異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
実は物語でキャラクターに関する新しい事実が発覚する度に、登場人物紹介の内容を更新しております。
というわけで皆さんにお知らせがあります。この後物語が進むにつれ、死ぬキャラクターも出てきますが、これ以降登場人物紹介のコーナーで「○○に殺された」「○○が原因で死んだ」と記載することは止めておきます。
理由としては、この物語を知って間もない人が「どのキャラクターが死ぬのかのネタバレ」を食らってしまうことを避けるためです。話数別UA数(閲覧数みたいなモノ)を見て貰えれば分かると思うのですが、「特別企画その1 登場人物紹介」に当たる27話のUA数がダントツで高いです。これは当作品を知って間もない人で、まず先にここから目を通している人が結構多いことも原因の一つだと考えられます。
このことについては全然構わないのですが、そういう人達に「キャラクターの死」という最大級のネタバレを浴びせるのはマズいだろう、と考えた訳です。
一応、「特別企画その1 登場人物紹介」は第三章終了後の企画だったので、それまでに死んでしまったキャラクターについては記載しているのですが、第五章(第四章で死んだキャラは0人)以降は記載しないよ、ということです。
「キャラクターの死」以外に関する内容は今後も追記して参ります(そのための登場人物紹介のコーナーですし)ので、よろしくお願いいたします。
魔人討伐担当は午前中に地下室から「ワープゲート」を使って出発する。日中の監視役は朝食後、前の晩からの監視役と任務を交代する。夜の監視役は交代後就寝する(朝食を摂るかはその人次第)。休日に当たっている人は、一日を拠点内で休む。リンは家事を行いながらメルクリオの看病をする。
テンスレメンバーの一日の動きについて、米沢は虫の監視を通して把握していた。
その日の魔人討伐担当はケイル、ラーシャ、ジモーの三人で、日中の監視役はリュートとバニーラの担当だった。前の晩から監視役をしていたのは魔女とポセイドラ。残りのゴーギャンはその日が休日に当たっていた。米沢が狙っていた「ケイルが魔人討伐に行き、魔女が夜勤明けの日」が来たのだ。
彼は虫を通して慎重にタイミングを見計らう。朝食後、リュートとバニーラが魔女とポセイドラの二人と監視役を交代する。監視役から解放された二人は軽く食事を摂ってから寝るらしい。
二人の食事中にケイル、ラーシャ、ジモーの三人が地下室へ向かった。地下室の中は殺虫剤のカーテンが邪魔をして監視できないが、時間が経っても戻ってこないことから三人が魔人討伐に出かけたのは間違いないだろう。
ゴーギャンは休日中、拠点内で筋トレを行っていた。
食事を終えた魔女とポセイドラが二階へ上がる。二階には部屋が四つある。監禁部屋、物置、危険を感じる部屋、そして最後の一つが夜間の監視役が睡眠をする部屋である。普段就寝に使う部屋は男部屋、女部屋共に一階に有る。夜間の監視役が二階の部屋で就寝するのは、日中立花亭と御手洗に何か異常があった場合に対応出来るようにするためらしい。「ご苦労なことだ」と米沢は鼻で笑った。
この就寝部屋は物置の隣にある。物置は人の出入りが少ないので、虫の絶好の隠れ場になっていた。二部屋の間には既に、虫の通り道が開かれていた。一匹の虫が就寝部屋の様子を探る。魔女とポセイドラは寝床に入るとすぐ眠りについてしまった。時間が経っても起きる気配は無い。虫は二人の顔に近寄り、完全に寝入ったことを確認する。
現時点で拠点内には九人。監禁部屋にリュート、バニーラ、立花亭、御手洗の四人。魔女とポセイドラは就寝中。リンは一階でメルクリオの看病をしている。ゴーギャンも一階で筋トレ中だ。
危険人物の一人であるケイルは今、拠点内にいない。
「チャンスだ…これがチャンスだ!」
米沢はすぐさま行動に移った。拠点内に十数匹の虫を送り込み、その内の八匹を魔女とポセイドラが就寝中の部屋に侵入させた。寝込みを襲うつもりは無い。彼は膨大な魔力を持つ魔女に最大限の警戒を払っていたからだ。八匹の虫は部屋の
「魔女が拠点内から出ることが無いっていうのは面倒だったが、それならば部屋に封じ込めてしまえば良い!『エンペラーマジックキャンセル・バグズゾーン』!!」
米沢が魔法を唱えた。
「ブオンッ!!」という音が拠点内に鳴り響く。中にいた全員が異変を察知した。
「どうした?」
「何が起こった!?」
就寝中の魔女とポセイドラが飛び起きる。辺りを見回すと、自分たちが黄色に光り輝く壁に囲まれていることに気付いた。
「これは…?」
「やられたよ、ポセイドラ…。これは
魔女が悔しそうに声を上げる。
「結界魔法だと!?一体いつの間に…」
「どうやら私達は大分前から敵の侵入を許してしまっていたらしい。結界の角をよく見てみろ」
光っているせいで見にくいが、どうやら部屋の角にいる虫が結界を張っているらしい。
「虫ごときの結界など!」
ポセイドラは刀を手に取る。
「『エンチャントウォーター』!!」
得意の水流剣で虫に斬りかかるポセイドラ。すると、彼の刀を覆っていた水が消えてしまった。
「何!?」
「止めとけ、ポセイドラ。この結界は私を
「お前の魔法でどうにかならないのか?」
「ならないことは無いだろう。だがこの結界を破壊できるほどの魔法を放てば、拠点が吹き飛ぶだろうな」
「おい、どういうことなんだ!?どうして虫ごときが、そこまで強力な結界を張れるんだ!?」
「落ち着けポセイドラ。こういう時こそ落ち着くことが大切だ」
一瞬腹を立てたポセイドラだが、相手の顔にも冷や汗が流れていることに気が付いた。落ち着き払っているように見える魔女だが、内心は穏やかで無いことが
「それでいい。で、何故虫がここまで強力な結界を張れるのかと言う質問だが、恐らく本体が近くにいるからだろう」
「
「そうだ。恐らくこの屋敷には他にも虫がいるハズだ。その虫が中継役になり、本体から結界役の虫へと魔力が供給されているのだ」
魔女の予測は当たっていた。実際に米沢本体から結界役の虫の間には、間隔を開けすぎない程度に他の虫がいた。この虫が電化製品のコードと同じような役割を果たし、本体から結界へと魔力を流していたのだ。
「ならばリュート達がその虫を殺してくれれば…」
「無理だな。米沢が近くにいる以上、虫の補充など
「外の状況は分からないのか?」
「私から発せられる魔力が結界で遮られているせいで、『
少し言い
「『
「何だとっ!」
「幸い、ヤツの心は半分死んだような状態だ。ヤツが自身の力を使おうとしなければ、解除に気付かれる事も無いが…」
魔女の顔からは冷や汗がまだ流れていた。
一方、監禁部屋にいた四人にも何か異変が起こったことが伝わった。
「はわわ…、今の音は何でしょうか!?リュートさん!?」
「分からない…!とりあえずこの場から離れるのは危険だ!もう少し様子を見よう」
そう提案したリュートだったが、異常事態であることが明白な状態で何もせずに黙っていることは流石に出来なかったらしい。数分経たずにバニーラにこう告げた。
「俺は外の様子を見てくる!バニーラは二人を見張って…」
その時、監禁部屋の扉が勢いよく開かれ、ゴーギャンが飛び出してきた。
「何かあったのか!?」
「ゴーギャンさん!無事でしたか!?」
「ああ。リンとメルクリオも無事だ。監禁部屋で何かあったのかと思ったのだが…」
「こっちも特に異常はありません。どういうことでしょう?」
「分からん…」
悩んでいる二人にバニーラが声をかける。
「あのう…、さっきの音はこの部屋の近くで聞こえた気が…」
「だとしたら、魔女とポセイドラがいる寝室か?」
「俺が行きます!」
そう言ってリュートは部屋を飛び出し、寝室の扉を開いた。
扉の先は黄色い壁に覆われており、リュートは戸惑いの声を上げる。
「な…何だよ、コレ!?」
すると壁の向こうからポセイドラの声が聞こえた。
「おい!今扉を開けたヤツ!誰だ!?」
「俺です、ポセイドラさん!リュートです!!無事ですか!?」
「リュートか!こちらは無事…と言って良いのか?」
すると魔女の声も壁の向こうから聞こえてきた。
「私達は無事だよ!だがこの部屋全体が結界魔法で囲まれてしまって脱出不可能よッ!」
「結界魔法?何をしたんだ、魔女!?」
「私じゃ無い!
その時、タイミングを見計らったかのように外から声が聞こえた。
「リュート!ゴーギャン!バニーラ!中にいるのは分かっている!大人しく外に出てこい!!」
「…どうやらお呼びのようだぞ、リュート」
「そんな!どうすればこの結界を!?」
「私達のことは心配するな。お前達は米沢の相手をしに行くんだ」
「でも…」
「魔女がそう言ってるんだ。それにお前が米沢を倒せば結界も消える。俺達に構わず行け!!」
ポセイドラの声を聞いて、リュートは覚悟を決めた。
「分かりました!行ってきます!!」
そう言って彼は監禁部屋の扉を開ける。
「ゴーギャンさん、犯人は
「分かった、行こう!」
「は、はい!」
しかしリュートはバニーラを制して言った。
「全員がここを離れるわけにはいかない。バニーラは立花亭と御手洗を見ていてくれ」
「で、でも…」
「俺達なら大丈夫だ。信じて待っていてくれ」
戸惑うバニーラだったが、リュートの強い眼差しを見て、自身のやるべきことを理解した。
「分かりました!ここは任せて下さいっ!!」
「頼んだぞ、バニーラ」
「はい、二人ともお気を付けて…!」
バニーラの声を背に受け、リュートとゴーギャンは一階へと向かう。下ではリンが心配そうな顔で二人を出迎えた。
「リュート君!ゴーギャンさん!」
「私達のことは心配するな。外で米沢が待っている。メルクリオのことを頼むぞ!」
「…はい、お気を付けて!」
ゴーギャンの言葉を聞いたリンは一切の戸惑いを見せなかった。彼女も彼女なりの覚悟を決めていたのだ。
屋敷の扉を開く二人。目の前に続く広場に敵はいた。
「随分待たせてくれたね…」
「
リュートとゴーギャンを待ち構えていたのは、
次回、ようやく戦闘に入ります。お待たせして申し訳ありませんでした。