異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
私は活動報告(「チートスアンアン アニメ化大作戦」その1 声優を決めよう!)にて、「御手洗幼子の声優は水橋かおりさんが良い」と発言しましたが、今回の話を書くに当たって
私が活動報告で上記のような発言をした理由については、「水橋さんなら幼女の声(例:「リリカルなのは」シリーズの高町ヴィヴィオ)と大人っぽい声(例:「まどかマギカ」シリーズの巴マミ)を上手く演じ分けてくれるだろうな」と思ったからです。
なので、今回の話は水橋かおりさんを馬鹿にする・
長くなってしまいましたが、以上のことを了承の上、本編をお楽しみください。
彼女は専門学校を卒業し、18歳で「女子生徒B」役でデビューを果たした。最初は本名で活動を行っていたが、活動開始から二年目に名前の付いた役を初めて貰ったことをきっかけに、芸名を名乗ることにした。名前は「
年月を経るごとに貰える役の重要度も上がり、知名度も上がっていった。喉を仕事道具とする彼女は、のど
彼女が初めて主役を演じたのは26歳の時。「
しかし三十を過ぎた頃から、貰える役の数が急に減り始めた。声優
更には、「声優に求められるものが増えた」ことも向かい風になった。御手洗が主役を演じていた頃、声優は演技が重要視されていた。しかし彼女が三十を過ぎた頃から声優に求められるものにビジュアルが加わった。それに伴い、声優を専門に取り扱う雑誌が増え、声優の顔が表に出ることも多くなった。
新たに売れ始めた新人は皆、アイドルのような可愛い容姿をした娘ばかりだった。重要な役を貰った時には、可愛い新人達に混じって撮影された写真が雑誌に載った。彼女自身は決してブスでは無く、可も無く不可も無い顔立ちであったが、可愛い娘と一緒の写真ではその見え方も変わってくる。
「『魔法少女ノーノノ』の声優の中で一人場違いがおるな(笑)」
「許してやってくれ。彼女が売れてた時期は顔とか問題じゃ無かったんや」
そんな声が、ネットの掲示板等に書かれるようになり、御手洗はひどく落ち込んだ。
「私の何がいけなかったんだろう?昔はネットで声のことを褒めてくれる人がたくさんいたのに…。いつからこうなっちゃったんだろう」
そんな悩みを抱える彼女に追い打ちをかけるように貰える役の数は減っていき、「一話限りのゲストキャラ」や「名前が知られている女性声優は片っ端から使っていくタイプのスマホゲームのキャラ」を演じることが
そんな彼女にちょっとした転機が訪れたのは、36歳の頃。「金剛小学校おえかきぶ」というアニメの主役級キャラ「
久しぶりの大役に、演技にも力が入った。キャンディの消費も倍以上に増えた。アニメは制作陣の予想を上回るヒット作となった。
「御手洗洋子の幼女役良かったよな」
「ニワカ乙。彼女はもともと幼女役うまかったから」
「ウワサ通りいいメスガキ感だ!ついていこう!」
ネット上では、御手洗の演技を再評価する声も多く見られた。
「そうか。私に求められていたのは幼女役だったのかぁ」
彼女にとっての進むべき道が見え始めてきたところで、悲劇は突然起こった。
その日は、アニメグッズ専門店で「金剛小学校おえかきぶ」の声優イベントが行われる予定だった。時間より早く駅に到着し、いつものようにキャンディを口に入れながら会場までの道を歩いていた。突然、悲鳴が聞こえた。
トラックが歩道を暴走していたのだ。どうしてこんな所を走っているのか、なぜ自分が目の前にいるのにスピードを落とさないのか、それらの疑問を彼女が知る機会は与えられなかった。
気がつくと御手洗は知らない場所にいた。目の前にいる神を名乗る老人から、転移転生のことを聞いて彼女は驚いた。
「魔法を使って戦うアニメみたいな異世界が本当にあったなんて!」
彼女はノリノリで転移転生の道を選んだ。自身の特殊能力は「大好きなキャンディにちなんだ能力」を希望した。更には好きな容姿への変更も可能と言うことで、「
一方で彼女にとって意外だったのは、自分が声優だったことを知っている人物に転生後
過去の自分は忘れて新たな人生を生きることにしようと決心しかけていたある日、マウントールが新たな幹部をスカウトしてきた。
「すみません、声優の御手洗洋子さん…ですよね?」
「えっ、分かっちゃったの?」
「はい、私アニメが好きだったんです。いやあ、大好きでしたよ!『魔法少女ノーノノ』のペリドットちゃん」
「うわあ、よく知っているね!」
「はい!あのツンデレ具合が最高でした」
「ちょっとノーノノ!勝手に突っ走らないでよ、危ないじゃない!はぁ!?べ、別にアンタを心配していたんじゃないわよ!」
「ぐわっ!最高です!痺れましたぁ!!」
御手洗が転生後に初めて出会った自分のファンは、同じ「ベストナイン」のメンバーとなった立花亭であった。二人はお互いの転生前の事情を知りながらも、この世界では前世での自分を捨て、
しかし御手洗には一つ気がかりなことが生まれた。それは立花亭の持つ、ある種の危うさだった。彼女は普段他人に対して攻撃的な態度を取りがちだが、それが弱い自分を守るために取っている行動であることが御手洗には分かったのだ。御手洗はそんな彼女を放っておけなくなった。
ある日、御手洗は一つの思いつきを試すことにした。
「ねぇ、タッチー。この棒付きキャンディ舐めてよ」
「うん。いいけど…」
「…はい、そこまで!舐めてるキャンディ渡して」
「ええ!?汚いよう」
「良いから良いから」
御手洗は立花亭から舐めかけのキャンディをもらい、「ワープゲート」を開いて遠くへ行く。いくつかの場所を巡って、
「ねぇ、何をしたかったの?」
帰ってきた御手洗に立花亭が尋ねる。
「わたしの第4の能力が生まれたんだよ。このキャンディがあればタッチーがどこにいるか一目瞭然なの!」
この思いつきは御手洗の転生前のとある思い出が
「うわ、汚い。誰よこんな所に自分の舐めたキャンディ置いた人!」
彼女のキャンディ好きを知っている誰かのイタズラなのか、もしくは単なる嫌がらせなのかは結局分からず終いだったが、その時彼女は確かにこう思ったのだ。
「このキャンディが誰のものなのか、分かる方法があればなぁ」
この思い出によって誕生した第4の能力。そしてこの能力で生まれた立花亭専用レーダーは、御手洗の個室に大切に保管されることになった。しかし、他人の舐めたキャンディを保管している事が人に知られるのは恥ずかしかったので、この能力について知っている人間は、御手洗と立花亭、そしてマウントールの三人に限られていた。
「コレさえあれば私がどこにいても、立花さんをいつでも守りにいけるから…」
言っておきますが、御手洗のモデルになった女性声優はいません。アシバロンの時と一緒です。「こんな人もおるやろなぁ」くらいの気持ちで書きました。
御手洗の過去回想が長くなってしまい、これだけで一話使う形になってしまいました。最近どうしても長々となってしまってダメだなぁ、と思っています。ですが、この第四章もそろそろ終わりに近づいています。