異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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 投稿が遅くなってしまい、楽しみにして下さっている方には申し訳ないです。

 投稿が遅くなっている理由ですが、この所続いている暑さが原因です(社会じゃ通用しない言い訳)。
 なるべく矛盾が起きたり後で直しが入ったりしないよう、毎回丁寧に話を作っているのですが、暑いと集中力が失われ、進みが一気に遅くなります。朝は暑くて起きてしまうので夜更かし出来る時間も限られてしまいます。
 しかも暑さが収まる気配がないので本当に困り果てております。「めっちゃ寒い環境」なら上記の問題が起きず、ストーブの前で書けばOKなのに。

 私としても読者の飽きが来ないよう頑張って執筆しておりますので、よろしくお願いします。


第三章 「Mr.土方」襲来 その3 「三者三様の厄介さ」

 ここは一体どこなのだろう。分かることと言えば「人間が存在する世界ではないこと」くらい。謎の空間に存在する(やかた)の一部屋。

 部屋の中には老人が一人と白髪の美女が一人。

 美女が老人に話しかける。

 

「神様、本日の転生者の魔人討伐状況です」

 

「うむ、ご苦労」

 

 老人が美女から渡された資料を受け取り、目を通す。

 

「うむ、分かった。ご苦労じゃったな」

 

「…神様、失礼ながらお話ししたいことが」

 

「ハァ……。…何じゃ」

 

 美女が資料に目を通し終わった老人に声をかける。老人は話をするのが心底嫌だという風な反応をするが、美女は会話を押し進める。

 

「人々を殺している転生者の処分について…」

 

「またかの。もう何十回と聞いたぞ」

 

「まだ9回目です」

 

「正確な回数などどうでも良いわ」

 

 老人が怒りの声を上げる。声だけ聞けばさほど怒っているようには思えないが、それは老人が「神としての余裕」を持っているからであり、彼は確かに怒っていた。

 

「どうせ、『人を殺すような転生者は処刑すべき』、『これからはもっと慎重に転生者を選ぶべき』じゃろ?」

 

「その通りです」

 

「本当にしつこいのう」

 

 老人は(あき)れの感情を隠さない。

 

「以前に『次は無い』と警告したんじゃがの」

 

老人は静かながらもハッキリと言葉を口にした。

 

「神様が納得して行動に移して下さるのなら、私はそれで構わないのです!」

 

「お主の考えなどどうでも良い」

 

老人は美女の訴えをはねのける。

 

「前にも言ったはずじゃ。転生者を選ぶために最も重要なことは『すぐに決断してくれること』じゃと。自分が死んだことや転生のシステムに対する文句(クレーム)をワシに言ってくるような人間の相手は疲れるし、何よりも時間の無駄じゃ。転生者は魔人を討伐してくれるのなら、少しくらい性格が曲がっていても構わないのじゃ」

 

「ですが現に力を得て増長し、罪の無い人を平気で殺している転生者は存在します!もっと慎重に選定して下されば…」

 

「ワシとて転生前から人殺しを楽しんでいるような人間は選定しておらん!力を持った人間がどうなるかなど、力を持たせなければ分からんことじゃ」

 

「そんなことは…」

 

「黙れ」

 

老人が机を拳で叩いて怒りを(あら)わにする。

 

「転生者に殺される人間より転生者に命を救われる人間の方が遙かに多いのは事実。この事実が揺らがん限り、ワシの間違いでは断じてない!」

 

老人はきっぱりと自分の間違いを否定した。

 

「さ、お主はワシの警告を無視したんじゃ。覚悟は出来ているのじゃろうな」

 

「神様が考えを改めて下さるのなら、私はどんな目に遭おうと構いません」

 

「なぜワシが考えを改める前提で話をしておるのじゃ!お主の方がよほど増長しておるのではないか?」

 

老人が(あき)れ果てる。

 

「お主に罰を下す。お主を()()()()()()()。もう二度と、ここへは戻って来れん」

 

「なっ…!」

 

 美女が驚きの声を上げる。

 

「そんなに人間どもが心配なら下界に行けば良いのじゃ。ワシももうお主の顔を見なくて済む。万々歳じゃろう」

 

老人が納得したように言う。

 

「ワシからの最後の情けじゃ。下界へ落ちたお主は本来、『世界の(ルール)に反した例外(イレギュラー)』となる。ワシはいつでも天使を派遣してお主を殺せる。が、それだけはしないでおいてやろう。後は好き勝手に生きるが良い」

 

「お待ち下さいっ!私は…私はっ!!」

 

 

 

 

 

「……はっ!!」

 

 魔女が目を覚ました。彼女のいる場所は、地下室の女性陣の寝室。

 寝覚めの悪い朝だった。もう何度この夢を見ただろう。その回数は数えていなかった。

 

「おはようございます。大丈夫ですか?」

 

ケイルが魔女に声をかける。

 

「ああ…、おはようケイル。いつもの夢を見てしまってな…」

 

「また『下界追放』の夢ですか?お気の毒ですね。眠気覚ましのコーヒーはいかがですか?」

 

「ああ、ありがたく頂戴しよう」

 

 魔女は素直にケイルの厚意を受け取った。

 

 

 

 

 

 祝賀会の翌日。朝食後の地下室では「テンスレ」の今後について話し合うミーティングが行われた。

 

「さて、次のターゲットについてだがね…」

 

魔女が重たい口を開く。

 

「実はまだ決めかねているんだよ」

 

 リュートにとって意外な言葉が魔女の口から出てきた。彼は思わず魔女に尋ねた。

 

「どうしてだ?誰が相手だろうと今まで通り『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』で能力を封じれば良いんじゃないのか?」

 

「ハハハ、なるほどな。確かにお前ならば、今までの状況からそう思っても不思議ではないな。だが、現実はそう甘くないんだよ」

 

魔女がリュートの質問に答える。

 

「まずは状況を整理しようか。残りの復讐対象は、序列4の米沢反死(よねざわはんし)、序列3のアルミダ=ザラ、序列2のアシバロン=ボーナスの三人だ。この三人だが、なかなか厄介(やっかい)な相手だらけでね」

 

「どういうことだ?」

 

「その説明をする前に、なぜ神が転生者をこの世界に送るのかを理解する必要がある。少し長くなるぞ」

 

 魔女はリュートに、神が転生者を送る理由を説明した。

 

「というわけで、魔人討伐を行わない転生者は天使によって処刑される。だがすぐに殺されるわけでなく、事前に天使による警告が行われる。『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』はその際に逆上した転生者に返り討ちにされないための魔法だ。本来は何の制限もなく発動出来るのだが、私の場合は追放された際に制限がかかってな。転生者を気軽に無力化出来なくなってしまった」

 

魔女が自嘲気味に言った。

 

「さて、本題の復讐対象三人の()()()についてだ。まずはアルミダ=ザラだが、彼女の場合は彼女固有の特殊能力が厄介だ。彼女の特殊能力は『魔力変換機能(マジカルコンバーター)』と「魔力貯蔵庫(マジカルストレージ)』の二つ。この二つの能力(チート)であらゆる魔法を使いこなす、魔法のスペシャリストだ」

 

「まさか、『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』を打ち消す魔法を使う、とか?」

 

「その()()()だ。『オールマジックキャンセル』という魔法がある。()()()()()()の最上級魔法で、あらゆる補助魔法の効果を無効化する。回復魔法を含めた自分に有益な補助魔法まで効かなくなる、という弱点はあるがな」

 

最悪の予想が当たってしまった、とリュートは思う。

 

「本来、歴史に名を残すような強力な魔法使いしか使用出来ず、発動状態の維持にも膨大(ぼうだい)な魔力が()るのだが、アルミダは自分の能力(チート)でこの魔法を常に発動している状態にある。これがやっかいなのだ」

 

アルミダには『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』が効かない。リュートの予想が甘いものだったことを知る。

 

「次にアシバロンだが、彼の場合は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだよ。彼の転生前は『能力も成果も無いのに不満を抱くのだけは達者な社畜』に分類されるんだが、彼は『自分の転生前の行動や考え方には何一つ間違いが無かった』と強く信じている。どれだけ他人が言い聞かせても無駄なのさ」

 

 我が生涯に一片の悔い無し、と言うやつだろうか。これではルイやスパノのように過去を言い当てても動揺させることが出来ない。

 

「じゃあ、戦っている間にアシバロンの心を揺るがせば…」

 

「そうするしかないな。だがヤツは強靱な心も持ち合わせている。憎たらしいことに()()()()だよ。そう簡単にはいかないだろうな」

 

 対処法はあるが厳しい。彼もまた、簡単には手を出せない相手だった。

 

「最後に米沢反死(よねざわはんし)だがね。彼の場合は()()()()()()()()()()()()んだよ」

 

「は!?どういう意味だよ?」

 

「まぁそうなるよなー。俺もそう思ったし」

 

 困惑するリュートにジモーが横から口を挟む。

 

「リュート、お前の気持ちは分かるよ。だがね、私の調べた限り、彼の情報は()()()()()()()()()。私の調べ方が悪かったのではないぞ?彼以外のあらゆる転生者の『転生前』や『能力の詳細』を調べることが出来たが、彼の情報()()が調べても判明しなかった」

 

リュートは息を呑む。ひたすら不気味だ。米沢本人がいるわけでも無いのに冷や汗が出てきた。

 

「もう一つ、彼の場合は()()()()()()なんだよ。彼の襲った後の村は命が一つも残らない。私も長いこと生き残りを探したが、メルクリオ以外は見つけることが出来なかった」

 

「メルくんの場合は襲われ方も例外的だったのですわ」

 

 リンが補足を始める。

 

米沢反死(よねざわはんし)の村の襲い方は『大量の虫に襲わせる』方法で、このやり方では骨しか残りませんわ。でもメルくんの村の場合は、()()()()()()()()()()()()()()がいくつかありました。わたしが来たときにはメルくん以外全員駄目でしたけど」

 

リンが悲しそうに言う。全員が包帯だらけのメルクリオを見ている。当の本人は今は眠っているようだ。

 

「神にも聞いたんだが、何も教えてくれなくてね。前にも話したけど、私が『転生者が魔人討伐を行っているかどうか』以外のことを気にしているのは異常なことだったからね。米沢に関して分かっていることと言えば、虫を使役して戦うことくらいだ」

 

「で、でも『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』が効かないと決まったわけじゃ無いんだよな?」

 

「確かにそうだが、何をしてくるかも分からない相手に『今まで通りの方法で大丈夫だ』と高をくくって確実な勝利を得られると思うか?」

 

「…俺がルイをおびき寄せる時の作戦は『お茶にでも誘ったらどうだ』なんて杜撰(ずさん)なものだったくせに」

 

「ぷっ、何だよそのテキトーな作戦は!」

 

 ジモーが大笑いした。周りの何人かもつられて笑っている。

 

「言っただろう?あの時のお前は単なる実験体に過ぎなかったって」

 

魔女が、過去の恥ずかしい話を蒸し返された時のようにイラッとした様子で言った。

 

「とりあえず、しばらく作戦を考える。皆もその間は魔人討伐なり修行なりで自分の腕を磨いてくれ」

 

 魔女が話を締めくくる。

 

「場合によっては『転生殺しの箱(デリートチートゾーン)』無しでの戦闘もあり得るかもしれないからな」

 




 この物語は「チートスキルを持った転生者をチートスキルで無力化してボッコボコにしてやるぜウェーイ」という単純な話では無いということです。

 次回、新キャラ出します。

 以下、作者の愚痴です。読む価値無し。





 今月の「チースレ原作者の作品が載っている月刊漫画雑誌」を読みました。
 原作者の漫画ですが、あれは作画も駄目だと思う。下手なわけでは決して無いけど、殺し合いを描いて迫力が出る作画では決して無い。少女漫画描いていた方が合ってると思う。本家や山手線バージョンや戦国時代バージョンと比べると、バトルシーンの迫力の無さは一目瞭然だと思う。
 本家だけど、さっさと第6回戦を終わらせて欲しい。「あのキャラが生き残る」ことは絶対ないでしょ。第5回戦みたいな、本当の意味でどちらが勝つか分からない試合が読みたいです。あと、新キャラは良かった。でも最後の顔芸で先月からの新キャラが一気に小物臭くなったぞ、分かっとんのか?
 あと新連載。アレ何なんだよ。どこかで見たような設定の()()()()みたいな漫画でマジでしょうも無い。具体的に言ってあげよう。「バトルロワイヤル」「復讐教室」「ありふれた職業で世界最強」「盾の勇者の成り上がり」「生贄投票」これらの作品の()()()()を食べさせられた気分だ。チートスレイヤーとは違って露骨なパクリキャラは見られなかったけど、物語の流れが完全に上記の作品のミックスでしか無い。あと分かったことが一つあって、「異世界が舞台で主人公が第1話で復讐者になる」というストーリーを、面白い作品が作れない原作者が描こうとすると、チートスレイヤーとほぼ一緒の第1話になるってこと。チートスレイヤーはパクリキャラで笑わせてもらった分、個人的にはチートスよりも面白くなかった。
 先月の新連載のメイド漫画はものすごく面白かったのにドウシテ…ドウシテ…。
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