異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
スマプリ以外のプリキュア見てないのに、他のシリーズのカードばかり出てきます…。
可愛い二次元女の子キャラは好きなんですけど、プリキュアを見ると「あれ、こうした方が楽なんじゃないの?」とか、幼女向けアニメに対して大人げない意見を言いたくなってしまうので、見てないです。
でも声優チェックだけはしてます。今作の敵キャラの声優、何で高垣彩陽さんなのだ?悠木碧さんと水樹奈々さんはプリキュアだったのに…。
リュートの目の前にゾボロ村跡地が見えてくる。村の入口から広がる広場(だった場所)に一人の女性が立っている。ピンク色の着物に丸眼鏡。ベストナインの序列7、
リュートは深く深呼吸をする。もう後戻りは出来ない。
「バニーラさん!心配していたんですよ!」
こちらの姿を認めた立花亭が大声で叫ぶ。
「ああっ!『決めつけ講談師』様!心配かけて申し訳ございませんでしたぁ!!」
バニーラも立花亭の姿を見つけた途端、大声で叫びながら駆けだした。リュートも慌てて後を追いかける。
二人と一人が対面する。リュートが立花亭をここまで至近距離で見たのは初めてだった。自分よりも身長が低く、服装も戦闘に向いているとは言い難いが、これでもベストナインの一人だ。油断は当然出来ない。
「どこまで行っていたんですか!?単独行動は慎むようにとあれほど言ったはずです!」
「はい!はい!申し訳ございません!」
怒る立花亭に対し、ひたすら頭を下げて謝罪するバニーラ。立花亭は少々説教を行った後、リュートの方に顔を向ける。
「こちらの方は?」
リュートは心の中で深く安堵の息を吐いた。ルイの襲撃時、彼女も自分を見ているはずなのだ。あの時は死体同然に動かなかったとは言え、顔を覚えていることもあるのではないかと危惧していた。しかし当然と言えば当然だが、死体の顔など一々覚えているものでは無いらしく、初対面に対する接し方をしてきた。
「あ、この方がここまで送ってくれたんです。
バニーラも間違えること無く、「ピエール」という偽名でリュートを紹介する。ここからが勝負だ。
「初めまして、
リュートは敬語を使いつつ、立花亭にお辞儀をする。
「わざわざスミマセンでしたね、ピエールさん」
そう答える立花亭はリュートのお辞儀に応える形で、お辞儀を返した。
時は少々
ポセイドラとケイルの二人きりの尾行には、リュートとバニーラのような楽しげな雰囲気が一切感じられなかった。
聴覚の鋭いバニーラを尾行するために会話が出来ない、と言うのも一つの理由だが、仮にバニーラの聴覚が人並みであったとしても、雑談をしながらの尾行など、ポセイドラはしないだろう。彼にとってケイルは同じ
そんな二人の後ろから、
「バニーラ様ー!いたら返事をしてくださーい!」
二人が聞いたことの無い男性の声。ポセイドラがケイルに小声で話しかける。
「おい、聞こえたか?」
「はい、バニーラさんのお仲間でしょうか?」
「バニーラにも聞こえたに違いない。どうする?」
「私はリュート君を立花亭に会わせたいです」
「なら急ぐべきだな」
言うが早いか、ポセイドラは声が聞こえた方向に、足音を極力出さないように注意しつつ駆け出した。
「どこですか…うわっ!何者だあんっ…」
「声を出すな」
目の前に知らない男が現われ、驚きの声をあげようとしたバニーラの仲間。ポセイドラは持ち前の剣術で、素早く男を黙らせた。
「安心しろ、
「その『安心しろ、峰打ちだ』っていう言葉って誰に聞かせるために発する言葉なんでしょうね?峰打ちした相手は気絶してて聞こえていないハズなのに…。私、気になります!」
ポセイドラは声がした方を振り向く。ケイルがそこに立っていた。
「おい!尾行はどうした?」
「心配しないで下さい」
そう言いながら彼女は杖を見せる。先が赤く光った杖が、クイックイッと独りでに動いていた。
「バニーラさんの仲間がどのような方なのか、見ておきたくて」
「どうも何も、普通の人間だ。アイツが言っていた、転生者じゃない四人の内の一人だろう。手応えが無さ過ぎだ」
「そうですね、普通の方のようです。恐らく立花亭の命令でバニーラさんを探していたのでしょう」
気絶した男のことを簡単に調べながらケイルが言う。
「何もないなら行くぞ」
「はい」
二人はリュートを尾行出来る位置へと戻っていった。
二人の尾行も終盤に差し掛かった頃、ポセイドラが小声でつぶやく。
「魔女やゴーギャンは…とうとう来なかったな」
「そうですね」
ポセイドラの脳内に、急に
「ゴーギャンは本当に、魔女に正しく伝言したのか?」
「私に聞かれましても…」
一度浮かんだ心配事はみるみる膨れ上がっていく。ポセイドラは決心したように言った。
「心配だ、一度戻る。ケイル、『ワープゲート』を開いてくれ」
「えぇ?もうすぐ終点ですよ?」
「だからこそだ。リュートが敵と対面したら、もう後戻り出来ない」
「もう、さっきあんなにかっこよく同行を申し出てくれたのに。勝手なんですから…」
文句を言いながらもケイルは「ワープゲート」を開く。それをくぐってポセイドラは地下室へと向かっていった。
こうして、二人を最後まで尾行していた人物はケイル一人だけになった。
立花亭は「ピエール」と名乗った男の姿を見た。特に怪しい点があるようには見えない。なのに何かが引っかかる。一体何が引っかかるのだろうか。特に怪しい点なんて無いのに。特に怪しい点なんて…。
そんな風に考えていた彼女は、何気なく相手の腰を見る。
瞬間、時が止まったように感じた。一気に冷や汗が噴き出す感覚がするのに、実際には冷や汗すら噴き出さなかった。
それでも、彼女は反射的に叫んでいた。
「
彼女は動揺する相手の顔に平手打ちを食らわす。「ピエール」と名乗ったはずの相手が吹き飛んだ。
リュートには何が起こったのか分からなかった。バニーラも自分も確かに、リュートの名前を「ピエール」だと伝えた。立花亭もそれを信じたらしく「わざわざスミマセンでしたね、ピエールさん」と言っていた。これで、もし争いになったとしても向こうは「ピエールさん、雑魚ですね!」と言ってくるので自分は弱体化しない。作戦は上手く行っていたはずだ。
そのはずが、次の瞬間にはもう自分の名前がバレていた。「リュートさん、雑魚ですね!」の言葉を聞いた瞬間、自分の体から力が無くなっていく感覚をリュートは味わっていた。立花亭の能力「ラベリング」が発動したのだ。彼女の平手打ちを受けて吹っ飛んだリュートは、地面に倒れ伏す。
バニーラが叫んだ。
「なっ!何をするですかァーッ!『決めつけ講談師』様!リュートさんにいきなり…」
やってしまった。
「バニーラこそ何をするだァーッ!」
「ひえええぇぇ!!す、すびばせぇ~ん!!」
否、バニーラが間違う前から、立花亭はリュートの名前を見破っていた。彼女を責めるのはお門違いだろう。だがこれで、立花亭もリュートが本名であることを確信した。
うつぶせに倒れるリュートの背中を立花亭が右足で踏みつける。
「ぐあぁ!」
立花亭はそこまで重くない。リュートにとって飛び起きることは容易なはずだが、今の彼にはそれすら出来ない。立花亭の能力で
リュートを押さえつけている立花亭もなぜだか息が荒い。
浅く早い呼吸を止められない。過呼吸になりそうだ。冷や汗は今、止めどなく噴き出していた。そんな状況にありながら、立花亭は何とか言葉を口にする。
「ず、随分と策士じゃないですか、リュートさん…。偽名を私に教えるなんて」
ゼェゼェ、ハァハァという激しい息に混じって聞こえる立花亭の言葉。リュートはまだ、自分の名前がどうしてバレたのか分からなかった。
「ど…どうしてだ…?なぜ…俺の名前が…?」
そんな疑問を口に出しつつ、彼の目線は何気なく、自分の腰に向いていた。瞬間、心臓が止まるかと思った。アシバロンの言葉が急に脳内を駆けめぐる。
「その剣はルイのものだな?流石にソレは手で受け止められんな」
そうだ、
「この剣は…ルイさんのものですよねぇ?馬鹿じゃないですかぁ…?」
立花亭は答え合わせのように言葉を発しながら、リュートの腰からルイの剣を取り上げる。
「あなたをどうしましょうか…?とりあえず、その腕と足は邪魔ですね…」
荒い呼吸に混じった立花亭の声が聞こえる。なのにリュートの体は動かない。
絶体絶命のピンチの中、ふいに叫び声が聞こえた。
「『
声のした方向に顔を向けるリュート。なんとバニーラが、上の立場にいるはずの
「リュートさんから離れて下さい…、『決めつけ講談師』様…」
主人公に都合の良いなろう系作品の敵キャラがやりそうな
でも、自分のやりたいことをやろうと必死になってたら、普段の自分じゃやらないミスを犯していたなんて経験、皆さんありませんか?