ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~   作:ゼロ・ツー

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レーティングゲーム リアスVSソーナ

零弐side

 

リアス・グレモリーとソーナ・シトリーのレーティングゲーム当日。

ゲームの観戦のためにアザゼル達が集まるVIPルームに向かった。

その際、VIPルームに行く前にシトリー達のところに顔を出した。

 

「よぉ、調子はどうだ?」

 

「零弐さんにフェイシスさんですか。ぼちぼちですよ」

 

俺の問いかけに、シトリーがそう答えた。

他のメンバーの顔を見ると、緊張している者やソワソワしている者など様々だった。

唯、共通して言えることが一つだけあった。

 

「皆さん、やる気は十分みたいですね」

 

「えぇ、負ける気はありませんから」

 

シトリーの言葉に、みんなが同意していた。

その中でも一番やる気を見せていたのは、匙だった。

 

「随分やる気になってるな、匙」

 

「当たり前だ!会長の夢が叶えられるものだって証明するんだからな!」

 

「なるほど。それじゃ、そんなおまえに一つ魔法をくれてやる。手を握って、胸の前に持ってこい」

 

「こ、こうか?」

 

戸惑いながらも匙が俺の指示通りにした。

 

「どうせお前らのことだから、おまえが兵藤の相手をするんだろうからな。だから兵藤に勝つための魔法をくれてやる」

 

匙の前に立った俺は自分の手の甲で、匙の手の甲を軽く叩いた。

 

「お前の武器はこれだろ。なら、ここに〝こめろ〟。お前の夢を、思いを、存在の全てを懸けるようにな。どれだけこめたかによるが、それでお前でも兵藤に勝てる」

 

「そ、そうなのか?」

 

「あぁ。兵藤がどんなに強くても、お前の拳があいつに劣っていたとしても、そこにこめるだけで、体の芯にまで届く。それほど効く攻撃はない。そうすれば、お前だってあいつに勝つことだって出来るさ。あいつがライザー・フェニックスに勝てた様にな」

 

「……」

 

「ま、後はお前次第だ。俺らはお前らよりも長く戦ってきたんだからな。先輩の言葉は素直に聞いておけよ」

 

匙にそう告げると、部屋を出るために扉の方に向かった。

 

「そういえば、お前らの夢ってなんだったんだ?」

 

「レーティングゲーム専門の学校を設立することです。上級下級貴族平民関係なく受け入れられる学校です」

 

「なるほど。いい夢だな」

 

「えぇ、とても。叶うといいですね、その夢」

 

そう言い残して、俺たちは部屋を出て、VIPルームに向かった。

VIPルームにはすでにほとんどの人が集まっていた。

ウィザードブレスから観戦に来ているのは、恭一郎とウィルデ・ローグことウィル、レヴィにりのん、ユウキだった。

クルトとリーゼン・シャルロックことリーゼ、ミラはウィザードブレスの仲間がいるところに戻ったそうだ。

見に来ている五人は、ゲームに興味があるという事だが、ウィルに関しては恭一郎の付添である。

ゲーム後のテロ対策会議では、恭一郎とレヴィがいるから問題ないとのことだ。

VIPルームに来て少しすると、ゲームが始まった。

戦場は駒王学園近くのデパートが舞台で、グレモリー達の方が不利になるような地形だった。

ゲームの序盤の戦闘が開始されると、店内と立体駐車場と二つの戦場に分かれた。

店内では、グレモリー達からは兵藤と小猫、シトリー達からは匙と『兵士(ポーン)』の仁村留流子で、立体駐車場の方では、グレモリー達からは祐斗とゼノヴィア、シトリー達からは真羅椿姫と『戦車(ルーク)』の由良翼紗、『騎士(ナイト)』の巡巴柄だった。

結果を見ると、リタイアしたのは匙と仁村、ゼノヴィアと由良、巡だった。

匙の戦う雰囲気を見たが、どうやら俺の言葉をきちんと取り入れていた。

そして、匙の神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』をうまく使って、兵藤に面白い置き土産を残したみたいだった。

ゲームが中盤に差し掛かると、グレモリー達とシトリー達が一か所に集まっていた。

そこで、匙の残した置き土産の正体がわかった。

それは血液パックを使用した失血による戦闘不能を狙った戦略。

そのため、『フェニックスの涙』やアルジェントの神器『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』による回復は意味をなさない。

傷を負ったわけではなく、血液を失ったのでは、そう言ったものが効かない。

シトリーの狙いはそこだったのだろう。

だが、そこまでのことをやるために匙がどれだけの修行をしたかは想像がつく。

本来対象のエネルギーを吸い取る能力で血液を吸い取るのだから、並大抵のことではないのはわかる。

その結果、兵藤とアルジェント、シトリー眷属の『僧侶(ビショップ)』草下憐耶がリタイヤした。

アルジェントは、回復が意味ないのにも拘らず、生来の優しさからか、神器を使用し、草下が『反転(リバース)』を行ったことで、二人ともリタイヤした。

兵藤も、リタイヤ際に新しい技を作りだした。

その名も『乳語翻訳(パイリンガル)』。

女性限定ではあるが、心もとい本人曰く胸の声を聞くという技らしい。

正直、ドン引きであった。

VIPルームはもちろん、ゲームフィールドにいたグレモリー達やシトリー達も唖然としていた。

 

「……あそこまで来ると、ある意味才能じゃないッスか?」

 

「いや、むしろただのバカだろ」

 

「だけど、いい戦いじゃないか」

 

「えぇ、確かにそうみたいですね」

 

深影の言葉に、りのんが同意していた。

確かにいい戦いであるとは思う。

それぞれの悪魔が持つ思いのぶつかり合い。

恐らくこれを見た下級悪魔などに希望を与えることが可能な試合だった。

そして、その中でもやはり一番その思いを出していたのが奴だった。

 

「いい悪魔になるんじゃねぇのか、あの『黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)』ヴリトラの神器を持ったやつはよぉ」

 

「あぁ、強くなるだろうさ。俺たちとは違って、あいつらには夢の、思いの可能性があるんだからな」

 

「そうですね」

 

そしてゲームも終盤になり、エースとしての頭角を発揮した祐斗が真羅椿姫を倒したが、その前に姫島が暴走に近い状態になったが、『僧侶』の花戒桃を倒した。

最後には、屋上でシトリーとグレモリーが一騎打ちをして、今回のゲームはグレモリーたちの勝利になった。

結果だけ見ればグレモリーたちの勝利だったが、内容を見ると、圧倒的だと言われたのにも拘らず、駒の半数、その上『赤龍帝』の兵藤が取られたことが大幅に評価を下げる結果になった。

それに対して、シトリーたちは敗北したが、匙が兵藤を倒したことで、今回のレーティングゲームにおいて優れた戦い、印象深い戦いをした者として、表彰されたことで、評価を少し上げる結果になった。

匙のいる病室を見た時、サーゼクスが匙に勲章のようなものを渡し、匙はそれに対してうれし涙を流しながらもサーゼクスの言葉に強くうなずき、シトリーも匙と同じように、涙を流しながら匙に語りかけていた。

それを見終えると、兵藤の病室に向かった。

部屋では兵藤とグレモリーのほかに、オーディンとその付き添いのヴァルキリーがいた。

 

「いやぁ、面白いもんを見せてもらったぜ」

 

「ぼくとしては汚物にしか見えませんでしたけどね」

 

「蒼薙にフェイちゃん!」

 

「二人とも、どうしてここに?」

 

「いやなに、会議前にバカの顔でも拝もうと思ってな」

 

「ひどくねぇ!」

 

「なかなか容赦のない言葉のようじゃのぉ」

 

「別に当たり前の事なんだがな。……あ、そうだ、オーディン」

 

「なんじゃ?」

 

「会議後に聞こうと思っていたんだが、やっぱり今聞く。要件ってのは何だ?」

 

俺の質問に、オーディンは先ほどと少し雰囲気が変わった。

兵藤とグレモリーは何のことかはわかっていないようだった。

 

「では率直に言うかの。お主の持つレーヴァテイン、北欧に返してもらえぬかのぉ?」

 

「「な!?」」

 

オーディンの要件に、兵藤とグレモリーは驚きの声を上げていた。

だが俺とフェイはある程度予想していたから、特に驚きはしなかった。

そして、俺の答えはというと……。

 

「……別にいいが、条件がある」

 

「なんじゃ、可能な限りきこう」

 

「もう少しだけ時間をくれ。せめて、シヴァとローを倒すまでは」

 

俺の答えに、オーディンは少し考えたようだった。

 

「……よかろう。なら、その後に頼むぞ」

 

「あぁ、アザゼルか誰かを経由して連絡するさ」

 

「うむ。では、わしは先に行っておるぞ」

 

オーディンはそう言い残して、部屋を出た。

 

「お、おい、蒼薙!いいのかよ?自分の武器を……」

 

「別に構わない。〝化身(アスペクト)〟になるのは他にもあるだろうし、これは俺に一番いいものだとも言えないからな」

 

「そうなのか……」

 

「ま、そう言うことだ。じゃ、俺たちも行くわ」

 

「それでは、また後で」

 

「えぇ、わかったわ」

 

「おう、後でな」

 

「あぁ、後でな。イッセー、リアス」

 

「「え?」」

 

二人が呆けている間に、俺たちは部屋を出て、会議に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの列車。

兵藤が夏休みの課題に追われている間、俺たちは寝ていた。

ここ数日の間の疲れから帰りは寝ていることにしていた。

イッセーやリアスたちが話しているのを聞きながら窓枠に肘をつき、頬杖を突きながら寝ていた。

因みに、全員を名前で呼ぶようにしたら、全員に驚かれた。

そして、俺の隣には、俺に体を預けながら寝ているフェイがいる。

すると不意に膝に重みを感じた。

薄く目を開けると、猫耳と尻尾を生やした小猫が、俺の胸に頭を預けるように寝ていた。

その光景に、わずかに笑みを浮かべてから、また眠りについた。

だが、この後に起きた出来事が、俺たちの運命の歯車を加速させるものだとは、この時は考えもしなかった。

 




予想以上に書くのに時間がかかってしまいました。

いつも通り、誤字脱字ございましたら、ご報告お願いします

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