異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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とーとつにボツ転生者 Vol.3

 この企画は止まらねぇからよぉ…。



名前:ディズミー=サワヨマスリ

通称:「究極雨男」

能力:自分の周りの天気を強制的に雨にする能力。雨の場合は強制的に晴れにする。

風貌(ふうぼう):三十代ほどの男性。白のワイシャツに黒のズボン。

転生前:転生前は娘一人を持つ父親だった。娘と妻との外出の時に限って必ず大雨になってしまう雨男。我が子を遊びに連れて行けないことを嫌った妻から、離婚を言い渡されてしまう。突然家族を失った孤独に耐えきれず、雨男という自分の特性を(うら)みながら自殺した。

唐揚げには:ブルーハワイ

ボツ理由:当初はベストナインのメンバーになるはずだったキャラ。ボツ理由は単純に、元ネタの知名度。私自身3、4回くらいしか見たこと無い。能力はすごいのに、悲しいなぁ…。

ジョースター卿から一言:逆に考えるんだ。天候が雨ならかみなりが必ず当たる、と考えるんだ。
????「かかったなアホが!稲妻(サンダー)十字(クロス)空烈刃(スプリットアタック)!」
ジョースター卿「いや、そのかみなり(サンダー)は当たらないね。絶対にだ」


第四章 離反 その7 「二人きり」

 ポセイドラ、ケイル、ゴーギャンの三人がリュートとバニーラを見送る。ゾボロ村跡地へと向かって行った二人の姿が見えなくなる前に、ケイルがスポイト杖を取り出す。杖をリュートに向けて、小声で魔法を唱える。

 

「エレメントウォーター・リトルフェアリー」

 

杖の先が赤く光ったのを確認して、ケイルが言う。

 

「さて、私は二人を尾行しますので」

 

彼女は最初からリュートを一人にするつもりは無かったのだ。そんな彼女に声がかかる。

 

「やはり尾行か……。いつ出発する?私も同行する」

 

「ゴーギャンさん」

 

声の主の方に振り返るケイル。

 

「…このやり取り前回もやりましたよ?いつ出発するって、今すぐに決まってるじゃないですか」

 

「む、そうか。うっかりしていた」

 

「ゴーギャンさんはリュート君が言っていたように拠点に戻ってください。『ワープゲート』は私が開きますから」

 

 聴覚が鋭いバニーラを尾行するのに、うっかり屋のゴーギャンがいては気付かれてしまうかもしれない。そんな本音は言わずにやんわりと断るケイル。そんな彼女に再び声がかかる。

 

「俺は行くぞ」

 

「ポセイドラさん」

 

声の主はポセイドラだった。

 

「何ですか?そんなに私と二人きりになりたいんですか?」

 

「ふざけるな。敵の転生者が本当に立花亭だけだとは限らないんだぞ。戦力は多い方が良い」

 

「なるほど、言われてみればそうですね」

 

ケイルはクスリと笑う。

 

「では同行してもらえますか?」

 

「そうしろ。それにバニーラをあのまま帰すわけにはいかない」

 

「もう、発言が不穏ですよ?ポセイドラさん」

 

「そういうことなら私も同行しよう」

 

ゴーギャンが割って入る。

 

「いやゴーギャン、お前は魔女への報告を頼む。『偶然迷子のバニーラと出会った。彼女は立花亭と一緒に魔人討伐に来たようで、リュートが彼女を連れて立花亭がいるゾボロ村跡地へ向かった。ポセイドラとケイルが尾行している。問題があるならポセイドラ達に追いついて伝えるように』と伝えてくれ」

 

ポセイドラもまた、ケイルと同じことを考えてゴーギャンの申し出を断った。

 

「む、そうか。承知した」

 

 あっさりと納得したゴーギャンは、ケイルの開いた「ワープゲート」で地下室に帰っていった。

 ゴーギャンの帰還を確認したケイルは杖を軽く持つ。先が赤く光った杖の向きが、クイックイッと変わる。彼女が動かしているのでは無く、杖が自然に動いているのだ。

 

「それじゃあ、二人きりの尾行を始めましょうか」 

 

 

 

 

 

 リュートは緊張していた。油断してはいけない。敵がいつ来るかも分からないし、立花亭から自分の聞きたいことを聞き出すための段取りも考えねばならない。しかし、そうは言っても隣にいるバニーラはとても可愛い。リディアとは月とすっぽんだ。もちろん、バニーラが月である。今夜は月が綺麗ですね。

 いや、そんな浮かれている場合では無い。付き合っているわけでもあるまいし、そもそも今は真っ昼間だ。とりあえず、何かしら情報を引き出せるような会話をしなくてはいけない。

 

「ね、ねえバニーラ。『神の反逆者』ってどんな所?」

 

「ふえ?どんな所と聞かれましても…」

 

「いや、居心地が良いとか、皆が優しいとか…」

 

「あぁ、そういうことですか!。居心地は良いですし、皆さん優しいですよぉ。私をいじめる人もいませんし。体は大きいしこんなにドジなのに…」

 

「そ、そんなこと無いよ!前の魔人達との戦いでのバニーラ、本当にすごかったよ?もっと自分に自信を持ってよ」

 

情報を引き出さなければいけないのに、つい励ましの言葉を返してしまうリュート。

 

「あ、ありがとうございますぅ。リュートさんって優しいんですねぇ」

 

バニーラにそう言われると、ついつい表情が緩んでデレーっとしまう。いかん…いかん!危ない危ない危ない…。

 

「ああ、でも皆さんが私に優しいのは、私が転生者だからかもしれないですぅ」

 

「いや、俺はそんなことは…」

 

「ああいえ、リュートさんのことでは無くて『神の反逆者』の皆さんのことででしてね」

 

 本来、情報収集の話に本筋を戻すのはリュートの役割のはずなのに、意図せずバニーラが戻した形になる。

 

「『神の反逆者』は転生者を中心に結成されたギルドなので、転生者の立場がとても強いんですぅ。でも、強いと評判の転生者と一緒に戦いたいって加入する人も沢山いて…。そういう人は転生者と一緒のパーティで魔人討伐に行くときも、大抵は転生者の命令を実行する係になるんですぅ。まあ、わたしのようなヘッポコ転生者の場合は立場が逆転したりなんかしちゃったりも…えへへ」

 

バニーラはまた自虐を始める。

 

「でも中には、部下を道具のように扱ったり、捨て駒としか思ってない方もいらっしゃるみたいで…。わたしはとてもじゃないですが、そんなことはしたいと思いませんけど…」

 

いきなり不穏な話になった。やはり、人の命をなんとも思っていない転生者はベストナイン以外にもいるらしい。

 

「うわあ!わたしったら何て失礼なことをっ!わ…忘れて下さい!ってよく考えたらわたしが他の人をどう扱うかなんて話していることも失礼では?うわわっ、ダブルで失礼ですぅ!!」

 

「あ、ああうん、分かった分かった、バニーラの言ったことは忘れるから」

 

ここまで慌てられた方が逆に忘れにくいと感じるリュートだったが、彼自身もバニーラとの会話を平常心で行えるようになったらしく、次の質問に移る。

 

「じゃあ、ベストナインの皆ってどんな人?」

 

「え?ベストナインの皆様ですか?わたしが語るのもおこがましいくらい強い、歴戦の勇士達ですぅ。個人の特殊能力も本当に強くて、わたしの『ニンジンを武器に変える能力』とは別次元ですぅ」

 

「いやいやそんなこと無いって!バニーラとても強かったよ!」

 

「そうですかぁ?リュートさんって本当に優しいですぅ」

 

これではさっきの繰り返しだ。リュートは必死に話を本筋に戻す。

 

「で、でもそんなに強いベストナインのメンバーが二人も死んじゃうなんてね。話を聞いたときには信じられなかったよ」

 

「はい、わたしも信じられませんでした。『神の間違い』様と『ソルティングブレッド』様がまさか魔人討伐中にお亡くなりになるなんて…」

 

 バニーラの口調からして、彼女は本当にルイとスパノが魔人討伐中に死んだのだと思っているらしい。

 リュートは思い切って、核心に近づいた質問をする。

 

「やっぱりバニーラも、二人が魔人討伐で死んだと思ってるんだね?」

 

「えぇ?どういう意味ですかぁ?ギルドの朝礼でそう言われましたし、新聞にもそう書かれてましたし…」

 

「ああ、うん。もちろんそれが真相だと思うよ。でも最近行った村で、こんな噂話を耳にしたんだ。『あんなに強いベストナインが魔人相手に死ぬなんて考えられない。誰かに殺されたのを隠してるんじゃないか』って」

 

バニーラに眠っている猜疑心(さいぎしん)を起こしかねない、随分と思い切った発言だった。リュートはこの質問で、バニーラのような「神の反逆者」所属の(ひら)転生者がルイとスパノの死についてどう思っているのかを知るつもりだった。

 

「ええ?そんな噂があるんですかぁ?でも、あのお二人を殺せるなんて…う~ん」

 

しばらく考えた後でバニーラは口を開く。

 

「…やっぱり、あのお二人を殺せる人間なんて、ベストナインのメンバーだとしか考えられません。でも、そんなこと()()()()()()()()し…、やっぱり単なる噂なんじゃないでしょうか」

 

 自分の隣にいる人物こそが二人を殺した犯人だということは全く考えていないバニーラ。そんなことよりも彼女のある発言が気になり、リュートは言葉を返す。

 

「ちょっと待って!ベストナインのメンバーが二人を殺すのは絶対にあり得ないって、どうして?」

 

「ああ、それはですね。ベストナインのリーダーであり、『神の反逆者』のトップでもある『マウンティングウォリアー』様が、ベストナインのメンバー同士での殺し合いを固く禁じているからですぅ。傷を負わせただけでもあの方から厳しい罰を下されるのだとか。もちろん他のメンバーを殺したりなんてしたら、その人自身が『マウンティングウォリアー』様に殺されちゃいますよぉ」

 

「『マウンティングウォリアー』…、マウントール様が他のメンバーを殺すのは良いんだ?」

 

「はい、と言ってもあの方がメンバーを殺すのは仲間殺しの時だけですぅ。あの方自身、味方同士での殺し合いを本当に嫌っておりまして…。それに、皆に対してあんなに優しい『マウンティングウォリアー』様が人殺しなんて、やったことがあると聞いたこともありませんし、やるとも考えられません」

 

「バニーラはマウントール様に会ったことあるの?」

 

「朝礼の時にお話しになっているのを見たことがあるだけで、直接話をしたことはありませんけどねぇ」

 

 一連の会話でリュートは「神の反逆者」の内情を色々知ることが出来たと思った。そして、ルイやスパノを殺した犯人が自分たちであることはベストナイン以外は知らないのだということも分かった。

 一方で、リュートはこう考え始める。

 

「いつかバニーラにも、ルイとスパノを殺した犯人が俺達だということを教えなきゃいけないのだろうか。その時バニーラは俺のことをどう思うのだろうか?」

 

 考えただけでも気分がずっしりと重くなった。そしてその「いつか」が目の前まで迫っていることを、この時の彼はまだ知らなかった。




 一応言っておきますが、ポセイドラとケイルは恋人じゃないです。単に仲間というだけです。元ネタと一緒ですね。

 ベストナインのメンバーを、通り名で呼ぶか個人名で呼ぶかは個人の自由です。バニーラは通り名派です。ただし彼らは作中世界の英雄なので、悪口等は軽々しく言えませんが。
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