異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
王都にある「神の反逆者」ギルドの宿舎にカセロジャ=クテンハーモンが帰ってきた。「神の反逆者」所属の転生者である彼は、繁華街で
「神の反逆者」に所属する転生者には宿舎の一室が与えられる。新米の転生者に与えられる部屋でも転生前の世界の一般的なマンションの部屋より広く、一人暮らしをするには困らない。しかし普通の転生者よりも強く、より多くの魔人を討伐しているカセロジャの住む部屋は、その普通部屋の何倍も広かった。無論、稼いだ金でマイホームを別に購入し、家族を作って暮らしている転生者も多いが、彼にとってはこの宿舎の部屋で十分だった。
体はもう
「いよっしゃあああああああああああああ!!!!」
中身を確認した彼は絶叫した。封書はカセロジャをベストナインとして正式に任命する旨の通達だった。深夜に隣の部屋に聞こえるような大声を出し、近くの住人に嫌悪感を抱かれても問題ない。この部屋とは今夜でオサラバなのだから。ベストナインにはギルド本部内にある専用の個室が与えられる。個室は最高級ホテルのロイヤルルームに匹敵する豪華さで、数人の使用人まで付いてくるのだ。
封書には他に、ベストナインの任命式が明日行われるという通達も書かれていた。
翌日
朝の身支度を終えたカセロジャは、封書に記された集合場所の会議室へと向かった。ベストナインが普段使用する会議室では無い一般の会議室だったが、そんな小さなことは気にならなかった。正装の必要も無く、普段通りの装いで気楽に来て欲しい、とのことだった。
指定された会議室の扉を開いた彼を待ち受けていたのは、床一面に広まる魔法陣だった。普段置かれているはずの机や椅子は取り除かれており、部屋の中は魔法陣と5名の転生者以外は何も無い状態だった。5名の転生者とはもちろん、現職のベストナインのメンバーである。序列1のマウントール=フランス、序列2のアシバロン=ボーナス、序列3のアルミダ=ザラ、序列4の
「ようこそ、カセロジャ=クテンハーモン。それじゃあ早速任命式を始めようか」
マウントールはそう言って、魔法を唱える。
「『ワープゲート』」
足下の魔法陣が輝きを増す。次の瞬間、6名の転生者はどこかに飛ばされ、部屋の中には魔法陣だけが残された。
気付くとカセロジャは、見たことも無い場所に飛ばされていた。屋外であることは間違いない。しかし王都では晴れていたはずの天気が、ここでは真っ黒な雲に覆われていた。他のベストナインも共に飛ばされている。彼はマウントールに尋ねた。
「あの、任命式を行うんでしたよね?」
「うん、そうだよ」
「なぜいきなりワープを?というか『ワープゲート』にしては、何かおかしかったですよね?」
通常「ワープゲート」は、浮かび上がった魔法陣が扉の形を成し、それをくぐることで目的地へと到達出来る魔法のはずである。しかし今回の場合、マウントールの魔法を受け、魔法陣の上にいた人間が一斉にワープしたようだった。
「ああ、あの魔法陣は『エンチャントワープゲート』って設置式魔法でね。魔法陣の上にいる人間を同時に、同じ場所に飛ばせる便利な魔法さ。一方通行だから帰りは普通の『ワープゲート』を使わなきゃいけないけどね」
「そうなんですか」
「それからね、敬語を使う必要は無いんだよ?君はもう私達と同じ、『ベストナイン』の同胞なのだからね」
「え?マジで?」
カセロジャは他のメンバーを見渡すが、誰も反論する者はいなかった。
「あ~。ほんじゃあ、もう普通に喋りますわ」
「順応が早いね。良いことだよ。じゃあ、ここがどこなのか教えようか。ここはね、アポビス地区にある魔族の集落付近さ」
「アポビス地区ぅ!?」
アポビス地区とは、もう何年も前に魔族に占拠された土地である。住んでいた人間は全て魔人によって駆逐され、現在は大量の魔族が生息する危険地域となっていた。
「…なるほど。話が見えてきたぜ。ベストナインに入るための最後の試練ってとこか」
「違う違う。君の強さはすでに調査済みさ。任命式の最初のプログラムとして、君に私の戦いを直接見せてあげようと思ってね。ほら、よく会社の説明会とかで社員が仕事の技術を披露したりするだろう?それと同じでベストナインになる君に、私の戦いを生で見せてあげようって訳さ」
「マウントールさんの戦いを生で!?」
「さん付けはいらないよ。私をさん付けで呼ぶベストナインのメンバーはいないから」
「あ、ああ…そうなんだな、マウントール」
「やっぱり順応が早いね。では行こうか」
魔族の集落は、人間の村があった場所に作られていた。元の村は相当大きな部類だったらしく、広さもかなりのものだ。生息している魔族の数は、1000を優に超えるだろう。普段魔族の群れが10~30匹程度のパーティで行動していることを考えれば、どれだけ多くの魔族がいるのか分かる。
「さて、君たちは一切手出しをしなくて構わないよ。私一人で十分だから」
そう言ってマウントールは、自分の武器である双剣を腰から抜いた。
「おお、これが噂に聞くマウントールの双剣か…」
カセロジャの口から言葉が漏れた。マウントールの双剣「オーディナルスケール」と「アリシゼーション」は一般的な双剣よりも一回り大きく、彼の服装と同じ黒の刀身をしていた。
「では最初に敵をおびき寄せるとしようか。『ファイアボール』」
「おいおい、マジか…」
マウントールの出した「ファイアボール」は規格外の大きさをしていた。普通の「ファイアボール」の大きさがバレーボール程度なのに対して、彼の場合は人間程の大きさがあった。
マウントールはその大きな火の玉を、魔族の集落に投げつける。大きな音を立てて火柱が上がり、驚いた魔族が一斉に目の前に現われた。
「もう一度言うけど、カセロジャは何もしなくて良いから」
その言葉がカセロジャの耳に届いた時にはもう、マウントールの姿は先程までの場所には無かった。驚いて彼の姿を探そうとする間に、目の前の魔族は全て斬殺されていた。
「えっ、ええっ!?早…」
「おおい!!私はここだ!『ファイアボール』!」
声がする方向に顔を向けると、マウントールが村の高台の上に立っていた。彼は魔族を挑発しながら「ファイアボール」を連発する。
あちこちで火柱が上がり、魔族が次々と出てくる。中には戦闘態勢を済ませた様子の者もいる。戦いなれた個体なのだろう。マウントールは高台から飛び降りると、素早い動きで魔族を次々に斬首していく。反撃を受けることは一切無かった。魔族の放つ魔法は全て
「す、すげぇ…」
カセロジャは唖然としていた。戦闘開始から5分も経たない間に、200を超える魔族が殺されている。中には魔人もたくさん含まれていたが、マウントールにとって魔族か魔人かの違いなど、利き手の違い程度でしか無いらしい。
不意にカセロジャは殺気を感じた。数匹の魔人がカセロジャ達に奇襲を仕掛けてきたのだ。向こうも馬鹿じゃ無いらしい。マウントール以外の人間の姿を確認し、戦闘要員では無いと判断して奇襲してきたのだ。最も、その判断自体が間違いだったのだが。
「あぁ、やはり一人じゃ無理だったか?」
カセロジャは心の中で呟き、奇襲部隊に立ち向かう。ズブッと音を立てて己の人差し指を魔人の頭に突き立てた。そして次の相手へ…、と思ったときにはもう奇襲部隊は全滅していた。
「手出しは必要ないって言っただろう」
「なっ…」
マウントールがいつの間にか
「一応、君の獲物は
マウントールはそう言って姿を消した。次の獲物に向かっていたのだ。
カセロジャは、ベストナインのメンバーが誰一人その場から動いていなかったことに気付く。彼らには、マウントールが「手出しをしなくて良い」と言ったからには本当に手出しをする必要が無いことが分かっていたのだ。
数分後、マウントールの戦いが終わった。新手が出てくる気配も無い。
「全滅…じゃないよな?」
カセロジャがつぶやく。ここが魔族の集落である以上、隠れて脅威が去るのを待っている個体もいるだろう。
「全滅させる必要は無い。アイツはお前に自分の戦いを見せたかっただけなんだからな」
「C’est vrai.」
アシバロンの言葉に応えるように、マウントールがカセロジャの目の前に降り立った。
「フランス語だったから分からなかったかな?『その通り』と言ったんだ」
「は、はぁ…」
カセロジャは言葉が出なかった。瞬殺。この言葉がこれほど
「どうだったかな?私の戦いは」
「いやぁ、何て言うか…スゴいっスね…、ソレしか言葉が見つからないって言いますか…」
「敬語はいいって」
「ああ、そうだった。スマン」
「順応が早いね。とりあえず…」
マウントールがカセロジャに右手を差し出す。
「Je suis content de te rencontrer.」
「ええと…」
カセロジャにはフランス語が分からなかったが、とりあえず握手の意図は伝わったので、自分も右手を出して握手を交わした。
「フランス語だったから分からなかったかな?『これからもよろしくね』って言ったんだ。正確には『初めまして、よろしく』って意味だけどね」
「へ、へぇ…」
彼には敵わないな、と感じるカセロジャだった。
Q.マウントールの双剣の名前について話が…
A.
ノ从从从从ヽ
(⌒/゙゙゙゙゙゙\⌒)
ノイ _ _|ヽ
彡|ヽ・〉〈・ノ|ミ
彡| ▼ |ミ
彡ヽ _人_ / ミ
`/ヾヽ `⌒′/ ツ\
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お前それジョジョのスタンドの名前にも同じ事言えんの?
コレガ…「原作リスペクト」…ダ!!
ツイデニ、「チートスアンアン」ガ商業作品ニ到達スルコトモ決シテナイ!コレハ「レクイエム」トハ全ク関係ナイ。