曇り後晴れ。時々豪雨。(タキオン編開始)   作:にゃす

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 なんということでしょう、お気に入り1000達成です。やったね!


エイシンフラッシュ.6

 ジェットエンジンの轟音が機内にまで響く。そして人生で…多分、5度目だろうか。5度目の大きなGがかかる。

 

 体が幾秒のGに晒された後……窓の外を見てみると、旅客機は既に大空を舞っていた。

 

 現在、俺とフラッシュは旅客機の前方…つまりファーストクラスの席に座っている。…ファーストクラスの代金は実に高かったぞ。

 

 ファーストクラスの席、と言っても種類が色々ある。例えば席同士が完全に分断されたカプセルホテルのようなタイプ、斜め方向に席が向かい合うタイプがあったりする。

 

 その辺はフラッシュが事前に調べていたようで、色々席をいじって対面で座れるタイプの席に決まった。この席が設置してあるのはボーイング777で……まぁ、これのためにボーイング777を選んだって所だろ。

 

 ポーン、と言う電子音と共に天井にあるベルトのアイコンがOFFになった。自由に立ってもいいぞと言う合図だ。

 

 と、言うことは。

 

 シートベルトアイコンが消えてからちょっとして、フラッシュが早足に俺の席へと向かって来た。

 

「トレーナーさん」

 

「おっと。えぇっと、これどうやって対面席にするんだ?」

 

「ちょっと、お待ちくださいね…」

 

 そう言うとフラッシュは俺の目の前にある、埋込み型テレビに備え付けてある机に手を掛け…俺の方へとスライドさせた。すると、スライドして空いた空間に革製の椅子のような物が現れて。

 

「おお、凄いな!」

 

「これで一緒にいられます」

 

 フラッシュはそこに座った。構図的にはスライドさせた机を挟んで俺とフラッシュが対面して座っている感じだ。…まぁいつもの距離感だな。

 

「…ファーストクラスの時位フラッシュも自分の時間を過ごしゃあいいのに。ほら、映画とかゲームとかあるじゃん」

 

「……あなたは…二人旅で片割れを放置して映画やゲームを楽しみますか?」

 

「いや…」

 

「…それに、あなたと一緒に過ごせないファーストクラスなんて、意味がありません。それなら私はエコノミークラスを選びますよ」

 

「へいへい。一緒に快適な空の旅をしような」

 

「はい」

 

「いやーしかし……高い金を払っただけあって凄いな、フラッシュ」

 

「はい……空港であんなに美味しい物が食べられるなんて…」

 

 フラッシュの言う通りファーストクラスの旅客が食べられる料理は凄かった。

 ラウンジって言うんだよな。ファーストクラスだけが通れるラウンジに通されて、そこで俺達は昼食を食べた。食事の内容は寿司だ。

 所謂回らないタイプの寿司屋で、口頭で注文してそのまま握ってくれるような方式であった。

 

 トロがとても美味しかったです…。

 

 ……あれが、日本での最後の晩餐かぁ。まぁ、最後には相応しかったと思う。

 

「…モリモリ食べてたもんな、フラッシュは」

 

「……ウマ娘は食事量が多いんです。あれでも適正体重は維持できています」

 

 フラッシュは食い過ぎて太るぞ、と言われたと思ったのだろう。両手でお腹から脇腹までをなぞる。

 

「いやフラッシュが太ってるとは言ってないじゃん。ほら、フラッシュはよく食べる姿が似合うってことよ」

 

「…何だか食べてばっかりいると言われているような気がします」

 

「言ってない言ってない」

 

「…そう言う事にしておきますね」

 

「いやだからそう言うことだって…」

 

 こんな感じで…フラッシュと他人が聞いたら吹き出すような話をして数刻…。ガラガラガラガラ、と席の前方から台車を押す音が響いて来た。席から顔を出すと…機内食を運ぶ台車がこちらへ向かって来ていた。

 

 ファーストクラス席は数が少ないため、すぐに俺の席の前へ台車は到着する。そしてCAさんが…。

 

「失礼します。お肉と魚の機内食、二種類からお選びいただけます。どちらになさいますか?」

 

「肉でお願いします」

 

「畏まりました…」

 

 CAさんは台車から機内食とスプーンフォークナイフ箸を机に置き…。

 

「フラッシュはどうする?」

 

「私は…じゃあ、お魚で」

 

「畏まりました…」

 

 もう一つ機内食を取り出し、フラッシュの前に置いてスプーンフォークナイフ箸の一式も置いた。

 

「お飲み物はどうなさいますか?」

 

「あー。じゃ、お茶でお願いします」

 

「私もお茶でお願いします」

 

「畏まりました…」

 

 最後にCAさんは2つの透明なプラスチックのカップにお茶を注ぎ、机に置いた。

 

「ごゆっくりどうぞ〜」

 

「……………」

 

「……………」

 

「…食うか」

 

「はい」

 

 機内食は…まぁ、いいレストランで出されるような内容だった。俺のは…ステーキに切り分けられたベイクドポテト、見た感じ固そうなパンに野菜類だ。

 

 対してフラッシュは薄く切られたレモンの乗った…何かの魚類のムニエルとでかいキノコ…人参、じゃが芋、ササゲの漬物、そして味噌汁。

 

 正直どっちも美味そうだ。

 

 …俺が食事を見ている間にフラッシュは既に口を動かし始めていた。…考えてないで食べよう。

 俺はナイフを右手、フォークを左手に持ちステーキを切り分け、口に運び…。

 

「モグモグ」

 

 …うん、美味いな。焼き加減は…ミディアム位か?

 

「モグ……美味いな」

 

「んく……はい」

 

 そしてしばらく夢中で機内食を食べる時間が続いて…フラッシュの分が半分位になった時。

 

「……このコップではなく、ワイングラスならもっといい雰囲気だったのでしょうね」

 

「モグモグモグ………だな。セレブって感じだわ。ま、フラッシュはまだワイングラスを持てる歳じゃないけどな」

 

「……トレーナーさんにとって、私はまだ子供なのでしょうか?」

 

「…さぁーなー」

 

 一旦フォークとナイフを皿に置き、機内食を見ていた目をフラッシュに向ける。

 

 …白い肌に艶のある黒髪。大きな瞳に長い睫毛。整った鼻筋に薄紅色の唇。そして細長い手足。

 

 綺麗だよな。

 

 …出会った時から既に3年以上。雰囲気も、大分大人びた。出会った時はまだあどけなさと言うか、無邪気さを感じる事もあったが…もう、今の時点では……女性、と言うべきか。少なくとも、子供扱いはもうできない所にフラッシュはいる。

 

 …何て事を考えながらフラッシュの顔を凝視していると…フラッシュは耳を伏せたり張ったりを繰り返し始める。

 

「あの……と、トレーナーさん……あんまり顔を見られると…」

 

「おっと。すまんすまん」

 

 フラッシュは両手を太腿に置き、今を伏せてしまった。

 

「まぁー、もう子供扱いはできないな。大人になりかけって言うか」

 

「そう、ですか…」

 

 …フラッシュは頭を伏せがちな姿勢から俺を見る。……これが上目遣いってやつ? ……このフラッシュは破壊力って言うか、そういうのが凄い。思わず今度は俺の方から目を逸してしまった。

 

「…いつかは二人きりで…ワイングラスで乾杯したいですね」

 

「……フラッシュの中ではそれがいつか…既に予定、できてんだろ?」

 

「…ふふっ」

 

「はぁ〜〜…」

 

「…トレーナーさん、お酒の味って…どんな感じなんでしょう?」

 

「変な気は起こすなよ?」

 

「もちろんです」

 

「…日本酒は甘辛いな。ドイツのは知らんけど日本のビールは苦味がある。ワインはめちゃくちゃ甘い種類と苦味がキツい種類がある」

 

「なるほど…」

 

「フラッシュも20歳になったらチビチビ飲んでみるといいさ。ガブ飲みは絶対だめだからな」

 

「ウマ娘は肝臓が強いので大丈夫……とは言えませんね。さすがに思いっきり行ったら私も酔い潰れてしまうかもしれません」

 

「フラッシュの事だからそういう事は無いと思うけどよ」

 

「…トレーナーさんはお酒は強い方ですか?」

 

「いやぁ……普通じゃないか? 2杯3杯飲んだら顔が赤くなる」

 

「なるほど……なるほど」

 

 フラッシュを一瞬右手で口元を多い、目線を下げた。……何か考え付いたな、コレ。

 

 教えるんじゃなかった…。

 

「何考えてんだ?」

 

「いいえ? 何も?」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……残り食うか」

 

「はい」

 

 そういう事で。ここで一旦話を終わらせ、机にある食べ物へと再び俺達は手を付けた。

 

 その後、機内でフラッシュとパズルゲームで対戦したり、記念撮影をしたり、くだらない話をしたりで時間を潰しつつ……機内で夜を迎えた。

 

「フラッシュ、そろそろ寝た方がよくないか」

 

「そう…ですね。では」

 

 フラッシュは立ち上がりその場で体を伸ばした後、席から出てそのまま自分の席に戻……らず、俺の席の机を元の位置に戻した。

 

「トレーナーさん、少々立って貰えますか?」

 

「え? あ、うん」

 

 言われるがままに立ち上がり…。フラッシュは俺の座っていたシートを倒して変形させ始めた。シートはすぐに寝台へ変わった。

 

「へぇー。こうやって寝るのか、ファーストクラスって」

 

「はい。さぁ、トレーナーさん、どうぞ」

 

「じゃ、しっつれーい」

 

 俺は寝台に変形した席に座り、そのまま寝転んだ。

 

「おおすげぇ、柔らかい!」

 

「寝心地は良さそうですねぇ」

 

 ごそ、とフラッシュも寝台に入って来た。

 

「…あ、フラッシュも一緒に寝るのね」

 

「はい」

 

「……狭くね?」

 

「飛行機の夜は冷えます。身を寄せ合って就寝した方が暖かいですよ」

 

「あぁそう……ならな」

 

「はい」

 

 ……俺は今席の壁の方を向いているんだけど、これはフラッシュの方…席の入り口を見ないと怒られるやつだな。

 俺はずるずると寝台の上で寝返りを打った。……い、色々個擦れるなぁ。

 

 っていうかフラッシュの方を向いたら顔ちっか。

 

「…じゃあ、おやすみフラッシュ」

 

「おやすみなさい、トレーナーさん」

 

 ……飛行機の揺れのせいか、それともフラッシュの確信犯か。絶えずフラッシュの体が押し付けられて眠るに眠れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後は特に何も起きず…旅客機はデュッセルドルフ空港に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Willkommen zu Hause」

 

「Ich bin zu Hause, Vater, Mutter」

 

「Klingt, als wäre es gut gelaufen」

 

「Ja」

 

「Gut…」

 

 デュッセルドルフ空港にて。本当、何ヶ月もしないうちにまたフラッシュ夫妻に出迎えられる事になってしまうとは…。

 フラッシュと夫妻は何かドイツ語で話している。……聞かれたくない話は外国語で……とか、どっかで聞いた事あるな。考えすぎか?

 

 …まぁ多分フラッシュの事だから予定についてだろ…。

 

 やがて話すことも話したのかお父様がこちらに向き直った。

 

『トレーナーさん、お帰りなさい』

 

『はい。ただいま戻りました……と言うべきでしょうか』

 

『ええ。さぁ、車が準備してあります』

 

『はい、行きましょう』

 

 お父様に促されるまま、俺達は夫妻の車に乗り込み……フラッシュ家へと出発…いや、戻ると言うべきかな。

 

 その道中にて…運転中のお父様がお母様に何か話し掛ける。

 

「Es ist genau wie bei uns, als wir jung waren」

 

「Das ist es wirklich」

 

 それを聞いたフラッシュは後部座席で右手を頬に添えて、目を瞑り笑いながら…。

 

「Schon… Vater, Mutter…」

 

 ……何て言ってるか全くわかんねぇ…。

 

「…なぁフラッシュ」

 

「はい?」

 

「お父様とお母様はなんて?」

 

「若い頃の私達にそっくりだそうですよ」

 

「……そう言えばお母様はウマ娘だったな…で、今どちらもマイスターか」

 

「はい」

 

「そっくりたって。俺、ケーキを作ったことすらないぜ?」

 

「そういう意味ではありませんよ。今の状況がそっくりだと言う意味です。…それに、あなたにその気があるならばドイツでマイスターの資格を取得しても…」

 

「……俺はしばらくトレーナーでいることにするよ」

 

「ええ、わかりました。…ですが形は違えど。結局、私達が目指す所は…」

 

 フラッシュは一度運転席と助手席にいる夫妻に目を向け…次に、あはたもいずれああなるんですよ、と言わんばかりに笑顔でこちらに振り向いた。

 

 ……もう予定調和じゃん、これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 車に揺られて数時間。夫妻と俺とフラッシュは家に到着し……俺はまた頭が上がらなくなるようなおもてなしを受けた。

 

 家に到着しお母様とお父様の用意した料理…まぁ、ケーキだが。椅子に座って机の上の皿に置かれたそれを食べた。…そこでちょっとしたことを俺は思い付いた。別に俺とフラッシュの仲だし大丈夫だよな。フラッシュ夫妻も俺らを何故かリビングに二人っきりにして家のどこかに行っちゃったし。

 

「なぁフラッシュ」

 

 俺はケーキを一口サイズに切り分けながら…。

 

「はい?」

 

「口開けてくれよ」

 

 フラッシュにそう言った。

 

「えぇ?」

 

「フラッシュの言葉を借りるなら…仲の良い男女は食べ物の食べさせ合いをするのが一般的なんだよな」

 

「あ、あぁ……」

 

「だからほら、俺ら仲いいじゃん」

 

 切り分けたケーキをフォークで刺し…フラッシュに差し出す。

 

「…ぁ…ぁー…ん…」

 

 フラッシュは口を少し大きめに開き…フォークをフラッシュの口の中へ入れ、フラッシュはフォークを唇で包んでケーキを食べた。

 

「………」

 

「美味しい? ……っつか、そりゃ美味しいよな、フラッシュのお父様とお母様が作ったんだし」

 

「………」

 

「……フラッシュ?」

 

 フラッシュは何故か右手人差し指を唇に当てている。

 

「フラッーシュ?」

 

「はっ………す、すいません。…これ…は…」

 

「ん?」

 

「いえ……」

 

「そう」

 

「…………」

 

 すると、フラッシュはチラッと俺を見て…自分の分のケーキを切り分け始めた。そして俺と同じようにフォークに切り出したケーキを刺して、俺に差し出した。

 

「…トレーナーさんも、どうぞ」

 

「おう、ありがとう。あーーー」

 

 バクッ、と俺は特に何も考えずケーキを頬張った。

 

 美味しい物はいつ食べても美味しいね…。

 

 これを境に俺とフラッシュはケーキを食べさせ合いっこして…ケーキを平らげた。…フラッシュ夫妻に見られてたら恥ずかしいな…。

 

 

 

 …俺はドイツに永住することになるので、晩飯の後はとりあえずフラッシュに二階に上がって貰い…いつの間にかリビングに戻ってきていた夫妻と今後の予定について話し合った。

 その結果家には必要なだけ滞在しても良い、フラッシュが引退するまでは専属のトレーナーでいる、永住権取得の際には力になる、ドイツ語も教える、という事になった。

 

 ……滞在する場所がフラッシュ家で良かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドイツ滞在一週間……いや、永住一週間目だな。この一週間の間に色々な事をした。まず荷物整理をして…ドイツトレセン学園に再就職と言う体で仕事に就かせてくれないかと連絡をし、面接日を決めて貰い…ちなみにトレーナーの再就職率は100%なんだそうな。次にドイツの大使館へ行きビザを取得し…最後にドイツから日本にいる友人、家族に手紙を送った。

 

 色々ありましたが俺は元気です。

 

 そして今は…フラッシュの部屋で同じ勉強机に向かいながら、一足先にドイツトレセン学園に転入したフラッシュにドイツ語を学んでいた。

 

「フラッシュ、ウムラウトの発音って…」

 

 一週間で覚えられる言語なんて高が知れている。俺はとにかく基礎の基礎をフラッシュに教えてもらっている。ペンとノートを持って外国語の勉強とか大学以来だわ…。

 

「はい、発音はそのような感じです。それを英語に混ぜて発音すると……」

 

「ふむふむ」

 

「じゃあ女性名詞と男性名詞は……」

 

「はい、その認識で間違いありません。これにドイツ語は中性名詞も追加されます」

 

「なーんだそりゃ」

 

「それを今から……」

 

 こんな具合だ。

 

 そしてドイツ語学習を開始して一時間後…。

 

「ではトレーナーさん。今までの文法を組み合わせて私が適当なドイツ語を発音します。それに続いてください」

 

「おう」

 

「では私を見てください」

 

「うん」

 

 フラッシュに言われた通りフラッシュに顔を向ける。

 

「行きます。Ich liebe dich」

 

「Ich liebe dich」

 

「もう一度。Ich liebe dich」

 

「Ich liebe dich」

 

「はい、お上手ですよ、トレーナーさん」

 

 フラッシュはパチパチ、と軽く手を叩いた。

 

「Ich liebe dich,Ich liebe dich……ねぇ。フラッシュと比べると発音が拙過ぎるわ…」

 

「日本語は巻き舌の発音や有気音がありませんからね…。日本人の方が英語を忌避する理由です」

 

「ふーん。所でさ」

 

「はい」

 

「このIch liebe dichってどういう意味?」

 

「これは愛していると言う意味です」

 

「………………」

 

「………………」

 

 …俺は何度フラッシュの掌で踊らされ続けりゃいいんだ?

 愛している……うん。そうか……うん。

 

「……あなたの口から…一度も聞いた事が無かったので」

 

「……フラッシュ」

 

「ぁっ」

 

 机に置かれていたフラッシュの右手に俺は右手を重ねる。

 

「フラッシュ、好きだ。凄く。かなり。とても」

 

「あっ……ぁ……わ、私、も。あなたが…好きです。大好きです」

 

 フラッシュは目と耳をパチパチさせながらすこーしずつ頬を紅潮させていった。

 

 ……もう、言った方がいいだろ。さんざ…フラッシュを待たせし。温泉旅館の時から、既にわかってただろ、俺。

 

「…変なタイミングですまん」

 

「いえ……言っていなかっただけで、ほとんどのそのような関係でしたから…ふふふっ…」

 

「温泉旅館の時に、ハラを決めてたら」

 

「いいんです、いいんです。これで…」

 

 右隣にいるフラッシュは俺の腿に右手を置き…するりと撫で…尻尾を腰に巻き付けた。俺はそのフラッシュの腰に右腕を回す。

 

 

 

「……また、新しい予定ができてしまいました」

 

 

 

「フラッシュといれば予定は尽きなそうだなぁ」

 

 

 

「…それは…とても、素敵な事だと思います」

 

 

 

「俺もそう思う」




 フラッシュ編、トレーナー視点はこれにて完結です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 フラッシュは巧者なのでトレーナーは無事で済みました。

 次回からはフラッシュ視点開始です。
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