ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~ 作:ゼロ・ツー
零弐side
使い魔探しから日が経ち、この日の部活はいつもと変わっていた。
何が変わっているかと言うと、場所が兵藤の家に変わっていることが一つ。
そして、会議のはずが兵藤のアルバムが現れてから、会議どころじゃなくなったことである。
「で、こっちが小学生のときのイッセーなのよー」
「あらあら、全裸で海に」
「ちょっと朱乃さん!って、母さんも見せんなよ!」
「……イッセー先輩の赤裸々な過去」
「小猫ちゃんも見ないでぇぇ!」
こういった感じで、先ほどからカオスな状況になっていた。
主に兵藤が。
何故こうなったかと言えば、兵藤の家で部活をやる理由として、旧校舎の掃除の為に場所を変えたのが理由なのだが、こうしてアルバムを見始めたのは、兵藤の母親が……。
「いつか、女の子のお友達がたくさん家に来たら、イッセーのアルバムを見せてみたいと思っていたのよぉ」
……という事らしい。
俺とフェイも先ほどから兵藤のアルバムを見ながら、さらにカオスな状況なった場所から逃れていた。
どこがさらにカオスになったかと言えば、グレモリーが先ほどから幼い頃のイッセーなんて連呼している上、アルジェントがそれに同意している状況である。
そんな俺たちは、何処かしんみりとしていた。
「なんかさぁ、俺たちにはまぶしいな」
「そうだね。これだけ生き生きとしていたことなんて一度もないだろうからね」
実際に、生まれてこのかた、まともな生き方をしていないというのは自覚している。
ましてや学校なんて言うところに通い始めたのは駒王学園が初めてで、それまでは魔法使いとして生きていくのに必要なことをやってきたのだから。
そんなことを思いながら俺は窓の外に視線を向けた。
「どうかしたのかい?」
「いや、少し……昔のことを思い出していただけだ」
「……そう」
フェイは何かを察して、何も言わなかったが、恐らく気づいていただろう。
何故俺が『裏切りの
兵藤の家で部活を行ってから数日が経った。
その頃から祐斗の様子がおかしかった。
兵藤に少し話を聞いたが、どうやら兵藤の家で見たアルバムの写真に写っていた聖剣を見てから様子がおかしかったらしい。
しかしながら、そんなことよりも兵藤は物思いにふける王子と祐斗が呼ばれていることに嫉妬してはいたが、やはり心配なのは一緒だった。
最近は、駒王学園球技大会の部活対抗戦に向けてグレモリーが気合を入れて練習しているのにもかかわらず何かを考え込むようになっていった。
そしてそんな日が続いたある日の昼休み。
この日は珍しく兵藤と兵藤の友達だという変態三人組の二人、坊主こと松田、メガネこと元浜と飯を食っていた。
フェイはアルジェントと友達の桐生藍華と一緒にいる。
飯を食い終わっている俺は兵藤が食い終わるのを待っている間に、遊びに誘われた。
何でもボーリングをやった後カラオケで休日を潰すという内容で、俺が来てくれればフェイも来てくれるだろうという考えみたいだった。
答えは保留にしておいた。
兵藤が食い終わって、席を立ったら坊主が話しかけてきた。
「今日も部活か?」
「あぁ、球技大会に向けて練習中ですよ、俺ら」
「はー、オカルト研究部がボールかよ。でもおまえんとこの部って、全員身体のスペック高いよな」
「まぁね」
よりゃ、悪魔と魔法使いだもんなぁ。
「イッセー、おまえな、変な噂が流れているから気をつけろよ」
「な、なんだよ、元浜……」
「美少女をとっかえひっかえしている野獣イッセー。リアス先輩と姫島先輩の秘密を握り、裏で鬼畜三昧のエロプレイを強制し、『ふふふ、普段は気品溢れるお嬢さまが、俺の前では卑しい顔をしやがって!このメス○○がっ!』と罵っては乱行につぐ乱行」
「おおーいい!なんじゃ、そりゃぁああ!」
どんな噂か興味があったが、予想通り過ぎて逆に呆れた。
「まだ続きはある。ついには学園のマスコットアイドル塔城小猫ちゃんのロリロリボディにその毒牙を向けた。小さい体を壊しかねない激しい性行為は天井知らず。まだ未成熟の体を貪る一匹のケダモノ。『先輩……もう、やめてください……』と切ない声も届かない。そして、その貪欲なまでの性衝動は転校したての一人の天使にまで――。転校初日にアーシアちゃんへ襲い掛かり、『日本語と日本の文化、俺が放課後の特別補習で教え込んでやろう』と黄昏の時間に天使を堕落させていく……。ついには自分の家にまで囲い、狭い世界で始まる終わりのない調教。鬼畜イッセーの美女食いは止まらない――。と、まぁ、こんな感じか?」
「……マジか?お、俺、周囲にそんな風に見られているの?」
「待て、イッセー。この噂には実は裏があるんだ」
「裏?」
「そう、裏の噂は……蒼薙!お前についてだ!」
「俺についてだぁ?」
ある意味来るとは思ったが、どんな噂かは興味があった。
内容次第では容赦しないがな。
「あぁ、一見クールにして、何事にも動じず、面白そうなことには反応する蒼薙。しかし、裏ではイッセー並の鬼畜さを誇る。一緒にいることをいいことにフェイちゃんを毎晩押し倒している上、普段は大人びている雰囲気の中に隠している……ブバァ!?」
「いやぁ、なかなかに面白い噂を流してくれたみたいだねぇ。松田く~ん」
話をしている途中で、俺は坊主にコークスクリュー・ブローを決めた。
恐らく顔は笑っているだろうが、目が笑っていなかっただろうな。
何故わかるかと言えば、相手どころか周りまで怯えているからである。
「さて」
坊主の顔面にアイアンクローを決めて、持ち上げた。
若干床に足がついていないが気にしない。
「朽ち果てろ!」
そのままフェイスクラッシャーを決めて、K.O.となった。
その後すぐにメガネを捕まえた。
「な、なんでしょう?蒼薙さま」
「いや、なぁに。こうするだけさ!」
今度はメガネにスクリューパイルドライバーを決めて、またまたK.O.となった。
この後すぐに気づいたのだが、すでに兵藤もアルジェントもいなかったので、フェイに聞くと、すでに部室に向かったらしいとのことで、後を追うように部室に向かった。
部室に着くと、何時ものメンバーとは違うメンバーの姿があった。
どうやら来客らしく、二人いた。
片方は知っている。生徒会長の支取蒼那ことソーナ・シトリーである。
ただもう一人は知らない人物だった。
そいつは兵藤と握手しながら互いに暴言を暴言で返していた。
「あら?遅かったわね」
「ちょいっと制裁を加えていただけだ」
「制裁って……何をやったのよ」
グレモリーが溜め息を吐きながらそう言ってきた。
「お久しぶりですね。お二人とも」
「えぇ、久しぶりですね。シトリーさん」
「か、会長!こいつらと知り合いだったんですか?」
「というか、蒼薙!お前いつの間に生徒会長とお知り合いになってんだよ!」
「何時って……お前らがゲームやった時に、一緒に観戦させてもらった時だが」
兵藤と知らないやつが衝撃を受けていた。
「匙。彼らが話に合った魔法使いですよ。自己紹介を」
「あ、はい!二年で書記の匙元士郎だ。会長の『
「蒼薙零弐。魔法使いだ。よろしく頼むぜ」
「フェイシス・クラウン。同じく魔法使いです。よろしくお願いします」
一通り簡単な自己紹介を行った。
それぞれ握手を交わしたら、シトリーが口を開いた。
「お互いにルーキーの紹介はこれで十分でしょうね。では、私たちはこれで失礼します。お昼休みに片付けたい書類がありますから」
そう言ってシトリーと匙が部室を出て行った。
出て行く際、グレモリーに……。
「リアス、球技大会が楽しみね」
と言い残し、グレモリーも……。
「えぇ、本当に」
と返した。
兵藤はこの学園にはまだまだ秘密があるようだと語っていたが、実際にそうであるとはその時は言えなかった。
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