それにしても、リバイスおもろいなぁ!!
シズエ・イザワもとい、井沢静江は、懐かしく、そして忌まわしい夢を見ていた。大昔、四歳のころである。東京大空襲により、燃える街。その中を母と走り、一刻も早くこの場から逃げ出そうとしていた。だが、幼かった彼女にはわかってしまっていた。自分達はここで死ぬのだと。絶望の最中、一つの声が聞こえてきた。これが悪夢の始まりだった。
炎熱操作、のエクストラスキルを手にし、とある世界。本来の道筋とは違う道を進むことになる。いずれ仮面ライダーが、時の王者が誕生する世界へと召喚された。彼女を召喚したのは、レオン・クロムウェル。魔王の一人である。彼は、幼馴染みである一人の少女を探し、異世界召喚を繰り返している。
しかし、今回召喚した彼女も、彼が望んでいた幼馴染みではなかったようだ。だが、気まぐれか、それとも運命か。どちらにせよ彼は彼女を助けた。炎への適性を見抜くと、炎の巨人、イフリートを召喚し、彼女に宿した。彼女はこの魔王の気まぐれにより助かった。しかし、イフリートを宿した時に言われた言葉に、深く傷つき憎しみを覚えた。
その後、彼女は長い年月をこの魔王と過ごした。彼の側近の、上位魔人として。人間ではなくなったのだ。
そんなある日、勇者が現れ、彼女は魔王に捨てられた。
捨てられたにせよなんにせよ、生きるためには勇者を倒さなければ。
そう思い、彼女は勇者に挑んだ。しかし、実力差は歴然。
自分では勝つことができない。そういう心理がイフリートの意識を抑えることが出来、本音が漏れた。
「た、たすけ・・・」
だが、自分は魔人。自分の言葉を信じてくれるわけがない。そう思っていた。だが、現実は違った。
「もう、大丈夫だよ。よく頑張ったね!」
予想していた言葉と真反対の言葉が、勇者の口から飛び出した。
その言葉を聞いたシズの目から涙が溢れだした。
その後は、勇者に保護されたシズ。抗魔の仮面でイフリートを抑え、勇者につき従っていた。いつしか、爆炎の支配者などと呼ばれ始めた。
しかし、勇者はシズを残して旅立った。旅立つ直前、勇者は一つの時計のようなものと伝言を残していった。
「ジオウ、時の王者を探して、これを届けて」
その時計のようなものには、文字盤がなく。代わりに、メタリックの人の顔のような模様があり、その顔のような模様には、彼女と同じく異世界から来た人に教えてもらった文字が書いてあった。
「ライ、ダー?乗り人?」
ライダーの文字は目のようになっており、その上には、二つの短針と長針がついてあった。
「なんなんだろう、これ?」
結局わからなかったが、とにかく、ジオウって人にこれを届けないと。
シズは勇者の言いつけ通り、ジオウを探した。だが、見つからなかった。その代わりに、二人の生徒を得た。名は、神楽坂優樹と坂口日向。優秀でシズと同郷でもある異世界人の少年少女。二人は実に対照的であった。
ユウキは明るく前向きな性格をしている。反対にヒナタは常に闇を抱えたような性格だった。
ヒナタがこの世界に来たとき、野党に襲われてしまったという。だからなのだろう。
シズはそう考えていた。
野党は何者かに殺され、ヒナタは無事だったそうだ。怖い思いをしたのだろう。
シズは、自分と似た境遇の彼女に親近感を覚えた。
しかし、それは間違いであった。
「先生。お世話になりました。もう、あなたから学ぶことはありません。お会いすることも、もうないでしょう」
そう言って、ヒナタは去っていった。振り向くこともなく。
一月もたたずに、シズの上回り、とある国の教会の重要な地位についた。
これには、シズも納得できた。ヒナタには超人的な物覚えのよさがあるからだ。
これには、薄ら寒さを覚えたシズ。
それに対して、ユウキは心優しく、冒険者互助組合を自由組合と名を変え、現在のシステムを築いた。魔物に対抗するためのランク評価をいれたことにより、冒険者の死亡数は大幅に減った。
シズは、裏方としてここまでサポートを行ってきた。しかし、寿命が残り少なくなり、イフリートの意識を抑え込むことが出来なくなってきていたシズ。抗魔の仮面の力は失っていないのだから、そうとしか考えられないと、シズは考えた。そこで、勇者に託されたものを思い出した。
物置を探し、大事に保管してある時計を取り出す。
「届けないと」
ジオウ。時の王者。どこにいるかわからないけど、勇者の知り合いであるならばいい人なのだろう。もしかしたら、この子達の面倒もみてくれるかも。
淡い希望を抱き、もう一度旅に出た。
ヴェルドラの消失を確認。引き続き調査を行う。
ファルムス王国のギルドからそんな連絡があり、三人の冒険者に潜り込むことにした。
そして出会った。人型の、魔人に似た魔物と、偉そうにふんぞりかえっている一匹のスライム。
シズは、楽しむことが出来た、リムルやゴブリン達の歓迎や三人の冒険者との旅を。
しかし、その楽しい時間は唐突に、終わりを告げた。
ソウゴside
シズさんを止めることに成功した俺達。テントに運び込み、ベッドに寝かせ、目を覚ますまで待つことにした。
「いやぁ、それにしても、ソウゴさん、さっきの姿は一体・・・」
「ああ、さっきの姿は「先程の姿は、魔王にして時の王者である存在、仮面ライダージオウである!」そういうこと」
ウォズが割り込んできて、説明する。まだ魔王ではないんだけどね。
「ま、ままま、魔王!?」
「そ、ソウゴさん、魔王だったんですか!?」
「いや、君達が思っている、いわゆるこの世界の魔王とは少し違うんだ。それに、俺はまだ魔王になれてない」
「この世界の魔王とは少し違う?どういうことでやんすか?」
「説明するよ」
俺は彼らを精神世界に連れ込み、俺の記憶にあるライダーの歴史を語る。
「これが、仮面ライダー、みんなの笑顔を守るために、ずっと戦ってきた立派な戦士達。全部で20人。この他にもライダーはたくさんいるんだ。一つの世界に10人以上居たりする世界もある」
「そんなにいるのかよ・・・」
龍騎とか響鬼とか鎧武とかね。
「そして、これが平成最後の歴史。仮面ライダージオウ。全ライダーの頂点にして最強の仮面ライダー。いわゆるライダー界の魔王。頂点に君臨する存在だ。力としては、さっき話したすべてのライダーの能力を使える。敵のライダーとか関係なくすべてのライダーの能力、力が、思うがままに」
「なっ!?マジですか!!」
「そ、それじゃあ、常に攻撃とかデバフが効かなくなるえぐぜいど、でしたっけ?それの力も?」
「もちろん」
「そ、それじゃあぶらっくほーるっていう何でも吸い込める穴を作り出すことも?」
「可能だよ、さっきシズさんを助けた力もその力を覚醒する前の姿のアーマーを着て助けたんだ」
「へー、そりゃ助けられるわけでやんす」
異世界では、こういう風にライダーの歴史は広まっていくんだなぁ。本として書き置きしておいて、人間世界で出版しておこうかな?念射で台詞とかも全部聞けるし、その時の戦闘とかもわかるわけだし。
「それで、カメンライダージオウがすごい魔王ということはわかりました。でも、この世界の魔王も、私たちからしたらそのくらい強いのでどう違うのか、よくわからないんですが・・・」
と、エレンさんが言ってくる。そりゃそうだよねぇ。魔物がいるんだ。魔王くらいいるだろう。うーん、この世界の魔王とジオウの違いかぁ~。
「攻撃に一切魔素を使わないところとか?」
「ええ!?それ本当ですか!?」
「うん、うまく説明できないんだけど、意味のわからないエネルギーを使ったり、そもそもウォッチからエネルギーを取り出してたり、エネルギーの出所がわからなかったりとか、いろいろあるんだよ。そのおかげか、攻撃し続けてもエネルギー切れにならないんだ」
「それは便利ですねぇ」
それくらいかなぁ、仮面ライダーの力はスキルとしてこの世界にある以上。この世界のスキルの法則にはちゃんとふれてるだろうし。オーマジオウになったらわからないけど。
「とにかく、俺も仮面ライダーの力がこの世界でどのように作用しているのかよくわかってないんだ。わかり次第教えてあげたいけど、それにはこの世界のスキルの仕組みを理解しなきゃいけないから」
「そうなるでやんすよねぇ」
「難しいですね、ソウゴさんの力」
「でも、今の状態でも国一つは軽く滅ぼせるってことはわかりました。一応ギルドに報告しておきます。ソウゴさんには国滅ぼす気とかさらさらないんでしょうけど、この村を守るために、俺達が上にそう報告しておきます。あと、すごく歓迎してくれたってこともな」
「それはありがたいです」
カバルがそう約束してくれた。これで、とりあえず冒険者からの攻撃は少なくなるだろう。強さのみを求め、強者を探し求める戦闘バカでもない限り、挑んではこなさそうだ。
「とりあえず、シズさんの目覚めを待とう」
「そうですね」
精神世界から現実世界に戻し、お茶を飲みのみシズさんの目覚めを待つ。
しばらくすると。
「んっ・・・」
「お!」
「シズさん!!」
目覚めたようだ。、
「どうして?私、死ぬはずじゃ・・・」
「ソウゴさんがね、助けてくれたんですよ!!」
「よかったでやんす!」
「ああ、体に異常はありませんか?」
目覚めたシズさんにエレンさんが抱きつき、抱きつかれているシズさんは死ぬはずだった自分が、なぜ生きているのかわからず、困惑した顔でこちらを見てくる。俺は困惑しているシズさんに五大雄介のようにサムズアップした。
「本当に、すげぇな、ソウゴ」
「え?なにが?」
唐突にリムルが言ってきた。
「倒すしかないと思っていたシズさんを。お前が持つライダーの知識とそれをうまく扱うそのセンスには頭が上がらねぇよ。お前、前世では戦ったりしたことなかったんだろう?」
「当たり前じゃん!!普通の学生だったよ!!」
「だとしたらここまで戦えるのはすごいことだぞ!ほら!もっと胸張れ!時の王者様!」
「からかうなよ!!」
リムルが俺をからかっていると、突如、シズさんが起き上がり、俺の肩を掴んできた。
「あ、あなた、時の王者なの!?!?」
「え、あ、まぁそうですけど・・・」
「名前は!?!?」
「そ、ソウゴですけど」
「違う!そっちじゃない!時の王者としての名前!!」
「あそっちですか、ジオウ。仮面ライダージオウです」
そう言うと、
「見つけた・・・」
呟くようになにかを言ったシズさん。何て言ったんだ?
「見つけた!!」
突如、シズさんが俺に抱きついてくる。
ええ!?なになになに!?
「ずっと探してた!あの人に言われて!」
あの人?誰だ?
「あなたに渡したいものがあります!」
そういってシズさんはごそごそと懐をまさぐり始める。
そして、見事引っ張り出したシズさん。
そこには、まさかのものが手にのっていた。
「これは!?」