ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~   作:ゼロ・ツー

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和平会談とテロ

零弐side

 

あれから数日が過ぎ、三大勢力の会談の席に俺たちはいた。

俺とフェイは魔法使いの代表として、七美は後ろに控えてくれている

悪魔側からは、サーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタン、給仕係としてグレイフィアがいる。

天使側からは、ミカエルとガブリエルがいる。

堕天使側からは、アザゼルと白い龍(バニシング・ドラゴン)ヴァーリがいる。

そして、先日のコカビエルの起こした事件に関わったものも来る。

その一人として、シトリーがいた。

少しすれば、グレモリーたちも来るだろう。

あれからギャスパーが一度部屋に引きこもったが、兵藤の懸命な説得で少しずつ外に出てき始めた。

いまでもまだ、朝方に兵藤達と特訓しているのを見かける。

唯、今回の会談には出席しない。

神器(セイクリッド・ギア)が暴走しても問題だからである。

そうしているうちに、グレモリーたちも来た。

それを確認したサーゼクスが代表して口を開いた。

 

「全員そろったところで、会談の前提条件をひとつ。ここにいる者たちは、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している。それを認知しているとして、話を進める」

 

こうして会談の始まりが告げられた。

内容自体は順調に進んでいった。

途中アザゼルが場を凍りつかせるようなことを言ってはいたが、いつものことみたいだった。

グレモリーもコカビエル襲撃の件について話をした。

アザゼルがその報告を聞いて、何か意見があるか聞かれたが、特に話すようなこともなく、話すことはすでに報告されていると告げた。

唯、気がかりなのは何故ここ数十年神器所有者を集めていたかという事だった。

それ自体は研究のためだと言い、その研究資料の一部も俺たちの手にも来ている。

だがやはり、普段の行いからか三すくみの中でも信頼は最低だったのを気にしていた。

そこで、手っ取り早く和平を組もうという意見が出た。

悪魔側も天使側もそのことに関しては同じ思いだった。

アザゼルは言った。

今度戦争を起こせば、三すくみは確実に共倒れすると。

しかし、俺たちは神がいなくても生きている。

神がいなくても世界は回っている。そう言った。

実際にその通りだった。

もしも神がいなければ世界が回らないというのであれば、とっくに世界は終わっている。

にもかかわらず、回り続けているのは神がいなくても大丈夫な証拠である。

こうして話がいい方向に流れてきたところで、ミカエルが兵藤の話について聞いてきた。

何故、アルジェントやゼノヴィア、俺なんかが教会を追放されなければいけなかったのかである。

正直、俺の名前が出たときは驚いていた。

アルジェントは知らなかったようだったので、ゼノヴィアあたりからみんな聞いたのだろう。

ミカエルは、その問いかけに『システム』というものを持ち出した。

もともと『システム』とは、神が起こす奇跡なんかを起こすためのもので、神以外には扱うのに困難を極める物らしい。

ミカエルを中心に『熾天使(セラフ)』がなんとかその機能を維持しているだけで、神の健在時に比べて加護の行き届かない所もあるらしい。

そのため、『システム』に影響を及ぼすようなものを遠ざける必要があったらしい。

それには、兵藤の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』やヴァーリの『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』、アルジェントの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』といった神器が一部の例だった。

そして、神の不在を知ったものも含まれていた。

それが、アルジェントとゼノヴィアを追放する理由だった。

そして、俺が追放された理由は、大まかには魔剣の適正者だったという事だが、実はそれだけではそこまで問題ではなかった。

問題だったのは、その魔剣自体だった。

もともとレーヴァテインは北欧で保管されているはずだったのだが、五百年ほど前に前所有者が、俺のいた教会において行ったらしく、そこから動かせないでいたのが始まりらしい。

レーヴァテインは神話上では、大きく語られていないことがあった。

その一振りは、世界をひとつ破壊させることが出来るというものだった。

そのため、教会側も追放せざるおえなかったが、俺が適正者だと気づいたころには、すでに教会が潰されていたらしい。

これが、俺が教会を追放された理由だった。

二人は、ミカエルに頭を下げられたが、悪魔になったことは後悔していないと、むしろ、お会いできたことが光栄だと言うほどだった。

ミカエルも、その寛大な心に感謝の意を示した。

俺自身は、元から教会を見限っていたところがあったので、今更掘り返さなくていいという事だけで済んだ。

アザゼルも、アルジェントが部下に殺されたことは謝罪はしたが、正直後の祭りだと本人も言っていた。

それに対し、兵藤も少なからず怒っていたが、それを皮切りに世界に影響を与える者たちの意見を聞くこととなった。

白龍皇ことヴァーリは強いものと戦えればいいという答えだった。

赤龍帝こと兵藤は、アザゼルの恐ろしく噛み砕いた説明に和平を望んだ。

 

「それで、魔法使いたちはどうするんだい?」

 

アザゼルの言葉に、全員の視線がこちらに向けられた。

もとより、今回は七美は見ているだけという風に決めていた。

フェイは何か思った時には発現すると自分でも言っていた。

つまり、魔法使いとして、この場の代表は俺であった。

 

「正直、俺たち魔法使いには、今は目的もなければ、やるべきこともない。むしろあるとすれば、完全に個人的なことだ。……俺の、フェイの、俺たちの人生を無茶苦茶にしようとしてくれた奴らをぶっ潰す。唯それだけだ」

 

「なるほど、シンプルだね」

 

「そりゃそうだ。俺は兵藤みたいに誰かを守るなんて宣言をするつもりはない。やれることをやる。世界なんて二の次でいい。どんなことでもやるべきことを見つける。今の俺にはそれしかできないからな。だから――」

 

俺のセリフの途中に、ある感覚が襲ってきた。

ギャスパーの時間停止の感覚だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間停止が起きて少しすると、兵藤が動き出した。

 

「おっ、赤龍帝の復活だ」

 

これで、動けるのは各陣営の代表者全員とヴァーリ、オカルト研究部員は、グレモリー、兵藤、祐斗、ゼノヴィアのみだった。

俺とフェイ、七美は当然動ける。

 

「部長、何があったんですか?」

 

「テロだ」

 

兵藤がグレモリーに質問したら、アザゼルが答えた。

実際外には何百って数の魔術師がいた。

ところどころに魔法使いも確認できるが、どうやら魔法使いは基本的に端の方に固まっていた。

 

「……やっぱ来たか」

 

「……みたいだね」

 

しかもこの事態は、ギャスパーの神器の能力が使用されている。

 

「ちなみに、この校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全員停止させられているようだぜ。まったく、リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい限りだ」

 

「アザゼル。今回のテロ、お前は予測していたか?」

 

「あぁ、だから軍勢を率いてきたんだろう」

 

「天使と悪魔にもそれは打診したんだね」

 

「まぁな。戦力は覆いに越したことはないからな」

 

やられた。始めから、予想されているのであれば、ローのことを伝えておくべきだった。

だが、今更遅い。こうなっては被害を押さえるのは難しい。

 

「クッソ!」

 

「おい、どうしたってんだ?さっきっからおかしいぞ」

 

「ついこの間のことだ。トレイラーの幹部、ローガン・ウェルトと接触した。正確にはむこうが接触してきたんだがな。その時、奴は言っていた。テロリスト集団に所属している。会談の時にテロを仕掛けてくると」

 

「そんなことを!」

 

「何故それを伝えなかった?」

 

「伝えようとも考えたが、正直警備の数を増やしても、奴の魔法の前では無意味だと判断した。伝えないで少数でいた方が被害を出さずに済むと考えたんだ。テロを予想して軍勢で来られるとは考えていなかったからな」

 

俺の説明に、みんな納得入っていた。

 

「アザゼル。お前は知っていたんだろ?『禍の団(カオス・ブリケード)』の存在を。だから神器所有者を集めるような真似をしていたんだろ?」

 

俺の言葉に、アザゼルは頷いた。

話によると、堕天使側は、その存在に随分前から気づいていたという。

それよりもまず、状況の打破をしなくてはいけなかった。

首脳陣は結界の下調べで動けないので、グレモリーたちが、『キャスリング』を使って旧校舎のギャスパー奪還に行くこととなった。

ヴァーリは敵の目を引くために外に出て戦闘をすることになった。

 

「なら、ヴァーリは魔術師の方を頼む。俺とフェイは魔法使いを潰しに行く」

 

「いいのか?向こうの魔術師たちより数段実力は上みたいだぞ?」

 

「もとより魔法使いの相手は魔法使いの領分だ。七美!」

 

「了解。いつでもいいわよ」

 

「フェイ、いけるな?」

 

「もちろん。七美、後は頼みましたよ」

 

俺とフェイがそれぞれの化身(アスペクト)を取り出した。

 

「「〝解除(リベレイト)〟」」

 

俺たちはそれぞれの得物をその場で展開した。

 

「「〝ドライブ〟」」

 

「〝シェル・メディケイション〟」

 

七美の魔法が、俺たちの〝ドライブ〟の上から覆った。

この魔法は〝ドライブ〟と同様の効果をもたらすため、二重に発動しているような状態になった。

 

「そんじゃ、片付けるか!」

 

「一気に片をつけさせてもらいます!」

 

窓から外に出ると同時に、〝フロート〟で浮遊し、目の前に広がる魔法使い集団に突っ込んでいった。

 




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