異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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 最初に、読者の皆さんに伝えたいこと、というかお詫びがあります。それは「ルイ=ジュクシスキーの元ネタ」についてです。 

 コメントの方に書いてしまったので、ここでルイ=ジュクシスキーの元ネタについてお話しします。

 ルイの元ネタなんですが、実はベストナインのメンバーで彼だけは特定の作品が元ネタになって無いんですよね。
 深井戸指数の話を第2話の後書きでしたと思うのですが、ルイ=ジュクシスキーは、原作のルイに「作者や作品に関わらず、私にとって深井戸指数が高い作品群の共通点」をぶち込んで出来たキャラなんです。なので、ルイの元ネタを強いて上げるなら「私の深井戸指数が高い作品群の共通点」が元ネタです。
 本当のことを申しますと、ルイ=ジュクシスキーは原作のルイ成分がキャラ全体の八割を占めています。なので、彼の行動は原作とほとんど同じなのです。

 じゃあなぜ、ルイ=ジュクシスキーに元ネタの作品があるかのような発言を今までしていたのかというと、読者の皆さんにベストナインの元ネタ予想を楽しんで欲しかったからです。

 結果的に読者の皆さんを(だま)す形になってしまったと思い、反省しております。申し訳ありませんでした。

 他のベストナインのメンバーには元ネタの作品がちゃんとあります。キャラの名前を見れば分かる人には分かると思います。しかし序列3のアルミダ=ザラだけは、キャラが元ネタとあまりに似すぎてしまったために、名前を極限までぼかしているので名前を見ただけでは分かりにくいと思います。外見や言動から想像して下さい。

 というわけで、本編スタートです。今回はベストナイン視点の物語です。


第三章 「Mr.土方」襲来 その2 「報告」

スパノ=ヤナティン死亡日の翌日 王都 「神の反逆者」ギルド

 

 この日の朝、ベストナイン全員に朝のミーティングへ必ず出席する(むね)の通達が届いた。各メンバーは朝の支度を済ませ、会議室へと向かった。

 

 会議室には序列1のマウントール=フランスと序列4の米沢反死(よねざわはんし)が誰よりも早く来ていた。

 いつも一番に会議室に来る序列2のアシバロン=ボーナスは、自分より早く人が来ていることを珍しく思ったが、二人の様子を見て大体の内容を察した。米沢は明らかに憔悴(しょうすい)していたし、マウントールの「Bonjour.」の挨拶をした時の顔も(こわ)ばっていた。アシバロンは自分の席に座り、誰がやられたのかを予想しながら他の者の到着を待った。

 その後は序列6のギットス=コヨワテ、序列7の立花亭座個泥(たちばなていざこでい)、序列8の御手洗幼子(みたらいようこ)が到着し、最後に序列3のアルミダ=ザラが文句を言いながら入室してきた。

 

「全くもう!朝くらい個人の自由にさせてほしいわね!」

 

「Je suis désolé.ああ、フランス語で『すまなかった』と言ったんだ、アルミダ。今日はどうしても来てもらう必要があったんだ。とりあえず座ってくれ」

 

マウントールのフランス語を交えながらの弁明がいつもより真剣だったので、アルミダはそれ以上は何も言わないで席に座った。

 アルミダが席に座ったのを確認し、改めてマウントールが挨拶をする。

 

「Bonjour.皆、朝から全員招集なんてして悪かったね」

 

「全員って…」

 

 ギットスが気怠(けだる)そうに口を開く。

 

「スパノがまだだよな?」

 

「馬鹿が。ギットス、お前まだ気付かないのか?」

 

アシバロンが呆れたように言う。

 

「マウントールの様子、全員招集の通達、スパノの欠席。答えは明白だと思うがね」

 

 アシバロンの言葉を聞き、ギットス以外の全員が状況を理解する。「ふーん」と言い楽しそうな顔をするアルミダ。「うそ…」と言ったきり絶句する立花亭。恐怖を顔ににじませる御手洗。

 

「とりあえず、リーダーである私から正式に発表するとね…。スパノ=ヤナティンが昨日殺された。監視をしていた米沢からの情報だ」

 

 御手洗と立花亭が悲鳴を上げる。「そういうことだったのか…」と表情を崩さす(ひと)()つギットス。憔悴(しょうすい)したままの米沢。アルミダとアシバロンは静かに笑っていた。ルイの死体発見時は、想定外の事態に困惑していた二人だったが、今はどこか楽しげな様子を隠そうともしない。

 

「皆それぞれ言いたいことはあると思う。だが死体の確認をする前に、スパノが殺されたときの状況をこの場で整理したい。現場に行った後では混乱するだろうからね」

 

マウントールは昨晩に米沢からの報告を受けた後、どのように話を進めるか(あらかじ)め予定を立てて朝のミーティングに(のぞ)んでいた。

 

「米沢、その時の状況を話せるかい?」

 

「だ、大丈夫」

 

 マウントールの要請を受け、米沢が昨日のスパノの様子を語り始める。ノイワ村で開催されたパンの直売イベントに向かったこと、直売会終了後に小屋へ連れて行かれたこと、小屋で待っていたゴーギャンという名の大男がスパノに因縁を持っていたらしいこと。

 

「そのゴーギャンってヤツがスパノの転生前について語り始めるんだ。『スーパー』とか『陰キャ』とかこの世界に無い単語を使ってた…。これって変だよね?」

 

「米沢の言うゴーギャンって男のことを知っている人はいないかい?情報が欲しいんだ。知っていたってだけで犯人扱いするような真似は私がさせないから、知っている人がいるなら正直に言って欲しい」

 

 しかし、マウントールの求める情報を持っている者は誰もいなかった。マウントールは米沢に先を(うなが)した。

 

「その後、スパノはゴーギャンを『致死塩分量(デスディーリングソルト)』で黙らせるんだ。スパノは言うんだ。『俺の過去はマウントールとアシバロンしか知らない。マウントールは味方殺しを嫌がるから犯人はアシバロンだ。お前はアシバロンの手下だろ』って」

 

「おいっ!!」

 

アシバロンが怒りの声を上げる。全員がアシバロンを見ていた。

 

「本当なんだあぁ!本当にそう言ってたんだあぁ!!」

 

「アシバロン、私はお前を疑っていない。だが確認のために聞かせて欲しい。本当に身に覚えは無いんだね?」

 

「当たり前だ!だいたいスパノから勝手に過去を語ってきたんだ。それで犯人扱いされたんじゃたまったもんじゃない!スパノめ、どこまでも勝手なヤツだ」

 

アシバロンは激怒した。その様子を受け、マウントールが続ける。

 

「スパノが自分の過去を私に話していたのも本当の話だ。だから疑われるなら私も疑われて当然なんだ。アシバロンだけを疑ってはいけない、いいね?米沢、続きをお願いできるかい?」

 

 米沢は頷き、続きを語り始める。

 

「そしたら、隠れていた別の男が急にスパノの過去について語り始めるんだ。『パン生地に仕掛けをした』とか『監視カメラを忘れて全部バレた』とか。そして『お前は小学生以下の馬鹿だ』って(ののし)り始めるしでもう意味が分からないんだ。この世界に無い単語ばかり言うんだもん」

 

「その男が言っていたことは、確かにスパノが語ってくれた過去の内容と同じだ。アシバロン、君に語っていた内容とも合致しているかい?」

 

「ああ、間違いないな」

 

マウントールの質問をアシバロンが肯定する。

 

「それで、そいつがスパノに姿を見せて、で倒れたから『致死塩分量(デスディーリングソルト)』が効いたと思ったんだ。けどそうじゃなかった!そいつは苦しんでる真似をしただけだった!そいつには『致死塩分量(デスディーリングソルト)』が()()()()()()()んだ!」

 

米沢が興奮したように叫ぶ。

 

「それで、そいつが()()()()でスパノの足を切断して、それでスパノはゴーギャンに滅茶滅茶に殴られて、抵抗も(ほとん)どしないまま殺されちゃった」

 

「ルイの剣!?」

 

 皆が困惑の声を上げる。

 

「私も米沢に確認したよ。確かにそいつが持っていたのはルイの剣だったそうだ。今思えば、ルイの死体の(そば)には剣が無かったな。うっかりしていたよ。ルイを殺したのも彼らで間違いないだろうね」

 

マウントールが悔しそうに言う。

 

「スパノが殺された後、もう一人隠れていた女が出てきた。その女は『魔女』って呼ばれていた。確かに服装は魔女そのものだったよ。ルイの剣を持ってた男は『リュート』って呼ばれていた。小屋にいたのはこの3人だけだったよ」

 

「念のために聞くけど、魔女やリュートについて何か知っている人はいないかい?」

 

再びのマウントールの質問だが、やはり知っている人はいなかった。

 

「スパノを殺した後の3人の会話はよく分からなかったよ。『何で私は駄目だったんだ』『言い方だ。相手の心を乱すには言い方が重要なんだ』って会話をして、それで終わりだったよ」

 

「米沢はここまでの様子を()()()()ために一旦戻ったんだ。だからそれ以降の彼らの足取りは掴めていない。今、米沢が捜索中だよ」

 

マウントールが米沢の報告をまとめた。それからは誰も口を開かなかった。皆、米沢からの報告に含まれる多くの謎に混乱している様子だった。

 マウントールが膠着状態(こうちゃくじょうたい)を打破すべく口を開く。

 

「米沢の報告における主な謎は三点だ。『彼らは何者なのか』『なぜスパノの過去を知っていたのか』『なぜスパノは抵抗出来ずに殺されたのか』。後は『相手の心を乱す』って発言も気になるね」

 

「自分の過去はキャバクラとかで話してたんじゃないの~?スパノンめっちゃキャバクラに通ってたし」

 

「それはあるかもしれないね。ただ、スパノは自分の過去を当てられて困惑していたらしいんだ。それに、彼の過去は結構恥ずかしい内容でね。少なくとも女性に好かれるために話す内容じゃ無い」

 

マウントールが御手洗の意見に対して反論をする。

 

「スパノは能力を封印されたんじゃない?何らかの魔法で」

 

「さすがだねアルミダ。私も同じ意見だよ。抵抗できなかったのは『能力が効かなかったから』じゃなくて『能力を封じられたから』だろうね」

 

マウントールがアルミダの意見に賛同する。

 

「だったら、私には()()()()じゃな~い!」

 

「自分さえ良ければそれでいいんですか?アルミダさんのそういう所、本当に最低ですね」

 

 立花亭の毒舌を受け、アルミダの顔に怒りの色が浮かぶ。しかし彼女の口調には、なぜかいつものキレがなかった。

 

「どうしたんだ立花亭?元気が無いじゃないか」

 

ギットスが尋ねる。

 

「いつもは誰よりもニブチンなのに何でこういうことだけ気がつくんですか。あんた一体どういうアンテナ張ってるんですか」

 

「だがギットスの言うとおりだ。何か心配事があるのかい?」

 

 マウントールの心配そうな声を聞き、立花亭は重そうに口を開く。

 

「いえ…、確定ではないんですが…、次に狙われるのは私なんじゃないか…と」

 

「どういうことかな?」

 

「数日前に、私とルイさんとスパノさんの三人で魔人討伐に行ったんです。その帰りに、ルイさんがいつもの暴走を…」

 

「その報告は覚えがあるよ。君が報告に来てくれたね」

 

「ルイさんがその村で殺されたのはそれからすぐでした。私には、あの日滅ぼされた村の人が関わっているように思えるんです。だからルイさんを殺してアイツの剣を手にいれ、次はスパノさんを殺して、その次は…」

 

 立花亭はその後の言葉を言わなかった。

 

「ビビってるんですかァ?」

 

 声を上げたのはアルミダだった。先程の仕返しとばかりに立花亭を挑発する。

 

「あっごめんなさいね~、わざわざこんなこと聞いちゃって。聞かなくても良かったわよね~。明らかにビビってるものね、『次に殺されるのは自分だ』って。あ~弱くてかわいちょ~!」

 

「Il n'est pas chez lui.」

 

マウントールの声で場が静まった。

 

「フランス語だったから分からなかったかな?いい加減にしろ、と言ったんだ」

 

「チッ。分かったわよ」

 

アルミダはそれ以上の挑発をしなかった。

 

「とりあえずスパノの死体を見に行こう。私もまだ確認してないんだ」

 

 マウントールはノイワ村への「ワープゲート」を開いた。




 やっぱりベストナインの会話書くの楽しいですね。キャラが勝手に喋ってくれるってこういうことなんだな~と思います。
 まぁそのせいで長くなってしまって、一話で収まらなくなってしまったのですが。
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