異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
原作のチートスレイヤーに出てくるベストナインの中に、「ルーパー」って通り名のヤツがいますよね?
あの「ルーパー」って通り名を見たときに私は、パピプリオのパートナーしか思い浮かびませんでした。
そのせいで、「え?このキャラのどこにパピプリオ要素があるんだろう?」「パピプリオのどこになろう要素があるんだろう?」と数日間ずっと考えていました(実話)。
他のベストナインの通り名が露骨過ぎたせいで、「ルーパー」だけずっと謎のままでしたね。
同じ人います?私だけなのかなぁ?
パピプリオ自体知らんわ、という人はググって下さい。何のキャラかすぐに分かります。
ちなみにこの作品のキャラクターにパピプリオ要素は無いです。
リュートはこの間、キッチンの陰にじっと隠れていた。スパノの能力を考えると、うかつにゴーギャンに加勢することは出来ない。彼は地下室での魔女の言葉を思い出していた。
「スパノ=ヤナティンの特殊能力、『
地下室にて、魔女はリュートに説明を始めた。
「塩分っていうのは簡単に言うなら塩のことだ。人間が生きていくためには塩分が欠かせない。だがその塩分も摂り過ぎれば毒になる。人間の塩分の致死量は個人差があるが、大体体重1キロに対して0.5~5グラム…つまり自分の体重の2000分の1から200分の1程度だ」
リュートには魔女の言っていることの半分以上が理解できなかった。
「ふーむ、難しかったか?もっと簡単に言おう。料理に塩が使われていることくらいは知っているな?お前が普段口にしている塩は、摂取しなければ人間は生きていけないが、摂り過ぎると逆に死んでしまうものだ。何事も適切な量が大事だと言うことだ」
この説明ならリュートにも理解できた。
「で、その塩だが、小さいスプーン一杯くらいの量なら食べても死なないだろう?ところがスパノに能力を使われるとそのくらいの量でも死ぬようになってしまうんだよ。で、塩っていうのは生きていくために必要なモノだから、常に体の中に
魔女の噛み砕いた説明のお陰でリュートはスパノの能力の恐ろしさを理解することが出来た。
「そんなの…どうやって戦えば良いんだ?」
「速攻でヤツの心を揺さぶるか、見つかっていない状態で心を揺さぶるかだな。幸い私の『
ルイとは違い、目視されるだけで発動される能力。ルイのようにはいかないことがリュートにも理解できた。
「リュート、お前はゴーギャンがスパノを無力化出来なかった時の第二陣だ。スパノに見つからないように隠れていろ」
魔女が言った。
スパノはクックックという笑いを止めない。ゴーギャンもうずくまったまま声を発しない。
「言っとくが我慢はするべきでは無いゾ。俺の能力は
スパノは完全に意識をゴーギャンに集中させている。今がチャンスだとリュートは思った。
「そこまでだ!
リュートは物陰に隠れたままそう叫んだ。
「な…まだいるのかヨ」
スパノが
「お前は自分の嫌いなヤツを
「て、てめええええええぇぇぇェ!!」
リュートの罵倒にスパノが怒りの声を上げる。リュートの言葉にいくつも
「そいつを嫌いになった理由が可愛い女の子と仲良くしていたのが気に食わなかったかららしいな?さっきから聞いてれば、自分は『他人を苦しめる人間』だって言っていたじゃねぇか!?そんな陰キャが周りから好かれるわけないだろ!そんなことも分からないなんてお前はどこまで馬鹿なんだ!?」
「さっきから言わせておけバ!!どこダ!?出てこぉイ!!」
スパノは十分に心を乱している。リュートは剣を構えて物陰から飛び出した。
「な…お前はあの村にいタ!」
スパノが声を上げる。次の瞬間、リュートはその場に倒れこんだ。
「は、はは、『
スパノはリュートに近づく。リュートは苦しそうに口を開く。
「なぜ…俺の村の…人々を殺した?」
「はァ?なぜってお前、簡単なことだヨ。
リュートの村が滅びたあの日、ルイ=ジュクシスキー、スパノ=ヤナティン、
「終わりましたね、ルイさん、スパノさん」
「今回も楽なもんだったナ」
「楽すぎてつまらないですがね」
魔人討伐が終わり、ギルドへと帰還しようとした時にルイが唐突に言った。
「二人は先に帰ってギルドに報告してきて下さい。俺はすこし
「?トイレくらいなら待っていてやるヨ」
「いいですって」
ルイはそう言って走り去ってしまった。
しばらくしてもルイは戻ってこない。
「遅いネ」
「そうですね…って、ルイさんの言う『もよおす』って言葉通りの意味じゃ無いですよ、スパノさん!恐らくあいつは…」
二人はルイを探しに行った。
しばらくした後、少し遠くの方で大きな火柱が上がり、爆発音が聞こえてきた。
「ちっ、しまっタ。立花亭行くゾ」
「もうっ、しょうがないゲスヤローですね!ルイさんは!」
二人は爆発のあった方へ向かった。
村の中はすでに死屍累々であった。燃える
「おいルイ!いないと思ったらこんなとこでサボってんのカ!」
「ルイさん、あいかわらずクズですね!」
「いやー、この村ではこの女が一番の当たりでしたね。いい感じにたるんだ肉がたまりません!」
「けっ、始末は自分でしてほしいものだネ」
三人でこのような会話をしていた時、スパノはふと、ルイの近くに倒れている一人の少年の屍に目を向けた。体が一瞬動いたように見えたからだ。しばらく注視していたが、その後は動く気配が見えなかった。もし生きていたなら近くのルイが気付くはずだと考え、スパノは目線を外した。
スパノと立花亭はルイのしている行為を見るのが嫌になり、彼から離れた。
「なんであの人はああいう非人道的行為をやめられないんですか!頭のネジが半分以上取れているんじゃ無いですか!?」
「まったくだネ」
燃えさかる村の中を歩きながら愚痴をこぼす立花亭にスパノは同意の意を示す。
「あいつの暴挙を報告しなきゃいけないじゃないですか!マウントールさんにルイさんのこと報告すると、すごく嫌な顔するんですよ!」
ここで、スパノはあることが気になり、立花亭に命令をする。
「おイ。お前は先に帰還して報告を済ませてこイ」
「え~!!スパノさんは?」
「俺は…あいつのお
立花亭は文句を言いつつ「ワープゲート」でギルドに帰って行った。スパノはそれを見届け独りごちる。
「あいつは人殺しを嫌うからネ。こっから先は見せられないヨ」
スパノは倒れている屍に触れながら息があるかを確認して歩く。マウントールの発言を思い出しての行動だった。
その日、マウントールはベストナインの会合でこう発言をしていた。
「いいかい。私たち『神の反逆者』の使命は魔人を討伐し、人々を魔王の脅威から守ることだ。罪の無い人々の虐殺など言語道断だ!」
そう宣言した後、彼は少し声のトーンを下げてこう続けた。目線は誰か特定の人物達に集中させているようだった。
「ただし、仮にの話だが…もし
ルイがそんなことを思い出しながら村の見回りを続けていると、倒れていた一人の男性が動いていた。スパノは男性のそばに近寄る。彼は頭から血を流していた。
「おい、生きているのカ?」
「あ…あなたは…スパノ…ヤナティンさんか?」
「そうだヨ」
「た…助けてくれ…、ルイ…ジュクシスキーさんが…突然……」
「あア。助けてやるとモ」
そう言うとスパノは男性に『
「ぐ…ぐああああぁぁぁ……!」
男性は苦しみながら息絶えた。
「クックック、
「な…なに…?」
リュートが苦しそうに言う。
「お前もアシバロンの手下だナ?未だに
そう言いながらスパノは腰に差した剣を抜こうとした。
次の瞬間、リュートは立ち上がり、スパノの足を素早く切りつける。スパノの体から左足が離れ、バランスを崩したスパノがその場に倒れる。
「な……ぎぃやあああああああああああああぁぁぁぁぁァ!!!!」
左足を失ったスパノがあまりの痛さに悲鳴を上げる。リュートは剣をさやに戻しながらスパノを見下す。
「やっぱりお前は馬鹿だな。俺の苦しんでる演技すら見抜けないなんて。今までもその能力で人を殺してきているなら、俺の苦しみ方がおかしいことくらい分かるはずだ。お前にとっては、自分の能力で苦しんで死んでいく人間なんてどうでも良かったんだ。あと、『監視カメラを潰す』とか言っておきながら結局俺っていう
そしてリュートは傍らで起き上がる人影に言った。
「後は任せます、ゴーギャンさん」
その言葉を聞き、ゴーギャンはスパノの胸元にまたがり、彼の首を掴んだ。
「これは…ルルの分!」
バキィッ、という音を響かせながらゴーギャンの拳がスパノの左の頬に炸裂した。
次で第二章は終了です。
スパノの特殊能力「
仲間思いのツンデレ「