異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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 皆さんにお知らせがあります。土曜日に私はワクチンの二回目を接種します。なので、土~月は更新が行われないものだと思っていて下さい。
 以前もお話ししましたが、一回目のワクチン接種の副作用で37.5度の熱が出て、ダウンしていた私です。一回目で副作用が出る人は(少なくとも私の周りでは)あまりいないみたいで、二回目は更にひどい副作用が出るそうです。
 仮に私が死んだ場合、今後の更新は行われません。このアカウントのことは他人には知らせていないので、お知らせも行われません。
 もし更新が行われなくなった場合は、「アイツ死にやがったかw『チートスレイヤー』なんてクソ作品の二次創作なんて書いてるからこうなるんだwざまぁねぇわw」とでも思っていて下さい。


第五章 外道死すべし その7 「ベストナインとは」

 カセロジャ=クテンハーモンのベストナイン任命式は順調に進み、終盤へと差し掛かった。

 

「さて、それじゃあカセロジャの序列を決めようか」

 

「えっ?」

 

マウントールの発言にカセロジャが驚きの声を上げる。

 

「どうかしたかな?」

 

「いや、今この場に『決めつけ講談師』と『ロリロリポップキャンディ』がいない状態で俺の序列なんて決めていいんか、と思って…」

 

「ああ、それなら気にすることはないよ」

 

マウントールは笑って答えた。

 

「君は既にギットスと同程度の強さを持っていることが判明している。だから君の序列は6、もしくは空席の5になることが決まっているのさ」

 

「そうだったのか」

 

カセロジャが納得する。

 

「そうだ。いい機会だから、どうしてベストナインに序列が存在するのかも説明しておくか」

 

 そう言ってマウントールは語り出した。

 

「そもそもベストナインは、『神の反逆者』ギルドの最高幹部という位置付けだ。だからベストナインのメンバーは序列に関わらず、ギルド内での立場は同じだ。序列2だから序列9より偉いとかでは無いんだよ。まぁ例外として、序列1の私はギルドの最高位に立つ人間だから、他のベストナインよりも偉い立場にいることになるんだけどね」

 

「なるほど」

 

カセロジャもこのことは知っていたが、ここは頷いておく。

 

「君に『敬語は必要ない』と言ったのもこのためさ。なら何故ベストナインに序列が存在するのか。それはね、ベストナインになった後も研鑽(けんさん)を積むことを忘れて欲しくないからだよ」

 

「なるほど」

 

このことはカセロジャも知らなかった。

 

「困るんだよ。『ベストナインである自分は誰よりも偉いんだ』って考えて強くなることを放棄する人がいるとね。そうじゃない。ベストナインだからこそ、誰よりも強くなくてはいけない。序列があると、皆が研鑽を積むことを忘れなくなる。序列の低い者は更に上の序列を目指す、序列の高い者は低い者に追い越されぬよう努力する。そういう構図が出来上がるんだ」

 

 実際には、彼の言う構図が成り立っていたのは序列4以下においてのことで、序列1から3は既に定着してしまっていた。理由はマウントール、アシバロン、アルミダの三人が桁外れに強く、追い越せる者がいないからだ。アシバロンがアルミダよりも序列が上なのは、彼がこの世界の建築技術の発展に貢献していることが評価されているからである。アルミダとしては不満でしかないが、彼女に何か魔人討伐の他に自慢出来るような功績が無い以上、序列3を泣く泣く認める他無かったのである。

 閑話休題、こうしてカセロジャの序列決めが始まった。

 

「さて、カセロジャを6にしてギットスを5に繰り上げるか、それともカセロジャを空席の5に入れるか。カセロジャ、君はどっちがいいかな?」

 

「え?そりゃあまぁ、出来るなら序列が高い方が良いんだが…」

 

マウントールの質問にカセロジャが答えた。

 

「なるほど。ギットス、これは君の序列にも関わる問題だ。新入りの彼が空席の5に入ってもいいかな?それともやっぱり不満かな?」

 

「俺はどっちでもいいけど。そもそも序列って…そんなに重要か?」

 

「相変わらず、プライドのかけらも無い男だ」

 

ギットスの回答に対し、アシバロンが呆れたように言う。

 

「いいじゃないかアシバロン。ベストナインに相応しい力を持っているなら、ギットスがどう思おうと自由さ。それじゃあカセロジャの序列は5に決定だ。他の序列は変更無し、ということだね」

 

 満足そうに言うマウントールだったが、彼は次の言葉を今日一番の真剣な口調で口にした。

 

「それじゃあ、これが最後だ。カセロジャ=クテンハーモン。君はベストナインとして、ギルドの、いや世界中の人間の憧れの存在として、自身の強さを(もっ)て魔人討伐に(はげ)むことを(ちか)えるかな?」

 

「そりゃぁもち…」

 

「おっと、簡単に決めないでくれ」

 

カセロジャの言葉を彼は遮った。

 

「断っておくけどね、ベストナインはサークルじゃ無いんだ。お遊びの集まりじゃあ無いんだよ。ギルドのメンバーの誰が抜けようが、私としては構わない。だがベストナインはそうはいかない。ベストナインに一度入った以上は、抜けることは許されない。アルバイトじゃ無いんだからね。引退とか勇退とかも無い。スポーツ選手でも無いんだ。ベストナインは死ぬまでベストナインだ。『ベストナインを抜ける自由だけは存在しない』と言ってもいい。いいかい、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マウントールの真剣な口調を耳にし、カセロジャはゴクリと(つば)を飲む。

 

「どんな理由があろうと、だ。それでも君はベストナインとなることを誓うかい?」

 

 彼は決して威圧はしなかった。自身の放つプレッシャーに負けて相手に誓いをされては後々困るからだ。最後の選択は、あくまで相手の自由意志に任せた。

 カセロジャは息を大きく吸って、答えをハッキリと口にした。

 

「誓う。俺はベストナインの序列5、カセロジャ=クテンハーモンだ!」

 

「そうか。ではこれからよろしく頼むよ、カセロジャ=クテンハーモン」

 

 マウントールはニコリと笑って右手を差し出す。カセロジャも右手を差し出し、二人は握手を交わした。

 

「さて、それじゃあ任命式はこれで終了だね。それじゃあこの書類全てに目を通して、明日中に提出すること」

 

 マウントールはカセロジャに書類の束を手渡した。

 

「うげ、この世界でもこういうのあるのかよ…」

 

「何事も口約束だけじゃ成立しないのさ」

 

「はぁ。ええと、今ここで書けと?」

 

「ノンノン、自室で書いてくれて大丈夫だよ。ああそうだ、新しい部屋を紹介しなくてはね」

 

 マウントールは使用人を呼び、カセロジャを新しい自室へと案内するよう命じた。

 

 カセロジャが会議室を立ち去ったのを確認し、マウントールは深く息を吐いた。

 

「ふう。とりあえずこれで、新しいベストナインの誕生だな」

 

「そのようだな」

 

アシバロンがそう答えた以外は、誰も口を開かなかった。

 

「なんだい、誰も『お疲れ様』の一言もくれないのかい?これでも結構疲れるもんだよ?」

 

「あ、ああ、ごめんなさい。お疲れ様、マウントール」

 

 米沢が慌てて(ねぎら)いの言葉をかけたが、他の者は続こうともしない。

 

「ふん、この程度で疲れててどうする」

 

「ベストナインは強さが全て、なんでしょ?」

 

アシバロンとアルミダにいたっては、軽口を叩く始末だ。

 

「やれやれ。まあ、しょうが無いね。もう私に労いの言葉をくれるようなメンバーもいないわけだ」

 

 マウントールはそう言って、空席の序列7と8の椅子を見た。

 

「御手洗も結局ダメだったわけだな?」

 

アシバロンが尋ねる。

 

「そうだね。もう三日以上ギルド(ここ)に戻ってきていない。長くても二日以内には一度顔を見せるように伝えていたし、米沢も彼女を見失ったと言うから、捕まったと考えていいだろう。最悪、殺されているかもしれないね」

 

「知らん、そんなことは俺の管轄外だ」

 

「冷たいね、アシバロン。まぁ、もう仲間を心配するようなメンバーも残っていないわけだな」

 

 マウントールが再び息を吐いた。

 

「で、どうするつもりだ?」

 

 アシバロンがマウントールに尋ねる。

 

「もちろん、カセロジャには本当のことを伝えるよ」

 

「そういうことじゃない。二人の捜索をどうするのか、という話だ」

 

「え?正気かい?アシバロン」

 

マウントールが意外そうな声を上げる。

 

「勘弁してくれよ。これでようやく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだ。今日から新生ベストナインってことで心機一転、頑張る方向で良いんじゃないかな?」

 

「ふざけるな!」

 

 アシバロンの突然の怒号に対し、ギットス以外の全員が驚きの表情を浮かべる。

 

「…まさか、アシバロンがそんなに女性陣を大切に思っていたなんてね。それならアルミダのことを豚呼ばわりすることも止めたらどうだい?」

 

「そういうことじゃない。()()()()()()()()()()ということだ」

 

呆れた様子のマウントールに対し、アシバロンは真剣な態度を崩さない。

 

「お前は立花亭や御手洗のことを、勝手に辞めたアルバイトか何かだと思っているのか?『ベストナインはアルバイトじゃ無い』と先程言ったのは、お前だろうが」

 

「アシバロン…」

 

「二人の現状も分からないままで、世間にどう伝えるつもりだ?死んだと報道するのか?その後アイツらが出てきたらどうするんだ。行方不明扱いか?短期間ならそれで誤魔化せるかもしれないが、お前のことだ。そのまま()()()()()()()終わらせるつもりだろう。世間はそれじゃあ納得しない。ベストナインは世界中から尊敬される存在なんだろう?メンバー二人の消息も明らかに出来ない組織のどこに威厳があると言うんだ!」

 

アシバロンの言葉をマウントールは真剣に聞いていた。やがて彼は姿勢を正して、真剣な口調でアシバロンに答えた。

 

「そうだな。私が間違っていたよ。立花亭と御手洗の二人が消息不明なままでは世間に申し訳が立たない。すまなかった、アシバロン」

 

「何てことは無い」

 

マウントールの真剣な謝罪を聞き、アシバロンの口調もいつもの調子に戻った。

 

「君には頭が上がらない。私が間違った道を行こうとしたときにはいつも君が正してくれる。私が死んだら、ギルドのトップは君だな」

 

「下らん。有りもしない例え話をしてる暇があるなら、作戦でも考えていろ」

 

「…僕が探すよ」

 

 唐突に口を開いたのは米沢だった。

 

「前にも同じような発言を聞いたな。そもそもお前は今まで散々探して成果が無い状態だろうが」

 

呆れるアシバロンに対し、米沢は真剣な口調で言葉を返す。

 

「だから、()()()()()()()()()()()()()()。今までの、通常業務をしながらの捜索じゃ無くてね。だからマウントール、しばらく僕に魔人討伐業務の休止を許可して欲しいんだ」

 

米沢の要請に対して、マウントールが答えた。

 

「よし、許可しよう。その代わり、どんな情報でも良いから持ち帰るんだぞ」

 

「ありがとう、マウントール」

 

 米沢がそう言うと、彼の体は黒い虫の大群へと姿を変え、方々に散っていった。




 ベストナインの序列について、少し裏設定をお伝えします。
 ベストナインのメンバーが自らの序列を上げるには二つの方法があります

1、下の序列のメンバーの実力及び功績が上の序列のメンバーより確かに上であると、マウントールから認められる。

2、上の序列のメンバーの合意の上で決闘を行い、下の序列のメンバーが勝てば序列が入れ替わる。上の序列のメンバーが勝てばそのまま。

 2の方法を取る場合、まずマウントールにその要望を申告する必要があります。その上で彼の立ち会いの下で決闘が行われます。この時だけは、メンバー同士の傷つけあいが許可されますが、相手を殺すのは厳禁です。
 この物語の初期メンバーの中で、序列入れ替えの決闘が行われたのは一回だけです。序列5のスパノ=ヤナティンが序列4の米沢反死(よねざわはんし)に決闘を申し込みました。この際、米沢は珍しく激怒し、()()()()()()()()()()()()()()()()
 なお、序列9のルイ=ジュクシスキーも何度か序列入れ替えを申請しましたが、彼を嫌っているマウントールは認めませんでした。やがてルイは「ベストナインでいれるならばそれで良い」と考えるようになり、行動を起こさなくなりました。こうしたマウントールの冷たい態度がルイの蛮行のを苛烈な物にさせたのではないか、とアシバロンや御手洗は考えているようです。





 それでは皆さん、百年後(ひゃくねんご)まで御機嫌(ごきげん)よう
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