「おやおや?カイジン殿ではありませんか!いけませんなぁこんな上品な店に下等なスライムを連れ込んでは!」
口ひげを蓄え、いかにも高級な服を着、ワインを片手にこちらを蔑んだ目で見てくる男。この人がカイジンさんの言っていたベスターってやつだろう。
「むむ?そちらの者も魔物でしたか、まったく、ここはどうなっているんだ!!おい!
いきなり怒り出すなんて情緒不安定かよ。
「いえ魔物と言いましても、無害そうなスライムですし」
「はぁ?魔物だろうが!!違うのか?スライムは魔物ではないと抜かすのか!!!?それに、人型の魔物のほうもだ!あの魔物はどうなる?あらも無害そうなとでもいうのか!!」
「いえ・・・そういうわけでは・・・」
かわいそうなママさん、ホントにあのベスターさんは倫理観がないんだね。
「不味いな、大臣のベスターだ」
やっぱりベスターだったようだ。クソだなあの大臣。なんでこの国の王はこういうやつをクビとかにしないんだろう?
「ふん!魔物にはこれがお似合いよ!!」
冷たっ!!
この野郎、俺に酒をかけやがったな!!!
「だ、大丈夫!!ライダー君!!」
「はい、大丈夫ですよ」
俺はグランドジオウライドウォッチを出すと、仮面ライダーウィザードを呼び出した。
「俺のこと乾かしてくれない?」
「いいぜ、ほれ」
『ホット、プリーズ!』
暖かい風が吹き、俺の体を完璧に乾かした。
「ありがとう!」
「今度は戦いの時に呼んでくれよ?」
俺がお礼を言うと、ウィザードは光と共にグランドジオウライドウォッチに消えていった。すると、カイジンさんが机を蹴り上げ、ベスターさんに詰め寄った。
「おい・・・。黙って聞いてればいい気になりやがって!!ベスター!俺の客に舐めたマネしてくれやがって、覚悟はできてるんだろうなぁ!!!」
くずであっても、この国の大臣であるベスターに向かってそんなこと言っても良いのだろうか?ベスターも驚いてひきつった顔を浮かべている。
「き、貴様!この私対してそのような口を・・・!!」
怒りによって、その後の言葉が続かないベスター。その怒りに歪んだ顔を、さらに歪ませる者がいた。カイジンさんが殴ってしまったのだ。
「お前、そろそろ黙らんかい!!」
ええ!?大丈夫なのそれ!!
「リムルの旦那、ソウゴ。腕の良い職人を探してたよな?俺じゃ不服かい?」
不服も何も大歓迎だけど、お店は大丈夫なのかな?
「その言葉を待っていたぞ!よろしく頼むぞ!カイジン!!」
ええ!?リムルはいいの!?
「カイジンさん、本当に大丈夫なの?」
「ああ、どっちみち、大臣を殴り飛ばしたんだ、この国には居れないよ」
何だって?じゃあこの国は特定の位などを作ってその位の人を優遇しているのか?まったく、この国の王はそんな腐ったルールを作ったのか?
「なら、いいですけど。一体ここからどうやって逃げる?俺の力使うか?でも、この人数を運ぶのはちょっと無理があるというか、クロックアップに生身の人間やスライムが耐えられるとは思えないし」
「ああ、というより、ここから逃げるのは不可能だ。もちろん、お前さんの魔王としての力が覚醒すれば、行けるかもしれないが、覚醒前は無理だろう。なんたってここは武装国家なんだからな」
カイジンさんの解説が入り、この国からの逃亡が無理なのがわかった。オーロラカーテンを使えばいいのかもしれないけど、それで逃げたところで、すぐに見つかって連行されるのがおちだ。大人しく従っておこう。この国の王様に言いたいこともあるし。