異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
「皆、落ち着いて聞いて欲しい。ベストナインの御手洗幼子がここに近づいてきている」
「なっ、なんでそんなことが分かるんだ!?」
「膨大な魔力を持ち、なおかつ魔力の使い方に精通している人間は、同じく膨大な魔力を持つ存在が近くに来た際に、感覚で察知出来る。この小柄な体格は御手洗幼子で間違いない」
「敵は一人か?」
「そこまでは分からない。だが膨大な魔力を持つ相手は御手洗だけだ。アシバロンがいるなら別だが…」
「アシバロンだと!?」
「ヤツは自分の魔力のほとんどを工事現場に
「どうするんだ?」
「ジモーとラーシャは立花亭を見張れ。ヤツにこのことは伝えるな。リンはメルクリオと一緒に隠れていろ。私はケイルと別の場所で隠れて『
「残りが戦闘班というわけか」
魔女がこの組み合わせにしたのには理由がある。立花亭の見張りにジモーとラーシャを選んだのは、この中で向こうに顔が割れている可能性が低かったからだ。逆に、リュートとポセイドラは顔が割れている。ゴーギャンもスパノ殺害の実行犯であるため、顔が割れている可能性が高いと判断した。最後にバニーラを戦闘班に選んだ理由は二つある。一つはリュートと一緒に行動させることを彼女が望むだろうこと、もう一つはバニーラが敵として出てくることで相手の動揺を誘えると判断したからだ。
皆が配置についたその時、御手洗の大声が聞こえた。
「ねぇ!タッチーは無事なの!?いるなら返事してよっ!!」
魔女は「
「チッ、立花亭に知られてしまったかもしれないが仕方ない。リュート、ケイル、手はず通り頼む」
魔女の支持を受け、ケイルは野球ボールほどの大きさのカプセルを空中に放り投げ、魔法を唱える。
「『スーパーウォーターボール』」
大きな水の塊が現われ、カプセルを飲み込む。カプセルが溶け、中に入っていた
「『スピリットウォーター』」
ケイルの二つ目の魔法が発動すると同時に、リュートが素早く正面玄関の扉を開く。
次の瞬間、ケイルの操る液体が勢いよく扉から外に放出される。ケイルの「スピリットウォーター」で敵軍に先制攻撃する作戦だった。
しかし、実際の相手は御手洗幼子一人だけ。彼女は屋敷の扉から突然現われた液体に対し、自分を守るキャンディの小さなドームを作って防御した。
「危なかったな~。でも、奇襲は想定内だよ」
そう言う御手洗だったが、実際はどこかで
ケイルが投げたカプセルは水溶性で、中には「例の殺虫剤の濃縮液」が入っていた。魔女が警戒を最も向けていた相手は御手洗では無く、
御手洗がキャンディドームで防御している間に、リュート、ポセイドラ、ゴーギャン、バニーラの四人が彼女を取り囲む。
「敵は御手洗だけだ。他の姿は見当たらない」
ポセイドラの連絡を聞いた魔女は四人に忠告をする。
「相手が一人だと油断するな。御手洗の能力『キャンディマスター』はヤツが舐めたキャンディの形を自在に変化させる能力だ。顔を舐められてもいけない。ヤツは顔を舐めた相手の思考を読み取ることが出来る。おまけにヤツにはケイルの睡眠薬も通用しない」
ベストナインの序列8、
第1の能力は「自分が舐めたキャンディの形を質量を無視して変えられる能力」で、これは菓子職人の手によって自在に形が変えられていくキャンディから連想した能力だ。御手洗の操るキャンディは変形させているときは柔らかいが、形が定まった後は瞬時に鋼鉄のような固さになる。
第2の能力は「人の頭をキャンディに見立てて、舐めただけで相手の思考を読み取る能力」で、これはキャンディが舐めただけでその味が何か分かるお菓子であることから連想した能力だ。
第3の能力は「キャンディを舐めることで、体力の回復及び睡眠等の状態異常の回復を行う能力」で、これはキャンディを舐めてリフレッシュしていた転生前の自分の経験から連想した能力だ。立花亭の探索を睡眠なしで完遂出来たのはこの能力のお陰でもある。
魔女の忠告はこの3つの能力に関する内容だった。
「リュート、出来るならば御手洗から
魔女は第4の能力については知らなかったらしい。彼女はリュートに御手洗の転生前の情報を伝える。
「…それだけか?」
魔女の話を聞き終わったリュートが尋ねた。
「
そこまで魔女が伝えたとき、キャンディのドームが解かれ、御手洗が姿を現した。
「あ、やっば~。ヨネシーの虫見殺しにしちゃった…」
彼女は自分の足下に転がった虫の死体を
「初めまして!わたしは
彼女はバニーラに目を向ける。
「ふ~ん、バニーラちゃんそっちに付いたんだぁ…」
バニーラは気まずさを抑えきれず、相手から目をそらしてしまう。御手洗はその一瞬の隙を逃さなかった。
「ペロッ」
一瞬のうちにバニーラに近づき、顔を舐めたのだ。
「は、早い!」
リュートは驚いた。幼女の姿をしているが、彼女も立派なベストナインのメンバーなのだ。身体能力は常人を遙かに上回っている。
「ふ~ん、なるほどね」
バニーラの顔を舐めた御手洗は言う。
「『あんなに優しかった御手洗さんが、人殺しを黙認していたなんて信じられない』…か。そうか、知っちゃったんだね」
「ふええ…」
自分の考えを読まれ、困惑を隠せないバニーラ。対する御手洗の口調は、なぜか優しげだった。
「バニーラちゃんの考えは分かるよ…。私も自分で変だと思ってるんだ。
「ふぇ?ソレってもしかして…」
バニーラが
御手洗は次にリュートに目を向ける。彼は顔を舐められないよう、細心の注意を払う。しかし彼女が注意を向けていたのは顔ではなく、腰の剣だった。
「それ、ルイルイの剣だね?じゃああなたがリュートなんだね」
御手洗の言葉を聞いたリュートは「早く相手を無力化しなければ」という焦燥感に駆られる。はやる心を抑えようとする彼の顔を眺め、御手洗はクスッと笑う。
「もうっ、そんな顔されたら舐めなくても考えが読めちゃうよっ。
「なっ!」
リュートが動揺する。否、彼だけで無くポセイドラとゴーギャンも動揺した。
「アシバロンから聞いたのか?」
尋ねたのはポセイドラだった。
「そうだよ。バロンがリュートの行動から推理した内容だったんだけど…、その様子を見るとビンゴだねぇ?」
御手洗がいたずらっぽく言う。彼女は動揺を続けるリュートに言った。
「で、どうやって私の過去について罵倒するの?
リュートは再び動揺した。
「アハッ、コレもビンゴだねっ。ザ~コザ~コ」
リュートを小馬鹿にする御手洗だったが、彼女はすぐに真剣な表情になり、マジメな口調で言った。
「ねぇ、私は戦う気なんて無いんだよ。タッチー、
そう言って彼女は、持っていたキャンディを捨てて両手を高く上げる。
「会わせてくれたなら、後はそっちの好きにして良いから。タッチーに会わせて。お願い」
御手洗の真剣な口調と突然の降伏の仕草を見て、リュートは自分の取るべき行動を見失ってしまった。
アデク本当に嫌い。チャンピオンが弱いって罪深すぎるでしょ。
よくネットで「Nがレシゼク(伝説)使ってきたから負けるのは仕方ない」って擁護されてるけど、それはシロナやダンデみたいなバランス取れた強い手持ちだったら言える話であって、あんなお粗末パーティじゃ「負けるのは仕方ないよね。だって弱いんだもん」って感想しか出てこないわ。
あ、でもジジきゅんの声優は女性にして下さい。そこは本当によろしく頼むよ。