褒めちぎったウマ娘が赤面する話
祝勝会として、チームの皆で高級料亭に来ている。トレーナーの奢りだ。美食に舌鼓を打っていると、チームの皆が次々とお手洗いに発って行った。トレーナーと2人きりになったものの、既に話題は尽きかけている。なので箸を休めずにいたのだが、不意にトレーナーがぽつりと呟く。
「綺麗だね」
ファンからは頻繁に聞く褒め言葉。世間からの評価としては聞き慣れた、ありきたりな言葉。
「えっ?」
しかし、ありきたりで片付けるには余りにも新鮮な響きだった。
「ちょっと、そんなこと言っても何も出ないわよ!」
慌てて取り繕ってみるも、
「いや、あんまり綺麗だったもんでさ」
二の矢が飛んでくる。
「そりゃ、人前に出る以上毎日のケアは欠かしてない訳だし...」
頬に当てた手に熱がこもる。
「毎日!?一流のウマ娘はそんな事にまで気を遣うのか」
そんな事とは何だ。
「当然でしょ?」
照れ隠しに、殻を剥いたばかりのエビを頬張る。
「本当に綺麗だな、エビの剥き方」
「えっ?」
顔の熱が最高潮に達する。
「どうした?」
「アンタのエビも剥いたげるから寄越しなさい!」
と言って、トレーナーから奪ったエビを平らげるダイワスカーレットであった。
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妄想たくましいウマ娘の話
今日は、ダイワスカーレットのG1祝勝会に招かれている。後入り参加だったため、チームのウマ娘達が離席する所と入れ違いになった。となると、今はスカーレットと彼女のトレーナーが個室に二人きりということである。少々聞こえにくいが、ふすま越しに声が漏れ出ている。
「本当に綺麗だな…………の………た」
(!?)
トレーナーの声だ。
驚きの余り無数の妄想が頭を駆け巡るが、そんなことは無かろうと一蹴する。しかし、とてもでは無いがふすまを開く気にはなれない。
「アンタの…………………から……なさいよ!」
いよいよ耐え切れずに、ふすまの隙間から覗き込んでしまった。二人とも背を向けていて分からないが、スカーレットの頬が尋常じゃなく赤い。そんなスカーレットに手を伸ばそうとするトレーナー。
「待て待て待て!何してんだお前ら!」
こっちまで赤面してしまいかねない光景に、二人の暴挙を阻止せねばならぬという意識が働く。気付いた時にはふすまが開いていた。
「あ…れ?」
そこには、一人前とは思えない量のエビを頬張るスカーレットと、名残惜しそうにそれを眺めるトレーナーが居た。
「お、お構いなく…」
状況を呑み込み、天を仰がずにはいられないウオッカであった。