ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~   作:ゼロ・ツー

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因縁の再会

零弐side

 

教会関係者である二人が来てから数日が経った。

あれから少しした休日、兵藤から電話があった。

内容はエクスカリバーの破壊を手伝ってくれないかというものだった。

勿論、即断った。

訳は簡単である。

あいつ、シュヴァレス・アイゼンがいつ俺たちの前に表わすかわかったもんじゃないからである。

もし、エクスカリバー破壊のために街中を歩きまわっているときに出会ったりなんてしたら、兵藤達を守りながら戦うなんてことは絶対にできない。

ましてや、向こうから来ると分かっていて、わざわざ出歩いていても意味が無いとも考えているが、一番の理由は教会の物事に首を突っ込む気はさらさらないという意思の表れである。

そのため、学校で顔を合わせても放課後すぐに家に戻るというのを繰り返していった。

それを暫くしたある日の夜。

学園の方からいつもとは違う気配を感じた。

学園の方を見てみると、何やら結界のようなものが張られていた。

恐らくは夕方に現したコカビエルが学園で何かをやろうとしているのをグレモリーたちが止めるために張った結界だろう。

そう考えたらすぐに戦闘用の服装に着替えた。

着替え終えるとそれぞれの化身(アスペクト)を持って家を出た。

そのタイミングで兵藤から電話が来た。

 

『蒼薙!今どこにいる?』

 

「今どこって、家の前だよ。今出たばかりだ」

 

『てことは学園に来るんだな?』

 

「あぁ、そのつもりなんだがなぁ。どうやら俺の方もお客さんが来たみたいで、これから自分らの仕事をしなきゃいけないみたいだ」

 

『え?それってどういう……』

 

要件を言うとすぐさま電話を切った。

電話での受け答えをしている途中から感じた気配の方を見た。

自分たちの後方の空に一人の男が浮遊していた。

 

「こうして実際に会うのは十年ぶりくらいか?クソチビにクソガキ」

 

「どの面下げてきたんだ?シヴァ」

 

俺とフェイはすぐさま化身であるレーヴァテインと鉛筆を構えて、〝解除(リベレイト)〟をした。

 

「おうおう、まだその名前で呼んでくれんのかい」

 

「あなたは相変わらずですね」

 

出会ったころからほとんど変わらない顔の左半分にある刺青に白衣という科学者のような恰好。

相変わらずの格好に嫌気がさしながらも、〝フロート〟で空中に浮遊し、目の前に立った。

 

「俺もよ、お前らにアジトを潰されてから大変だったんだぜ。組織の八割が死んじまってよ、新しいやつらを集め直すのにこんだけの時間が経っちまったっていうのに、あん時の半分程度にしかなってないんだぜ」

 

「何が言いたいんですか?謝ってほしいとでも言うんですか?」

 

「いやいや、そんな馳走なことを要求するつもりはねぇよ。唯よぉ」

 

「唯なんだ?」

 

「唯、……テメェらには死んでもらいたいってだけだぁ!!」

 

刹那、すでに俺の目の前にシュヴァがいた。

両腕に持ったトンファーをこちらに向けて振るってくるのに反応し、レーヴァテインで受け止めた。

 

「はぁぁぁ!」

 

すぐさまフェイがミスティルテインを出現させ、振り抜いた。

しかし、シヴァは軽々とそれを避けた。

 

「〝解除〟!」

 

「「「〝ドライブ〟!」」」

 

シヴァが〝解除〟を行い、〝ドライブ〟を発動すると同時に、俺たちも発動させた。

〝ドライブ〟によって、俺は蒼黒い粒子を、フェイは黒い粒子を、シヴァは金色の粒子を全身に纏った。

 

「テメェらにやられた日からこの時をどれだけ待ったことか!殺したくて殺したくて殺したいと思っていたんだからよぉ!!クソチビにクソガキ!」

 

「誰がてめぇなんかに殺されるかよ!」

 

シヴァのトンファーをレーヴァテインで受け止めると、それぞれから火花が散った。

 

「ちょいさぁ!」

 

「ガッ!?」

 

脇腹に衝撃が来た。

鍔迫り合いの途中で、蹴りをもらったらしい。

いやらしく〝フリック〟も追加して。

反応が出来なかった。

それは当たり前である。

シヴァの系統魔法は、神速魔法。

その名も〝上限変動(リミットチェンジ)〟。

どんなものだろうと触れただけで限界を自在に変えることが出来る。

例えば自身にそれを使えば、認識できない速度で動けたり、人間ではありえない力で殴れる。

さらにその対象はさまざまで、生物や物質、はたまた魔力といったものにまで干渉できる魔法能力である。

恐らく先ほどのは〝アクセルシュート〟。シヴァの十八番、速度の上限を変える魔法での攻撃だろう。

だがそれはすでに知っている事なので、この程度は予想の範疇である。

 

「〝ダークスライス〟!」

 

すぐさまフェイが魔法で攻撃した。

横薙ぎに払われた槍の先からは黒い線が伸びていた。

シヴァは間一髪でそれを避けることが出来た。

そのはるか後方にあった山肌で何かが切れるような音がした。

 

「避けるな!」

 

「無茶苦茶言ってくれるじゃねぇか、クソチビ!」

 

「よそ見してる暇があんのかよ!」

 

それに続くように斬りかかった。

だが、戦闘経験はさすがにシヴァの方が上の為、簡単に受け止められた。

すぐにフェイもこちらに来ようとしたが、その前にシヴァが仕掛けた。

 

「テメェは邪魔だからこいつで遊んでなぁ、クソチビ!行けよ、ファング!!」

 

シヴァの白衣の中、正確には背中側の腰のあたりから、謎の物体が出現した。

その物体の数は六。形状は爪のような形をしていた。

そのすべてがフェイに向かって行った。

 

「ッ!?……っく!こいつ」

 

「まさか、自立兵器か!?」

 

「そうとも!ありゃ試験段階のもんだがな、自立魔法兵器〝ファング〟ってんだ!」

 

一旦距離を取って、フェイの方に加勢に行こうとするが、その前にシヴァが道を塞いだ。

 

「クソ!退け!!」

 

「バカか!退くわけねぇだろが、クソガキがぁ!!」

 

俺とシヴァが剣とトンファーでの挌闘戦に入った。

 

Side end

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイside

 

レイジがシヴァと一対一になったとき、ぼくもまた一人で六つの自立兵器〝ファング〟と戦闘を行っていた。

 

「く……ガハァ」

 

幾度となく砲撃を浴びながらも反撃をしていった。

近くを通った一機を斬り付けた。

 

「な!?まさか」

 

確かに当たったはずだったのにもかかわらず、ファングの装甲に弾かれ、ファングが変な軌道を描いただけで、すぐに攻撃を再開してきた。

ファングの砲撃は、〝ショット〟と変わらないが、一機一機が、一秒間に一、二発も撃って来れば、対処は容易ではなかった。

 

「なら」

 

ミスティルテインの形状はコンパスなので、コンパスのように使用することも可能なのである。

先の方を広げ、体ごと回転させて、小さな円を描いた。

 

「〝ブラックドア〟」

 

出現させた穴から、別の場所に接続し、一瞬姿を消した。

すぐ新たに穴が開き、そこから短槍の先を突き出し、ファングの軌道を狂わせた。

そして、その先にフェイが出現すると、短槍を遠隔操作しながら、飛んできたファングに向けて魔法を撃った。

 

「〝ショット〟!」

 

魔法が直撃するのを確信した。

しかし、そのまま当たったはずの攻撃は、魔方陣によって弾かれた。

〝プロテクション〟だという事は一目瞭然だった。

それには驚いたが、さらに驚いたのは、先ほどから飛んでくるファングの砲撃といい、先ほどの魔方陣といい、明らかにシヴァの魔力が使われていた。

どうすれば倒せるのか。

そんなことを考えたいが、その前に砲撃が飛んでくる。

 

「クソ!」

 

いくら〝ドライブ〟を発動していても、限界はある。

服のあちこちが破けてきていた。

目の前にファングが六機一斉に迫りながら砲撃をしてきた。

 

「〝ペッティング・ダイヤ〟」

 

ミスティルテインに装備されている鉛筆で正八面体を描き、空中に硬質の盾を作りだしてそれを防いだ。

しかし、この時一つ疑問が浮かんだ。

なぜこいつ等は、ぼくだけを狙っているのか。

そう考えた瞬間、一つの答えに繋がった。

もしこいつらがぼくの魔力の粒子に反応しているのなら、それをただ攻撃しているだけなのではないかと。

そう考えた時、ファングが近くまで接近していた。

 

「〝スパーク〟」

 

自身の魔力の粒子を拡散させ、一瞬だけ眩しいほどの光を作りだした。

その隙に、〝ブラックドア〟でファングのすぐ隣に空間を接続した。

予想通り、ファングは拡散した魔力の粒子で混乱していた。

その隙に、一気に勝負を決めた。

 

「〝ダークスライス〟!」

 

自身を中心に円を描くように短槍を振るうと、その先から直線を描きながら、光線のようなものが出て、ファングを切り裂いた。

切り裂かれたファングはそのまま爆発した。

それを見届けたぼくはすぐにレイジの姿を探した。

戦場はだいぶ移動していたようで、学園の近くまで来ていた。

その時、学園に張られた結界を何かが超えたのが見えた。

それがレイジだと分かり、すぐに追いかけた。

 

「レイジ!」

 

結界の中に入り、グラウンドにできた砂埃の中心に行くと、右腕を血と土で染め、全身に軽い怪我を作りながら、肩で息をしているレイジの姿があった。

 




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