 

「まったく予定よりも君が遅いもんだから、少しばかり店内を綺麗にする(・・・・・)羽目になったよ」

 

「それはなんともまぁ……穏やかじゃありませんねぇ……」

 

 此方をコソコソ伺うような宿屋の老人の怯えたような目と、先程の問いの理由が分かった。

 どうせ、いつものゴタゴタだ。

 

「そんな嫌な顔をしないでよ。この街はゴミだらけさ。ゴミの1人や2人が消えても誰も気にしやしない」

 

「だと良いんですがね」

 

 ギルデロイは恐る恐る周りを見回すが、誰も視線を合わせることは無い。

 かといって此方の空気に萎縮するでもない。

 周りも似たり寄ったりというワケだ。

 脛に傷を負った者同士なら確かに誰も気にしない。

 

「良く無事に来られたね。ここ結構治安悪いのに」

 

「運は良い方でしてね。五体満足で物も盗られてない。今のところは。まぁそれでも温室育ち丸出しの私が夜なんか出歩けば、良くても服まで毟り取られるでしょうが」

 

「自慢する所? そこ」

 

 実際のところギルデロイが無事なのは、奇跡に近い。

 ギルデロイとしても身を守る術として杖は持っているが、そんなものは相手も勿論持っている。

 おまけに彼は忘却術以外はてんでお話にならない。

 そしてこの街は、彼のような男は”どうかケツを蹴って下さい”という紙を貼られて用水路に浮かんでも何ら不思議では無い場所なのだ。

 

「今さら私の弱さを論ったってしょうがない話でしょう。どうやったって鷲は獅子にはなれないんですから。それよりもどうなんです? 私のエスコートを断ってまで入学したホグワーツは」

 

 ポリポリと頭を掻いたメルムはしかめっ面で言う。

 

「あぁ……想像以上に刺激的だったよ。学校内じゃ悪魔の罠やケルベロスが閉じ込められている部屋があったり、ハロウィンには本物のトロールが暴れたり……あ、校庭じゃアクロマンチュラに追いかけられたこともあったっけな。まぁそれで、しまいには”亡霊”に取り憑かれた1人の教師が月まで吹っ飛んだ」

 

「ホグワーツの話ですよね? ダームストラングとかじゃなくて……そこまで荒れた学校でしたっけ?」

 

「知らなーい。ボクは事実をそのまま言っているだけだし」

 

 不貞腐れたようにロリポップを口に入れるとメルムは頭の後ろで腕を組んだ。

 どうやら一年前の彼女の選択は、ご機嫌な結果にはならなかったようだ。

 とはいえ、端から聞いている分には面白い話でもある。

 つまりギルデロイにとってはガリオンの成る木だ。

 とりあえず羊皮紙と自動手記羽ペンを出したギルデロイは、渋るメルムを何とか宥めて、この一年の間にホグワーツであった出来事を語って貰うことにした。

 

 

 

 

 ──────……

 

 

 

 

「なるほどなるほど。それは災難でしたね、メルム」

 

 グラスに残っていた最後の酒を啜って話を終えたメルムに、それまで黙って耳を傾け、自動手記羽根ペンでメモを取らせていたギルデロイは労いの言葉を掛けた……テーブルに所狭しと並んだ瓶の列を呆然と眺めながら。

 三時間にも及ぶ冒険譚。

 それを語る間に、メルムは恐ろしい程のペースで酒を飲み干していた。

 ちなみにそれらはギルデロイの奢りである。

 

「はぁ〜……今、君に抱いているモヤモヤはきっと”嫉妬”だ。間違いない。なんせ今の”やり方”で安全かつ、がっぽりお金が儲かってるんだから」

 

「私は趣味が功じただけですよ。運が良かったんです」

 

「趣味と仕事が合致している人間は強いよ」

 

「間違いない」

 

 苦笑してギルデロイは二本目のバタービールの蓋を開ける。

 確かに好きな事が出来て、ついでに金が稼げるのは幸せだ。

 それが正しいかどうかはともかくとして。

 

「しかし、そうですか……まさか、あのクィレル君がねぇ」

 

「知り合いなの?」

 

「えぇまぁ……同い年で同じ寮だったというだけですがね」

 

 ギルデロイは当時を振り返るべく天井を仰いだ。

 入学時からクィリナス・クィレルという男は、神経質でおどおどしたところがあり、周りによくいじめられていたのを覚えている。

 しかし、そんな虐められっ子も最終的には優秀な成績を修めホグワーツでマグル学の教授となっていた。

 それだけでなく、闇の魔術の防衛術の理論やトロールなど他分野にも精通している秀才でもあり、間違いなくギルデロイの持っていないモノを持った一人だった筈だ。

 それがまさか死喰い人(デスイーター)にまで身を堕としていたとは。

 まさに”事実は小説よりも奇なり”である。

 しみったれた空気を切り替えるようにメルムがパンッ! と手を叩く。

 

「さて、下らない世間話はここまでにしようよ。手紙で言ってただろ? ボクに頼りたい事って何さ」

 

 あぁそう言えばそうだった。

 彼女の話にのめり込んですっかり忘れていた。

 本来の目的を思い出し、ギルデロイは懐から一枚の便箋を取り出す。

 

「これは?」

 

「見てのお楽しみですよ。差出人をご覧あれ」

 

 促されるままにメルムは手紙を裏っ返して、未だ眠そうな翡翠の瞳を僅かに細めた。

 差出人の欄に記された厳かな名前を彼女は呟く。

 

「────アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア。誰かと思えば、うちの腹黒校長じゃんか。うーん……なになに? え、教師の依頼!?」

 

 にわかには信じ難い、と手紙を何度も見直しているメルムに、ギルデロイはふんすっと鼻を鳴らした。

 

「そうなんですよ! 何と! 私は今年1年の間、ホグワーツで闇の魔術の防衛術を担当させていただく事になりました!」

 

「ふぅん……で? 教師やったことあるの?」

 

 その内容から本物だと判断したのだろう。

 面白くなさそうに手紙をテーブルの上に放り出したメルムが問うてくる。

 ギルデロイはニッコリと満面の笑みを浮かべて答えた。

 

「もちろん無いですよ」

 

「……」

 

 あっけらかんとしたその言葉に、暫しメルムはギルデロイを見つめながら沈黙する。

 その瞳には真剣に懊悩する様が伝わってきた。

 

「……ちなみに闇の魔法の専門知識は?」

 

「本を書く過程で少々」

 

「へぇー君の本は小説ばっかりだった筈だけれど。その知識で生徒に実践的な授業をする事は出来るの?」

 

「教科書があるので、それに沿って教えていけば誤魔化すことは何とか……」

 

 尻すぼみになっていくギルデロイの声に色々察したのだろう。質問はそれ以上来なかった。

 チラッと前を見れば、メルムがため息を吐いて頭を抱えている。

 そうなるのも無理はない。彼女はギルデロイが口だけ野郎だという事を知る数少ない一人だった。

 こいつ大丈夫なのか? そんな懐疑的な視線を振り払うべくギルデロイは胸を張る。

 

「心配しないで! 私とて大人の魔法使いの端くれです! 世界を旅してきた経験と貴方の力で見事に生徒から喝采を受ける授業を披露して見せますとも!」

 

「……気のせいかな。今、さり気なくボクも巻き込まれてなかった? その予定に」

 

「えぇ勿論!」

 

 腕を組んだメルムに向けて、ニカッと歯を見せてギルデロイは笑った。

 

「嫌だ。断るよ」

 

「そこを何とか」

 

「絶対ダメ」

 

「お願いしますよ」

 

「冗談キツいよ。ボクはまだ2年生だよ? よしんば出来たとしても、君の見栄の為だけにそこまで労力を割く理由が思いつかない」

 

「お願いしますよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 この国ならば恥も外聞もない。

 ギルデロイはメルムに縋り付いて恥ずかしげもなく喚いた。

 

「あのダンブルドアの事です! あの方は私の詐欺に気づいている! 私に恥をかかせて、今までの所業を世間の明るみに出すつもりなんですよぉぉぉぉ!!」

 

「この詐欺師! そこまで気づいているなら何で受けちゃったのさ!」

 

 汚いゴミでも払うかのように、縋るギルデロイの腕を振り払ったメルム。

 元の席に座り直した彼は黒檀のテーブルに突っ伏し叫んだ。

 

「だってハリー・ポッターを教えられる機会なんて早々ないじゃないですかッ!! ハリー・ポッターですよ? 闇の帝王を退けた赤ん坊ですよ!? あの小さな英雄を教えたっていう箔がどうしても欲しかったんですぅぅ!!」

 

 感情も露わにギルデロイは、嗚咽と涙を撒き散らす。

 その訴えは、魂の底より沸きあがる慟哭であった。

 

「がっつり欲望丸出しじゃんか……まぁ生徒を導きたいなんて尊い答えは期待してなかったけど」

 

 参ったな。

 そう呟いて少女は深く席に身体を埋めた。

 

「ちなみに報酬は?」

 

「これまで私が書いた本を1式。私のサイン付き」

 

「それ、モチベーション上がると思ってる?」

 

 嘘です嘘です冗談ですよ! と慌ててギルデロイは鞄からある物を取り出す。

 それは一冊の本だった。

 色褪せた黒帯で綴じられており、カビでも生えてそうな古ぼけた本。

 恐る恐るその本を手に取ったメルムが呆れたような声を出した。

 

「ギルデロイ……なんで君がこれを? イギリスやフランスでもこれは重要な禁書扱いな筈だけれど。ホグワーツの”禁書の棚”にも無かったし」

 

「トランシルヴァニアに”取材”に行った時に偶然手に入りまして」

 

 パラパラとページを捲る音が、今や屋敷しもべ妖精の弾くギターの音だけとなった店内に響く。

 本に視線を落としたまま、メルムがいつもより若干低い声でギルデロイに質問してくる。

 

「読んだの? これ」

 

「チラッとだけ」

 

 ギルデロイが報酬として提示したのは、中世頃に制作されたとされる闇の魔術についての書籍だ。

 この本は、非常に邪悪な闇の魔術や忘れ去られた秘術について詳しく記述されており、その危険性から様々な国で禁書扱いになっている。

 内容は高度かつ悍まし過ぎるもので、本好きのギルデロイですら二ページでウンザリして読むのを止めた程だった。

 

「……困った事にどうやら本物みたいだ」

 

 暫く読み進め、やがてパタンと本を閉じたメルムはそう結論付ける。

 それはそうだろう。調べて分かった事だが、この本のカバーは本物の人皮だ。

 黒魔術の本の写しは数あれど、人皮を使ったような精巧な偽本なんて見たことがない。

 ギルデロイはニヤニヤ顔で問う。

 

「貴方が私の依頼を受けてくれれば、学年末にこの本をお渡ししましょう。さて、どうします?」

 

 ふむ、と少女は額に皺を寄せて目を閉じる。

 苦悩しているのだろう。

 己の我を通して利益を見送るか、それとも本を手に入れる為に一年間我慢してポンコツ教師のサポートするべきか。

 やがて大きく息を吐き出した後、メルムはゆっくりと瞼を開ける。

 

「……依頼はホグワーツでの闇の魔術に対する防衛術の補佐。君の化けの皮が剥がれないように陰ながら支援をする。それでいいよね?」

 

 端正なその顔には少しだけ不服の色。

 ニッコリと笑ったギルデロイはそんな彼女に右手を伸ばした。

 

「えぇ、引き受けてくれますか?」

 

 差し出されたギルデロイの右手。

 それを力強く握って、少女もニンマリと笑った。

 

「勿論────気は進まないけどね」

 

 

 

 

 

 

 




新章開幕です!
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そして頼むから感想書いてクレメンス……モチベーション上がるので!
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