翌日
俺は今、リムルのテントにいる。そこには赤鬼もいた。どうやら、覚悟が決まったようだ。
「決めたのか?」
「オーガの一族は戦闘種族だ、人に仕え、戦場を駆けることに抵抗はない。主が強者ならなおのこと喜んで仕えよう。契約は、オークの首魁を討ち滅ぼすまででいいか?」
「その後は自由にしてもらって構わない。俺たちに協力して国をつくるもよし、旅立つのもよしだ」
契約内容をもう一度確認すると、数秒沈黙ががあった。その沈黙を破ったのは赤鬼であった。
息を少し吐くと、跪き、一時的なリムルの部下になったことを確認するように敬意の言葉を紡いだ。
「昨夜の申し出、承りました。あなた様の配下に加わらせていただきます」
「うむ」
少し苦しそうに、悔しそうに頭をリムルに下げる赤鬼。本当なら、今すぐにでも、一族の仇を討ちたかったのだろう。だが、まだ彼には仲間がいる。今の自分では、仲間を守る切ることができない。そのことをわかったうえで、自分の不甲斐なさを悔やんでうえでの、苦渋の決断だったのだろう。
人型になり、リムルは赤鬼に顔をあげるよう促した。
「お前達を受け入れる。皆をここに呼べ」
「ハッ!」
他の鬼達を呼ぶよう命令するリムル。その言葉を聞き、赤鬼はテントを出ていく。
数分すると、リグルド共に現れた赤鬼。後ろから仲間の鬼達もぞろぞろと中に入ってくる。
リムルは何をするつもりなのだろうか?
「俺の配下となった証に、名をやろう」
あー、それか。この村じゃ普通のことだから思い付かなかった。
「俺たち全員に!?」
「名前、ないと不便だろ?」
「しかし!」
「お、お待ちください、名付けとは、本来大変な危険を伴うもの。それこそ高位の」
「いいからいいから、大丈夫だって!」
「ですが・・・」
危険って言うと、前ゴブリン達に名付けしてた時にリムルがぶっ倒れかけたことだろ?
あのときは大量のゴブリン達に名付けをしていたから倒れただけで今回は六人だけだし大丈夫だろう。
「それとも俺に名前をつけられるのは嫌か?」
「そういうわけでは」
「異論などない!」
「お兄様!」
「ありがたくちょうだいする」
「若がそう言うのであれば」
どうやら大丈夫らしい。妹ちゃんは少し心配しているけど。
「じゃあ始めよう!」
赤鬼に近づいていき、リムルが名付けをしていく。順調に進んでいるかと思いきや、五人目に到達した時、リムルがその場にぶっ倒れ、人型からスライムの姿に戻った。
あーあ、こうなっちまったか。なんでだ?今回は六人だけなのに。もしかして、ゴブリンよりも高位の魔物だからこうなったのか?なら油断してたリムルが悪いな。
「リムル様!!」
「あーだいじょぶだいじょぶ」
俺はリムルを持ち上げ、ベッドに乗せる。
「ここにいるゴブリン全員を名付けしたときにぶっ倒れかけてたけど、今回は倒れちゃったかー。まぁ明日くらいに目覚めるでしょ」
「なっ!?ここにいるゴブリン全員に名付けを!?」
「あー、俺も一応やったけどね。インフィニティースタイルの能力で魔素のリサイクルしてたからリムルほどひどくなかったけど」
さて、にしても、最後に残った妹ちゃんの名前、どうしようかなぁ。俺がつけるかぁ。
「妹ちゃんの名前は俺がつけるね」
「大丈夫でしょうか?」
「だいじょぶだよ」
それじゃ、どうしようかぁ。確か、仮面ライダー響鬼に女性ライダー居たっけ。確か名前は朱鬼。それじゃあ朱を使って、いかにも純粋そうな感じがするし、純白って意味の菜の花の菜を着けて。
「朱菜、君の名前は朱菜だ」
うおっ!ごっそり持ってかれる!!
こんな持ってかれるんだ。そりゃぶっ倒れるわ。
にしても、心配してたわりには嬉しそうな顔するな朱菜ちゃん。
「んじゃ、進化とかあるだろうし、ゆっくり休みなね。はい!それじゃあ解散!!」
俺が声をかけ、解散するよう促す。男性陣はテントから出ていったが、女性陣のシオンちゃんとシュナちゃんだけが残った。どうした?
「リムル様のお世話をと思いまして」
「あー、んじゃお願いしようかね」
「はい!」
シオンちゃんは元気よくへんじをすると、リムルを持ち上げ膝に乗せる。
ワイルドな見た目で乙女チックなことするねぇ。んま進化するばこの姿を見ることはなくなるんだろうけど。
俺はディケイドライドウォッチを作り出し、起動。ディケイドの変身者、門矢士がもつカメラを作り出し、二人に向けてシャッターを切った。
「んじゃ、おやすみな、リムル」
現像技術とか作れたらこの写真現像してバカにしてやろう。俺の種族名を笑った仕返しだ。