『タジャドルゥ~!』
ジオウオーズタジャドルコンボアーマーに変身し、リムルと共に空から戦況を見る。
「ぼこぼこだねぇ」
「だねぇ」
俺たちが何かする必要もないようだ。ソウエイの方はどうだろうか?まぁ、ソウエイなら大丈夫だろうなぁ。
「ん?」
空に赤い光が現れる。なんかこっち来てない?
俺たちがそれを避けると、ベニマル、ハクロウ、シオン達と残っているオーク軍の間に着弾する。
煙が晴れると、そこには仮面の魔人がいた。
「誰だあいつ」
「わからん」
すると、その魔人は激怒しはじめた。
「どういうことだ!!このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!!」
あいつがゲルミュッドか。どうやら、俺たちが転生してくる前からいろいろと計画していたようだ。リグルドの長男に名前をつけたのも、計画のうちだったのだろう。何をたくらんでる?魂の回廊から、リムルが大賢者の解説を邪魔しているのを感じる。大賢者の機嫌悪くなってもしらないぞ~。
「もう少しで俺の手足となって動く新しい魔王が誕生したというのにぃいいい!!!」
魔王を産み出すのが狙いだったのか。簡単に吐いてくれるんだなぁ。なんか拍子抜け。
「そうだ!!だから名付けをしまくった!種を撒きまくったんだ!!最強の駒を産み出すためになぁあああ!!」
「そのために」
「我らの村にも!」
「来たということか!」
そういうことだったのね。だから、この世界では珍しいネームドモンスターがいた。それもゴブリンに。
「おお!!これはゲルミュッド様!!」
「あれが、ガビル様の名付け親」
「どうしてここに?もしや、我らを助けに「役立たずののろまが!!」
「「「「え?」」」」
「貴様もさっさとオークロードの糧となれ!!」
「なっ!?」
「あの人、何を言っているの?」
「役立たずの無能で、目障りな奴よ!オークロードに喰われ、力となれ!!俺の役に立って死ねるのだぞぉ?光栄に思え!」
「げ、げろぉる、げるぅー」
相当のクズ野郎だな。吐き気がする。
「やれ!オークロード!!」
ゲルミュッドがオークロードに命令を出す。だが、オークロードはうなり声をあげるだけでその場から動かない。
「どうした?」
「魔王に進化とは、どういうことか?」
「チッ!本当に愚鈍な奴よ。貴様が魔王オークディザスターとなり、このジュラの大森林を支配するのだ!それが私と、あのお方の望みだ!!」
あのお方?まだ裏がいるのか。まぁ、ゲルミュッドだけじゃあこの計画をここまでうまく動かすことができないだろう。あの感情の高ぶりを見ればわかる。
「何をボーッとしている豚が!!はぁ、仕方ない、手出しは厳禁だが、俺がやるしかないか」
ゲルミュッドが手に赤い魔力弾を作り出す。
「げっ!?」
「が、ガビル様!!」
「お逃げくだされ!!」
「死ねぇええええ!!!」
「ああああああああ!!!!!」
部下の三人がガビルを庇い、重症を負う。
「お前達!!」
「ぐっ、ガビル様が無事で・・・」
「よかった・・・」
「ああ、あああ、あああ!!うわぁああああああ!!ゲルミュッドざまぁああああ!!」
「オークロードの養分となり、俺の役にたつがいい!!」
俺はタカ、クジャク、コンドルの文字がフェニックスを形となり、模様として刻まれているライドスピナーを生成し、すぐさまガビル達の前へと飛んだ。
「ふははは!!上位魔人の強さを教えてやる!!死ねっ!」
また魔力弾を生成し、それを天に掲げる。先程よりも大きい。
「
その魔力弾が無数に分裂、高速で発射される。
「ゲルミュッドざまぁああああ!!」
『ユニークスキル、演奏者を発動します』
『アーマータイム』
魔力弾がガビルに当たる直前、俺がガビルの前に現れ、魔力弾をスピナーで受け止め、弾く。
あれ?以外と軽い?
俺はそれを軽く弾き、スピナーを見ながら首をかしげる。
まさかあれでガビルを殺そうとしてたの?
「なにっ!?」
「なっ!?」
「えっと・・・あれが全力?あれでガビルを殺そうとしてたの?」
「貴様ぁ・・・」
「あなたは、あなた様は・・・」
すると、俺のとなりにリムルが現れる。手には大量の回復薬だ。
「ほれっ!」
「おっととと!!」
「回復薬だ、部下達に使ってやれ」
「は、はい!!しっかりしろ!!我輩のために、こんなぁああ!!」
どうやら、回復薬のおかげで、ガビルの部下達は大丈夫そうだ。
「さて」
リムルが手から束になった糸を発射。それはゲルミュッドに巻き付き、拘束する。
「貴様ら、上位魔人にこんなこと!!」
俺はゲルミュッドの言葉を無視して、ライドスピナーにタジャドルライドウォッチをスキャンする。
『ギガスキャンフィニッシュターイム!!タジャドル!!』
ライドウォッチの紋様がひとつ浮かび上がり、高速で回転する。
「はぁあああ、セイヤッ!!」
スピナーを突き出しながら、持ち手のボタンを押すと、不死鳥の形の炎が発射される。
「グハァアア!!」
その炎は、拘束されたゲルミュッドをオークロードの足元まで吹き飛ばす。
「上位魔人とか言って、偉そうにしてるけど、以外と対したことないんだな」
「くっ、なっ、仲間にしてやろう!!俺はグハァッ!!」
最後にリムルのキックを食らい、無様に大の字で倒れる。
「キィイイイイイ!!貴様らぁ!!終わるぞ!!あのお方がお前達を許さんぞ!!」
「その人、たぶん魔王なんでしょ?だったら、最高最善の魔王として、受けてたつよ」
「ああ、そのためにも、そのお方のこと、詳しく聞かせてくれよ、誰が糸を引いているのか」
「ヒィイイイ!!来るなぁ!!おい!オークロード、俺を助けろ!!」
ついにはオークロードに助けをも止める始末。上位魔人の名が廃るね。
助けを求められたオークロードはというと。
「腹が減った」
あら。お腹すいてるのね。バーガーアクションゲーマーアーマーになればハンバーガーつくってあげられるんだけど。
「くそが!俺を助けろオークロード!!いや、ゲルドよ!!」
オークロードの名前は、ゲルドっていうのか。
「お前がさっさと魔王に進化しておれば」
すると、オークロードが動き出す。俺はハザードビルドライドウォッチを作り出し、身構える。
こっちの準備はできている。さぁ、来い!
「このクズが、ようやく動き出したか。クハハハハ!!こいつの強さを思いしるがいい!!やれゲルド!!この俺に歯向かったことを後悔させて」
ジャキンッ!!
「えっ!?」
ゲルドが、手に持つ大鉈を使ってゲルミュッドの首を跳ねた。一体何が起こっているんだ?
すると、ゲルドは這いつくばり、ゲルミュッドの亡骸を喰らい始めた。
まさか、ゲルミュッドの力を吸収する気か。
ゲルミュッドを喰い終わると、ゲルドから禍々しいオーラが溢れ始めた。
『確認しました。オークロード、個体名ゲルドの魔素量が増大しました。魔王種への進化を開始します』
「マジかよ!!」
『成功しました。個体名ゲルドはオークディザスターへ進化完了しました』
これは、ハザードで止められるのか?ハザードの暴走状態で戦闘したとしても、勝てないのではないか?
「うぉおおおおおお!!俺はオークディザスター!!この世の全てを喰らうものなり!!名をゲルド!魔王ゲルドである!!」
「シオン!」
「ハッ!承知しています!」
「ちょっ!」
「ここは俺たちにお任を」
シオンが大剣をかついで、オークディザスター、ゲルドへと突貫を仕掛ける。
「薄汚い豚が!魔王だと?思い上がるな!!」
ガキンッ!!
シオンの重量級の攻撃を、片手で受け止め、吹き飛ばすゲルド。しかし、シオンは負けじとゲルドへ立ち向かっていく。しかし、シオンの突撃はブラフ。ハクロウが突如として現れ、ゲルドの首を切り飛ばす。
だが、切られた首の根本から黄色い触手が現れると、頭を接合。再生してしまった。
「凄まじい回復能力だな」
「やっぱりハザードで」
俺がハザードアーマーに変身しようとすると、ソウエイが硬糸でもってゲルドを拘束する。そこへ、ベニマルの黒炎獄が放たれる。さらに追い討ちの、ランガの黒雷が襲いかかる。
こちらの陣営の最強の布陣達による集中砲火。だが、ゲルドは生きていた。
「マジかよ」
すると、一人のオークがゲルドのもとに現れる。膝まずくとゲルドはそのオークに喰らいついた。傷ついたゲルドの体は、気持ちの悪い色のオーラを出しながらみるみるうちに回復。
「自己再生と回復魔法か」
「もっとだ、もっと大量に、喰わせろ!!」
そう言って、先程喰らったゲルミュッドのデスマーチダンスをこちらに放ってくる。しかし、俺たちに着弾することはなく、リムルが全てを捕食した。
「やっぱり、俺が行く」
「ソウゴ・・・」
「ふー・・・。変身」
『アーマーターイム!ヤベーイ!ハザード!!チーン…』
「フッ!」
ゴッ!!
黒い煙のようなオーラを放ちながらゲルドと激突。衝撃波を辺りに放つ。
ガキン!ガキン!ガキン!
HZデッドリーグローブの効果により、ゲルドの体のあちこちから血が吹き出し、着実にダメージを与えていく。だが、それも自己再生と回復魔法によって帳消しにされてしまう。
すると、頭に違和感を感じ始める。強化剤が脳に浸透し始めている証拠である。
「時間をかけれられない!!ハァッ!!」
『フィニッシュターイム!!ハザード!
ハザード!ターイムブレーク!!』
「ハァアアァァアアア!!」
「ヌァアアッ!!」
ガキン!!
肉切り包丁と俺のライダーキックがぶつかる。ゲルドの肉切り包丁は黒いオーラによって分解、霧散していき、徐々に消滅していく。
「ゲルド!!なぜ急にジュラの大森林に侵攻を開始したんだ!!ゲルミュッドにそそのかれた以外に何かあったんじゃないのか!!」
「ヌゥウ・・・」
「やっぱりそうなんだな!そこまでの強さを持つあんたが、ゲルミュッドに操られていたなんてこと、あり得ない!」
この世界は、弱肉強食。ゲルミュッドよりも明らかに強いゲルドが、ゲルミュッドに従っている構造は、今思えば、明らかにおかしかった。事実、ゲルドはやつを殺した。自分が魔王になるための糧とした。魔王にならなければならない理由があるはずだ。
クラッ・・・。
くっ!こんな時に!!
俺はなんとか意識を保ちながら、問い詰めていく。
「君たちに何があったんだ!!答えてくれ!!もしかしたら、力になれるかもしれない!!」
「ヌゥウ・・・」
「お願いだ!あんたを倒したくない!!」
ゲルドは、顔を伏せると、俺にだけ聞こえる声で、語り始めた。
「我れらオークは、日照りにより、食料が手に入らなくなってしまった。大飢饉により、一昨日産まれた子供は生き絶え、昨日産まれた子供は虫の息、我が身は、どんなに切り刻もうと再生する。私は、我が身を切り刻み、分け与えた。我らオークは絶望の最中あったのだ」
「そんな・・・」
「そこへ、ゲルミュッドか現れ、我に力を与えた。これしかないと思った。ゲルミュッドは言った、オークロードとなれば、飢えるものの支配下にあるオークが飢えることはないと。そのために!!」
「っ!?グハァッ!!」
ゲルドは俺を吹き飛ばし、叫んだ。
「もっと喰わせろぉおおおお!!」
俺の中に衝撃が走った。民であるオーク達が生きるために、彼は悪役に徹した。魔王となった。もし、今彼を倒せば、俺達やリザードマン達は助かる。
だけどオークは?
大勢のオーク達はどうなる?罪のない子供は?
今彼を倒せば、オーク達に更なる絶望が降りかかり、飢えて、苦しみながら死んでいく。わからない。俺のやっていることは、本当に正しいのか?彼を倒すことは、本当に正しいのか?
わからない。わからない。わからない。わからないわからないわからないわからないわからないわからない。
わからない!!
その時、俺の意識は途絶えた。
リムルside
ソウゴが、その場に棒立ちとなり、動かなくなった。
「暴走か!!」
ソウゴの指が、ハザードライドウォッチに伸びる。しかし。
「?ソウゴ?」
ソウゴの腕は、ハザードライドウォッチに触れず、震えていた。
「ソウゴ様?」
何が起きているんだ?脳に強化剤は完全に浸透しているはずだ。もう既に、暴走が始まっているはず。すると、魂の回廊を通じて、何かを感じた。
「ソウゴのなかで、何かが起きてる」
「本当ですか?」
「ソウゴを守るぞ!」
ソウゴ、お前のなかで何が起きているのかわからないが、やりとげてみせろよ!