ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~ 作:ゼロ・ツー
零弐side
この日の部活は少し荒れていた。
理由は、兵藤の悪魔としての契約相手としてアザゼルが接触してきたという。
それに対し、グレモリーが怒っているという構図である。
途中、祐斗の発言に兵藤が気持ち悪がったために、祐斗が若干傷ついていた。
結局のところ、動きがわからないのなら下手に動けないという結果に至った。
「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」
突然声が聞こえて、その方を見るとサーゼクスがいた。
姫島と祐斗、塔城はその場で跪き、兵藤とアルジェントは対応に困り、ゼノヴィアは疑問符をあげていて、俺とフェイは変わらず椅子に座っていた。
「お、お、お、お兄さま」
「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな。レイジくんも、怪我の方はいいのかい?」
「包帯も取れたし、日常生活には支障はないさ」
俺がサーゼクスとやり取りをしていると、兵藤が急いで跪いた。
それを見て、アルジェントも真似した。
「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」
その言葉に全員が立ち上がった。
「やぁ、我が妹よ。しかし、この部屋は殺風景だ。年頃の娘たちが集まるにしても魔法陣だらけというのはどうだろうか」
「そんなことより、ここに来た理由を言ってやったらどうだ。どうせ、そんなことを言いに来たわけじゃないんだろうからよ」
「そうだね。授業参観が近いんだろう?私も参加しようと思っていてね。ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
そう言えばそんなものがあるのを思い出した。
去年に関しては、井蛙も七美も忙しかったので、誰も来なかったが、今年は違う。
一応話をしておこうかと考えたが、すぐにやめた。
何故なら、フェイが隣でムスッと不機嫌そうな顔をしていたからである。
理由はすぐにわかる。
もし、こんな話をすれば確実に七美が顔を出す。
そうなればより一層めんどくさいというのが彼女の考えだろう。
「――てことで、どうかな?レイジくん」
「……」
「……蒼薙?」
「ん?あぁ、悪い。何だ?」
どうやら思考に耽っている間に話しかけられたようだ。
「いや、この学園で三すくみの会談を執り行うのだけれでも、井蛙くんは出てもらえるのかい?」
「いや、出るのは俺とフェイ、それと七美だろうさ。井蛙は本来、ご隠居の身だからな」
「そうかい。まぁ、それははじめから予想されたことだし、仕方ないと言えば仕方ないね」
「悪いな。ま、俺たちだけでも十分話は出来るしな」
この後、宿泊場所のないサーゼクスたちをイッセーが自宅に泊まるかと勧め、イッセー宅に宿泊に向かって行った。
そのため、この日の部活はお開きとなった。
そして、この週の日曜日。
俺たちは学園のプールにいた。
理由としては生徒会の命により掃除を任されたので、先に入れてもらえることとなった。
先にプールサイドに来た俺と兵藤はとりあえず全員揃うのを待った。
祐斗は用事があってこれなかった。
それ以外にも、兵藤がいつも以上ににやけ顔でいた。何を考えているかは明白である。
因みに俺の格好は、黒の水着に灰色のパーカーである。
少し待つと、みんなが出てきた。
グレモリーは布面積の少ない赤いビキニタイプの水着。
姫島はグレモリーと同じだが、白い水着。
アルジェントと塔城は学校指定のスクール水着。
フェイは黒いセパレーツタイプにパレオをつけた水着。
兵藤はその光景を見て、鼻から血を飛び出させていた。
グレモリーや姫島、アルジェントが兵藤に水着を見せ合っていると、フェイと塔城はこちらに来ていた。
「……卑猥な目つきで見られないのもそれはそれって感じでちょっと複雑です」
「気持ちは分からなくないです」
塔城の言葉にフェイが同意していた。
「そうか?十分魅力はあると思うがな」
「ま、こうして褒めてくれる人もいますから」
「そうですね」
二人して、頬を赤く染めながらそう言った。
兵藤は、グレモリーに何か頼まれているところを見た塔城が俺に話しかけてきた。
「レイジ先輩。ちょっと頼みがあるんですがいいですか?」
「ん?何だ?」
塔城に頼まれたのは、泳ぎ方を教えてくれという事だった。
兵藤も同じようにアルジェントに泳ぎを教えていた。
数分ほど教えていると、大体泳げるようにはなってきたがまだ泳ぎがおぼつかない。
そのため、手を握って泳ぎの補助をしている。
「と、端に着いたか」
端に着いたことで俺の動くが止まり、泳いでいた小猫はそのままの勢いでぶつかってきた。
その体制が丁度抱き着くような体制になった。
「……すみません、レイジ先輩。まだ怪我が治っていないのに」
「別に問題ない。あと二、三日もしたら戦闘出来るくらいにまで治るんだからよ」
その後も何往復かしてから休んだ。
「……きゅぅぅぅ、疲れましたぁ」
俺と塔城が休もうとすると兵藤とアルジェントも同じく休むために上がってきた。
アルジェントはビニールシートの上にバタンキューした。
その隣で兵藤も座って休憩していた。
俺はフェイの隣に座ると、塔城も横に座ってきた。
フェイはもともとだったが、塔城も一緒に本を読みだし、俺はただただ空を眺めていた。
途中、隣から風が吹き、何事かと見ると、兵藤がグレモリーのところに向かっていた。
どうやらグレモリーが兵藤にオイルを塗ってもらっているみたいだ。
しかし、姫島の乱入で戦闘になり、兵藤はどっかに逃げた。
少ししてそれに気づいたグレモリーと姫島、さらにはアルジェントと塔城までもが兵藤のもとに向かった。
その直後、イッセーの悲鳴が聞こえ。
「何やってんだか」
「まったくだね」
「……なんかよ」
「うん?」
「平和だな」
「……そうだね」
その後、兵藤はみんなに連行されていくのをしり目に、先に着替えるためにプールを後にした。
プールから上がってしばらくして、グレモリーたちも上がってきた。
俺とフェイは先に着替えていたので、先に帰ることにして、学園の自販機で飲み物を買って一服していた。
そうしていると、校門の方でみんなが集まっていた。
いや、正確には一人に対して臨戦態勢を取っていた。
そいつの正体は、気配で分かった。
『白龍皇』。
または『
どうやら今回は、兵藤と兵藤の通っているこの学園を見に来ただけのようだ。
話には聞いているが、堕天使側の人間にしては何か違和感があった。
何故堕天使側の人間が、悪魔と人間のハーフなのか?
そして何故、コカビエルよりも魔力の粒子を多く浴びているのか?
いくらシヴァが堕天使側と接触していたとしても、魔力の粒子を浴びる量なんてたかが知れているはずなのに、まるで最近大量に浴びた様だった。
そんなことを考えながら校舎の窓から様子を見ていると、こちらに視線を向けてきた。
「ありゃ?ばれてたか」
「それにしては妙だね」
「そうだな。まるで何かを隠しているようにも見える」
「……警戒しておいた方がいいんじゃない?」
「そうだろうけど、なかなかそうはいかないだろ」
「そうなんだよなぁ。あんまり嗅ぎ回られても面倒だから、何もしないでいてくれると助かるだよ」
その声が聞こえた瞬間、すぐに
「おいおい、今はやり合う気はねぇよ」
「そんな言葉が信じられると思いますか」
「まったく、可愛くなくなったもんだなぁ。昔はあんなに可愛かったのになぁ。チビちゃん」
現れたのは、ローガン・ウェルト。通称ローである。
先日戦闘を行ったシヴァと同じトレイラーの幹部である。
アルジェント救出時に顔を合わせて以来だった。
ローの態度に、フェイは舌打ちをした。
「いま君、先輩に対して舌打ちしたよね?」
「あなたを先輩と思ったことは一度もありません」
「で、一体何の用だよ?わざわざ相手の拠点に顔を出すなんてよ」
「いやなに、今日のところは忠告に来ただけだ」
「忠告だと?」
「そ。俺らトレイラーはこの度テロリスト集団『
ローの言葉に、衝撃を受け、驚愕の顔になっていた。
「まぁ、信じるか信じないかはお前ら次第だ。唯、忘れるなよ。お前らを殺すのは俺らだってことはよ」
ローはそれだけ言い残すと、その場から去っていった。
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