ハイスクールD×D ~マジシャンズ・ウォー~   作:ゼロ・ツー

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落ち武者と不死鳥

零弐side

 

教会での出来事から数日が経ったある日。

その日の放課後も、いつもと変わらずオカルト研究部部室で過ごしていた。

ふと、昨日の夜の出来事を思い出した俺は、兵藤に質問した。

 

「なぁ、兵藤」

 

「イッセーでいいんだけど……。何か用か?」

 

イッセーというのは兵藤の愛称で、大体がそう呼んでいる。

因みに今、部室の中でのみんなの行動を見ると……。

兵藤は姫島の淹れた茶を飲み、その横でアルジェント(この間救出したシスター)も一緒にお茶を飲んでいた。

祐斗と塔城は将棋をやり、姫島はお茶を淹れ、グレモリーは何か考え事をしているのかボーっとしていた。

俺とフェイはそれぞれ読書をしていた。フェイは小説を。俺は新聞を。

そんな状況で俺が唐突に口を開くもんだから、みんなも聞き耳を立てた。

 

「昨日の夜によ、ちょっと用があってコンビニに行ったんだよ」

 

「へぇ。お前もコンビニ行くんだ」

 

「俺だってコンビニの一つや二つ行くわ。まぁ、そんなことはどうでもいいとして、そん時によ、奇怪なものを見たんだよ」

 

「ふぅん。一体どんなの見たんだ?」

 

「落ち武者」

 

次の瞬間。おそらくこの部屋にいた人物たち全員が驚愕の表情になっただろう。

兵藤に至っては、飲んでいたお茶を噴いた。

 

「しかもよ」

 

「まだ続きがあんのかよ!?」

 

「その落ち武者と一緒に駒王学園の制服を着た男女二人組がいたんだが、お前何か知らないか?」

 

「……い、いや、俺は何も知らないぞ。は、ははは」

 

「い、イッセーさん。大丈夫ですか?スゴイ汗ですよ」

 

新聞を読むのをやめて、兵藤の顔を窺って見た。

その兵藤の顔に焦りの表情が浮かんでいた。ついでにものすごい量の汗を掻いていた。

 

「確かにレイジが帰ってきたらそんな話をしていましたね。それで、その男女二人組というのはどんな人物だったんですか?」

 

脇から悪乗りをしてきたフェイがそう聞いてきた。

その表情は微笑みを浮かべていたが、どう見ても面白そうだという微笑みだった。

 

「それなんだがな、女の方の髪が紅かったという事しかわからなかったんだよな。暗かったし」

 

「ならなんで男女二人組だってわかったんだよ?」

 

「声で」

 

今度は皆どこか納得のいくような表情をしていた。

 

「その声が兵藤とグレモリーに似ていたんだが……何か知ってるか?」

 

「い、いや、何も知らないけど」

 

「い、イッセーさん!?顔が真っ青ですよ」

 

いつの間にか兵藤がすごい表情に変動していた。

 

「そうか、何にも知らないか」

 

とりあえず追及をやめたことで、兵藤が安堵していた。

周りでは、アルジェントがオロオロし、姫島が口元を押さえて微笑み、塔城が呆れ、祐斗が苦笑していた。グレモリーは話の途中も終始上の空だった。

それからまた数日後。

その日は部活に顔を出すことはなかったので、少し調べごとをしてから帰宅した。

その帰宅途中でのこと。

 

「フェイたぁぁぁぁん!!」

 

まさかの七美とエンカウントした。

しかも俺たち、もといフェイを見つけた途端突撃をかましてきた。

とりあえず七美を引き剥がして話をしながら帰ることになった。

七美は買い物の帰りだったため、荷物を持っていた。

 

「なるほど。そんなことがあったの」

 

「いきなり夜に落ち武者を見たら誰だって驚愕するだろ」

 

「そうですね。コンビニに行っただけでそんなものを目撃するとはだれも思わないから」

 

話の内容は、先日会った落ち武者目撃の件である。

そんなことをしながら帰っている途中、とある公園に差し掛かった。

そこで今度は、三人で衝撃を受けた。

なんとそこには、本陣があった。

しかも本陣の中央には落ち武者。その両脇に兵藤とグレモリーの姿があった。

さらに驚くことに、その本陣に近づく一体の影。

その正体は兜に矢がささった騎士だった。所謂、落ち騎士である。

あまりのことに俺たち三人は固まっていた。

少し話をしてから、落ち武者と落ち騎士が抱き合った。

 

「……なぁ、フェイ」

 

「……どうした?」

 

「……見なかったことにしよう」

 

「……そうだね」

 

後日、オカルト研究部部室に城の模型とランスが飾られていた。

それを見て俺は兵藤に言った。

 

「お前がどんな仕事してるか知らんが、ガンバ」

 

それを言うので精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからまた数日が経った。

日を追うごとに、グレモリーが上の空になる頻度が増えて行った。

そして、とある日の放課後。いつも通り部室に向かう途中、兵藤、アルジェント、祐斗と合流した。

兵藤がそのことを祐斗に聞いてみたが、祐斗も詳しくは知らないらしい。

 

「にしても祐斗よ。ここに来る前から気になったんだが」

 

「どうかしたのかい?」

 

「旧校舎の部室に何時もと違う気配を感じるんだが、何か知ってるか?」

 

「あぁ、確かに感じてましたね。特に気にしませんでしたけど」

 

「零弐くん。それってどういう……」

 

部室の前の扉に着いたとき、祐斗も気づいた様だった。

 

「……僕がここに来て初めて気配に気づくなんて。零弐くんたちもよく気づいたね」

 

兵藤とアルジェントはよく分かっていないようで、何時も通り部室に入った。

そして案の定、何時もとは違う奴がいた。

メイド服を着た銀髪の女性。

気配からして、俺やフェイと同等かそれ以上の実力があるだろう。

フェイも少なからず警戒していた。

会話のない張り詰めた空気が支配した室内で、グレモリーがメンバー一人一人を確認し、口を開いた。

 

「全員揃ったわね。部活を始める前に、少し話があるの」

 

「お嬢さま、私がお話ししましょうか?」

 

グレモリーがメイドの申し出を断り、再び口を開こうとしたら、室内に魔法陣が現れた。

 

「――フェニックス」

 

祐斗がそう口から漏らしたと同時に、魔法陣から炎が上がり、一人の男が現れた。

 

「ふぅ、人間界も久しぶりだ」

 

現れた男は、赤いスーツを着たホストっぽい男だった。

そして……。

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

グレモリーの関係者でもあった。

それから少しだけグレモリーとのやり取りを見たが、とりあえず軽い奴だと思った。

自意識過剰とも言えそうだった。

フェイに至っては常に睨むような目というよりは、汚物でも見るかのような目で見ているようだった。

むしろ、よくそれですませていると思う。

俺に至っては、顔はそちらを向いていても、目線だけは別方向にむけていた。

さすがにそろそろ誰か知りたいと思ったら、メイドが話に介入して、説明した。

 

「この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます」

 

なるほど、フェニックスという事なら先ほどの炎が上がったこともわかる。

それに恐らくは、不死身のような能力も持っているのだろう。

 

「そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます」

 

どうやら、まだ説明することがあったようだ。

 

「つまりは、リアスお嬢さまとご婚約されておられるのです」

 

「ええええぇぇぇぇ!?」

 

兵藤の驚愕の声が上がった。

なんというか、前途多難な気がしてきた。

 




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