村を出発して三日後。遂にドワーフの王国、ドワルゴンへ到着した。
「ここからは俺とソウゴ、案内役にゴブタを連れていく。みんなはここで待機だ、頼んだぞ」
「はい!行ってらっしゃいませ!!」
俺とリムルとゴブタは、ドワルゴンへ入るための行列へと並んだ。軍が出入りするために作られた巨大な門の下につけられた出入り専門の扉が据え付けられており、右と左に一つずつ。しかし、行列が出来ているのは左側で、右側の扉には誰一人並んでいない。俺の予想だが、右側の扉は貴族とかそういう人たちが入るための扉なんだろう。セキュリティもバッチリで、顔パスで入れる人と別室で検査を受けるものとちゃんとわかれている。
「おい!魔物がこんなところにいるぜぇ!!まだ中じゃないし、ここでなら殺してもいいんじゃね?」
「なぁ、なに並んでるんだよ?生意気だな!お前ら、殺されたくなければその場所を譲れ!あと荷物全部おいていけ!それで今回は見逃してやるよ!」
なんてことを言う欲望丸出しの人間もなかには混ざっている。しかも、人間至上主義者という糞みたいなことも考えているようだ。この世界の頂点は人間ではなく自然だというのに。
いまここにはゴブリンとスライム、そして貧弱そうな体の俺たちだけだ、こういうやからに目をつけられるのはまぁわかる。だから一つ言いたい。君たちも、なかじゃないんだから攻撃される可能性があるんだよ?
『ジクウドライバー!』
「じゃあ、相手してあげるよ!」
『ジオウ!』
「十秒間だけだけど」
『ディディディディッケーイド!』
「変身!」
『カメーンライダージオーウ!アーマーターイム!カメンライド!Wow!ディケイドディケイド、ディーケーイード!ファイナルフォームターイム!ファファファ555!!』
「なっ!?姿が変わったからって調子に乗るんじゃねぇ!!おりゃああああああああ!!」
剣を振り上げ、俺に挑んでくる冒険者君。まだ若い、彼の方こそ調子に乗っちゃってるみたいだし、ここで挫折を味わわせておかないと。
『ファファファ555!!ファイナルアタックタイムブレーク!!』
通常の1000倍のスピードで攻撃を叩き込み、冒険者君を気絶させる。
「なっ!?なんてスピードだ・・・たが、ここで負けるわけにはいかない、こんな雑魚い奴らに負けたって知られたら他の奴らにどういう目で見られるかわかったものじゃないからゴハァ!!!」
台詞が長いんだよ冒険者君。とりあえず、道のはしっこの方に片付けておいた。
「スゲーな今の、なんてスピードだよ」
「通常の1000倍のスピードで動けるんだ、目で追えなかったでしょ?」
「当たり前だわ!!」
「おい!お前!!俺の仲間になんてことをしやがった!!殺してやる!!」
まだ仲間がいたらしい。さて、すぐに終わりにしようか。俺は1000倍で動ける残り5秒をつかって残りの冒険者君達を倒し、同じように道端に片付けておいた。変身を解除し、並び直そうとすると、衛兵の人たちが来て、事情聴取をつけることになった。
「それで、さっきの姿はなんだ?」
「これをつかって変身したんです」
「ほう、少し貸してみろ」
と、衛兵さんはジクウドライバーを取ろうとするが、俺のスキルによって顕現してるため、他の奴らは持てないし、俺から他の相手に持たせることも出来ない。
「あ、無理ですよ、これ俺のスキルなんで他の人は持てないんです。例え仲間だとしても」
「本当のようだな、それに触れようとするとすり抜けていく。さて、君の種族は一体?」
「え!?あ、あの、その、ち、チート、ライダーです・・・・」
「ブフッ!!」
ちくしょうリムル笑いやがったな!!俺だってこんな変な名前の種族に転生したくなかったよ!!
「ほう、新しい種族か」
「出身はジュラの大森林です」
「あそこで産まれたなら信憑性があるな、何せ邪龍ヴェルドラがつい最近まで封印されていたのだから」
ヴェルドラってドラゴンのお陰で信じてくれたみたい。どこにいるかわからないけどありがとう、ヴェルドラさん!
「さて、今回はの事情聴取はこれで終わりだ、次からは気を付けるように!だが、しばらくは身柄を拘束させてもらうぞ」
「「「はい(っす!)!」」」
「大変だーー!!」
ドアを突き破るように開けて駆けてきた衛兵が、尋問をしていた衛兵に緊急の報告をした。
「鉱山にアーマーサウルスが出やがった!!鉱石を採取していた何名かの鉱山夫が怪我を負っちまった!!」
「何だって!?アーマーサウルスは討伐したのか!?」
「そっちは討伐隊が向かって大丈夫だ!だが、怪我の具合が悪いのが居て、なかには腕がちぎれそうなやつもいる!!戦争の準備やらで薬関係はどこも売り切れ、城の備蓄からも出すことが出来ないらしい!」
「回復術師は!?」
「それが、魔鉱石の採取で奥まで行ってるだろ?その付き添いで出てしまっていてヒヨッ子しか残っちゃいねぇんだ!」
「万事休すか!?」
エグいこと聞いちゃったな、そういえばリムルが回復薬持ってたよな?
「ねぇリムル、ここで恩を売っておいて、釈放してもらおうぜ!」
「それは俺もいま思ってたことだぜ!」
樽のなかに並々の回復薬を入れ、衛兵さんに声をかける」
「おい!旦那!!旦那!!!」
「なんだ!?いま取り込み中だ!!取り調べは終わりだが、まだ解放は出来ん!!潔くこの部屋で待機していろ!!」
「いえいえそうじゃなくて、これなんですけどね?」
吐き出すように、リムルは懐から回復薬を取り出し、衛兵さんに見せる。
「あ?これは?」
「回復薬ですよ!飲んでよし!掛けてよし!の優れものですよ!!」
「あ?何でスライムが回復薬なんて持ってるんだ?」
「そんなことはどうでもいいでしょ?衛兵さん。人命とスライムの不自然、どっちを取るの?人の命は金じゃ買えないんだよ?怪我人の数は?」
「ろ、六人だが、大丈夫なのか?」
「チッ!仕方ない!おい!お前ら!ここから出るんじゃねぇぞ!!」
と言って、回復薬を持っていった衛兵さん達。そこから一時間ほど待つと、何人かの鉱山夫と共に衛兵さんが戻ってきた。待っている間、ゴブタは寝ていた。どんだけ図太いんだこいつ。
「助かった!ありがとう!!」
入ってくるなり深々とお辞儀をしてお礼を言ってくる衛兵さん。
「あんたが薬をくれたんだってな!ありがとうよ!!」
「お陰で千切れ掛けてた腕がくっついて、仕事に復帰できそうだ!!!」
「・・・・!!」
((いや最後の人なんか喋れよ!!))
まぁ、リムルに感謝いていることは伝わったよ。その後、俺達は丸一日拘束させれることになったけど、とても待遇はよかった。俺がやっつけたあの冒険者達は、問題を起こすことが多く、よい薬になったと衛兵さん達は言っていた。
夜
俺はどれだけの数のライドウォッチが出せるか確認してみた。メインライダーはもちろん、サブライダーのライドウォッチや3号ライダーも4号も、あらゆるすべてのライダーのライドウォッチを作り出すことが出来た。さらに、立体化されたものが少なかった中間フォームのライドウォッチや、映画限定フォームのウォッチ、最終フォームのウォッチも作り出すことが出来た。そしてもちろん、グランドジオウのライドウォッチも。ビルドに関してはハザードやラビラビタンタンのライドウォッチまで作り出せた。しかし、一つだけ作り出すことが出来なかったものがある。それは、オーマフォームに使うオーマジオウライドウォッチだ。
もしかしたら、まだ俺に早いのかもしれない。それもそうか、まだこの世界に来てたったの数週間しかたってないのだから。
まぁためしに、このグレイトフル魂ライドウォッチを起動してみよう。
『グレイトフル魂』
『英雄達が全員集合!オールマイティーな、ゴースト、グレイトフル魂!!』
おお!!ちゃんと解説までついてる!こりゃすごい!ラビラビは?
『ラビットラビットフォーム!』
『ハッイェーイ!!紅の装甲でスピードアップ!ビルド、ラビットラビットフォーム!』
おお!!こっちもちゃんとしてるぞ!!これはライダーファンとしては興奮するぜぇ!!
「ソウゴ、何してるんだ?」
「リムル!すごいんだよ!!ライドウォッチをどこまで作れるのか調べたら!中間フォームや映画限定フォームとか立体化されてなかったものまで作れたんだ!」
俺は手から水が沸き出すようにライドウォッチを生成し続け、リムルに見せる。
「へー、それはよかったな、というか、それお前のパワーアップアイテムなんだよな?そんなポンポン作っていいのか?」
「魔素とかは使ってないみたいだし、大丈夫みたい、個数制限はあるみたいだけど」
「そうなんだ、便利だよな、お前のパワーアップアイテム。ほぼなんでも出来るみたいなものだろ?ただウォッチを変えてアーマー着ればいいだけだもんな!」
「でも状況にあわせて瞬時に判断するのさ難しいよ、ライドウォッチも大量に作り出せちゃうから間違えたらヤバいし」
そんなこんな、俺のライドウォッチの話や、リムルがこの世界に転生してきて捕食し手にいてれたスキルの話を聞きながら、夜は明け、釈放された。
「すまなかったな!一日も拘束して、お詫びに、俺が知ってるうでの良い鍛冶職人を紹介するぜ!」
「おお!!それはありがたい!」
「こっちだ!ついてこい!」
俺は衛兵さんのあとをついていき、鍛冶職人がいる武具屋まで連れていって貰った。後は、リムルの交渉次第、頑張ってくれよ。