ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~ 作:ゼロ・ツー
申し訳ございません。
ついでに、21話と22話の話が逆になっていましたので、修正します。
零弐side
授業参観当日。
結局、ローの話は真実だろうとは俺もフェイもわかっていた。
だがそれをサーゼクスに伝えれば、余計な被害が出かねない。
そのため、このことは井蛙と七美にしか話さなかった。
今からならばまだ対策のしようがある。
その時何故か七美に授業参観のことが知れれていて、結局顔を出されることになった。
「乗り気がしねぇな」
「まったく同意見だよ」
教室の自分の席に座ってそんなことを呟いている。
何故かって?あの七美が来るんだ。何をしでかすかわかったもんじゃない。
そう考えただけで、溜め息が出た。
「イッセー、先日は突然あんなことを言って申し訳なかった」
先日のゼノヴィアの転入に合わせて、席替えまで行われ、俺とフェイ、兵藤、アルジェントが比較的近い席になったためか、兵藤の周りに集まっていた集団の話が聞こえてきた。
「私はキミのことを考えもせずに突っ走りすぎたようだね。やはり、いきなりそんなことは難しいと思う。だからこそ――」
ゼノヴィアが兵藤に対して何を話しているのか気になって聞いてみたが、次の瞬間にゼノヴィアが取り出した物を見て、驚愕した。
「まずはこれを用いて練習しよう」
「……。バ、バカかぁっぁぁああ!な、何を大衆の面前で取り出してんの!?」
「テメェこそ公衆の面前で何やらかしてんだぁぁ!」
ゼノヴィアが取り出した物に、兵藤が即反応し取り上げたが、その直後に後頭部に俺が飛び蹴りを入れた。
「いってぇぇ!?ていうか、俺悪くねぇだろ!」
「テメェが全ての元凶だろ!」
飛び蹴りを入れた俺に兵藤が怒鳴ってきた。
その横で、ゼノヴィアが例の物をアルジェントに渡し、桐生がどういうものか耳元で説明すると、顔を真っ赤にして、卒倒していた。
フェイはその光景に溜め息を吐いて呆れていた。
「でも、いいのかなー。ゼノヴィアっちを抱いちゃったら、アーシアが――」
「桐生さぁぁんっ!やめてくださいぃぃ!」
「もう、アーシア。言ったでしょ?そろそろモーションかけないと、兵藤が大変なことになっちゃうって。あいつの周りは強敵ばかりよ?うかうかしていると、いつの間にかあいつは食べられてしまっているかも。嫌でしょ?他の女の匂いがする男って。フェイっちもそう思わない?蒼薙から別の女の匂いがするのって嫌じゃない?」
「生憎、そんなことを心配する必要はありませんので」
「おぉ!正妻宣言かな?」
「殴りますよ」
桐生の言葉にフェイがただならぬ気配でそう言っては、さすがに弄るに弄れていないようだった。
「まぁ、とにかく、あんたの味方が私ぐらい、いてもいいでしょ?清楚な雰囲気もいいけど、やるときにやらないと!アーシアだってフェイっちと同じく十分食べ頃なのよ?」
「た、食べ頃なのですか?」
「……」
「痛い!フェイっち、無言で髪引っ張るの辞めて!」
アルジェントが兵藤に聞き、フェイは無言で桐生の髪を引っ張り、桐生は悶絶していた。
さらにアルジェントの言葉に、首をひねりながらも兵藤が答えた。
「良かったわね、アーシア!食べてもらえるわ!で、蒼薙の方はどうなの?」
「ちっくしょぉぉ!アーシアちゃんが食べられちゃうぜ!」
「これはエライことになるぞ……。『アーシアちゃん委員会』と『フェイちゃん委員会』の同士を緊急招集して対策を練らねば!」
「うぜぇよ、テメェら!」
騒ぎ出した坊主とメガネの顔面に蹴りを打ち込んだ。
そんな俺の後ろで、桐生がフェイに話しかけていた。
「良かったわね。蒼薙のあの反応なら、フェイっちも……」
「……」
「照れ隠しの為か、無言でアイアンクローはやめてぇ!」
などと騒いでいたが、気にしない。
この後も、兵藤を中心に若干騒ぎが起きるが、結局のところ話題が初めに戻ったのは、言うまでもなかった。
授業が始まると、開いている教室の後ろの扉から親御さんたちが続々と入ってきた。
まだ七美は来ていないようで安心した。
授業は英語で、担当の男子教諭は、何時もよりも気合が入っていた。
そして、袋に包まれた長方形の物体を配って行った。
中身は紙粘土。英語の授業とは全く関係なかった。
「いいですかー、いま渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でもいい。人でもいい。家でもいい。自分がいま脳に思い描いたありのままの表現を形作ってください。そういう英会話もある」
ねぇよ!
教室に居る大半の人たちが思ったことだろうが、今更どうにもならない。
「レッツトライ!」
正直言って、何処に紙粘土で英会話をする授業があるのかと聞いてみたい。
しかしながら、みんな意外と乗り気で、次々と作品作りに取り掛かっていた。
「どうしろってんだよ?」
「無難に化身(アスペクト)でも作ってみるかい?」
「俺の場合装飾が意外とあるんだが」
「そこは腕の見せ所だろう」
何とも無茶振りにもほどがあったが、他にいい案もないので、フェイの提案に乗っかった。
作業開始から十数分ほどが経ったときだった。
『おぉっ!』
クラスから歓声が沸いた。
皆が見ている方は、兵藤……の手元のグレモリーの像だった。
恐らくだが、兵藤が無意識的に作っていたのだろう。
如何せん兵藤自身も驚いていたから。
誰からともなく、声が上がり、いつの間にか教室がオークション会場となった。
その時、奴が来た。七美である。
教室の入ってきた七美は、普段と変わらない白衣を着た服装だった。
もうちょっとまともな正装はないのかと言いたいが、いまはいい。
教室に居た人たちが、七美に見とれていた。
七美は教室を見渡すと、こちらと目があった。正確にはフェイと。
確かに七美は、何もしなければ頭のいい美人で通るのだ。
ただし、こういう行為が無ければだ。
「フェイたぁぁぁん!」
すぐさま、フェイに近づこうとした七美にアイアンクローをした。
「よぉ、七美。面倒なことになるから来るなって言ったよな?」
「あら、侵害ね。私は純粋にフェイたんがどういった学校生活を送っているのか気になってきただけよ」
「だったらなぜ、ぼく
に抱き着こうとしたんですか?」
「それはその~、……スキンシップ?」
七美の顎に、フェイのアッパーが決まった。
そのまま七美は教室の外に飛ばされた。
「……、って、おい!蒼薙!今の美人なお姉さんは知り合いか?」
「あ?あぁ、知り合いっちゃ知り合いだ」
『何ィィィィィィ!?』
教室中の男子が驚愕の声を上げた。
「ど、どどどどういうことだ、蒼薙!」
「一体どこであんな美人のお姉さんと知り合ったんだぁ!」
「何か勘違いしてないか?あいつの目的は俺じゃなくて、フェイだぞ」
『てことはまさか……百合!?』
「黙れ!テメェら!!」
教室に居た男子全員に、手に取った紙粘土を顔面にクリティカルヒットさせた。
「本当に、何してくれてんだよ」
「えぇ?別にいいじゃない」
「そういう問題じゃない」
昼休み。
七美を連れて屋上に連れて行った。
そこでとりあえず、何故来たのかを問いただしたかったが、七美の態度に呆れる事しかできなかった。
「で、ホントのところ何しに来たんだ?」
「フェイたんの様子を見に来たっていうのもあるんだけどね、出来るなら魔王に伝えておこうと思ってね」
「トレイラーの事か?」
「えぇ、さすがに敵が来ると分かっているのに、それを教えないのもどうかと思ってね」
「やめておいた方がいいね。今回参加するのは、本当にごくわずかの代表だけ。もしそこで、ぼくたちが敵が来ることを教えて、不慮の事態で下手に死者を出させるわけにはいかない」
「それに、魔法使いがどれだけ出てくるかわからない。あまり多ければ、俺たちでさえそれに対応できない可能性の方が高い」
「だけど、ならなおさら……」
「だから、七美も手伝ってくれる?」
「フェイたん……」
「お願い、七美。ぼくたちだけじゃだめだから。手伝って」
「……わかったわ。フェイたんにそこまで言われたら、手伝うしかないじゃない」
「……ゴメンね、七美」
もう、後戻りするつもりはなかった。
唯、俺たちがなすべきことのために突き進むだけだ。
誤字脱字がございましたら、ご報告お願いします。
感想も気楽にどうぞ。
まえがきにも書きましたが、いろいろミスがあり申し訳ございません。