ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~ 作:ゼロ・ツー
零弐side
戦闘が始まったと同時に、駆けだした俺は接近すると同時に斬りかかった。
しかし、それは簡単に避けられた。
「なんですか?センパイ。その程度ですか?〝
「……」
「なんなんですか?せっかく聞いてあげているのに、だんまりですか?なら、こっちから行かせてもらいますよ!〝モンスターフレイク〟」
使用してきた魔法は、系統魔法の一つ、生物魔法でも最も使用者の多い〝
そして、相手の姿がどんどん変わっていき、最終的には人狼のような姿になった。
『それじゃ、行きますよぉ!』
「ちっ!はぁぁぁああ!」
獣になったためか、動きが早くなってきた。
鉤爪で攻撃してくるのをひたすら剣一本で捌いた。
しかし、それでは限界がある。
僅かに出来た隙に、大ぶりの攻撃を入れてきて、それを躱したために、大きく距離が出来た。
『にしても、わかりませんねぇ。何でセンパイみたいなのがあの人たちに気になられているのか。まともに魔法だって使っていないじゃないですかぁ』
「……はぁ、もういいや」
『え?』
「〝解除〟」
〝解除〟を行った瞬間に、唯の剣だったのが、魔のオーラを纏った魔剣へと変化した。
否、普段使用する本来の姿に戻ったと言うべきだろう。
零弐の
そして、それを行うことによって、魔剣本来の力を使うことが出来るともいえる。
『な、なんだよ?聞いていた話と違うぞ!』
「そりゃそうだろうな。おそらくお前は、俺たちが今どこにいて、どれだけの力を持っているのかを知るための餌。つまりは捨て駒みたいなもんなんだろ」
『そんなわけない!僕は、僕は!』
何を思ったのか知らないが、獣としての速さを利用して近づいてきて、そのまま大きく拳を叩きつけてきた。
先ほどまでならいざ知れず、今の俺なら……。
『な!?』
「そんなんじゃ、俺は越えらんねぇよ」
片手で防げる。
そこからは、速かった。
拳を弾き、一気に懐に入り込むと同時に、切り上げるように斜めに一撃を叩き込み。
「テメェのことなんざ知らねぇが」
さらにそこから、三連撃。
「俺たちに挑むんだったら」
最後に、大きく振りかぶって、重い一撃を叩き込んだ。
「死ぬ覚悟位はしておけぇ!」
腹部に入った一撃で、教会の壁をぶち壊して中に飛んで行った。
そして教会の中では、丁度戦闘が終わったのかみんな集まっていた。
「終わったみたいだね、レイジ」
「そっちも滞りなく終わったみたいだな」
兵藤の方も堕天使のリーダー格を倒し、グレモリーたちが消し去っていた。
兵藤も、自身の
救出目標のシスターを悪魔に転生させて、蘇らせてようとしていた。
その時、獣の雄叫びが響いた。
そちらを見ると、すでにすぐそこにさっきまで相手にしていた人狼がいた。
間に合わない。グレモリーたちはそう思っただろう。
「〝プロテクション〟」
しかし、現実は違かった。
瞬時に基本魔法を使った俺は、蒼黒い魔法陣を手の平から出し、攻撃を弾いた。
「〝フリック〟」
それに続いてフェイが基本魔法で顎を弾き、空中に飛ばした。
それと一緒に魔剣に魔力を籠めた。
「テメェの敗因は基本魔法を怠ったことだ!」
『……が……ぁ、アオナギィィィィィ!!』
「〝レーヴァテイン〟」
その蒼黒い一線は、人狼を巻き込み跡形もなく消し去った。
そして、夜空に向かって伸びて行った。
教会には、大きな穴が残った。
魔導砲を撃ったのはいいが、ものすごい脱力感に襲われ、崩れ落ちた。
が、倒れこむ前にフェイが支えてくれた。
「はぁはぁ、悪い。助かった」
「別にいいよ」
フェイの手助けを借りて立ち上がり、グレモリーたちのところに向かった。
その時、尋常じゃない気配を感じ、俺はレーヴァテインを、フェイはミスティルテインを構えた。
「構えんじゃねぇよ。今回は様子見なんだからよ」
教会の窓に腰かけた男は、長い黒のトレンチコートを着て、ハットを被っていた。
一見すると、サラリーマンのようにも見えるが、俺たちはこの男を知っている。
「あら?誰かしら?」
「それはそこにいるチビとクソガキから聞いた方が面白いと思うぜ。リアス・グレモリー嬢」
「てことは、あなた魔法使いなのね」
「ご名答。詳しくはそいつらから聞きな」
そう言って、男は立ち上がった。
「ま、今回は感謝しといてやるぜ。あのバカは魔法のこと何にもわかっていなかったからな。俺が手を出すわけにもいかなかったしな、よかったよかった」
「よく平然と嘘がつけますね。あなたの魔法なら痕跡なく簡単に消せるでしょうに」
「そうでもないぜ。それじゃ、俺は帰るかな」
「逃げる気か?」
「勘違いするなよ、クソガキ。逃げるんじゃねぇよ、逃がしてやるんだよ」
確かに、いくら万全でも、こいつには負けてしまうだろう。
二人がかりでいっても、倒せるかと言えば厳しい。
ましてや今、俺は魔導砲の所為で消耗が大きい。
「じゃあな、チビにクソガキ。今度会ったら、本当に殺し合おうじゃねぇか」
魔法陣を足元に出して転移をするのを最後まで見ていた。
むしろそれしかできなかったとしか言えなかった。
俺とフェイは、姿が完全に消え、気配が感じられなくなるまで構えを解けなかった。
「なるほど。そんなことがあったんだね」
「あぁ、できれば起こってほしくなかった、最悪の事態だ」
次の日の朝。
町の人が起き始める時間に、俺とフェイは井蛙の診療所にいた。
理由としては昨日会ったことの説明と魔導砲を使用したため、異常が無いかの診察の為である。
「まさか、彼らが生きていただなんてね」
「そうなんだよな。シュヴァレス・アイゼンにローガン・ウェルトか」
昨日現れた魔法使い。
人狼となった魔法使いに魔法を教えた人物。
そして教会に現れた男。
自分たちの過去に所属することとなっていた魔法使い組織において、幹部クラスと言える実力を持った人物たちであり、できれば死んでいてほしかった人物たちでもある。
教会での戦闘後にグレモリーたちに軽く説明はしたが、表面的で本当に簡単な事しか教えなかった。
魔法使いは魔法使いでしか倒せないというわけではないが、魔法使いの戦闘は基本魔法使い同士になる。
だから、魔法使いでないグレモリーたちは巻き込めないというのが俺とフェイの考えである。
「まったく。君の考えはどうも自己完結的になり過ぎているみたいだね。他の人を巻き込みたくないのはわかるけど、彼らはあの組織の中でもトップクラスの戦闘能力を持ったやつらなんだから、君たち二人がかりでさえ一人を倒せるかわからないんだからね」
「それはわかっている」
「わかっているようには見えないんだけどね」
「それで、身体の方はどうだったんだ?」
「特に異常は見られなかったね。一回使用しただけじゃ、変化はないみたいだね」
「そうですか。それじゃ、今日はとりあえず行くわ」
「何かあるのかい?」
「まぁ、ちょっと」
診察室を出ると、未だに挌闘中だったフェイと七美がいた。
今回はフェイの方が床に押し倒された状態が続いていた。
「お~い、そろそろ行くぞ」
「ほら、離れろ!」
「あ~ん。フェイたんのイケず」
毎回毎回何やってんだかホント。
とりあえず、七美を引き剥がし、学校に行った。
向かったのは自分たちの教室ではなく、旧校舎にあるオカルト研究部部室だった。
なぜそこに行くかは、昨日来るように言われたからである。
中に入るとすでにみんな揃っていた。
「俺たちが最後みたいだな」
「そのようですね」
まぁ、何はともあれ、今は今やれることをやっていこう。
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