あの後、鬼達を村で保護することになった。あの状態だと、冒険者のかっこうの獲物だからね。桃色髪の子は特に。
んで、今は宴を行っている。なにやらリムルが味覚を手にいれたとか何とか。シズさんの、人間の体をコピーさせて貰ったんだ、味覚を手にいれている可能性は十分ある。
「我が魔王、お食事でございます」
「ありがとうウォズ」
葉の皿にのせて、ウォズが鹿肉の串焼きを持ってきてくれた。
俺はそれを頬張りながら、ジオウⅡライドウォッチ(D9
スロ)を手の上で転がしていた。
「おい!」
「ん?」
すると、赤鬼が俺に話しかけてきた。一体なんのようだろうか?
「先ほどの力、一体なんなんだ?姿が変わったと思えば、我らと同じオーガへ変わる。ソウゴ殿は、いったいなんの魔物なんだ?」
「ぐっ!」
や、ヤバい。俺の種族名、エグいくらい恥ずかしい名前なんだよなぁ。言いたくないなぁ。
「なんだ、話せない種族なのか?」
「い、いや、話せるは話せるんだけど・・・」
「どんな下位の種族であったとしても、笑わん。強いからな」
いや、そういうわけじゃないんだけどなぁ。仕方ない。俺は意を決して赤鬼に自分の種族名を教えた。
「チート、ライダー」
「ほう、それがソウゴ殿の種族名か、聞いたことがないな。爺!聞いたことあるか?」
「いや、ありませぬな」
「そうか、爺も聞いたことがないか・・・」
赤鬼が冷静に考察している奥で、リムルはプルプルと震えながらどこかに消えた。あいつ絶対また笑ってる!!
「俺も、同族がいるという話しは聞いたことないんだ」
「そうか、もしかしたら、ソウゴ殿は新しく産まれた魔物なのかもしれんな」
「まぁね、今は俺の話より、君たちの話だ。一体どうしてあんなところに?」
「ああ、それはだな」
「ブフゥ!オークがオーガに仕掛けてきただって!?」
カイジンさんがあまりの驚きに酒を吹き出した。相当一大事のようだ。
「そんなバカな!!」
「事実だ」
「あり得るのか、そんなこと?」
「わかりませぬ」
カイジンさんがこの反応を示すんだ、ほんとにあり得ないことが起きたってことか。
「そんなにおかしいことなんすか?」
「ゴブタ・・・」
「当然だ、オークとオーガじゃ強さの桁が違う!格下のオークが仕掛けること事態あり得ん」
相変わらずのゴブタ。だが、ゴブタのお陰で、オークはオーガよりも格下だったということがわかった。ということは、オーガがこの大森林の頂点だったわけだ。もう過去形だが。
「だが、奴らは来た。いきなり俺たちの里を襲撃してきた。武装し、鎧を身につけ、森を埋め尽くすほどの圧倒的な戦力!あの忌まわしい豚どもに、里は蹂躙し尽くされたのだ!」
「オークが鎧を?」
「ああ、人間が着用するようなフルプレートメイルだ」
「んー、だとすると」
「オークだけで動いているとは考えられませんな」
「オークがそんな高価なもの、用意できるわけがない」
普通、魔物が鎧を纏うことはないんだ。じゃあ俺なんかどうなんの?仮面ライダーに変身するんですけど・・・。
「その通りだ、軍勢のなかに」
「仮面の魔人・・・」
「あれは上位魔人だ!間違いない!」
へー、魔人のなかに下位とか上位とかあるんだ。
「ソイツとリムル様を間違え、戦いを挑んだ、というわけですな」
「ああ、ソウゴ殿が姿を変えた姿も、あの仮面の魔人の仲間だと思った」
「ソウゴ様の変身はすごいっすからねぇ。なんたって、別世界の戦士達の力を継承出来るんすから!」
「ほう、そんなことが出来るのか?」
「まぁね」
魔王になる可能性がある力ってことは黙っておこう。シズさん達が来たときに、魔王がいることがわかったからね。もしかしたら、魔王を名乗る不届きものが!!って攻めてこられちゃうかもしれないし。
うーん、にしてもオークかぁー、もしかしたら。
「もしかしたら、オーク達がどこかの魔王の傘下に入ったんじゃないか?そうすればこの大森林を手にする足掛かりになるからね。確か、ヴェルドラだっけ。その龍種が消えてたからかもしれないね」
「そうかもしれないですなぁ~、ヴェルドラ様が居たことで、この大森林に好き勝手出来る魔王はおりませんでしたから」
魔王
てことは魔王が攻めてくることが頻繁するのかもな。俺も強くならないと。なんなら、オーマジオウに覚醒した方がいいんだろうか?
「むー、魔王、かー」
「しかし、いくら好き勝手に出来るとはいえ、この大森林を必要としますでしょうか?」
「わからぬ、ハッキリしていることは、300人いた同胞は、もうたった6人しかいないということだ」
「なるほどなぁ、そりゃ悔しいわけだ」
俺を笑ってどこかに消えていたリムルが来た。口に串を加えている。魔王が関わっている可能性があるというのに、呑気なやつだ。
「リムル殿、肉はいいのか?」
「ん?ちょっと食休みー。それにしても、お前の妹すごいな」
「ん?」
見ると、桃色髪の子がゴブリンたちに囲まれていた。あの子赤鬼の妹だったんだ。
「薬草や香草に詳しくて、あっという間にゴブリン達と仲良くなった」
「箱入りだったからな、頼られるのが嬉しいんだろう」
嬉しそうに、ゴブリン達と話す桃色髪の鬼。端から見ると、ここまで苦労してきたとは思えない。
「んで、お前らこれからどうするの?」
「どう、とは?」
「今後の方針だよ。再起をはかるにせよ、どこかに移り住むにせよ、仲間の命運は、お前の采配にかかってるんだろ?」
「知れたこと、力を蓄え、再度挑むまで」
「だけど、その力をどこでためるの?」
「どこで?」
「うん、今や君たちは、たった6人だ。人間の冒険者、それも手練れの冒険者に襲われれば人溜まりもない。特に君の妹は、美人だからね、狙われるよ。なにされるかわからない。それに、冒険者に襲われなかったとしても、力を蓄え終わるまでに何年かかるかわからない。だろ?だから聞きたい、ここに居ないか?」
「なっ!?」
「ここならさ、リムルもいるし、俺もいる。力を蓄えるにはちょうどいいし、何より、君の妹はここを気に入っているみたいだよ」
と、俺は提案した。リムル、勝手に決めて悪いね。だけど、ライダーとして、一人の戦士として、見過ごせないからね。
「いい、のか?この町を、俺たちの復讐に、まきこんでしまうのだぞ?」
「復讐っていうかさ、復讐をしたところで、なにも産まれないんだ。もちろん、仇を討てたってことにはなる。だけど、その後にあるのは、喪失感や、生きる意味をなくしてしまう可能性があるんだ。だけど、守るっていうのなら話しは違う。今や、この町、いや、この森全体が、オークの、もしかしたら魔王の脅威に晒されてる。だからさ、守ってくれよ、彼らを。この森を」
「守る、か」
「ああ、俺が継承する別世界の戦士達の中にも、復讐に走った人たちがいた」
照井さん、仮面ライダーアクセルとかね。
「だけどね、復讐よりも、強くなれる。何度でも立ち上がれるものを見つけたんだ。それが」
「守る、か」
「そう。この世界では、俺とウォズにしか適用されないけど。ライダーの掟、みたいなものなんだ。その掟に、従ってみないかい?」
「・・・少し、考えさせてくれ」
「うん、じっくり、考えてくれ」
俺がそう言うと、険しい顔をし始める赤鬼。
「いいこというじゃねぇかソウゴ、さて、俺はもう少し肉を貰ってくるとしよう」
と言って、リムルは行ってしまった。
たぶんだけど、オーク達と、俺達は確実に戦うことになる。そう遠くないうちに。予感がするんだ。俺も準備をしておこう。オーク達に勝つために。みんなを守るために。
俺は手のひらに、黒いライドウォッチを作り出して起動した。
『ハザード』
↓モチベ維持のために書く予定の二作品。選択URL
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