ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~   作:ゼロ・ツー

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始末と最悪の情報

フェイside

 

今ぼくはレイジの頼みで、廃教会近くに潜んでいる堕天使の始末に来ていた。

勿論、グレモリーさんに姫島さんも一緒である。

目的は魔法使いの出所である。

もし、出所によっては最悪のことになりかねないからである。

 

「それで、本当にあなたに任せていいのかしら?」

 

「えぇ、ご心配なく。あなたたちよりは戦いに慣れていますから」

 

「あらあら、すごい自信ですわね」

 

実際にそれだけの実力があるとは思っているから、強気に出られるのだ。

それにしても、先ほどから見ているだけで出てくる気配がしませんね。

 

「いい加減出てきたらどうですか?いるのはわかっているんですよ」

 

ぼくが呼びかけると、木の影から三人の堕天使が姿を現した。

 

「ふ、まさか人間ごときが我らの気配に気づくとわな」

 

「少しはできるみたいね」

 

「でも所詮は人間だろ」

 

「下品な口ですね。まぁ、今はそんなことはどうでもいいんですが。あなたたちに聞きたいのは一体どこで魔法使いと知り合ったんですか?」

 

ぼくは聞きたいことをさっさと聞くことにした。

 

「あぁ、あいつのことかい。ちょっとした知り合いに紹介されただけさ」

 

「では、その紹介してくれたという人について詳しく教えてくれませんか?」

 

「え~、言う意味ないじゃん。どうせここで死ぬんだからさ」

 

「ミッテルト。冥土の土産位に教えてやってもいいだろう。そうだな、名前は教えられんが紹介してくれた人間は、金髪で顔の左半分に刺青が入っていて、いつも白衣を着ている男だという事だ」

 

その答えで、ある一つの可能性にたどり着いた。

しかしそれは、考えたくなかった最悪のことだった。

 

「名前はどうしても教えて貰えないのですね」

 

「それは無理だな。知りたければ、直接聞きに行けばいいだろう。まぁ、そのころにはお前の後ろにいる悪魔もろとも殺されているだろうがな」

 

「どういう意味かしら」

 

ぼくの答える前にグレモリーさんが問い返した。

あまり邪魔はしてほしくないんですけどね。

 

「そのままの意味さ。特に、あのレイナーレ様に殺された男は今思い出しても腹がよじれそうだ」

 

「確かに、あれは傑作だったわね」

 

「やめてよ。今思い出しちゃったじゃん」

 

堕天使たちが思い思いに笑いこけっていると、怒りを覚えたグレモリーさんが前に出ようとした。

ぼくはそれを手で制止させた。

 

「何?邪魔するの?」

 

「邪魔なのはあなたですよ。あれをやるのはぼくだと言ったはずです。それに……」

 

堕天使の方に向き直ると、〝フロート〟で空中に浮遊した。

 

「あなたがやろうと、ぼくがやろうと、これが消える結果には変わらないんですから!」

 

言葉と同時に、鉛筆を取り出して〝解除(リベレイト)〟した。

すると、瞬時に巨大化して、短槍にも似た武器に変わった。

フェイの化身(アスペクト)である鉛筆は魔力効率を上げるための魔法が掛けられたキャップが付けられている。そのキャップは本来、コンパスの形をしている短槍である。

そして、この二つを組み合わせた時が、フェイの武器である『魔槍ミスティルテイン』となる。

 

「な!?貴様も魔法使いだったのか」

 

「因みに、向こうに向かった人間の方も魔法使いですよ」

 

ぼくの言葉に、堕天使たちが驚愕の顔を浮かべていた。

 

「さぁ、祈りは済ませましたか?と言っても、堕天使じゃ祈っても意味ないでしょうけど」

 

宣言と一緒に、ミスティルテインの先に魔力を籠めた。

 

「なめるなぁ!!」

 

堕天使たちはそれぞれ光の槍を作りだし、こちらに投げつけてきた。

グレモリーさんたちの声が聞こえてきているが、そんなことはもう耳に入っていなかった。

既に、戦闘を終わらせるための詠唱を唱え始めていたのだから。

 

「〝空を抉りし鋭撃(えいげき)にて位相の混沌(やみ)射抜()るとき〟」

 

コンパスの先が僅かに開き、少しずつ回転し始め、先端には黒い粒子が集まりだした。

 

「〝穿撃(つらぬ)け!〟」

 

コンパスは詠唱していくとともに、回転速度が上がり、最後の詠唱と共に魔力が放出された。

 

「〝ミスティルテイン〟」

 

それは、簡単に表せば魔導砲だった。

しかし、フェイの系統魔法は闇黒魔法。

すなわち、空間に直接干渉するというもの。

つまりは、この攻撃事態が空間を消し去りながら撃たれているようなものである。

開いた空間は自然に閉じるが、物質はそうはいかない。

一度空間ごと傷つけられたものは、簡単には戻らない。あるいは戻ることはない。

 

「さぁ、消え去りなさい」

 

魔導砲となった黒い粒子は堕天使三人を呑みこみ、その後には何も残さなかった。

あるのは、堕天使が消える前に残した自身の羽のみが舞っていた。

 

Side end

 

 

 

 

 

 

 

 

零弐side

 

今俺は廃教会の入り口の前にいた。

周りには兵藤、祐斗、塔城がいる。

 

「で、何か作戦でも考えてあんのか?」

 

「え~っと、……出たとこ勝負?」

 

兵藤の答えに、思わず拳骨をかました。

ゴンッ!といい音がなった。

 

「ってぇ!何すんだよ!」

 

「考えもなしに突っ込もうとするバカの制裁」

 

「なんだよ、それ!」

 

「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」

 

このままでは話が進まないので、制裁はいったん中止となった。

祐斗の持ってきた図面を見ながら、作戦を立てている間、視線を感じた。

 

「入り口から聖堂までは目と鼻の位置だし、一気に行けると思うよ。って、どうかしたのかい?零弐くん」

 

「悪い。中にはお前達だけで行け。どうやら俺にはお客さんが来たらしい」

 

すると、林の影から一人の男が現れた。

黒いローブを羽織っているところから見ると、こいつが例の魔法使いみたいだった。

 

「へぇ、僕の気配に気づくなんてね。男という事はあなたがレイジ・アオナギセンパイですか?」

 

三人が臨戦態勢を取ろうとしたのを俺が手で止めた。

 

「ここは俺がやるから、お前らは早く中に行け」

 

「だけどよ……」

 

「俺の目的はこいつだ。お前らはやるべきことをやりに行け」

 

俺の言葉に、三人は渋っていたがすぐに教会の方に向かった。

 

「負けんじゃねぇぞ!蒼薙」

 

「こっちは任せて!零弐くん」

 

「……後は頼みました。蒼薙先輩」

 

「おうよ。任せておけ」

 

三人が中に入ったのを確認して、俺は例の魔法使いに向き直った。

何とも言えない雰囲気が流れた。

 

「で、お前は誰に魔法を習ったんだ?」

 

「あれ?もしかして僕に興味があるんですか?センパイ」

 

「テメェに興味はねぇよ。俺が聞いてるのはテメェのバックにいるやつのことだ」

 

「……へぇ。そうなんだ。だったら教えてあげますよ。僕に魔法を教えてくれたのは……」

 

――シュヴァレス・アイゼンですよ――

 

それを聞いて、俺は衝撃を受けた。

ある程度は予想していたとはいえ、まさかよりによってあいつらだとは思っていなかったのだから。

 

「……はぁ、本当に最悪だな。まさか、あいつらがまだ生きていたなんてな」

 

「なんですか?嬉しい事じゃないですか。魔法使いにとってあそこは最高の場所じゃないですか」

 

「そうは思えないんだがな。むしろ虫唾が走るんだよ!」

 

腰に差してあった剣を構えた。

それに応えるように、向こうも臨戦態勢を取った。

 

「あっははは。この時を待っていたんだよ!さぁ、センパイ。殺し合いを始めましょ!」

 

「上等だ!このクズが!!」

 

二人で、同時に駆け出し、戦闘が始まった。

 




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