異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
原作と違い、ベストナイン全員がクズではありません。また、クズな敵キャラも愛着を持たれる魅力的なキャラクターになるよう頑張ります(某奇妙な冒険に登場するような敵キャラになったらいいなと思う次第)。
王都。人々の王が住む城を始めとして、この世界の主要な建物がそろっている。
この世界を救う「神の反逆者」のギルドもここにあった。
「神の反逆者」は別の世界から転生してきた転生者を中心に結成されたギルドである。ギルドの中でもとりわけ強い九人の転生者は「ベストナイン」と呼ばれ、ギルドを統率している。ベストナインの下につく構成員は、そこまで強い力を持っていない転生者、転生者に憧れ転生者のしもべとなった者、腕に自信のある各地の強者、打倒魔王軍の目標を転生者とともに成し遂げようとする者等様々である。
そんな「神の反逆者」ギルド内で今ベストナイン総出での会議が行われていた。
「よく集まってくれた。『神の反逆者』幹部、『ベストナイン』の皆」
爽やかな声を上げる青年。顔も「爽やかな好青年」をイメージする整った顔立ちをしており、黒の戦闘服を着ている。重たい鎧で構成されていないその戦闘服は身軽な戦闘が出来そうである。彼の名前はマウントール=フランス。ベストナインのリーダーで序列は1、「マウンティングウォリアー」の通称で呼ばれている。
部屋には長い四角形の机。短い辺の片方にマウントールが座り、長い辺の両方に四人ずつ腰掛けている、机もテーブルクロスも燭台も、彼らが座る椅子も最高品質の物だ。
マウントールから見て左側の四人が序列2~5、右側の四人が序列6~9。それぞれ序列の高い者がマウントールの近くに座っている。
序列2の席に座っている男性は、薄いグレーの上下ジャンパーを身につけ、頭にクリーム色のヘルメットをしている。上のジャンパーには黄色の夜光反射帯が付いており、ヘルメットの正面には緑の十字。工事現場で働く作業員の作業着そのものだが、この世界にはそんな服装の作業員はいない。この異様な姿が転生者であることを十二分に示していた。
名前は、アシバロン=ボーナス。通称「Mr.
序列3の席に座っている女性はとてつもなく大柄の女性。髪はショートカットで黄土色の上着に黒のタイトスカートを身につけ、両耳にコハク製の大きなイヤリングをしている。顔の化粧は濃く、唇も厚ぼったい
名前は、アルミダ=ザラ。通称「Ms.ダブルマッカレル」。
序列4の席に座っている男性は、痩躯で全身黒の服を着ている。マウントールも黒い服を着ているが彼の場合はかっこいい印象を与える黒の戦闘服であるのに対して、この男は黒ずくめで陰気な印象を与える服装である。髪も真っ黒の天然パーマで、毛量が多いので目が隠れてしまっている。時々見える彼の目は、まるでついさっき両親を殺されたかのような、絶望に染まった目をしていた。腰にも黒一色の剣を携えている。
名前は
序列5の席に座っている男性は、リュートの村に来ていた男、スパノ=ヤナティン。
序列6の席に座っている男性は、いかにも転生者というような水色のマントと水色の戦闘服をきた中肉中背の男。特徴的なのはその表情だった。目が死んでいる。貯金箱の硬貨の投入口を思わせる精気の失われた瞳でどこか虚空を見つめているようだ。
名前はギットス=コヨワテ。通称「無自覚勇者」。
序列7の席に座っている女性は、リュートの村に来ていた女、
序列8の席に座っている女性は、水色とピンクのストライプのキャミソールワンピースを着た少女。メンバーで間違いなく最年少であり、おそらく10~12歳程度。オレンジ色の髪をツインテールにしており、口に棒付きキャンディを咥えている。
名前は
残る序列9の席にルイ=ジュクシスキーが座っていた。先刻のだらしない顔ではなく、口元にうっすらとした笑みを浮かべた余裕そうな表情だった。
マウントールは皆の顔を見た後言葉を続ける。
「改めて聞こう、『神の反逆者」の目的とは何だ?」
「ハーイ!」
マウントールの問いに御手洗が元気よく答える。
「知恵を持った魔族である魔人、その王である魔王の脅威に人類はさらされている。『神の反逆者』は魔王を倒し、この世界に平和をもたらすのだっ!」
「うん、その通りだ、幼子ちゃん」
御手洗の自信満々の答えにマウントールは言葉を返す。「正解」の判定をもらった御手洗はえっへんとばかりに胸を張る。
そのやりとりを聞いたルイは「フフフ」と笑う。
「なによー、文句あんの?ルイ」
「笑っちゃうから止めてくださいよ」
不満げな御手洗の問いかけにルイが答える。
「チート能力で労せず最強。異世界の雑魚どもを軽々ぶち殺し、名誉、金、熟女、すべて手に入れる。それ以外転生者のすることがありますか?」
「クズですね!ルイさん!」
ルイの演説に立花亭が真っ先に反応する。
「私達が皆からどう思われているか知ってます?世界を守るヒーローですよ。そんな印象を崩すような個人個人のお楽しみはこっそりとやるべきなんです。それが空気を読むってことなんです。せっかく御手洗ちゃんが模範解答を言ったのにそれを馬鹿にして自らの勝手な行動理念を恥ずかしげも無くアピールしちゃうなんて、クズで空気読めない上に
「黙れ」
立花亭の長々とした罵倒の言葉に先ほどまでの態度を崩し、机を叩いて怒りを露わにするルイ。
「文句があんなら…」
そう言いながら腰に携えた剣を抜く。
「永遠に黙らせてやろうか」
ルイは立花亭に殺意を向ける。空気が震える。
「La ferme. 」
空気が更に激しく震えたかと思うと次の瞬間水面のようにしんと静まりかえった。皆が声の方に顔を向ける。声を発したのはマウントールだった。
「あぁ、すまないね、ルイ。フランス語だったからよく分からなかったかな?『黙れ』と言ったんだ。君と同じように」
マウントールは続ける。
「最近の君の行動は目に余る。ここにいる皆が全員善人だと言うつもりは微塵もないが、君は自分の悪行を隠そうともしない。隠蔽がどれほど大変か分からないのか?そして仲間に剣を向ける愚行。いい度胸をしているじゃないか。」
ここで一呼吸置き、こう続けた。
「これ以上続けるようなら…殺すぞ」
ルイ以上の殺気。その殺気は空気を振るわせることなく、空気はどこまでも静かだった。ルイは一瞬マウントールに殺意のこもった目を向けたがすぐに笑顔になり、
「じょーだんですよ、じょーだん。ヤダなーみんなマジになっちゃって。」
そう言うと部屋を出て行こうとする。
「どこへ行く?」
「もよおしてきちゃって。心配しなくても問題は起こしませんよ」
そう言い残し、ルイは部屋を出て行った。
「あいつは何だか勘違いをしているようだな。転生したからと言って努力がいらないということはない。俺は毎日欠かさず鍛えている」
ルイが出て行った後最初に口を開いたのはアシバロンだった。
「それにあたしは転生前からすでに名誉も金も男も手に入れちゃってるし」
アルミダが続けたが、それに対しアシバロンは
「どれも豚には必要の無いものだな」
と返した。アルミダは怒りの表情を隠さず
「ホント、あたしにそう言うなめた口きくヤツは
「arrête」
序列2と3の喧嘩が始まろうとしたとき、止めに入るのはマウントールの役割だった。
「フランス語だったから分からなかったかな?や…」
「『止めろ』と言ったんでしょ?何度も聞いたから覚えたわよ」
マウントールの言葉を遮りアルミダが言う。
「何度も聞いているならいい加減自重してもらいたいものだね。さぁ、そろそろ本題に入ろう。今年の『神の反逆者』
ベストナインの会議は八人で進んでいった。
ベストナインの各メンバーは、ある共通点を持つ作品の最もイメージの強いキャラクターに様々な要素を加えて作られています。
前述した各作品を私は読んでいません(原作リスペクト?)。他のパロディや元ネタとなる要素となった作品は読んでいます。
とある業界の方々には「あなた方の出している広告はこんな負のイメージを持たれることもあるんだぞ」ということをお伝えしたいです。
序列の設定はオリジナルです。この設定があると物語の書きやすさが全然違います。
ベストナインのメンバー及び序列は私の中の「深井戸指数」という特別な指数で決定しています。基本的に深井戸指数が高いほど序列も上です。
なのですが、作品を進める都合上、深井戸指数が余り高くない「マウンティングウォリアー」がトップになってしまいました。日本語、フランス語、中国語、英語、スワヒリ語の5カ国語を話せる人が相手だったらどうするんでしょうかね、あの作品の主人公は…。
あと「ソルティングブレッド」には、とある推理ゲームの一キャラクターの要素も含まれているのですが、感想欄に書く際は原作未プレイ勢に配慮した書き方をよろしくお願いいたします。