ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~ 作:ゼロ・ツー
零弐side
戦闘開始から僅か十数分。
「これで、最後っと」
最後に残っていた魔法使いを斬り伏せた。
魔法使いたちの実力はよくて上級に僅かに届かない程度で、悪くて中級に成りたて程度だった。
少し時間を使ってしまったようだった。
先ほど、校舎の壁が吹き飛び、そこからアザゼルと今回の首謀者だろう悪魔が飛び出し、戦闘が始まっていた。
それに続いて、祐斗とゼノヴィアが遅れて降りてきて、魔術師との戦闘を始めた。
時折、デュランダルの余波が飛んでくるが、こちらに被害はまだない。
「どうする?加勢に行く?」
「いや、もう来たみたいだ」
そういうと、二つの魔方陣が出現した。
金色と真紅の魔方陣。
嫌でも見覚えがあった。
「よぉ、この間振りだな。クソチビにクソガキ」
「随分と遅いご登場のようですね」
「いやいや、お前らがこいつらを倒し終えるのを待っていてあげただけだ」
「そういう気遣いは別にいらねぇぞ」
「つれねぇこと言うなよ。これで俺たち四人で思う存分やり合えるんだからよぉ」
シヴァとローはそれぞれの
「はじめる前にひとついいか?」
「これから殺し合うんだ、ひとつくらいならいいぜ」
「何で俺たちを付け回す?」
「そんなのは簡単だ。おまえ達が、俺たちトレイラーを一度崩壊に陥らせた。その報いだよ」
「そうかよ!」
〝フリック〟で一気に加速を掛けて接近して斬りかかった。
だが、シヴァのトンファーに阻まれた。
「「〝
それと一緒に、シヴァとローが戦闘準備に入った。
シヴァはトンファーの形状を変化させた。
「さぁ、あん時の続きを、殺し合い続けようじゃねぇか!!」
「「〝ドライブ〟」」
二人は全身を魔力の粒子で覆わせた。
「〝オブジェクト・マーク〟」
俺がシヴァから距離を取ると同時に、ローが魔法を使ってきた。
ライフルの照準のようにも見える赤いクロスマークがメガネから放たれた。
「〝ペインティング・ダイヤ〟」
すぐさま俺の前にフェイが躍り出て、魔法で盾を作りだし、それを防いだ。
「〝スタートアップ・ディザルブ〟」
ローのメガネから先ほどまでとは比べ物にならない粒子が噴出した。
「〝カウント・フォーティ〟」
ローの真紅の粒子が砂塵の如く、周囲に拡散した。
「お前らならわかるよな?俺の魔法は」
ローの系統魔法は、破壊魔法。
その名も〝
何もかも溶かす液状化の魔法能力である。
先ほどの魔法は、カウント終了と同時に、対象を溶かしきる魔法である。
対処法はあるが、数は極めて少ない。
さらに、今の状態だと逃げるという選択肢しかないが、そんなことが出来るわけがない。
「さて、舞台が整ったところで、始めようか」
「さぁ、殺し合おうぜぇ!」
「決着をつけましょうか」
「これで、最後にしようぜ」
シヴァは籠手として装備されたイルアングライベルを。
ローはコートの内側から取り出した日本刀を。
フェイは握り直したミスティルテインを。
俺は手に持ったレーヴァテインを。
それぞれがそれぞれの得物を持ち、本当の魔法使い同士の戦闘が行われることになった。
Side end
第三者side
先に動いたのは、シヴァだった。
〝アクセルシュート〟で自身の速度を上げて、一瞬で間合いを詰めてきた。
「そらぁ!」
振りかぶってきたシヴァの右腕を零弐はレーヴェテインで受け止める。
すかさず左腕も振るってきたが、それを開いている右手で押さえる。
「少しは俺の動きに慣れたか?クソガキ」
「くっ……クソがぁぁぁぁ!」
零弐が押し返そうとしても、シヴァの方が腕力も、体力も上。
そのため、押し返そうにも、逆に押し返されるようになってしまう。
シヴァも零弐の右手を自身の左手で握り合うようにしてきた。
「へ、しゃらくせぇぇぇぇ!」
「な!?……グフッ!」
「ちょいさぁ!」
「ガハッ!?」
シヴァが脇腹に蹴りを入れ、脇に飛んだ零弐だったが、握り合っていた手で引き戻され、〝フリック〟のおまけをつけた膝蹴りを鳩尾に叩きこまれた。
前に戦った時よりも数段力を籠められていたため、一撃でアバラを一、二本持って行かれた。
そして、シヴァと零弐の戦闘が行われる横では、ローとフェイの戦闘が行われていた。
こちらで先に動いたのはフェイだった。
ファイはミスティルテインの穂先を叩き込んだが、ローはそれを軽々と弾いた。
ローも流れるようにそれを避け、フェイの腹部に刀を斬り付けた。
フェイはそれを防ぐ。短槍と刀がぶつかり合い、火花が散る。
鍔迫り合いの中、ローがフェイに向けて自身の手を向けた。
フェイはそこから何が来るのかを理解する前に、右胸に衝撃を受けて後ろに飛んだ。
この戦闘では、零弐とフェイよりもシヴァとローの方に分があるのは目に見えて確かだった。
零弐の魔剣とシヴァのトンファー、フェイの短槍とローの日本刀。
挌闘戦だけ見れば、いくら重さを軽くしていても、フェイの身体では短槍は大きい。
そのためフェイは両手を使わなくてはいけない。
零弐は魔剣とはいえ、剣でも片手剣。それでは両手で使いには持ち手が少し短い。
それに対し、ローは見た目以上に力のあるため、軽い日本刀を片手で扱える。
シヴァはこの中で一番力があり、トンファーを使用した体術を主に使う。
もし、この中で零弐とロー、フェイとシヴァという風に戦えば零弐は互角に渡り合えるかもしれないが、フェイはそうはいかない。
そのため、あえて零弐はシヴァと戦うようにしていた。
戦闘が始まって十数分ほどが経とうとしていた。
零弐とフェイは防戦一方どころか、確実に押されていた。
「おいおい、大丈夫か?早くしないと溶けちまうぜ。一様お前らにしか被害の無いように調整してやってんだからよぉ」
ローの言う通り、時間を追うごとに零弐とフェイの姿はひどくなっていった。
身体の至る所から血が滲み始め、血が流れているところも出てきていた。
服装もところどころほつれ始め、だらりと垂れているところもある。
「へ、そんなんじゃいつまでたっても俺たちを満足させられにぜぇ」
「だまれぇぇぇ!〝レーヴァ――〟」
零弐は、魔力を集中させ、それを一気に前方に放出させ、魔導砲を撃ち出した。
「〝――テイン〟!」
放たれたのは、一振りで世界を崩壊させることが出来るほどの攻撃を大幅に抑えた魔導砲。
しかし、迫る蒼黒い魔力の魔導砲を見ても、シヴァとローは顔色一つ変えていなかった。
「は、しゃらくせぇぇぇぇ!!」
シヴァは自身の魔法を使うために右腕を前に出した。
「〝フルージング・シュトゥルム〟」
トンファーを回転させながら魔導砲を迎え撃つと、蒼黒い魔導砲は同じ色の粒子になりながら徐々に散っていった。
だが、零弐はそこを狙っていた。
すかさず、フェイが〝ブラックドア〟でシヴァの斜め後ろを取った。
「〝ショット〟」
「クソ!」
「やらせるかよ!」
「邪魔だ、クソガキ」
シヴァのカバーに入ろうとしたローの前に零弐が割って入った。
シヴァは魔導砲をギリギリで霧散させ、フェイの魔法を避けた。
「残念だったなぁ、クソチビ!」
「いいえ、予想通りです」
「なに?」
シヴァが疑問に思った時、すぐにそれを理解した。
何故なら、フェイの手にミスティルテインが無かったからである。
すぐさま脇に避けたが、シヴァのわき腹を何かが切り裂いた。
すぐに治療魔法で止血したシヴァは、まっすぐにフェイを見据えた。
「やってくれたな、クソチビがぁ!!」
〝アクセルシュート〟と〝フック〟を使用して一気に加速を掛けたシヴァはフェイを殴り付けた。
ギリギリでフェイはそれを受け止めたが、そこまでだった。
シヴァは、一瞬でフェイの後ろに移動し、殴り付けた。棘によって僅かに肉を引き裂いた。
飛ばしたフェイの前にまたしても移動し、その脇腹に蹴りを入れた。
骨の折れる音がシヴァにまで聞こえるほどで、フェイはそのまま校舎の方に飛ばされた。
零弐も、シヴァの動きに反応し、フェイの助けに入ろうとしたが、ローがそれを許さない。
「邪魔だぁ」
「テメェが先に邪魔したんだろぉ」
剣と刀がぶつかり合い、激しく火花を散らした。
だが、ローの放った〝ショット〟が肩に当たり、バランスを崩したところに、腹部に蹴りが入り、地面に落下していった。
丁度フェイが飛んできた直線上だったため、途中で二人がぶつかり、フェイの勢いの方が大きかったために、校舎に飛ばされた。
校舎の壁に激突し、その部分には土煙が舞った。
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